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件名:植物は花粉媒介生物の種類に応じて異なった進化をする
日時:20170315
媒体:Nature
出所:http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/11716
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【進化】植物は花粉媒介生物の種類に応じて異なった進化をする
Nature Communications
2017年3月15日
Evolution: Pollinators differentially drive plant evolution
植物の形質が花粉媒介生物種の違いによって急速に多様化することを明らかにした研究論文が、今週掲載される。マルハナバチやハナアブによる送粉をわずか11世代続けただけで、草丈、花の香り、花の色、繁殖における花粉媒介生物への依存度に違いが生じていたのだ。今回の研究は、花粉媒介生物群集に変化があると、植物の形質の進化に対して急激な影響が及ぶことを示唆している。
花粉媒介生物に応じた植物の進化に関する過去の研究は、野外で行われており、花粉媒介生物以外の要因で植物の特徴に変化が生じる可能性があった。今回の研究では、花粉媒介生物それ自体が植物の進化に及ぼす影響を分離できる実験系が用いられた。
今回、Daniel GervasiとFlorian Schiestlは、温室内でBrassica rapa(アブラナやハクサイの原種)を栽培し、マルハナバチやハナアブによる送粉を行った。人工授粉した場合と比べると、マルハナバチにより送粉された場合は草丈が高くなり、香りの豊かな花が多くなり、紫外線反射率が高くなった。一方、ハナアブにより送粉された場合は草丈が低くなり、香りが弱くなった。
また、この実験が終わる頃には、マルハナバチにより送粉された植物は、送粉者のマルハナバチを多く引き寄せるようになった。一方、さほど有効な送粉者ではないハナアブにより送粉された植物は、自家受粉(花粉媒介生物の助けを借りずに結実する)をうまくできるようになった。以上の知見は、自然の生息環境における花粉媒介生物環境の変化が進化に及ぼす影響について研究を重ねる必要性を明確に示している、とGervasiとSchiestlは結論づけている。
DOI:10.1038/ncomms14691 | 英語の原文
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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//memo
*Real-time divergent evolution in plants driven by pollinators
http://www.nature.com/articles/ncomms14691
:Abstract
Pollinator-driven diversification is thought to be a major source of floral variation in plants. Our knowledge of this process is, however, limited to indirect assessments of evolutionary changes.
Here, we employ experimental evolution with fast cycling Brassica rapa plants to demonstrate adaptive evolution driven by different pollinators. Our study shows pollinator-driven divergent selection as well as divergent evolution in plant traits.
Plants pollinated by bumblebees evolved taller size and more fragrant flowers with increased ultraviolet reflection. Bumblebees preferred bumblebee-pollinated plants over hoverfly-pollinated plants at the end of the experiment, showing that plants had adapted to the bumblebees’ preferences.
Plants with hoverfly pollination became shorter, had reduced emission of some floral volatiles, but increased fitness through augmented autonomous self-pollination. Our study demonstrates that changes in pollinator communities can have rapid consequences on the evolution of plant traits and mating system.
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自然環境の中で人間尺度の時間軸においても、このような目に見える範囲の多様な"進化"が起こりえるというのには、おどろいた。
ちょっと、雑草でも見にいこか…
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