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イスラム国に共鳴を覚えると書いた石原慎太郎
http://www.amakiblog.com/archives/2015/01/23/#003099
2015年01月23日 天木直人のブログ
きょう1月23日の産経新聞「正論」に「イスラムテロに絡む歴史の背景」と題する石原慎太郎の論評が掲載されていた。
石原慎太郎の真骨頂がそこにある。
詳しくはその「正論」をお読みいただきたいが、ひと事で言えば、それは、欧米白人支配、キリスト教文明支配への反発である。
もっと言えば、インディアンや殺戮や黒人奴隷制度に象徴される米国の傲慢、差別、不正義に対する反発である。
それを、次のような言葉で巧みに表現している。
「世界中を大きな不安におとしているイスラム系のテロを冷静に対処するためには、あれら(テロ)の暴力行為の歴史的蓋然性について自覚することが何よりも肝要に違いない」
「要約すれば、数世紀続いてきた白人の世界支配がようやく終わろうとしている今、新しい宗教戦争が始まろうとしているのだ」
これはイスラム国への共鳴を示した「正論」である。
しかし、いまテロに共鳴するといえば、左翼も右翼も内外の世論に袋叩きにあう。
だから石原慎太郎もその「正論」の冒頭でこう前置きをしている。
「誤解を招かぬために前言しておくが、私は・・・『イスラム国』を含めての中東やアフリカにおけるイスラム系の残酷で非人道的なテロに共感する者ではまったくない」と。
あの「NOと言える日本」で述べた本音によって政治生命を断たれた石原慎太郎が、いままたその真骨頂をきょうの産経「正論」で書いた。
皆が内心思っていることだ。
ここまでテロに共鳴する事を書いておきながら、冒頭で、これはテロに共鳴する事ではないと断り書きを書かざるを得ない石原慎太郎に、あの時、つまり「NOと言える日本」という正論を書いて米国に警戒され、政治生命を失った、あの時と同じように、石原慎太郎の意気地のなさを見る。
最後ぐらいは、思う存分本音を語ったらどうか。
最後ぐらいは自分に素直になったほうが石原慎太郎らしい(了)
◇
【正論】イスラムテロに絡む歴史の背景 作家・石原慎太郎
http://www.sankei.com/column/news/150123/clm1501230001-n1.html
2015.1.23 05:02 産経新聞
誤解を招かぬために前言しておくが、私はたまたまワシントンに滞在中、間近に目にした9・11の連続テロに始まる「イスラム国」を含めての中東やアフリカにおけるイスラム系の残酷で非人道的なテロに共感する者では全くない。
しかし、今回のパリにおける新聞社襲撃などが続く無残なテロ勃発の度、極時的に起こる非難の中に根底的に欠落しているものが在るような気がしてならない。
それはこれらの事件が人間が文化を保有し、さらに加えて、いくつかの宗教を派生させてきた長い歴史の流れの中のいかなる時点で勃発したかという視点である。
≪現在も続く文明の相克と悲劇≫
ナイジェリアで多数の女子を誘拐し、奴隷化するなどと宣言したテロ団の指導者がカメラに向かってわめいていた「われわれはキリスト文明の全てを破壊するのだ」という宣言には、実はきわめて重い歴史的な意味合いが在る。
かつてニーチェは「西欧における神は死んだ」と言ったが、その神をこそ彼らは今改めて殺すと称しているのだ。しかし大それたその宣言の背景には、実は重く長い歴史的蓋然性があることを忘れては、この問題への正しい対処はあり得ない。
ヘーゲルは「歴史は他の何にもましての現実だ」と説いたが、キリスト教文明とイスラム教文明の相克ははるかに古く、2世紀におけるサラセン帝国とキリスト教圏との衝突に始まり、中世の十字軍騒動以来、実は今日まで続いている。
暗黒の中世期は主にはヨーロッパが獲得した3つの新しい火薬、印刷術、そしてアラブ人から伝授された大洋を渡る航海技術によって終焉(しゅうえん)し、新しい文明の所産である新しい技術が古い文明を駆逐してしまうという歴史の力学を世界中で展開した。
その典型はスペイン人が持ち込んだわずか3丁の鉄砲が、インカ帝国をあっという間に滅ぼしてしまったという歴史の悲劇にうかがえる。そしてその悲劇は、イスラム教徒を含む他のほとんどの有色民族に及んだのだ。それこそが中世期以後の歴史の本流の姿に他ならない。
≪隷属を強いられた有色人種≫
中世期以後の歴史の本流はキリスト教圏の白人による、他のほとんど全ての有色人種の土地の一方的な植民地化と収奪による白人の繁栄だった。アフリカや中東、あるいは東南アジアの全ての地域は西欧諸国の進出によって区分され、植民地化されて、一方的な隷属を強いられてきた。
今日、声高に人権と民主主義を説くアメリカもまた、あの厖大(ぼうだい)なアメリカ大陸を、原住民だったアメリカインディアンを殺戮(さつりく)駆逐することで領有し国家として成立したのだ。
ちなみにこの世界の中でもっとも長く、最近まで黒人の奴隷制度を保持してきたのはアメリカに他ならない。その余韻は今でも頻発する黒人に対する白人警察官の発砲殺戮事件として続いている。
近世において近代国家として再生した日本はその中での希有(けう)なる例外だったが、日本もまた、敗戦後の日本を統治解体したマッカーサーが退任後、アメリカ議会で証言したように、あくまで自衛のための手段として西欧の列強を真似(まね)して軍国化し植民地支配に乗り出さざるを得なかった。
そうした歴史の流れのもたらした必然を無視して、植民地支配と等質の論拠で戦後に行われた東京裁判での歴史観を踏襲した「村山談話」なるものを、日本の政府が今さらに踏襲するというのは、歴史の流れという大きな現実を無視した無知の露呈といわざるを得ない。まして「河野談話」をやである。
起こした戦争を含めて有色人種の中で唯一の近代国家としての日本の誕生と存在は、世界史の流れに逆らって大きな引き金を引いたのだ。
≪新しい宗教戦争の到来≫
視点を現実に起こっているイスラム系のテロに向け直せば、中世以後のアラブやアフリカが強いられ被った歴史を見直せば、彼らが今改めて、西欧の神を殺すと宣言して憚(はばか)らぬ所以(ゆえん)の歴史的な蓋然性に気付くべきにちがいない。
パリの新聞社に向けられたテロについての強い非難の論拠に、フランスがかつての革命で手にして国是として掲げている「自由、博愛、平等」を踏まえるのは妥当としても、かつて植民地として支配したアルジェリアや他のアフリカや中東のイスラム圏で、それらの国是がはたして同じ人間のイスラム教徒に保証されていたかどうかは、あのドゴールさえが手を焼いたアルジェリアを巡る紛争を振り返れば自明のことだろう。
世界中を大きな不安におとしめているイスラム系のテロに冷静に対処するためには、あれらの暴力行為の歴史的蓋然性について自覚することこそが何よりも肝要に違いない。
要約すれば、数世紀続いてきた白人の世界支配がようやく終わろうとしている今、新しい宗教戦争が始まろうとしているのだ。(いしはら しんたろう)
- 石原慎太郎氏の書生っぽくてシンプル過ぎる歴史政治観:あまりに子どもっぽい白人支配観:白人多数派も道具化された“奴隷” あっした 2015/1/23 13:27:09
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