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抗生物質がバクテリア単位で地球を壊していく……。世界中の淡水系システムに危機的なレベルの薬物の残留が存在することをオランダの科学者たちが発表 INDEEP
・ria.ru
着々と進行する水中生物の完全絶滅への道
昨日、冒頭の報道を見ました。
「世界中の河川が、生態系に対して危険なレベルである濃度の抗生物質であふれている」
というものです。
冒頭のはロシアの報道ですが、探してみますと、英語圏でも、科学メディアから一般の報道媒体まで、多くの報道がなされていました。
今回の話に関しましては、もしお読みになられていないのでしたら、以下のふたつの記事も読まれていただけると幸いです。
最初の記事は、英国エクセター大学の魚類生理学者による発表を記事にしたもので、内容は、
河川に流入した「避妊薬」に含まれる成分が魚たちの性質や生殖本能に影響を与えていて、《魚の不妊化》と《オスのメス化》が広範囲で起きており、そのために魚の総数が減っている。
というものでした。
そして、厄介なのは、これらの薬は主に「人間の排泄」から河川に流入しているので、「止めようがない」のです。
2つめの記事は、「抗ガン剤が世界中の河川に流れ込んでいる可能性」に気づきまして書かせていただいたものですが、これは別に、医療での治療薬としての抗ガン剤の是非を言っているのではなく、抗ガン剤が、ガンに対して効果があるにしてもないにしても、
「抗ガン剤というもの自体が強力な毒である」
という事実があり、それが人間の排泄から河川へと大量に流入しているということを書かせていただいたものです。
その記事に、抗ガン剤について、ジャーナリストの立花隆さんが対談で以下のように述べていることを掲載しています。立花隆さん自身も膀胱ガンを煩っておられたはずです。
「投与された患者から体外に排泄するもの一切に、抗ガン剤の毒が出る。患者のオシッコや大便からも出るから、看護する人は、排泄物が手についたら、すぐ洗い流さなければならない」
現在、抗ガン剤でガンの治療をされている人の数は大変多いと思われますが、治療の効果のほどはともかくとして、こういうものたちが、治療を受けている人々の排泄等を通して、世界中の淡水系の生体システムを侵食しています。
これについては、良い悪いではなく、「事実」を書いているだけでして、医療に対しての文句等ではありません。
さて、ここまで、淡水系の環境システムに入り込んだものとして、
・避妊薬(水中生物の妊娠率を下げる)
・抗ガン剤(毒)
というものが出てきましたが、今回、オランダの大学の研究で明らかとなったことは、「世界中の淡水系システムが抗生物質だらけ」であるということでした。
これがどういうことを意味しているかといいますと、「抗生物質の働き」を考えればわかるのですが、それは、
・抗生物質(細菌を殺す)
というものです。
私たち人間の身体もそうですが、
自然というものは、細菌の上に成り立っている
ものであることに疑う余地はありません。
そういう「細菌を殺すもの」が世界中の淡水系に拡大しているのです。
以下は、1995年の河川の薬剤の残留濃度と、2015年のものの比較です。赤いエリアが特に高い残留濃度を示した地域です。
・independent.co.uk
日本を含めたアジアからヨーロッパまでは「真っ赤」な状況で、河川の薬剤汚染が極めて深刻であることがわかります。
ちなみに、抗生物質というものが、どのような作用をするかということは、今回の記事に出てくる「シプロフロキサシン」という一般的な抗生物質を例にとると、以下のようになります。
抗生物質シプロフロキサシンの作用機序
シプロフロキサシンは広域抗生物質であり、グラム陰性、グラム陽性のいずれのバクテリアにも活性である。
デオキシリボ核酸二本鎖の切断・再結合を行う酵素であるDNAジャイレースに結合し、DNAの複製を阻害することで抗菌作用を示す。
DNAの複製が阻害されることで、バクテリアは細胞分裂ができなくなる。
抗生物質の薬効が水中で完全に消える消失半減期がどのくらいなのかはわからないですが、毎日毎日、世界中で、おびただしい抗生物質が投与されていて、人々の排泄から膨大な量が河川に流入し続けている以上は、この強力な環境破壊兵器は、今後もそのリスクを悪化させていくと思われます。
どうにも、先行きが明るいとは言えない話ではあります。
何しろ「解決法は、抗生物質を使わないことくらいしかない」わけで、つまり、すべての人々は、排泄をして、そして、それは水に入っていく。
どんな薬を飲んでも、そのようにして河川に入り、河川は最終的には海に至る。
現時点で各地で見られる生態系の変化も、河川の中の人間の薬剤が関係している可能性も高そうです。
英インディペンデントの記事をご紹介させていただきます。
Drug pollution in rivers reaching damaging levels for animals and ecosystems, scientists warn
Independent 2019/02/23
世界の河川の薬物汚染が、動物や生態系にとって有害なレベルに達していると科学者たちが警告した
最新の研究によれば、抗生物質やてんかん薬などの医薬品が、生態系にダメージを与える可能性がある濃度で世界中の川の中からますます発見されている。
オランダの研究者たちは、自然の生態系の食物連鎖に最も害を及ぼす可能性がある場所を予測するために、世界中の淡水システムにおける薬物の濃度を推定するためのモデルを開発した。
科学誌エンバイロメント・リサーチ・レターズ(Environmental Research Letters)に掲載されたこの研究では、抗生物質「シプロフロキサシン」と抗てんかん薬「カルバマゼピン」の 2つの特定の薬に焦点を当てて研究が行われた。
研究で明らかになった世界の淡水系の状況は、1995年から 2015年の間 20年間で、薬物の濃度が上昇し、その影響を受ける地下水の数も増加しており、科学者たちは、水生の生態系に対する現在のリスクが 20年前より 10倍から 20倍高いことを示した。
抗てんかん薬のカルバマゼピンは、魚の卵の発達や貝の消化過程を混乱させることと関係していた。
そして、この研究では、潜在的な水中のリスクは、大きな河川が少ない中東などの乾燥地域で最も顕著であることが発見された。
特に抗生物質シプロフロキサシンのリスクが、広範囲に広がっており、試験された世界の 449ポイントの水生生態系のうち 223ポイントで有意なリスク増加を示した。
オランダ・ラドバウド大学の科学者であり、本論文の主筆であるリク・オルデンカンプ博士(Dr Rik Oldenkamp)は、以下のように語る。
「研究で判明した抗生物質の濃度は、河川にすむ水中のバクテリアにとって有害である可能性があります。これらのバクテリアは、様々な栄養サイクルにおいて重要な役割を果たしているものです」
「河川の抗生物質は、廃水処理に使用されるバクテリアのコロニーの有効性にも悪影響を及ぼしている可能性があります」
さらに懸念されることがあり、オルデンカンプ博士たちの研究チームが、4つの河川システムからのサンプルと比較したとき、彼らが作りだしたモデルはリスクを過小評価していることがわかったのだ。つまり、実際のリスクはさらに大きなものである可能性がある。
医薬品の河川への残留は、維持管理が不十分な下水道からの排水、または飼育動物に使用されている農場からの流出などから淡水系に侵入する。
また現在、世界中で抗生物質に耐性を持つ薬剤耐性菌が増加しているが、このように世界中の河川に高い濃度の抗生物質が残留していることは、薬剤耐性菌の出現の速度を加速させる可能性がある。
そのために、河川への薬剤の流入と残留は、世界的な関心事にもなっている。
オルデンカンプ博士は以下のように言う。
「自然環境が、様々な病原体に対する『抵抗力の源』として機能していることが、ますます明らかになっているにもかかわらず、この河川に入り込む薬剤の問題における環境の役割についての認識がほとんどないのです」
河川の中の抗生物質などの薬剤濃度が上昇して動物の行動に影響を与えたり、土壌の本質的な分解や酸素化を行う細菌を破壊したりすることにより、生命を支えるプロセスそのものに影響が及ぶ可能性があり、そうなった場合、自然界にリスクが生じることもあり得る。
ヨーロッパおよびその他の先進地域では、長期にわたる水質の監視プロジェクトが存在する。しかし、河川中の薬剤濃度について、強く影響を受けやすい多くの地域では、そのような水質監視のシステムはない。
オルデンカンプ博士は以下のように述べる。
「私たちのモデルは、中東などの人口の密集した乾燥地域で、生態系に高い環境のリスクがあることを予測しています。しかし、それらの地域には、医薬品の使用状況や、水質の薬剤濃度に関するデータがほとんど存在しないのです」
先日のプラスチックが「100%の人々の体内に存在する」可能性が高い中、プラスチック製品に含まれるフタル酸エステルが「メスの妊娠率を著しく下げる」ことが判明。地球は全生物の不妊化へ?といい、似非温暖化の裏で真の人為的世界崩壊事象は確実に進行中であり、これらは全て貨幣資本主義下の現代商業主義がもたらした大災厄であるにもかかわらず、何の咎も受けていない。 正に破滅への道をまっしぐら。
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