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石原慎太郎氏の書生っぽくてシンプル過ぎる歴史政治観:あまりに子どもっぽい白人支配観:白人多数派も道具化された“奴隷”
http://www.asyura2.com/15/senkyo178/msg/491.html
投稿者 あっした 日時 2015 年 1 月 23 日 13:27:09: inN2mA/AihGG6
 

(回答先: イスラム国に共鳴を覚えると書いた石原慎太郎  天木直人 投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 1 月 23 日 11:30:05)


 石原慎太郎氏は、紹介されているイスラムテロに関する所論を、あのすぐにわかる恥ずべきパリ“官製”銃撃テロ事件発生からまもない8日に放送された日本テレビの「深層ニュース」に出演したとき披瀝していた。

 その番組で見た石原氏は、国会議員から身を引いたすがすがしさというか穏やかさが見て取れる雰囲気でなかなか元気そうだった。

 「深層ニュース」においても今回の正論とほぼ同じ内容を語っていたが、石原氏の所論は詰まるところ、「中世期以後の歴史の本流はキリスト教圏の白人による、他のほとんど全ての有色人種の土地の一方的な植民地化と収奪による白人の繁栄だった」と捉え、イスラムの反西欧運動を、「数世紀続いてきた白人の世界支配がようやく終わろうとしている今、新しい宗教戦争が始まろうとしている」と約めることができるだろう。

 石原氏の歴史観・世界観は、外見的というか表層的には通用性があるかもしれないが、あまりに単純で、大東亜戦争(アジア太平洋戦争)を正当化した大義とそれほど変わらないものに見える。

(石原氏自身が、「起こした戦争を含めて有色人種の中で唯一の近代国家としての日本の誕生と存在は、世界史の流れに逆らって大きな引き金を引いたのだ」と総括していることからも共通性を指摘できる)

 「白人が有色人種を支配」という人種対立論に還元するような見方は、信仰の象徴として、磔刑に処させられたイエス像や聖母マリア像を活用するカソリックに通じる浅薄な考えだと思う。

 石原氏がいう“白人の繁栄”を謳歌したのは、極少数の支配層(セム系など非白人を含む)であり、圧倒的多数の白人は戦闘員として駆り出されることを含め(支配層)“白人の繁栄”のために奉仕された。(物質的生活の相対的比較で被支配の有色人種地域よりも恵まれた生活を手に入れたとは言えるが...)
 それは、第一次・第二次の両大戦で人種的に白人と区分される人々が何千万人も死んでいったことを思い起こすだけでわかるはずだ。

 石原氏は、イスラムテロのなかに“純粋さ”を見出しているようだが、世界はそれほど単純ではない。
 戦前の日本国家機関が様々な謀略を実行したようにというか、それ以上にえぐいかたちで、“白人の繁栄”を追及する勢力は様々な謀略を展開している。
 石原氏が取り上げているボコハラムや「イスラム国」が、教義解釈の独自性はともかく、イスラムの信仰や理念もしくはイスラム世界の利益のために活動しているとさえ言い切れないのである。

 “白人の繁栄”を追及する勢力が、現在、イスラム世界に対して追及している目標は“政教分離”である。わかりやすく言えば、国家統治及び経済社会ルールとイスラム信仰を切り離し、イスラム信仰を政治とは無関係の“心の問題”にしてしまうことである。
 そのために、西側諸国や旧共産国の人々がイスラム教を危険なものと感じ、イスラムを基礎とした政治的動きを敵対視するような雰囲気を醸成してきた。

 イスラムは、宗教と言うだけでなく政治社会思想とも言える包括性が高いイデオロギーであり、イスラムから統治の在り方を排除すれば、それはイスラムとは言えなくなってしまう。非信心者の好悪は別として、政教一体こそがイスラムの真骨頂なのである。

(ユダヤ教もイスラムに似た政教一体観念、というより、イスラムがユダヤ教の考えを引き継いでいると言ったほうがいい)

 「今日、声高に人権と民主主義を説くアメリカもまた、あの厖大(ぼうだい)なアメリカ大陸を、原住民だったアメリカインディアンを殺戮(さつりく)駆逐することで領有し国家として成立したのだ。ちなみにこの世界の中でもっとも長く、最近まで黒人の奴隷制度を保持してきたのはアメリカに他ならない。その余韻は今でも頻発する黒人に対する白人警察官の発砲殺戮事件として続いている」と説く石原氏は、親米ではないが、国防を米国に依存する道を選択してきた。
 そこに石原氏のネジレというか分裂症的政治判断の理由が見て取れる。石原氏は、たぶん「共産主義 Vs. 自由主義」という対立的世界観に立脚して、共産主義に対抗するためには米国に頼るしかないないという判断をしたのだろう。


 石原慎太郎氏の思いは理解できるが、人種論に依拠した世界観や理論は、現状認識の助けにもならないし、現状を打破する力にもならないと思っている。


※ 石原氏の奇妙な見方

【引用】

 「ナイジェリアで多数の女子を誘拐し、奴隷化するなどと宣言したテロ団の指導者がカメラに向かってわめいていた「われわれはキリスト文明の全てを破壊するのだ」という宣言には、実はきわめて重い歴史的な意味合いが在る。
 かつてニーチェは「西欧における神は死んだ」と言ったが、その神をこそ彼らは今改めて殺すと称しているのだ。しかし大それたその宣言の背景には、実は重く長い歴史的蓋然性があることを忘れては、この問題への正しい対処はあり得ない。


【コメント】

 「その神をこそ彼らは今改めて殺すと称している」とする石原氏の見方は、まったくの勘違いと言うしかない。

 ムスリムは、西欧が近代精神によって殺した神を強く信仰し続けている人たちである。

 西欧(の支配層)こそが、「対テロ戦争」の名の下に、ムスリムにも神を殺させようとしているのである。

※ 念のため、ユダヤ教徒やムスリムは、キリスト教が説く三位一体論やキリスト=神といった考えを認めない。彼らが信仰する神は、超越的な唯一の存在である。


 

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コメント
 
01. 2015年1月24日 03:15:25 : fSONrR3EEw
>彼らが信仰する神は、超越的な唯一の存在である。

「唯一であり全てである。 = 全ては同じものでできている!」
という考え方なら、多神教の考え方ともそれほど違わないんだろうけどね。
というかおれの考え方とw 1qmOy4Hy0U


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