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(世界の知性の白熱講義)人類史を変えた「最もエキサイティングな論文」とは?/ダイヤモンドオンライン
http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/832.html
投稿者 仁王像 日時 2023 年 3 月 05 日 06:52:50: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

【世界の知性の白熱講義】人類史を変えた「最もエキサイティングな論文」とは?/ダイヤモンドオンライン
ヘンリー・ジー,竹内薫 の意見 • 49 分前
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E7%9F%A5%E6%80%A7%E3%81%AE%E7%99%BD%E7%86%B1%E8%AC%9B%E7%BE%A9-%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E5%8F%B2%E3%82%92%E5%A4%89%E3%81%88%E3%81%9F-%E6%9C%80%E3%82%82%E3%82%A8%E3%82%AD%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AA%E8%AB%96%E6%96%87-%E3%81%A8%E3%81%AF/ar-AA18dMt9?ocid=hpmsn&pc=EUPP_LCTE&cvid=2db0fb4ac0d34ca19ec36702a0f87ab3&ei=15

地球誕生から何十億年もの間、この星はあまりにも過酷だった。激しく波立つ海、火山の噴火、大気の絶えまない変化。生命はあらゆる困難に直面しながら絶滅と進化を繰り返した。ホモ・サピエンスの拡散に至るまで生命はしぶとく生き続けてきた。「地球の誕生」から「サピエンスの絶滅、生命の絶滅」まで全歴史を一冊に凝縮した『超圧縮 地球生物全史』(王立協会科学図書賞[royal society science book prize 2022]受賞作)は、その奇跡の物語を描き出す。生命38億年の歴史を超圧縮したサイエンス書として、西成活裕氏(東京大学教授)「とんでもないスケールの本が出た! 奇跡と感動の連続で、本当に「読み終わりたくない」と思わせる数少ない本だ。」、ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』著者)「著者は万華鏡のように変化する生命のあり方をエキサイティングに描きだす。全人類が楽しめる本だ!」など、世界の第一人者からの書評などが相次いでいる。著者ヘンリー・ジーが熊本大学で行った特別講義を連載でお届けする。(翻訳/竹内薫)

Photo: Adobe Stock
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© ダイヤモンド・オンライン
ネイチャーをワクワクさせる論文
 ネイチャーを本当にワクワクさせるのは、「わあ、こんなこと考えたこともなかった」と思わせるような論文です。

 エキサイティングな論文を手に入れることはよくありますし、実際、面白そうな論文を手に入れるときはいつも、編集者個人が決断するのではなく、大勢の編集者で決めます。

 論文を受け取ったとき、その中には私があまり知らない部分があるはずです。私は世界中の同僚とその論文について議論します。コンテンツ管理システムを導入しているので、世界中の同僚と論文を共有することができるのです。

 サンフランシスコ、上海、ニューヨーク、ワシントン、そして大きなオフィスがあるベルリンの同僚と定期的に仕事をすることになります。

 私はイギリスの東海岸にある小さな町にいます。でも、それは問題ではありません。私たちはどこにいてもいい。

 もうひとつ、私たちは科学者に会うのが大好きです。新型コロナのせいでいろいろ大変になりましたが、私たちは再び学会に参加するようになっています。

 また、研究所を訪問することも再開しています。私はこの2年間は物理的にどこにも行っていませんが、Zoomを使ったバーチャルな研究室訪問を何度か行い、初期段階のプロジェクトについて興味深い話を聞くことができました。

 大学院生やポスドクに会い、質問を受けることもできます。時間のかかる作業ですが、人と直接知り合えるのはとても貴重な機会です。新型コロナ以降の社会のよい点は、職場とほとんど同じように仕事ができるようになったことですが、旅をして、違う文化、違う食べ物、違う環境を体験して、人に会って、いわばオフ・デューティで知り合うことは必要です。

 学会が終わり「これから何をするんですか?」と人に聞かれると、私はいつも「バーでぶらぶらするよ」と答えています。そうして得た友情は、私のキャリアにずっとつながっています。

ある古生物学者との出会い
 とりわけ覚えているのは、ある古生物学者(名前は言いません、X教授とします)のことです。今は引退していますが、彼はキャリアの絶頂期でした。私はアメリカで開かれた古生物学の学会に出席していたんです。それはとてもとても高層のホテルで、大きくて、高くて、細いタワーでした。

 私はエレベーターに乗りました。高層階の部屋からロビーに行くと、古生物学者にバッタリ出会いました。開口一番、「君は実にひどい論文をネイチャーに載せたね」と言われました。「ああ、あなたはX教授ですね? どうです、一杯やりません?」。それ以来、私とX教授は本当に良い友達になりました。

 彼のおかげで、科学とは別に、1960年代のイギリスのロック音楽とか、いろいろなことに興味を持つようになりました。そして、彼はとても貴重な著者、レフェリー、友人、指導者、同僚になりました。そのすべては、私がエレベーターから降りたときに始まった。

 私たちがネイチャーに掲載した、X教授が気に入らない論文について議論したからです。このように、偶然の出会いが実りある結果につながることもあるのです。

 このような偶然の出会いを促すには、できるだけ多くの場所にいて、「ブラウン運動」のように多くの人とぶつかることです。

人類史を変えた衝撃の論文
 もう1つ。私がこれまでに掲載した論文の中で、「最もエキサイティングなものは何か」という質問もよくもらいます。答えは即答です。2004年に発表された「ホモ・フロレシエンシス」という非常に奇妙な化石に関する論文です。今から一万二〇〇〇年くらい前、地球上に暮らしていたこの人類は、身長は1メートル以下で脳の大きさもチンパンジーほどでしたが、道具を使っていたようなのです。石器で狩りをし、火も使っていました。まるでファンタジーに登場するホビットのようです。

 この小さな人類は、ごく最近までインドネシアに住んでいました。この論文は、人類学を完全に変えました。私は、この論文を送ってくれた研究者を知りませんでした。しかし、それが他の様々なことにつながったのです。

 私はある学会に出席していました。アメリカのアトランタで行われた大きな学会でした。1週間近く続いたので、私はかなり疲れていました。そして最終日の夕方、翌日チェックアウトして飛行機で帰ろうと思っていました。

 しかし、最後の一杯を飲みにバーに行って、ナイトキャップとして、本当に軽く飲んでから寝ようと思ったのです。バーには、オーストラリア人が大勢いました。

 早く寝たいなら、バーで大勢のオーストラリア人と一緒に酒を飲むのはおすすめしません(笑)。酒が進み、私はインドネシアのフローレス島(※ホモ・フロレシエンシスの化石が発見された島)に誘われ、翌年か翌々年には行きました。そこでさらに多くの人と知り合うことができました。

 研究者との出会いは、研究室や現場での出会いが一番。研究者を自然体で見ることができます。

物事を速やかに終わらせる
 ネイチャーは「元」科学者の編集者によって運営されています。科学者たちによる「編集委員会」が何を出版するかを決めているのではありません。すべて私たち編集者次第なのです。

 そして、私たちはどちらかというと破壊的です。私たちは大きな自由を手に入れています。

 科学者は自分の研究を送るとき、誰がそれを審査するのか心配しますよね。私たちが査読に出すのは、送られてきた論文の20%だけ。

 残りのほとんどは(内容自体は)全く問題ないのですが、おそらく狭い専門家の関心事であったり、分野を大きく前進させるものではなかったりします。しかし、論文を査読に出す場合は、査読が公正かつ公平に行われるよう、細心の注意を払っています。

 誰かが論文を送ってきたときに、その論文の査読者としてふさわしいと思われる人たちのリストを教えてくれるのは、とてもありがたいことです。

 これは有用なリストで、私たちはそれに注意を払うかもしれませんし、払わないかもしれません。もう1つ、論文を送ってほしくない人たち、つまり「競合他社」のような人たちをリストアップすることができます。

 ただ、あまりに多くの除外項目がないことが条件です。たとえば、ある人が「この論文は北米の誰にも送らないでくれ」と言ってきた。そこで、私たちは、「そのリストは多過ぎます。もっと具体的に教えてください」と返事をしました。

 すると、実際に送ってほしくなかったのは一人だけだった。私たちは常にそれを尊重し、大きな問題に遭遇しないように配慮します。もちろん、私たちが選んだ査読者の中に、なんらかのバイアスがかかっている可能性もありますが…。

 そういった査読者が使う手口の一つは、レポートを送るのをどんどん遅らせて、自分の仕事を先に出版できるようにすることです。しかし、私たちはこういったことに対してかなり賢明です。私たちは、彼らが使うトリックを知っていますし、物事を速やかに終わらせるためにベストを尽くしています。

ネイチャーの現在
 現在、ネイチャー誌を紙で買って読んでいるのは図書館員です。というのも、大学ではネイチャーを機関購読しており、図書館システムで誰でもコンテンツにアクセスすることができるから。ですから、私たちは今でもネイチャーを紙で印刷しています。

 しかし、ほとんどすべての人、何千万人もの人はオンラインで見ているので、実際には紙の読者はかなり稀なことなのです。

 現在ではネイチャー誌の紙の印刷版は5万部ほどだと思いますが、「遺産」としての意味合いから発行しています。状況は変化しています。私が入社した当時は、紙の雑誌しかなかったんです。

※本原稿は、2022/9/2に熊本大学国際先端医学研究機構で開催された第19回「SCIENCE and ME」の著者講演を元に、再編集、記事化したものです。  

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