http://www.asyura2.com/15/senkyo186/msg/824.html
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(回答先: 「安保法制の違憲性をめぐる「論理の戦い」で、もう政権側の「負け」は誰の目にも明らか:山崎 雅弘氏」 投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 6 月 17 日 00:02:05)
【引用】
「長谷部恭男教授「砂川裁判で問題となったのは日米安全保障条約の合憲性であって、日本の集団的自衛権は全く争点になっていない。この判決から集団的自衛権の行使が合憲だとする政府の主張は法律学に衝突する考えだ。国民を愚弄していると思う」(NHK)」
【コメント】
米国の真意はともかく、“好意的に”約めると、日本の安全と平和を米国とともに守ろうというのが「日米安全保障条約」である。
砂川事件の最高裁判決が出された当時の「日米安全保障条約」は、サンフランシスコ講和条約と同じ日(1951年9月8日)に日本側全権として吉田茂氏が独りで署名し,同じ日(1952年4月28日)に発効した旧安保条約である。
その「(旧)日米安全保障条約」の前文は、「国際連合憲章は、すべての国が個別的及び集団的自衛の固有の権利を有することを承認している。 これらの権利の行使として、日本国は、その防衛のための暫定措置として、日本国に対する武力攻撃を阻止するため日本国内及びその附近にアメリカ合衆国がその軍隊を維持することを希望する」と明記している。
読めばわかるように、「これらの権利」とは個別的自衛と集団的自衛の権利である。
日本は、個別的自衛(自国の防衛)をまっとうするために米国との集団的自衛を望み、その権利を行使して日米安全保障条約を締結すると説明したのが前文である。
個別的自衛権の行使に関するものであれば、憲法や法律の問題なので、よその国と条約を結ぶ必要はない。
米軍が極東地域で活動するための基地を提供するという重い義務を背負うが、米国が先制攻撃を受けたとき日本が防衛に協力する義務を負わないという“片務”的匂いがするものではあっても、れっきとした集団的自衛権の行使を約しているのが日米安全保障条約である。
「日本国に対する武力攻撃を阻止するため日本国内及びその附近にアメリカ合衆国がその軍隊を維持すること」が集団的自衛権の行使ではないと言うのなら、日米安全保障条約の性格にどういう概念を適用すればいいのか訊きたい。
日本国憲法は、第9条で、固有の権利である個別的及び集団的自衛の行使を否定する非戦主義を規定しているが、日米安全保障条約は、米国自身が制定(改正)を求めた憲法をないがしろにするかたちで締結されたのである。
また、砂川事件最高裁判決は、日米安全保障条約に基づく米軍駐留について、「統治行為論」を盾に憲法に適合するかどうか判断していない。
最高裁は違憲審査権を行使していないから仮の話になるが、長谷部教授が砂川事件最高裁判決で“日米安全保障条約の合憲性”が認められたと考えているのなら、集団的自衛権の行使の合憲性も認められたことを意味する。
新安保法制に反対する手段として“政治的に” 長谷部教授の違憲論を利用するのはいいとしても、長谷部教授は憲法学者としてそれほどまっとうではないことは抑えておくべきである。
※ 関連参照投稿
「砂川事件最高裁判決:違憲審査権を行使していない判決を「自衛権の行使」の合憲性に援用する安倍内閣の錯誤」
http://www.asyura2.com/15/senkyo186/msg/599.html
「左派(共産党・社民党)と親米派が共有する「戦術的護憲論」:共産党・社民党も安倍政権と同類:米国改憲要求説は捏造か錯覚」
http://www.asyura2.com/15/senkyo186/msg/714.html
「安倍首相は、奇妙なかたちで「戦後レジームからの脱却」をめざし、自ら“しばかれ隊”を買って出ている変態」
http://www.asyura2.com/15/senkyo186/msg/533.html
「村山氏・河野氏・武村氏・藤井氏はともかく、亀井静香氏・山崎拓氏・古賀誠氏の反安保法制活動は「安倍首相応援活動」」
http://www.asyura2.com/15/senkyo186/msg/636.html
「砂川判決は、日米同盟の中での自衛隊の存在が問われたもの」ではなく、駐留米軍の合憲性問題
http://www.asyura2.com/15/senkyo186/msg/715.html
「60年以上前から行使している集団的自衛権:議論されているテーマは“集団的自衛権”ではなく「他衛権」や「米軍下請けの範囲」」
http://www.asyura2.com/14/senkyo166/msg/740.html
※ 参考
[旧日米安全保障条約前文]
「 日本国は、本日連合国との平和条約に署名した。日本国は、武装を解除されているので、平和条約の効力発生の時において固有の自衛権を行使する有効な手段をもたない。
無責任な軍国主義がまだ世界から駆逐されていないので、前記の状態にある日本国には危険がある。よつて、日本国は平和条約が日本国とアメリカ合衆国の間に効力を生ずるのと同時に効力を生ずべきアメリカ合衆国との安全保障条約を希望する。
平和条約は、日本国が主権国として集団的安全保障取極を締結する権利を有することを承認し、さらに、国際連合憲章は、すべての国が個別的及び集団的自衛の固有の権利を有することを承認している。
これらの権利の行使として、日本国は、その防衛のための暫定措置として、日本国に対する武力攻撃を阻止するため日本国内及びその附近にアメリカ合衆国がその軍隊を維持することを希望する。
アメリカ合衆国は、平和と安全のために、現在、若干の自国軍隊を日本国内及びその附近に維持する意思がある。但し、アメリカ合衆国は、日本国が、攻撃的な脅威となり又は国際連合憲章の目的及び原則に従つて平和と安全を増進すること以外に用いられうべき軍備をもつことを常に避けつつ、直接及び間接の侵略に対する自国の防衛のため漸増的に自ら責任を負うことを期待する。
よつて、両国は、次のとおり協定した。 」
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