http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/484.html
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「ロシア軍Su24M撃墜をめぐる虚実と目的〜その1〜:“露土衝突”ではなく「露土共謀軍用機撃墜」の経緯と行方」
http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/483.html
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トルコのエルドアン大統領は、明日からパリで始まるCOP21の会合で会談するようプーチン大統領に申し入れを行っている。(今のところ、謝罪がないことから、会談を受け入れるかどうか未定)
トルコ側は、領空侵犯機がロシア軍機であるかどうかわからなかったとも釈明しているが、ロシア側は、識別信号発信しており、そんなことはないと主張している。(ロシアRTRは、撃墜されたSu24が基地発進後10分にトルコ軍と交信したことを報じている)
今現在は、お互いを非難したり、経済制裁や人的交流を制限する措置を持ち出したりしている状態だが、どこかの誰かが仲裁することを含め、COP21で両首脳がどういう動きに出るか要注目である。
■ Su24撃墜を「露土合作」と判断した根拠
現段階では、トルコ政府は撃墜されたロシア軍Su24はトルコの領空を侵犯したと主張し、ロシア政府は領空侵犯の事実がないのにSu24を撃墜したと主張している。
「露土共謀」(合作)と決めつけながら、Su24による領空侵犯の事実を検証するというのもおかしな話だが、世界各地で様々なかたちで行われている「偽テロ」や「インチキ事件」を見抜く力を身につけることにもつながるので無駄にはならないだろう。
Su24による領空侵犯があったとする。
しかしそれは、トルコ政府自身が示したSu24の飛行経路に拠っても、トルコ側からシリアに向けて半島のように突き出している幅が3.2Kmしかないトルコの領空を横切ったというものである。
空爆任務が終わり身軽になったSu24なら、秒速約470m、音速の1.4倍ほどで飛ぶため7秒ほどのごく短い領空侵犯である。
トルコ軍がSu24の領空侵犯を確認してアクションを起こそうとしたときにはすでに、Su24は領空から出てしまっているくらいの時間軸である。
Su24はシリア領空で撃墜されたというロシアの主張にトルコが反論していないことから、トルコ空軍機F16がミサイルを発射した時点で、Su24は既に領空外=シリア領空を飛行していたと言える。
(Su24が領空に進入する前に攻撃を決断しない限り、その時間軸から、Su24をトルコ領空内で撃墜することはできない)
※ [参考]トルコが示したSu24の飛行ルートと領空侵犯
次に示すビデオの55秒あたりから表示されているマップの半島のような出っ張りをロシア軍機が領空侵犯したというのがトルコ政府の主張:半島のような空域の幅はおよそ2マイル(約3.2Km)
「ロシア軍機撃墜、対「イスラム国」に亀裂」(TBS)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2644181.html
一方、ロシア政府も撃墜されたSu24の飛行ルートをマップで示した。
使われている国境線のかたちはほぼ同じだが、撃墜されたSu24は、半島のように突き出した国境線に沿うように進路(方位)を変えて飛行し、トルコ領空には進入していないと主張している。
● “領空侵犯”をめぐるトルコとロシアの奇妙な駆け引き
Su24の領空侵犯については、それぞれがマップで飛行経路を公表しているが、あくまで自己主張であり参考資料のレベルを超えない。
いずれにしろ当事者の一方だけで構成されたものは参考資料でしかないのだが、トルコ政府はSu24の領空侵犯を主張していながら、なぜかわざわざ半端な“証拠”を出すだけで、かたちだけでも明確と言える“証拠”を出していない。
領空侵犯の事実はないと主張するロシア軍も、飛行マップ以外、撃墜機搭乗員の生き残りとされる爆撃手の奇妙な“証言”で済ましている。
幸か不幸か、トルコ軍の呼びかけにSu24から応答はなかったとされている事件だから、トルコが公表した警告メッセージにはロシア側の音声がなく、トルコ軍の音声のみで構成されている。
そのような録音内容を公表しても“証拠”となる余地はないが、Su24が領空侵犯した“証拠”とされる音声には、肝心の撃墜されたSu24が領空侵犯を行った事実を示す内容が含まれていない。
トルコ軍は、ディヤルバクルにある軍の拠点から、英語で「こちらトルコ空軍」と名乗ったうえで、「トルコの領空に近づいている。直ちに南へ進路を変更せよ」と5分間に10回の警告を行ったと説明したが、それが本当だとしても、「トルコの領空に近づいている」というレベルの警告であって、“トルコの領空に入っている”という警告ではない。
警告音声の録音はいかようにもつくることができるはずなのに、トルコは、ロシア軍機が領空侵犯したという“証拠”にまったくならない音声を公表している。
最後の1回、10回目の警告だけでも、「領空を侵犯した」と発信していれば体裁が整うのだが、公表した内容ではロシアに対するトルコ政府の気遣いを示す“証拠”になるだけである。
また、未だ領空侵犯に至っておらず、ともに母国語が英語ではないもの同士が交信しようとしているのに、聞き取りにくくなってしまうあのような緊迫感を伴った早口で話しているのも近代化された軍の対応としては不自然である。
決定的な疑念は、トルコ軍の基地がSu24に警告を発しており、F16搭乗員がSu24に警告を発したわけではないことに由来する。
撃墜に至る経緯がそのようなものなら、F16の空対空ミサイル発射は、F16搭乗員の判断に委ねられていたわけではなく、最低レベルでもSu24の反応を踏まえた基地上官の判断に依拠していたはずである。(ロシア軍相手のことだから間違いなく大統領決裁だが)
領空侵犯を理由に撃墜に至った正当性を示すため、トルコは、Su24に対する攻撃を認めた部分を含む、基地とF16搭乗員のあいだの交信記録を公表しなければならない。
トルコのエルドアン大統領は、「回避するためにわれわれが最善を尽くしたことを誰も疑うべきではない。だが、トルコが自国の国境を守る権利を皆が尊重すべきだ」と演説したが、トルコ自身が公表している撃墜経緯をそのまま信じても、「回避するためにわれわれが最善を尽くした」とは言えない。
一方、ロシア軍も、撃墜されたSu24から生還した爆撃手の会見を公表している。墜落したSu24の搭乗員は二人とも生きていると思っているが、ここでは領空を侵犯していないとする“証言”について疑問を提示する。
爆撃手は、勲章も授与され“英雄”になっているが、基地帰還の翌日に行ったロシアメディア向け会見では顔を出さず背中だけを見せるにとどまった。
彼は会見で、「1秒たりとも侵犯していない。視界は良好で、国境はどこで、自分たちはどこにいるのか、よく分かっていた」と語っている。
Su24Mは70年に初飛行した戦闘爆撃機だが、位置情報で現在の飛行地点と進路方位を確認し、現在の方位で飛行を続けると一定時間の経過でトルコ領空に進入するような場合に、警告音が発せられる程度の装備は追加されていると思っていた。
(民間旅客機でさえ、30年ほど前から、乗客も確認できるフライト情報が提供されている)
似たような地形が続いている山岳地帯で、シリアでの活動は最長でも2ヶ月弱というパイロットが、目視で“見えない”国境線を確認し、現在位置がシリア領空かトルコ領空かを見極めるのは難しい。
しかも、生き残ったのは爆撃手で爆撃任務も完了していた。パイロットではない爆撃手が、任務を完了していた状況で国境や領空を意識していたとは思えない。
申し訳ないが、任務を終えた爆撃手が領空は侵犯していないと証言しても、あなたがそう信じているだけだと反論されてしまうだろう。
(ロシアが公表したSu24の飛行経路は国境線に沿うラインになっているが、Su24に位置情報を確認できる計器が装備されていなければ、あのように国境線に沿ってきれいに飛行することはできないだろう)
このように、トルコもロシアも、領空侵犯という事実に関して曖昧な態度しか見せていない。
※ [参考]生き残り爆撃手の後ろ姿や発言内容:トルコ軍の警告音声記録内容
「ロシア「領空侵犯していない」 外相会談拒否」(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151126/k10010319701000.html
なお、トルコは、12年に起きたとされるシリアによる領空侵犯トルコ軍戦闘機撃墜事件を機に、シリア領空に5マイルも食い込んだ“防空識別圏”を設定している。
交戦規則も改訂し、トルコ空軍はトルコ国境から5マイル以内に入るあらゆる標的を敵と見なししかるべく行動すると定めている。
この規定に照らせば、ロシア側が示した飛行ルートでもSu24は“領空侵犯”していることになるが、トルコ政府はそれにはまったく言及していない。
※[参考]“領空拡張”に関するトルコ語の説明サイト
http://www.aa.com.tr/tr/dunya/guvenli-bolgenin-cercevesi-netlesiyor/110451
マップのみ表示
http://www.aa.com.tr/uploads/Contents/2014/10/16/thumbs_b_c_628381dbed82ca43a012d7c43d9f6113.jpg
● Su24墜落映像の存在
撃墜されたSu24にごく短い領空侵犯があったとしても、エルドアン政権が一方的にロシア軍用機を撃墜するような愚かなことをするはずないと思ってはいたが、撃墜劇が共謀で創られたものと判断した第1の根拠は、日本のTV局も頻繁に放送している墜落映像であった。
撃墜報道直後に投稿した「トルコの戦闘機が軍用機を撃墜 ロシア機か:ロシア国防省、爆撃機撃墜を公表:墜落過程映像も存在」( http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/452.html )で、「※なぜか撮影されている墜落状況映像」と書いた。
昨年7月にウクライナ上空で撃墜されたMH17便に関しても言えることだが、すぐに墜落するほどではない機体の不調を抱えた航空機ならともかく、ミサイルで攻撃された航空機の墜落経過をきれいに撮影するのは至難のワザである。
撃墜されたSu24は高度6000mで飛行中だったと言われているから、地上に激突するまで時間は40秒ほどしかない。地上にいる者が、攻撃に気づき急いでビデオカメラ(高性能HDで撮影)を探しても撮影は間に合わないだろう。
報じられているほどきれいに墜落映像を撮ろうとしたら、準備万端・用意周到が絶対条件である。
そして、準備万端・用意周到は、撃墜するトルコ側だけでなく、撃墜されるロシア側も必要である。
複数の撮影機材と撮影者を用意するとしても、撃墜されるSu24の飛行経路や飛行高度が予めわかっていなければ明瞭な映像を撮ることは難しい。
トルコ軍戦闘機が事前にある空域である時刻にロシア軍機を撃墜すると教えていても、露機が、カメラで撮影できる空域を、カメラを身構えているタイミングで飛行する保証はないからである。
偶然あのような墜落映像が撮れたとしたら神業に近い奇跡と言うほかなく、ロシア軍とトルコ軍が事前に細かな打ち合わせを行いシナリオ通りに撃墜されたと考えたほうが理に適っていると思う。
表題に「Su24撃墜の虚実」と書いたが、撃墜されたSu24の実際の飛行ルートは、トルコ側の主張ともロシア側の主張ともまるで違うものだったようだ。
28日(土曜)朝NHKBS1で放送されたロシア「RTRニュース」が、撃墜されたSu24の飛行ルートを詳細に説明した。
RTRで示された飛行ルートは、「墜落映像を撮ろうとしたら、準備万端・用意周到が絶対条件」の一部を満足するものだった。
以前からロシアサイド情報として、一部メディアが、Su24が領空を侵犯したのは2回で時間は合わせて17秒間と報道している。
阿修羅に投稿された「トルコはウソをついている(マスコミに載らない海外記事)」( http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/469.html )では、トルコは三つの理由でウソをついているのがわかると切り出され、「二つ目の理由は、SU-24が、17秒間トルコ領空にいたが、1.8キロしか進まなかったというトルコの主張は、SU-24が失速速度で飛行していたことを意味するからだ! あらゆる欧米マスコミは、余りに無能で、簡単な計算もできないのだ!」と説明されている。
17秒という領空侵犯時間は同じでも、それが、幅約3.2Kmの領空を2回横切った合計時間であれば、3.2Kmを8.5秒(時速1350Km超)で飛行したことになり、失速というものではない。
RTRニュースによると、撃墜されたSu24は次のような飛行を経た後に撃墜された。
(時刻はモスクワ時間:トルコとシリアは1時間遅れなので−1時間の時刻)
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[撃墜されたSu24の飛行経路]
※ 今朝ようやく気がついたが、「トルコの戦闘機が軍用機を撃墜 ロシア機か:ロシア国防省、爆撃機撃墜を公表:墜落過程映像も存在」( http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/452.html )で示したミラー紙のオンラインサイトに転載されているCNNのツイッターが、RTRが報じた飛行経路とほとんど同じ飛行経路を示している。
赤のラインが撃墜されたSu24の飛行経路。これを見ながら以降の説明を読むとわかりやすいと思う。
http://twitter.com/CNNTURK_ENG/status/669098577524822016/photo/1
09:42 撃墜された機を含むSu242機がラタキア郊外の航空基地を発進
ほぼ東に向かって飛行(撃墜されたSu24の乗員は機長メベシコフ氏と爆撃手ムラフチン氏)
09:52 トルコ空軍がこの2機のSu24を無線で確認
10:02 Su24がISの施設を空爆
その後、北西に進路を変え、
10:16 シリア側に突き出たトルコ領空の近くを東から西に通過
その後、大きくループを描くように旋回し、10:16のときとほぼ同じ進入コースで再びシリア側に突き出たトルコ領空近くを東から西に通過できる態勢をとる
10:22 トルコ国境から南に5Kmほど離れた地点の目標を空爆
その後、再びシリア側に突き出たトルコ領空近くを東から西に通過
10:24 1機のSu24がシリア領空で攻撃を受け墜落
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この飛行ルートをもって、「墜落映像を撮ろうとしたら、準備万端・用意周到が絶対条件」の一部を満足するものだというのは、トルコ空軍機や地上撮影クルーは、ロシア軍Su24に同じコースを事前に飛行してもらったことで、撃墜されるSu24がどこをどの方向にどれくらいの高さで飛ぶかがわかるからである。
流布されている墜落映像からわかるが、当時、係争地付近の天候は良く視界も良好である。
そのような条件下、ISの施設を一回で攻撃している搭乗員が、トルコ国境から南5Km離れた地点の目標空爆でやり直しを必要としたとは思えない。
(射撃手自体、「視界は良好で、国境はどこで、自分たちはどこにいるのか、よく分かっていた」と話している)
しかも、丁寧なことに、再攻撃に向けショートカットの飛行ルートはとらず、わざわざいったん遠ざかり、1度目の飛行経路をきれいになぞるように飛行し目標に向かっている。
推測だが、撃墜されたSu24は、このような飛行をすることで、空対空ミサイルを発射したとされるF16乗員や地上の撮影クルーにしっかり準備を整える機会を与えたと考える。
トルコ空軍F16が撃墜現場付近を飛行していることで、地上の撮影クルーはカメラを向ける目標を手に入れる。
トルコはSu24の飛行経路と称するマップを示したが、Su24は一度だけ領空を横切ったというもので、Su24がループを描く飛行を経てトルコ領空付近を再び通過しことを伏せている。
● 対戦車砲で破壊したとされるロシア軍大型ヘリコプター「Mi8」
Su24には操縦士と爆撃手が搭乗しており、両名とも脱出装置を作動してパラシュートで降下したが、反政府勢力及びロシア側の発表によると、パラシュート降下中に1名(操縦士)は地上から狙撃されて死んだとされている。
(死んだとされているのは、撃墜事件の衝撃を強めるためだけでなく、パラシュートで降下中の映像が流れており、それをどうみても訓練された兵士が生きた状態で降りているというようには見えないからではないかと疑っている)
また、Su24搭乗員の救助活動を行っていたヘリコプター「ミル8:Mi8」も攻撃され、海兵隊員1人が死亡したとされる。
(ポズイニチ氏29歳:故郷で丁重なる葬儀が行われたことが報じられた。出身小学校もポズイニチ小学校と改名されたそうである)
撃墜直後、トルコ政府は、Su24搭乗員は二人とも“保護”されていると語っていたが、それが事実だと思う。
たぶん、Su24の搭乗員は、ミサイル攻撃を受ける前に脱出装置を作動して機体から離れている。トルコ軍戦闘機F16は、搭乗員の脱出を確認した後に空対空ミサイルを発射したはずである。
Su24の爆撃手が12時間の捜索活動を経て救出されたという話はウソっぽい。
墜落現場は反政府=反ロシア武装勢力の勢力範囲だから、短時間で救出できなければ身柄は“敵”の手に落ちる。12時間もかけて救出活動ができるほどの余裕はない。
空爆よりも重要な救助活動だからこそ、ヘリコプターがやすやすと攻撃されてしまうような作戦は立てない。
救助活動が無理なくできるようシリア軍などの地上部隊に支援を求めるはずだが、それがムリだったとしても、地上攻撃機を派遣したり、30名ほど兵員が乗れる大型ヘリMi8に救助要員の他戦闘が可能な海兵隊などを乗せたりすることで、救助活動ができるだけスムーズに行えるようにする。
ヘリが無事に現地に到着したしても、ヘリを地上に降ろすか爆撃手の真上でホバリングしなければならないため、Mi8も戦闘要員を運ぶとしても、捜索救出作戦を始める前に地上攻撃機などで敵勢力を追い払ったり牽制したりする必要がある。ロシア軍がそのような作戦をとったという説明はどちら側からもない。
救助ヘリに関するおかしな点を具体的にあげると、
1)Mi81機が攻撃され緊急着陸したのに死亡したのは一人の海兵隊員だけで身柄を拘束された兵士がいるという情報もない。
ロシア軍は、ヘリコプターに乗っていた他の兵士はラタキア郊外の空軍基地にたどりつき、ロシア軍は爆撃機の乗員の救出作戦を続けていると説明したが、1機は破壊されているのだからおかしい。
2機のMi8で救出に向かったのだから、1機が飛行できなくなれば、救出作戦を中断するか追加のヘリを派遣しなければ不時着機に乗っていた兵員は基地に戻れないはずである。
救出する対象は最大でも二人だから、そのためのスペースを除くスペースには戦闘要員をぎりぎりまで乗せていたはずである。緊急事態だから、無理矢理詰め込むことくらいやるだろうが、きわどい対応であり、救出作戦は大きく遅れる。
2)武装勢力が対戦車砲(米国供与)で破壊したとする映像に映っているヘリコプターは救助のために派遣された大型ヘリMi8ではない。Mi8は1万機以上生産されたベストセラー大型ヘリコプターで、乗員以外に30名ほどの兵員を運べる。
Mi8の大きさは全長約18m・全幅約6m・全高約6mであり、対戦車砲で攻撃されたヘリは小さく、正面の形状も機体サイズもMi8とは異なる。
しかも、不時着というよりそのように置いた感じに見える。Mi8ではないと見破れにくくするため、機体の横ではなく、正面が見えるように置いたように思える。
不思議なのは、Mi8でるはずのヘリコプター破壊映像はロシア側も見ているはずなのに、ケチを付けていないことである。
※[参考]ミル8(Mi-8)の外見写真
http://image01w.seesaawiki.jp/n/2/namacha2/370f057c305c445f.jpg
※[参考]対戦車砲による露軍救助ヘリコプター破壊映像
「救出に向かったロシア軍ヘリも攻撃受け破壊」(NHK)
11月25日 11時12分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151125/k10010318681000.html
このような判断から、流布されている撃墜関連映像は、ロシア軍+トルコ軍+武装勢力の三者連合で創られたものと推測している。
墜落映像も、高度のときと地上近くでは落下(墜落)する物体が異なるように見える。軍事情報に詳しい人が解析すれば、いくつもの矛盾が出てくるだろう。
◎ 付記
「トルコの露軍機撃墜の背景(田中宇の国際ニュース解説)」
http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/467.html
田中宇さんについては、貴重な情報を紹介してくれ独自の観点からそれを分析していることで高く評価している
上記コラムの中で、田中氏は、「それよりもっと簡単な報復策を、すでにロシアは採り始めている。それは、これまで控えていた、トルコの仇敵であるシリアのクルド人への接近だ。露政府は最近、シリアのクルド組織(PYD、クルド民主統一党。クルド自治政府)に対し、モスクワに大使館的な連絡事務所を開設することを許した。シリアのクルド組織に対しては最近、米国も接近している。米軍は50人の特殊部隊を、PYDの軍事部門であるYPDに顧問団として派遣し、ISISとの戦いに助言(もしくはスパイ?)している。シリアのクルド人自治政府に発展していきそうなPYDに、すでに米国が接近しているのだから、ロシアが接近してもまったく問題ない。困るのはトルコだけだ」と書かれている。
しかし、ロシアがシリアのクルド勢力を厚遇することは、トルコにとって困ることではない。
トルコが困るのは、トルコ国内のクルド勢力(とりわけクルド労働者党PKK)への接近である。
米国は、03年のイラク侵攻でもクルド人勢力を利用したが、その後も、イラクに「分断と対立」をもたらすため、また、ISなどの暴虐を世界に見せるためにも、クルド人勢力を活用している。
イラクのクルド武装組織も、他に頼るべき相手がいないせいかもしれないが、何度か裏切られてきた米国にしっぽを振っている。それがいい将来をもたらすとは思えないが...。
トルコは、そういう米国の働きかけがイラクとシリアのクルド人勢力の連合につながることを危惧している。
そのような国境をまたいだ連合の成立は、トルコ国内のクルド人を「クルド人国家」独立に向けて刺激するからである。
逆に、ロシアのシリアクルド組織に対する厚遇は、トルコにとって好ましい状況である。
ロシアは“シリアの再統一”を要望している。その統一にはクルド人も含まれている。
それによって、シリアのクルド組織がシリア内に封じ込められ、クルド独立の動きにタガがはまることは、トルコにとって安堵が得られる良き事態だからである。
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