http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/635.html
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アブラゼミの雄の標本。アブラゼミと比べて大きさが分かる(共に川口市で採集・碓井徹さん提供)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180214-00010000-saitama-l11
埼玉新聞
2/14(水) 2:50配信
埼玉県川口市北部の安行地域で中国の外来種のセミ「プラティロミア・ピエリ」が生息し、繁殖していることが埼玉大学の林正美名誉教授(昆虫分類学など専門)らの調査で確認された。同市の市民から「安行で聞き慣れないセミの鳴き声の大合唱を聞いた」などの情報があったことから、調査チームを結成し2016年と17年に分布や生息状況、生態調査を実施し、プラティロミア・ピエリと確認した。同名誉教授によると、日本で生息が確認されたのは初めて。
生息環境が違うため、在来種のセミ類への影響はないとみられるが、同名誉教授は「生態や生息の有無を全国で調査する必要がある」と話している。どのようなルートで日本に侵入し、定着・繁殖したかなどが、今後の調査課題だという。
このセミは、中国大陸東部の浙江省からベトナムに至る地域に広く分布する。学名がプラティロミア・ピエリという大型種で、アブラゼミより一回り大きい。羽が透明で、羽化した直後の体は美しい淡緑色。成虫は暗緑褐色になる。中国での研究によると、卵のまま約1年を過ごし、幼虫は土中で5年かけて成長したのち成虫になるとされている。
ツクツクボウシの近縁の仲間であり、セミ類としては異色のタケに依存することから、同名誉教授らは「タケオオツクツク」と名付けることを提案している。
調査チームは同名誉教授のほか、NPO埼玉県絶滅危惧動物種調査団の碓井徹代表(64)、埼玉昆虫談話会会員の植村雄一さん(51)ら13人。
16年は8月から9月、17年は5月から9月末まで調査を実施。その結果、川口市北部の安行地域や隣接するさいたま市南部などの狭い範囲の10カ所で鳴き声や目視で生息を確認した。
タケの細い枯れ枝に産卵する様子も観察された。同名誉教授は「寄主植物がタケ類であることが明らかになった」とする。成虫はタケ類のほかに、シラカシなどから汁を吸う姿も見られ、広葉樹からも吸汁することが分かった。
モウソウチクなどの竹林などの高所の葉陰で、日没前後30〜40分の時間帯に限って鳴くため、姿がなかなか見えない。羽化の途中をスズメバチに襲われる場面も観察され、天敵がいることも分かった。
同名誉教授らは今年も調査を続ける方針。「分布範囲の把握と今後の動向を注意深く見ていく必要がある。埼玉での発見や調査結果の公表を契機に、全国で生息の有無を調査してほしい」と話している。
同名誉教授らの調査に、川口市の奥ノ木信夫市長は取材に対し「驚きだ。地球温暖化の影響もあるのではないか。川口は宅地開発で緑が減り、セミなど昆虫が減っている中で繁殖していることは、よほど繁殖力が強いのだろう。(同名誉教授らの)専門家による調査の行方を見守りたい。有害と分かれば対策を取ることになる」と語った。
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竹林に生息するとは珍しい。
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