http://www.asyura2.com/15/senkyo193/msg/463.html
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主要メディアによる世論調査での安倍内閣支持率は、新安保法制のゴリ押し成立にもかかわらずそれほど低下していない。
主要メディアは、新安保法制については反対が多いという世論醸成を図った世論調査の結果を公表し、内閣支持率についてはそれほど支持率が下がっているわけではないという政治状況が見える世論調査の結果を公表したと思われる。
何度か投稿したが、米国支配層にせっつかれて成立を図った新安保法制は、そう表現する必要があるのかさえ微妙な自衛隊の武力行使内容を「集団的自衛権の行使」と大上段に表現することで米国支配層の要求を満たす一方、元法制局長官や亀井静香氏や古賀誠氏らの“政治的盟友”の言葉を広めることで新安保法制が違憲であるというプロパガンダを助長し、野党の反対活動のみならず国民的反対運動形成をサポートした。
それは、新安保法制が成立しても、その適用によって自衛隊を動かすことをできるだけ避けたいという安倍政権の思いの現れである。
たいした反対運動がないまま新安保法制が成立すれば、国民の多くも新安保法制的安全保障政策を支持しているという“誤解”を米国支配層に与え、なにかことが起きるたびに自衛隊の参戦を求めてくる。
安倍政権が新安保法制成立で見せたやり口は、米国支配層が求める「集団的自衛権の行使」は一部限定的に認める法制を成立させることで要望に応える一方、実際の発動はできるだけ避けるようにするという非親米・従米政治家(官僚)特有の「面従腹背」政策そのものである。
米国支配層が安倍首相に求めているもう一つの大きな課題が日朝国交正常化である。
米国支配層そのものがそうだが、安倍氏は、見かけ的には対北朝鮮強硬派のなかでもより激しく厳しい急先鋒と思われている。
しかし、実際のところ、北朝鮮支配層に足を向けて寝られないほど北朝鮮支配層に政治的負い目を持っている政治家である。
小泉首相以来の日米首脳会談の内容を確認すればわかるが、安倍首相以外の歴代首相は、「拉致問題」に関して米国大統領に協力を要請するかたちで話しているが、安倍首相だけは、自分が任期中に解決すると約束するかたちで話している。
「拉致問題」の解決は、国内向けには字義通りの意味で受け止められがちだが、国際的には日朝国交正常化を果たす約束を意味する。
日本国民の多くは北朝鮮の異様で異常な行動が進展を阻害していると考えているようだが、六ヶ国協議が停滞している最大の要因は、日朝国交正常化交渉が進展していないことにある。
日朝平壌宣言で日本が国交正常化と同時に提供すると約束している経済協力金(1兆5千億円とも言われている)が、北朝鮮のミサイル問題や核開発問題を解決する決め手だからである。
昨年12月の解散総選挙についても、建前は、ほとんどの政治勢力がそうすべきだと判断した15年10月からの消費税増税を延期することの是非を問うものであったが、本音は、新安保法制を成立させ、中国やロシアとの関係を改善し、任期中に北朝鮮との国交を正常化する“時間的余裕”を稼ぐためだと推測している。
14年12月に総選挙が行われているので、次の総選挙(18年12月)まで、まだあと3年3ヶ月ほどある。また、自民党総裁に関する規定に従えば、安倍氏が首相を続けられる要件の一つでもある自民党総裁の地位にとどまれるのは18年9月まである。
安倍首相は、この期間で、政治的懸案を解決しなければならない。新安保法制は成立させ、中国及び韓国との関係も改善に向かい、ロシアとの交渉も仕切り直しでなんとか進展させようとしているが、北朝鮮との関係は二進も三進もという状況が続いている。
北朝鮮は拉致被害者を含む在朝日本人の安否情報を既にまとめているが、日本政府がその情報を“共有”できないということで金庫に入ったままだとも言われている。
安倍首相としては、対北朝鮮政策で妥協や弱みを見せることは政権の崩壊にもつながりかねないと思っているから、期待する内容を含んでいない情報を北朝鮮と“共有”することはできないのだろう。
ただ時間を引き延ばせば解決するとは思えないが、なんとか日本政府の意向に沿う安否情報を出して欲しいと願っているのが安倍政権の現状である。(“拉致被害者”の相当数が生存していると推測しているので、安倍首相の姿勢で解決に向かう可能性もある)
表題のテーマに移る。既定である来年7月の参議院選挙と同時に総選挙が行えるよう衆議院の解散を断行するという予測について説明したい。
自民党総裁の任期に関する規定は自民党の内部問題なので変更は可能であるが、1期3年になったことで3期まで延ばすという変更は難しいだろう。せいぜいのところ、懸案事項をやり遂げるため、次の総選挙まで暫定的に任期を延ばすか「総裁総理分離」(自民党総裁と首相を別人が担う)といった程度の変更しかできないと思う。
仮に来年7月の参議院選挙と同時に総選挙を行い自民党+公明党で過半数を占めれば、自民党総裁任期問題がクリアできることが条件だが、20年7月まで首相を務めることができる。
ただ任期を延ばせば懸案事項が解決できるというわけではない。
来年7月に衆参同時選挙に打って出るとしたら、17年4月に迫っている消費税税率の10%への引き上げを中止(再延期)することであり、それをバネに内閣支持率を上昇させ懸案をやり遂げやすくする政治環境を作り出すことが目的になると思う。
ご存じのように、中国経済の低迷に象徴されるように、世界経済は低迷期に入っている。米国の量的金融緩和策の終了という要因もあるが、その最大の要因は、原油・鉱物資源・穀物などの食糧といったコモディティ価格の下落である。
それにより資源国を中心に稼ぎが大きく減少し、グローバルな総需要が大きく減少した。そのあおりを多く受けたのが「世界の工場」として成長を遂げてきた中国なのである。
(原油などの価格は、米国の量的金融緩和策の終了で投機マネーが入りにくくなったことで急落したという背景もある)
そのような世界経済の状況では、昨年4月の消費税増税以降続いている日本経済の不調が解消できるめどは立たない。世界経済は今しばらく負のスパイラルが続く。
景気判断で消費税増税を中止できるといった景気条項がないことで、17年4月の消費税増税は既定と考えられているが、法律である限り、その修正もできるし、廃止することだってできる。
景気条項がないことで、17年4月の消費税増税を中止することの是非を問う解散・総選挙は昨年末の解散総選挙とは違い大義名分に支えられる。
17年4月の消費税増税中止について野党がどう対応するのかわからないが、反対すれば、自民党の大勝利・反対した野党の大敗北という結果になるだろう。
野党が反対しなくても、消費税増税中止を決断した安倍政権に支持が集まり、新安保法制問題で落とした支持率を回復できる可能性が高く、現在とそれほど変わらない議席数は確保できると予測する。
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- ご希望どおり制度(憲法)変更したので、自分の時だけはお許しくださいという安部の卑怯な小細工? 窮鼠 2015/9/22 20:57:19
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