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村山斉の時空自在
私たちはどこから来たのか
朝日新聞デジタル 2019年7月28日07時00分
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村山斉さん
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私たちはどこから来たのか。かつて哲学や神学で扱われた問題が、最近は物理学の力で答えに近づいてきた。
私たちの体はさまざまな原子でできている。骨を作るカルシウム、血液に必要な鉄、呼吸する酸素、そして炭素や窒素、リン、カリウム……。どれがなくても私たちは生まれなかった。ところが、こうした原子は初めからあったわけではない。
実は宇宙の始まりには、水素など軽い原子しかなかった。実際、古い星を観測すると、ほとんど水素とヘリウムだけでできている。それでは他の原子はいつ、どこで生まれたのか。
星がなぜ光るかは20世紀に入ってやっと説明された。小さな原子、例えば水素と水素をくっつけて大きな原子を作り、そのときに重さをエネルギーに変えて光っているのだ。つまり星は原子の製造工場ということになる。
だが本当か。星の中心で起きていることを実際に見るのに成功したのは、日本の実験だった。岐阜県の山中の地下1キロにある巨大な水槽「スーパーカミオカンデ」だ。原子を組み立てる時に出る副産物のニュートリノを捉え、原子製造の現場を押さえた。
とは言っても、星の中にあったままでは、私たちの体に使えない。太陽より重い星は、生涯の最後に超新星という大爆発を起こし、星一つで銀河全体よりも明るくなる。この時、製造した原子がばらまかれて、私たちの体になったのだ。この現場もニュートリノを検出して押さえ、小柴昌俊先生がノーベル賞に輝いた。私たちの体は星のかけらであり、宇宙の長い歴史が刻まれているのだ。
◆村山斉
むらやま・ひとし 1964年生まれ。専門は素粒子物理学。カリフォルニア大バークリー校教授。初代の東京大カブリ数物連携宇宙研究機構長を務めた。
https://digital.asahi.com/articles/ASM2P4CQSM2PULBJ00D.html?rm=254
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