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(左)94歳になる寂聴氏は、困っている女性たちを救うプロジェクトを推進する
(右)対談では、前髪をアップにし、純白のワンピースに身を包んで登場〔PHOTO〕gettyimageg
「あの日」から2年。小保方晴子さんが受けた、瀬戸内寂聴「魂の救済」〜いまだ明らかにできないこと STAP問題の真実は?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48757
2016年05月31日(火) 週刊現代 :現代ビジネス
日本中を騒がせたSTAP細胞問題の真実はいったい—。手記『あの日』を読んで、寂聴氏は報道を疑い出したという。自身も世間から大バッシングを受け、傷ついた過去のある尼僧による魂の救済。
■純白のワンピース
記者会見で公の場に姿を見せてから2年、手記『あの日』を発表してから3ヵ月—。
ついに小保方晴子さん(32歳)が現在の姿を見せて登場し、自らの口で心情を赤裸々に語った。その舞台に選んだのは雑誌『婦人公論』、対話の相手は瀬戸内寂聴氏(94歳)だった。二人の対談が掲載される『婦人公論』は5月24日に全国で発売される。
ことの経緯はこうだ。『婦人公論』(4月26日号)に寂聴氏は、
〈小保方晴子さん。あなたの書かれた新刊『あの日』を読みました〉
という出だしで始まるコラムを寄せた。文章はこのように続く。
〈このままあなたは、あの事件のかげに押しかくされて、もう世の中から消されてしまうのか? それにしてはあんまり可哀そうじゃないかと、かねがねひとり心を痛めていたからです〉
〈あなたの受けたマスコミを通してのもの凄いバッシングには涙がでました。(中略)不幸にもあなたは今、人生のどん底にいます。でも何でもどん底に落ちると、その勢いではね上がるものです。絶望しないで、はね上がってください。日本だけが生きる場所ではない。必ずあなたはよみがえります。私のように〉
寂聴氏にはかつて、自身の文学作品が「ポルノ小説」と批評家たちに酷評され、「子宮作家」と世間から厳しくバッシングを受けて、文芸誌から干された過去がある。
そこから見事に作家として返り咲いた経験があるからこそ、小保方さんに並々ならぬ同情心を抱いたようだ。寂聴氏は関係者を通じてコラムと同内容の私信を届け、対談を申し込んだという。
小保方さんの代理人弁護士を務める三木秀夫氏が事情を明かす。
「対談の申し込みについて、事前に小保方さんから相談がありました。彼女はインタビューに応じることにはまだ不安があったようです。私が『瀬戸内さんのような立派な方からのお誘いなのだから、大丈夫だよ』と言うと、彼女は『わかりました』と対談に応じることを決めました。
瀬戸内さんには彼女の思いをきちんと汲みとっていただいたようで、小保方さんはインタビューを受けてよかったと思っているようです」
では、実際に二人はどのようなことについて語り合ったのか。当該の『婦人公論』(6月14日号)の内容を紹介する。
カラー7ページで「小保方さん、あなたは必ず甦ります」と題された大特集の巻頭は、ツーショットで始まる。
純白のレースのミニワンピースに身を包み、白のハイヒールを履いた小保方さんは、紫色の法衣を来た寂聴氏に腕を取られ、固い表情ながらも笑顔をカメラに向けている。
STAP細胞の発表会見当時に比べて、かなり痩せた印象だ。『あの日』の出版以降も、心労から満足に食事が取れなかったようだ。対談は京都・嵯峨野にある寂聴氏の寺院、寂庵で行われた。関係者のみが臨席する中で、2人は数時間にわたって語らったという。
その内容は多岐にわたる。『あの日』執筆の背景、寂聴氏や小保方さんが受けたメディアによるバッシングの実態、小保方さんの生活、家族のこと、出家について、学生時代や将来のこと……。
そして、小保方さんはいまだに体調不良であることや、この2年の間、死さえ意識したと率直に告白する。
寂聴氏が自身のどん底だった経験を踏まえて語るから、小保方さんの心が次第に解きほぐされていく様子が伝わってくる。
話はさらに『あの日』の記述内容にも及んだ。寂聴氏は小保方さんの文才を賞賛しつつも、同書に描かれていないことに鋭く切り込む。
STAP細胞論文執筆で重要な役割を果たし、騒動の渦中で自殺した理研CDB(発生・再生科学総合研究センター)副センター長・笹井芳樹氏や、共同研究者だった山梨大学教授の若山照彦氏についてだ。
■「捏造の科学者」と呼ばれて
小保方さんが慕った笹井氏については、まだ死のショックが大きく、『あの日』では詳しく書けなかったと明かす。
一方の若山氏からは『あの日』の発売以後、これまで小保方さんの言い分に対して何の反応もないのだという。
寂聴氏が励まし、小保方さんが再起へ向けて前向きに語り、二人の対談は終わっている。
「今後、キーマンとなるのは、若山氏でしょう。
小保方氏は若山氏から『これまで見た中で最も優秀なポスドク(博士研究員)』と何度も言われ、また、若山氏が理化学研究所から山梨大学に移る際には、助教として一緒に移るよう、熱心に誘われたそうです。
ところが、STAP論文に疑義が持ち上がると、若山氏は小保方氏と立場を異にし、彼女たちにだけ非があるように振る舞った。なぜ若山氏が別人のように変わってしまったのか、小保方氏は今も恨みを抱いているはず。小保方氏がどういう形で再起するにせよ、若山氏との対決は、避けては通れないはずです」(理研関係者)
騒動を受けて理研は調査を行い、STAP細胞から作られた「キメラマウス」は、ES細胞から作成されたものだと結論づけた。ただし、誰がES細胞を混入させたかについて、調査委員会は結論を出していない。
メディアは小保方さんが混入した犯人かのように報じ、彼女一人の責任ばかりが問題視されたのは周知の通りだ。
小保方さんは手記の中で、理研による調査の方法が彼女にとって威圧的であったと訴えるとともに、本当の「混入犯」は、若山氏ではないかとも示唆している。
では、当の若山氏はどう答えるのか。小保方さんが説明責任を果たした以上、若山氏が反論しなければ、小保方さんの言い分を認めることになるのではないか。
本誌は山梨大学生命環境学部生命工学科の「若山研究室」に改めて何度も取材を申し込んだ。ところが、学生と思われる人物が「会議中」ないし「不在」と繰り返すばかりで、若山氏が取材に応じることはなかった。
小保方さんは2年前の会見でも、手記でも一貫して、細胞に刺激を与えると万能性を獲得する「STAP現象」は存在すると主張している。
今年に入って小保方さん自身が開設したHPでは、STAP細胞の作成手順を英文で公開し、今もなお海外では実際にSTAP細胞の再現について実験が行われている。
そんな中、ドイツの名門、ハイデルベルク大学が、小保方さんたちが行った実験とは異なる方法ではあるが、免疫細胞の一種に刺激を与えるとSTAP現象が確認されたと発表した。
そのことは小保方さんも把握し、研究がすべて闇に葬り去られたわけではないことに安堵の気持ちを覚えているという。
小保方さんの恩師で、米ハーバード大学名誉教授のチャールズ・バカンティ氏も、米高級誌『ニューヨーカー』の取材にこう答えている。
「私は、STAP細胞は正しい、確かに存在すると100%信じたまま墓場に行くつもりだ」
やはり、STAP細胞は存在するのではないか。小保方さんは悪意のあるメディアが報じたような「捏造の科学者」ではないのではないか。
しかし、今も彼女は大バッシングから立ち直ることができず、ようやく回復の道を少しずつ歩み始めたところだ。その第一歩が『あの日』の執筆であり、寂聴氏との対談だったというわけだ。
■反撃が始まるのか
4月26日には、小保方さんはBPO(放送倫理・番組向上機構)の放送人権委員会に対して、『NHKスペシャル』によって人権が侵害されたとの意見を陳述。'14年に放送された「調査報告 STAP細胞 不正の深層」によって、小保方さんが「ES細胞を盗んで実験したとの断定的なイメージで番組が作られた」と主張した。
もちろん、小保方さんがES細胞を盗んだ疑惑など存在しない。
昨年、理研の研究室からES細胞が何者かに盗まれたと、理研の元研究者が告発。兵庫県警は任意で小保方さんから事情を聞いたものの、容疑者を特定しないまま、捜査を終えていた。5月18日に神戸地検は「事件の発生自体が疑わしい」として、嫌疑不十分で不起訴処分としている。
とはいえ、これだけでは名誉回復には程遠い。小保方さんが生活の平穏を取り戻すのはまだまだ先のことだろう。前出の三木弁護士が言う。
「最近、小保方さんに直接会ったのは、『NHKスペシャル』の件でBPOに意見陳述をした際です。委員に意見を述べる場とあって、とても緊張した様子でした。
『あの日』の執筆や瀬戸内さんとの対談で、少しずつ前向きにはなってきました。ただ、まだ精神的なショックから完全には立ち直れておらず、療養しながら生活している状況です。
収入を得るような仕事はしていませんし、今は必死になって次の道を模索している段階です。再び科学者の道へ進もうとしているのかどうか、本人がどう考えているかはわかりません」
小保方さんの受けた心の傷はとてつもなく大きい。だが、寂聴氏と出会ったことで、彼女の前途に一筋の光が差したとしたら、それは救いになるに違いない。
小保方晴子著『あの日』
「週刊現代」2016年6月4日号より
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