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テレビから「政権批判」が消える日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015122602000142.html
http://blog.livedoor.jp/votunez/archives/2069456.html
2015年12月26日 東京新聞 特報
報ステ、クロ現…相次ぎ介入
「圧力」で反対意見封じ
テレビ朝日系の報道番組「報道ステーション」のメーンキャスター古舘伊知郎さんが来年三月末で降板する。番組では、コメンテーターとして出演した元経済産業省官僚の古賀茂明さんが安倍政権を批判したところ、局幹部が自民党に呼びつけられ、事情聴取を受ける一幕があった。TBS系の報道番組「NEWS23」でも、安全保障関連法案の廃案を訴えたアンカーの岸井成格(しげただ)さんが、安倍晋三首相を支持する右派勢力から狙い撃ちされた。メディア支配を強める安倍政権と、自粛・萎縮する各局。テレビから「政権批判」が消える日も近い? (池田悌一、三沢典丈)
古舘さんは24日の記者会見で古賀さんの問題の影響を問われると、「全くない。ただ、番組の中でイザコザが起きたことは大変残念だった」と語った。
古賀さんは3月27日の放送中、テレ朝会長らの意向で「今日が最後(の出演)」と発言。 「官房長官をはじめ官邸の皆さんからバッシングを受けてきた」と続けたところ、古舘さんが「降ろされたというのは違う」と反論した。
当の菅義偉・官房長官は即座に「事実無根」と否定。自民党の情報通信戦略調査会が4月、テレ朝の専務を党本部に呼びつける騒動に発展した。
古賀さんは特報部の取材に、「私が1月の放送で『I am not ABE』と言った直後、官邸から番組に抗議のメールが来た。私の降板が正式に決まったのは、その1〜2週間後」と明かす。
古舘さんの降板との関連性はどうか。古賀さんは「官邸の意向を受けた局幹部が昨年末、古舘さんを含め番組全体に、政権批判や反原発を抑えるように圧力をかけたと聞く。古舘さんは降板発表の際、『不自由だった』と言ったが、あまりの窮屈さに嫌気がさしたのだろう」と推察する。
報道ステーションとともに、安倍シンパから目を付けられているのが「NEWS23」である。
アンカーの岸井さんは、安保法案の参院採決をめぐる与野党の攻防が佳境を迎えていた9月16日の放送で、「メディアとしても(安保法案の)廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」と踏み込んだ。
すると任意団体「放送法遵守を求める視聴者の会」が産経新聞の11月14日付朝刊と読売新聞の15日付朝刊に、「一方的な意見を断定的に視聴者に押し付けることは放送法に明らかに抵触する」と指弾する意見広告を掲載した。
同会の呼び掛け人には、右派論客が名を連ねる。事務局長で文芸評論家の小川栄太郎さんは、安倍政権発足直前の2012年9月、「約束の日 安倍晋三試論」を出版。小川さんは自らを「安倍さんの応援団」と認めた上で、「NEWS23は大半の時間を『安保法案に反対』の報道に使った上、岸井さんはアンカーの立場を逸脱した発言をした。テレビは多角的な観点で報じるべきだ」と主張した。
しかし、岸井さんと長年の親交がある経済評論家の佐高信さんは「言論人が意見広告をカネで買って、異論を封じ込めようとするのはおかしい」と牽制する。
「現政権は批判を受け入れて、より良い政治につなげるという視点に欠ける。批判は許さないという度量の狭さが、TV報道の窮屈さにつながっている」
実際、岸井さんをめぐっては、来年3月末の降板説が一部で報道された。TBS広報部は「番組の制作過程についてはお答えしていません」と否定も肯定もしない。
出演者降板、幹部は首相と会食も
自粛、萎縮 目立つ各局
「国民の代弁者たり得ない」
もう1つ忘れてはならないのが、NHKの報道番組・クローズアップ現代の去就である。
安倍政権との因縁は昨年7月の放送にさかのぼる。菅官房長官をスタジオに呼んだ際、キャスターの国谷裕子さんが「(集団的自衛権の行使容認という)憲法解釈変更の違和感をどう払拭するのか」と問うと、菅長官が「どの国でも一国で平和を守れる時代じゃない」と気色ばんだ。
同番組のヤラセ問題では、国谷さんが4月の放送で謝罪。その後、自民党の情報通信戦略調査会は、テレ朝の専務と同じ日にNHK副会長を事情聴取した。現在、国谷さんの降板説や放送時間変更説が飛び交う。NHK広報部は「来年4月の番組改定はまだ決まっていない。検討中だ」とコメントした。
テレビ界を見渡せば、安倍政権に批判的な人物は稀だ。ジャーナリストの青木理さんは、日本テレビ系の情報番組・ミヤネ屋で政権批判を口にしていたが、10月に降ろされた。
青木さんは、「10年前なら普通の体制や政権に対する批判が、あたかも極端な主張であるように受け取られている」と嘆く。
「以前はニュースステーション(報道ステーションの前身)に久米宏さん、ニュース23に筑紫哲也さんがいて、辛辣に政権を批判していた。それと比べれば古舘さん、岸井さんの論調は穏やか。こんな人まで標的にされるのかと驚く」
政治からメディアへの「圧力」は今も昔も存在するが、安倍政権のやり方は露骨だ。昨年の衆院選前、自民党は在京キー各局に「公平中立な報道」を求める文書を突き付けた。安保法案反対の声が高まると、6月の自民党若手議員の勉強会で「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい」との圧力発言が飛び出した。
放送業界の第三者機関・BPO(放送倫理・番組向上機構)は11月、クローズアップ現代のヤラセ問題を批判する一方で、自民党の圧力発言や、NHK、テレ朝への事情聴取を「政権党による圧力そのもの」と非難した。だが、安倍首相は「事実を曲げているか議論するのは至極当然だ。全く問題ない」と聴取を正当化し、反省する気などさらさらない。
BPOはテレビ局に対しても、「干渉や圧力に対する毅然とした態度を堅持できなければ、放送の自由も自律も浸食され、やがては失われる」と発奮を促した。ところが、TV局はむしろ安倍政権に取り入ることに熱心だ。2013年1月7日付から今月25日付までの本紙「首相の一日」で調べたところ、安倍首相と会食やゴルフを共にした回数は、フジテレビの日枝久会長が12回、日テレの大久保好男社長が4回、NHKの島田敏男・解説副委員長が5回などだった。
このままではTVから「政権批判が消えてしまわないか。
服部孝章・立教大名誉教授(メディア法)は、衆院選時の文書配布が「テレビ局が毅然とした態度を示すチャンスだった。一局ずつ呼び付けられて文書を渡されたのに、どこもその事実を報じなかった」と残念がる。「政権の顔色をうかがう『忖度ジャーナリズム』は、もはや国民の代弁者たり得ていない」
大石泰彦・青山学院大教授(メディア法)は、「今の政権には改憲という大目標がある。この高いハードルを越えるには、まず来年の参院選で勝たなければならない。そのために安倍政権は障害となるメディアを本気で殺しに来ていると見た方がいい。日テレとフジは手なずけたので、次の標的はNHK、テレ朝、TBSだ」と警鐘を鳴らす。
元NHKプロデューサーの永田浩三・武蔵大教授(メディア社会学)も行く末を心配する。「報道番組のキャスターは、フリーな立場で自分の意見を述べることが持ち味。そんなキャスターに政権批判を許さないのは異常なことだ。古舘さんの後任として局アナの名前が挙がっているが、果たして局の方針から外れたコメントができるのか。いずれテレビから政権批判が消えれば、日本はもう民主主義国家ではない」
【デスクメモ】 今年の特報部の通常紙面は今日が最後です。明日からは回顧などが続きます。振り返れば、この1年間、ジャーナリズムの危機を再三訴えました。そして最後の最後もメディアの問題です。来年は多分、もっと厳しい局面に立たされているのではないか。現場で奮闘する同業者にエールを送り続けます。(圭)
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