http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/677.html
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地球温暖化で熱帯雨林の昆虫が激減して生態系全体に大きな影響を与えている
https://gigazine.net/news/20181017-massive-insect-loss/
熱帯雨林は生物学的な多様性に富む地域であり、特に昆虫や節足動物が多く生息しているといわれています。近年、昆虫や節足動物の数が激減するかもしれないという研究が発表されていますが、実際にプエルトリコの熱帯雨林では40年間で昆虫が激減していることが判明。さらに、昆虫をエサとする鳥類・は虫類・両生類などの数も激減するなど生態系にも大きな変化が表れていて、その原因は温暖化による気候変動だと論じられています。
Climate-driven declines in arthropod abundance restructure a rainforest food web | PNAS
http://www.pnas.org/content/early/2018/10/09/1722477115
‘Hyperalarming’ study shows massive insect loss - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/science/2018/10/15/hyperalarming-study-shows-massive-insect-loss/
国際生物学者チームは、2014年に「過去35年にわたってカブトムシやミツバチなどが45%減少した」と推定しています。また、ヨーロッパでは「農業の強化」と「生息地の断片化」によって昆虫が近い将来激減し、生態系全体に大きな影響を与える可能性が示唆されています。
レンセラー工科大学の生物学者ブラッドフォード・リスター氏は、1970年代からプエルトリコで熱帯雨林に生息する昆虫を研究してきたとのこと。リスター氏は、1976年・1977年に熱帯雨林に生息する鳥類・両生類・は虫類・昆虫・食虫植物などの個体数を計測して記録していたそうです。しかし、40年後にメキシコ国立自治大学の生態学者であるアンドレス・ガルシア氏と一緒に再びプエルトリコの熱帯雨林を訪れたところ、鳥やチョウの数が明らかに減っていることがわかりました。
リスター氏とガルシア氏は、森林に生息する昆虫や無脊椎動物、節足動物を粘着性のトラップで捕獲し、調査しました。すると、2012年に捕獲した無脊椎動物の乾燥重量が40年前に比べておよそ4分の1から8分の1と、大幅に減少していたとのこと。また、トラップに生物が引っかかる確率も1977年1月に比べて60分の1に低下していました。リスター氏とガルシア氏は、この急激な生態系の変化は気候の変化に起因すると考えています。熱帯雨林の平均気温は1970年代から40年でおよそ2度上昇しました。昆虫には体内の熱を調整する機能がなく、熱帯雨林の気温が上昇してもその変化に適応することができないため、昆虫は人間よりもはるかに大きな影響を受けることとなります。
さらにリスター氏は、熱帯雨林に生息する「グリーンアノール」と呼ばれるトカゲに注目。グリーンアノールは昆虫やクモなどの節足動物を捕食する肉食のは虫類なのですが、リスター氏によると1970年代に比べて30%以上も減少しているとのこと。昆虫や節足動物が劇的に減少したせいで、それをエサとするグリーンアノールの生息数も減ってしまったというわけです。グリーンアノールの一部の仲間に至っては、熱帯雨林から発見することもできなかったそうです。
また、別の研究では、プエルトリコの熱帯雨林に生息する鳥類をかすみ網で捕獲してその生態を調査した結果、2005年の捕獲率が1990年代に比べて50%も減少したことが報告されています。
世界の商品作物の35%が、ミツバチなどの昆虫による受粉を必要としているといわれており、昆虫の減少は生態系だけでなく、人類の生活にも大きな影響を与えると考えられます。コネチカット大学で無脊椎動物保護の専門家であるデヴィッド・ワグナー氏は、「今回の研究は、昆虫の減少がより大きく、多くの生態系に及ぶかもしれないということを示しています。これは私が今まで読んだ中でも最も不安をあおる論文です」と語っています。
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