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女性はなぜ性交時に声を出すのか?-男女の性を巡る、進化論の不都合な真実-[橘玲の日々刻々] 
http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/308.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 5 月 05 日 11:18:04: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

女性はなぜ性交時に声を出すのか?-男女の性を巡る、進化論の不都合な真実-[橘玲の日々刻々]

2016年5月2日 橘玲

 近年では、さまざまな人間の行動を進化の産物として説明することが当たり前になりました。

 私たちの祖先が生きてきた旧石器時代は糖がきわめて貴重で、幸運にも甘いもの(ハチミツなど)を見つけたら限界まで食べるよう進化してきました。ところがこれは、糖質の多いファストフードが容易に手に入る飽食の時代には破滅的な結果をもたらします。こうしてアメリカでは、貧困層の肥満が社会問題になる皮肉な事態が起きたのです。

 このように進化論は強い説得力を持ちますが、ときにきわめて不都合な結論を導き出します。

 哺乳類では、オスとメスの生殖のコストが大きく異なります。ヒトの場合、女性は妊娠から出産まで10カ月ちかくかかり、出産後も長期にわたって授乳させないと子どもは生きていけません。このような制約から、一生のあいだに産める子どもの数はおのずから決まってきます。

 それに対して男性は、生殖にほとんどコストがかかりません。これがチンギス・ハーンから大奥まで、洋の東西を問わず権力者がハーレムをつくってきた理由で、子どもの数には物理的な限界がありません。

 こうした生殖の非対称性から、進化論者は「オスはメスとの稀少な生殖機会をめぐってはげしい競争をしている」と考えます。この競争にはさまざまな方法がありますが(ゾウアザラシのオスは骨格の限界まで身体を巨大化させる)、ヒトの場合、権力闘争に勝ったオスが好みの(複数の)メスを手に入れる、との説が一般的でした。たしかにこれは、人間社会における男性の行動をとてもよく説明しています。

 しかしこれでは、競争から敗れたオスは子どもをつくることができません。進化の狡猾なプログラムは「手段を問わず子孫(遺伝子のコピー)を残せ」と命じるのですから、すごすごとあきらめてしまうようでは40億年の生命の歴史を生き延びられなかったでしょう。

 だとしたら、弱いオスはどうやって子孫を残してきたのでしょうか。その合理的な戦略のひとつがレイプです――ここであわてていっておきますが、これは私の意見ではなく進化心理学の標準的な学説です。そしてこれが、進化論が「陰鬱な学問」として評判が悪い理由になっています。

 しかしここで、「ヒトのオスがレイプするように進化したというのはほんとうなのか」と疑問を持った研究者がいました。もしそうなら、女性にとって重要なのはレイプから身を守ることで、性行為に快感を覚える理由がないからです。

 しかし実際には、男性の快感は射精とともに短時間で終わるのに、女性の快感は長くつづきます。これは「レイプ説」ではうまく説明できません。

 さらなる不可解は、性行為のときに女性が声をあげることです。これは人類が長い期間を過ごした旧石器時代の環境を考えると、きわめて不合理です。当時は肉食獣がうようよしていたのですから、これではわざわざ「獲物はここにいる」と教えるようなものです。

 それではなぜ、女性は生命の危険を犯してまでオルガスムで声を出すように進化したのか。ここから研究者は驚くべき仮説を提示しました……というような話を集めて、『言ってはいけない 残酷すぎる真実 』を出しました。興味を持ったら、つづきは本編でどうぞ。

『週刊プレイボーイ』2016年4月25日発売号に掲載

橘 玲(たちばな あきら)

作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』(ダイヤモンド社)など。中国人の考え方、反日、歴史問題、不動産バブルなど「中国という大問題」に切り込んだ『橘玲の中国私論』が絶賛発売中。最新刊『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)が発売中。

●橘玲『世の中の仕組みと人生のデザイン』を毎週木曜日に配信中!(20日間無料体験中)
http://diamond.jp/articles/-/90667  

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コメント
 
1. 2016年5月05日 11:24:53 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[345]
ひとは幸福になるために生きているけれど、幸福になるようにデザインされているわけではない。

この社会にはきれいごとがあふれている。人間は誰しも平等で、努力すれば必ず報われ、見た目″はそれほど大した問題ではない――だが、それらは絵空事である。往々にして、努力は遺伝に勝てない。知能や学歴、年収、犯罪癖も例外ではなく、美人とブスの「美貌格差」は生涯で約3600万円もある。また、子育ての苦労や英才教育の多くは徒労に終わる……。進化論、遺伝学、脳科学の最新知見から、人気作家が次々と明かす「残酷すぎる真実」。読者諸氏、遺伝、見た目、教育、性に関する、口には出せない「不愉快な現実」を今こそ直視せよ!

I 努力は遺伝に勝てないのか
1:遺伝にまつわる語られざるタブー
2:「頭がよくなる」とはどういうことか――知能のタブー
3:知識社会で勝ち抜く人、最貧困層に堕ちる人
4:進化がもたらす、残酷なレイプは防げるか
5:反社会的人間はどのように生まれるか

II あまりに残酷な「美貌格差」
6:「見た目」で人生は決まる――容貌のタブー
7:あまりに残酷な「美貌格差」
8:男女平等が妨げる「女性の幸福」について
9:結婚相手選びとセックスにおける残酷な真実
10:女性はなぜエクスタシーで叫ぶのか?

III 子育てや教育は子どもの成長に関係ない
11:わたしはどのように「わたし」になるのか
12:親子の語られざる真実
13:「遺伝子と環境」が引き起こす残酷な真実
(目次より)
内容(「BOOK」データベースより)
この社会にはきれいごとがあふれている。人間は平等で、努力は報われ、見た目は大した問題ではない―だが、それらは絵空事だ。進化論、遺伝学、脳科学の最新知見から、人気作家が明かす「残酷すぎる真実」。読者諸氏、口に出せない、この不愉快な現実を直視せよ。

解説書として読むべき
投稿者 numa 投稿日 2016/4/29
形式: 新書
他のコメントに「他の本の受け売りばかりでオリジナリティがない」「前に読んだことがある」とあります。その通りです。

この本は、それらの本の解説書として読むべきもので、一つにまとめてあることに意味があるのです。全ての記述に参考文献が書いてあるので、深く知りたければそれを読めばいい。一つ一つの本のエッセンスがまとめてあるので、それらのガイドとして観るべきでしょう。もちろん、参考文献に書かれた内容の全てが書いてあるわけではないけれど。

参考文献がたくさん書いてあるのは、全ての記述に裏が取れるということです。誰の受け売りなのかわからない解説書よりは誠実です。橘氏は引用されている全ての分野について素人だからこそ、そうしているのです。

これは「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」のアップデート版(「たったひとつの方法」は書いてないけれど)だと思ってください。あれを読んで「もういいや」と思われた方(目次を見ればわかると思います)は、読まなくていいでしょう。
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5つ星のうち 2.0私にとって不快なのは内容よりも煽り方
投稿者 けい 投稿日 2016/4/29
形式: 新書 Amazonで購入
生物には生態系、種、遺伝子の多様性がある。個体レベルで言えば、発現した遺伝子がその社会で有利に働く場合とそうで無い場合がある。

本書はその事を最新の知見を交えて紹介しているが、それを「残酷すぎる」とか「不愉快」とかやたら情緒的に表現しているのが押し付けがましく、不愉快に感じる。

「誤解のないように言っておくと…」などと、ところどころ文中でことわっているが、そもそも誤解の生じやすい書き方(煽り方)に問題があると思う。
著者は不愉快なものにこそ語るべき価値があると考えている、と言われるが、徒らに不愉快とか残酷とかレッテルを貼ることで、かえって人を遠ざけていると思う。その事の方が著者(編集者?)にとってはよっぽど残酷で不愉快な現実でしょうに。
「読まなくていい本の読書案内」もそうだったが、タイトルと中身が合っておらず、誤解を招く。もし意識的、戦略的にやってるとしたら、かなりイタい。興味深い内容だけに、残念。
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5つ星のうち 1.0このあたりが潮時ですよ、橘玲さん
投稿者 かぬひもと 投稿日 2016/4/18
形式: 新書 Amazonで購入
橘玲の本は、日々、その中身が劣化している。そんな気がしてならない。本人曰く、「本書は読んで不愉快な本」なんだそうだ。読んでみたが、別にそんなに不愉快な内容ではなかった。ただ気になるのが、橘玲の一貫した人生に向き合う姿勢についてだ。

橘の人生に向き合う姿勢を要約すると、こうだ。「人生は勉強である」「僕は勉強家である。沢山、本を読んでいる」「本の中には真理がある。それはとりわけ海の向こうの研究者が著した研究書の中に沢山書いてある」「だから僕は沢山の本を読み、良質の知識を身につけ、人生の黄金の羽根を拾うことに成功した」「このノウハウを君たちにも分け与えてあげるから、せいぜい僕の本を読んで勉強したまえ」

まあ、こんな感じだ。しかし、この手の「出羽の神(アメリカでは、欧米ではを連発するアレ)が資産運用や株式投資に留まっているうちは、まだ良かった。「へえー」「そうなんだ」で、済んだ。一部の出羽の神が神とあがめるマイロン・ショールズらが神のごとき知性を駆使して資産運用するLTCMが資産運用に失敗して破たんしても、だからと言って橘玲が炎上することはなかった。しかし、子育てや男女関係にまでやすやすと踏み込むようだと、そうはいかなくなる。橘は本書で、アメリカ等で出版された様々な子育て論、人間論、脳科学を「あたかもそれが真理であるかのような議論」として引用し、...続きを読む ›
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5つ星のうち 1.0買って損した。「買ってはいけない」ですね。
投稿者 ppppppkkkjjghf 投稿日 2016/5/3
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わざわざお金を出して買うほどのの内容でなくガッカリ。こんなどこにでもある噂話程度がベストセラーだなんてすごい騙された感じです。どこかのデータを引っ張ってきて説明してるだけで中身はないです。かなり残念。この方の本は二度と買いません。
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5つ星のうち 3.0すでに言われていることばかりじゃないか
投稿者 和他也mean2 投稿日 2016/4/17
形式: 新書
なんか聞いたことがあることばかりだなあと思ったら
最後にある参考文献の多くをすでに読んであった
わりと有名な本ばかりじゃないか
それらを切り合わせてて、どうだ、と言われても
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5つ星のうち 5.0「不愉快」になっても気にしない。残酷すぎる真実の箱を開けよう。
投稿者 中里直史 投稿日 2016/5/1
形式: 新書
確かに残酷すぎる真実であった。
本書に書かれている説は1つの説としては納得できるものである。
あとは我々、読者側が取捨選択、より深く追求し、自分なりの説を育てていくべきだろう。

私は特に後半がおもしろかった。
後半は進化論及び、遺伝学に関する1つの学説のレビューとして読めてしまう。
いや、エンターテイメントとして読める。

私が夢中で読んだ後半の項見出しをピックアップ。

・結婚相手選びとセックスにおける残酷な現実
・女性はなぜエクスタシーで叫ぶのか?
・わたしはどのように「わたし」になるのか
・親子の語られざる真実
・「遺伝子と環境」が引き起こす残酷な真実

特に人間の適した婚姻制度は乱婚であることが書かれている「女性はなぜエクスタシーで叫ぶのか?」の項は非常に面白く、お勧めである。
すとんと腑に落ちてしまった。
霊長類の身体的特徴を含む性戦略と、狩猟時代の人間の生活・心理の考察を組み合わせた考えには知的好奇心を燻られた。
脳の大きさや機能も狩猟時代から大きく変わっていないことを考慮すると、より納得できてしまう。
自分の理解をより深めるために、是非とも巻末にある参考文献も読みたい。...続きを読む ›
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2. 2016年5月05日 11:34:21 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[346]
人類は乱交で進化」 世界で話題“学術本”のスゴイ中身
2014年7月25日
The Economist – www.economistasia.com
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「性の進化論」(作品社)
「性の進化論」(作品社)


「セックス時、なぜ女性は大声を出すのか」「男性がなぜ“寝取られ”に興奮するのか」――。
 人に聞けない疑問が解消されそうだ。

 1948年、53年に出された性生活の調査書「キンゼイ・リポート」以来、米国に大論争を起こした「性の進化論」(作品社)が20日、日本上陸。その衝撃的な中身に世界21カ国で話題沸騰中だ。著者で、調査心理博士のクリストファー・ライアン氏と、精神科医のカシルダ・ジェタ氏によれば、どうやら人類は「乱交」によって進化してきたというのだ。

 現生人類と同様の特徴を持つ人類が出現したのが20万年前。農耕社会になったのは1万年前で、それ以前の19万年の歴史で、<われわれの祖先は小集団で暮らしていて、そこではほとんどの成人が、いつでも任意に、複数の性的関係を同時進行で持っていたと思われる>。つまり、“乱婚集団”だった可能性があるという。浮気や複数人プレー願望も“異常”ではないんだとか。

■3Pは精子を増やす

 著書の中から、いくつかピックアップしてみると、興味深い事実が分かる。例えば、「女性がエクスタシーを感じて叫ぶ」のは、<性的な逢瀬を楽しんでいる女性の声が、異性愛者の男性を惹き付ける理由がここにある。女性の「交尾コール」は、潜在的に「みんな、こっちにいらっしゃいよ」という誘いなのであり、そうやって精子競争に駆り立てているのである>からだ。一夫一妻の種のメスであれば、他のオスを呼ぶ必要はないが、これも過去数千世代にわたる「乱婚」社会の名残だと思えば合点がいく。

 性器の形状も、<人類の祖先が乱婚的であったことを示している>という。男性器があの形状になったのは、女性の性管に真空状態をつくりだすためで、それにより自分の精子より先に注入された他の“オス”の精子をかき出す役割がある。で、子宮頚管が複雑なのは、複数の男性の精子をろ過するためだそうだ。


妻や彼女が「寝取られる」シチュエーションに興奮するのにも理由がある。

<精子競争を示唆するような映像や画像(たとえば男性二人に女一人の性行為)を見て射精する場合の方が、単に女三人が露骨な格好をしているものを見て射精するよりも、精液に含まれる精子の割合がはるかに大きくなる>という実験結果があるのだとか。これも、<さまざまな社会で、女性がおおぜいの男と次々とセックスすることで、男性の働き手や狩人を鼓舞していた>ように、先史時代からの名残といえるそうだ。

“性癖”の成り立ちも、なかなか奥深い。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/lifex/152093/2

 

ロビン・ベイカー「精子戦争〜性行動の謎を解く」を読んでみた
2005年12月13日 | Weblog
多くの人は、自分で自分の人生を決めることが“前向き”だと思っている。自分が何かを考え、実行するから、現実がつくられていくのだと。

でも、実際には自分で何か実行したところで、なかなか思う通りにはいかない。
だから、しばしば人は自己嫌悪に陥る。自分はダメな人間だとか、人生は所詮こんなものだとか思ってしまう。
あるいは人生を恨む。この世界をろくでもないものとみなしたり……。

結局、ポジティブになろうとすることでネガティブになってしまっている。なろうとすればするほど、ネガティブなものを引き寄せている。
そんなふうに言えないだろうか?

と、ここで思う。

つまり、人は自分で自分の人生を決めている。……本当にそうなのだろうかと。

そうではなく、じつは逆にすべてが「決まっている」のではないか?
こう言うと、人はみずからの自由意志が否定されたように感じてしまうかもしれない。一種のニヒリズム(虚無主義)のようにとらえる人もいるだろう。

しかし、そうした自由の捉え方そのものが、その人の自由を縛っている(その人を不自由にさせている)「錯覚」にすぎないとしたら……。

多くの人の陥っているであろう、この「錯覚」に気づかせてくれる本として筆者がおすすめしたいのが、アメリカの生物学者、ロビン・ベイカーの書いた「精子戦争〜性行動の謎を解く」という一冊。

精子戦争。……冒頭のテーマとは一見無関係に思えるが、読者はこのフレーズにどんなイメージを抱くだろうか? まずは作者のベイカー博士が80年代に手がけたという、非常にユニークな研究調査について紹介してみよう。


(ベイカーは)合計約百組のボランティアのカップルから、約千個の射精された精子を収集したのである。男性にはコンドームを渡してセックスやマスターベーションで出た精液を採取してもらい、女性には射精の後に膣から流れ出たフローバック(逆流)を大変な努力を強いてビーカーに集めてもらった。

そして、その中の精子の数を顕微鏡をのぞいて逐一数え、他の男性の精子がミックスされている時は精子はどのように違った行動をするかを観察したり、子宮内に残っている精子の数を割り出したのである。

……それらの調査を通じてわかったことは、射精された精液に含まれる精子の数は変化する、その変化は前回のセックスとの間隔がどのくらいあいているか、パートナーとどのくらい一緒の時間を過ごしたかに関係するという、生物学者を驚かせる革命的なものであった。


こうした研究を大まじめに行なったあたり、優秀な学者に不可欠な“奇人ぶり”が発揮されていて、なかなかおかしい。
ただ、ここで注目したいのは、「射精された精液に含まれる精子の数は変化する」というくだり。

何がどう注目されるのか、わかりやすく言えば……。

男性の体は、その時々の性行為(自慰も含む)の状況に応じて、射精の際にどのくらいの数の精子を放出するかを決めている。
それは、生物的なレベルでコントロールされていると言い換えてもよく、しかも、いかに優秀な精子を取り込むかという女性の体の需要と密接に関わり合っている。

だから、たとえば次のようなことも起こりうる。


女は自分はもう子供はいらないと本当に信じていた。妊娠を避けるため、ピルを飲んでいたし、必要なときには夫にコンドームを使わせて二重の用心をしていた。……(しかし)いわゆる性的に一番活発な一週間の間に、ピルを使うのを「忘れた」のだった。これは本当に「忘れた」のだったか? それとも潜在意識の戦略だったのだろうか?


当人はたまたま忘れてしまった、その結果、子供が生まれてしまったと考える。
しかし、それはあくまでも個人の主観の話。
生物のレベルで見たら、本当に「たまたま」なのかどうかもわからない。
そもそも、普段我々が何気なく使っている「たまたま」とは、どういう意味なのか?

要は偶然そうなったと言っているわけだが、たとえば科学の目で見た場合、偶然と呼ばれるものの法則性をカタチにできるとは思えない。
それよりももっと単純に、物事には原因があって結果があるという因果律で、この世界のありようをとらえてみる。
するとすべてが必然、たまたまということはない、ということになる。

たとえば、先の事例に出てくる「女」は、夫が出張中の間に「たまたま」用事で家に現れた会社の上司と不倫し、性的な関係を結ぶ。次いで、若い窓ふき掃除の男とも、不意な衝動に駆られて同じように関係を結んでしまう。

以上は、ベイカー氏が自らの調査研究から得られた「事実」を、読者にわかりやすく伝えるために創作されたエピソードの一つだが、彼自身、「このシナリオは大変陳腐であるため、注意しないと重要なポイントを見逃してしまう危険性がある」と語っている。

ここまでの話をふまえるならば、この陳腐で見逃してしまいやすい、でも重要なポイントとはどんなものなのか、想像がつかないだろうか?

そう。じつは意思と呼ばれるものは、偶然とも思えることのもっと根底にあるものだということ。
生物にとっての重要事である出産に関して言うなら、それは先にもふれたように、「より優秀な個体を産み出すための最善の判断をする」ということと重なる。
本人の都合とは関わりなく、である。


この女性の体が本当に決めていたことは、夫の子供はいらないということであった。
……(なぜなら)女の目から見ると、夫はここ何年にもわたって体力が落ちている。夫は、最初の二人の子供をつくったときのような力を出すことができなかった。そして今また再び健康を害している。
……実際、彼女の体は、三番目の子供の父親は夫よりもっと丈夫な体格をした、誰か別の人にすると決めていた。したがって、チャンスが到来すると、女性の体は自分の魅力を大いにいかそうとしたのだった。


ここには不倫と呼ばれる行為の、生物的な面でも意味合いがわかりやすく書かれている。
もちろん、不倫をことさらに奨励しているわけではない。ある意味、不倫したいと感じること自体、セットされたものであると言えるわけで……。


女性は、夫以外の男性とセックスするときのほうが、何の避妊法も使わない傾向がある。不倫の場合は状況的に何らかの避妊法をとるのがむずかしいのだが、いつもそうだとはかぎらない。……彼女がピルを適切なときに飲んでいたなら、妊娠することはなかったろう。しかし、彼女はピルを飲むのを忘れてしまった。


繰り返すが、ここで彼女が忘れてしまったことを、「たまたま」ととらえるべきなのかどうか。
この解釈の仕方ひとつで、自分がこうして生きているということの意味合いががらりと変ってしまう。

たとえば、多くの人は避妊さえしておけば子供は産まれない、つまり、子づくりはある程度人為的にコントロールできると素朴に思っていないだろうか?
しかし、そのような理性的な行為?はしばしば「失敗」する。“できちゃった結婚”のような事態が起こる。

この場合、たまたまコンドームをつけなかった。それが「失敗」だった。
状況だけ見れば確かにそうかもしれない。しかし、なぜたまたまつけなかったのか?
それは本人がある瞬間に、つけないでもいいやと思ったからかもしれない。たまたまストックのない時に衝動に駆られたからかもしれない。
しかしいずれにせよ、そんなある状況のある感情までは、人はコントロールできない。そのような「気持ち」は予期せずにやってくる。

もっと視野を広げて見るならば、人は人為によって自然をコントロールできると考える。
しかしそれはしばしば裏切られる。「予想もつかない事態」が起こる。
そのようなとき多くの人は、自分たち人間の愚かさを呪う。
しかし、愚かだからコントロールに失敗したのだろうか? より賢くなることで、失敗は限りなくゼロにしていける。
そんな「理性神話」はどこまで信用できるのだろうか?

……こうした問いかけに関して、先ほどの「陳腐なエピソード」からはまだまだおもしろいことが導き出せる。
もう少し話をつづけよう。

先の女性は、体のレベルで(つまり生物のレベルで)、体力の衰えた夫の子供を産むことを望んでいなかった。
本人は仕事に打ち込みたいからとか、もう二人も産んでいるのだから十分だとか、
顕在意識のレベルでは思っていたかもしれない。
しかし、「彼女には夫の遺伝子よりよい遺伝子を提供されて妊娠できるこんな完全なチャンスを得ることは二度とないかもしれない」。
彼女の体は、唐突にやってきた“不倫のチャンス”に対してそのように判断していた。


彼女が経験した突然で一週間も続いた性的興奮のうねりは、妊娠しやすい時期に起きたホルモンの働きのなせる術である。
この時期に、女性は不倫にいつもより関心を抱くようになることはすでに述べた。……一週間の終わり近くに急に不倫に興味がなくなったことは、妊娠しやすい時期が終わったことを意味する。そしてそれは、妊娠の始まりだった。


不倫をするという以上、そのとき彼女は明らかに“発情”していた。
普通人はそれを「たまたま」ととらえる。しかし、生物的に見たらじつは何らかの力によって誘発されたものであるのかもしれない。
何のために? そう、「夫の遺伝子よりよい遺伝子を提供されて妊娠できる」ようになるために。

おわかりだろうか? 自らに起こったことには、感情面も含めて、それなりに意味(必然性)があるということだ。
その意味を受け取れる人は、同時に現実を受け入れることもできる。
しかし、その意味が見えないままに「たまたま」という視点でとらえようとすると、この世界を動かしている法則性は蚊帳の外になる。

たまたまうまくいった。たまたま失敗した。……確実性のない世界ほど、不自由なものはない。
それより、ミスも含め成功も含め、その背後に意味を見る。自分の都合を超えたところで、よりよく、より強く生きようという生物としての意思を感じてみる。

避妊することで妊娠をコントロールする。ミスがなければ、もちろん子供は産まれない。
自分たちが産みたいと思った時に、避妊をやめる。
そうなれば妊娠する確率はぐっと高まる。そして、実際に子供を産むこともできるだろう。
しかし、そのように意思すること自体が、「よりよい状況でよりよい遺伝子を受け入れて妊娠する」という女性の体の判断に基づいたものであるとしたら?

場合によっては、レイプによって妊娠してしまうケースもある(むしろそのケースが統計的に高いという話を聞いたこともある)。

あるいは、避妊などしなくても全然子供が産まれない、いわゆる不妊症で悩んでいる夫婦もいる。

産まれてきた子供が何らかの障害を抱えていたり、先天的に虚弱であったりする場合もある。

すべてモラルの面から「悪」とされていることである。もちろん、解釈の仕方によってその「悪」が「善」に変わると言っているわけではない。
そこには人の感情が介在するから、往々にして「傷」(トラウマ)も生まれる。
しかし、その傷は「善意」によって解消されるものではない。

まず、善悪の観念にとらわれず、感情的にならず、もっとフラットな視点から物事をありのままに見るようにする。
そうするとこれら「悪」とされてきたことにも、もっと違った主体的な意味や必然性と言ったものも見えてくるかもしれない。
その理解によって傷が癒えたり、人間としての「強さ」を身につけられたりするケースもある。
それを怖いと感じるか、「興味深く」思えるか……。

善悪の観念を生み出すのは脳だが、たえず生物的な意味で“よりよいもの”を志向しているのは、人の身体にほかならない。脳をも含む「全体」が見えてくると、性の意味合いももっとフレキシブルで、自由なものに変わってくる……。
運命に支配されていた状態から、もっと主体的に、その運命に乗って進んでいくことができるようになる。(運命とは“命を運ぶ”と書くように……)

なお、本のタイトルにある「精子戦争」という概念も、こうした“よりよいもの”を志向する生物としての意思に関わっている。
たとえば先ほどの女性は、夫の留守中に衝動にかられ、夫の会社の上司と窓ふきのアルバイトの男と同時進行の不倫をする。
しかも、この不倫がばれないように出張から帰ってきた夫とも、避妊なしのセックスをする。そして、3番目の子供(遺伝的には夫の血を引かない第3子)を出産する。


精子と言えば、「ああ、あのオタマジャクシのような」と思うのがふつうだが、ベイカーは戦闘の兵士である精子にはそれぞれ違う種類や役割があると言って、またまた私たちを驚かす。
すなわち、卵子に突入し受精する「エッグ・ゲッター」と呼ばれる少数派のエリート集団と、受精する能力はないが敵を攻撃する「キラー」、行く手を邪魔する「ブロッカー」のカミカゼ集団だ。

まず、何より大事なのは時間である。ライバルが自分のパートナーの子宮に精子を送り込んだと知ったら(知るのは難しいから、常にそう無意識のうちに仮定して)、いち早く自分の精子軍団も送り込むのだ。
早ければ早いほどいい。しかし、それがわからないからルーティン・セックス(*生殖目的ではない日常的なセックスのこと)をして、安全策を取っておくのである。
(以上、「訳者あとがき」より)


つまり、生殖面ではまったく無意味なルーティン・セックスだが、それはライバル(不倫相手?)の精子の“万が一”の侵入に備えて、自分のパートナーの卵子を守っている兵士を常備させておく手段ということになる。
あるいは、上記にあるようにすでに侵入してしまった“敵”に対して「戦争」を仕掛けるという目的も……(それが「精子戦争」ということ)。


時間の他に、精子戦争に勝つ要因は、量的に圧倒することである。敵の軍団よりはるかに多い軍団を送り込めば、勝つ見込みは高い。
また、キラーを増やしたり、若い精子を増やして、精液の中身の割合を調節する。
(同上)


戦争などと言うとぶっそうだが、ベイカー博士の言わんとしたことの意味は、これだけでも何となくわかるだろう。
個人の価値観は、脳の中で作られるものだから多様で、相対的。
しかし、人はそれ以前に生物であるから、根本的にはあくまで「より優秀な種を残す」ということに最善の策を講じようとする。
「生物としての自分」にとっては、それを実現できたときが「勝利」なのである。

もちろん、この「生物としての自分」の意思に従うのが正しいと単純に言っているわけではない。
子供を産み育てる(あるいは子孫を残す)ということも、必ずしも絶対の価値観ではない。
というより、そもそも(再三繰り返してきたように)、その人が何をどう感じるか、そのこと自体も生物的な意思の中に組み込まれているものであると言えるわけで……。

だから、世の中には生物的な繁栄の法則には180度反している、ホモセクシャルのような人もいる。
ここで彼らの存在を間違っていると言っているわけではないし、そう言ったところで何の意味もない。

肝心なのは、「気づく」ということ。「見る」ということ。
脳の解釈、その脳が産み出した善悪の観念にとらわれず、「よりよいものを志向する」生物としての自分の意思を感じてみる。
そうすれば、ホモセクシャルとして生まれてきたこと自体にも、何らかの意味を見いだせる(必然と受け止められる)ようになるかもしれない。

この「よりよいものを志向する」の“よりよい”は、自分にとって都合のいいこととは必ずしもイコールではないということだ。
生物の自分は、それが自分のためであると判断したなら、身体の免疫力を弱らせ、大病を患わせるような「試練」を与えたりもする。
障害を持って生まれてくることをも判断するかもしれない。

このへんの機微がわからないかぎり、自分が脳のつくりだした牢獄の中にいるということ自体に気づくことはできないと筆者は思う。
逆に言えば、それさえわかれば物事の価値観が180度逆転する。
自分を肯定する、受け入れるということの意味、あるいは「すべてが決まっているからこそ、人は自由である」というパラドクスも見えてくる。

性の解放をもし説くというなら、何よりもそれは脳の自分が作り出した観念から自己を解放するということではないだろうか?
http://blog.goo.ne.jp/thunder-r/e/1e84eecf6fc5e32e0673702cf745b70e


3. 2016年5月06日 18:39:15 : G8WBaFQHLg : N9qItATte6M[1]
>性行為のときに女性が声をあげることです。これは人類が長い期間を過ごした旧石器時代の環境を考えると、きわめて不合理です。当時は肉食獣がうようよしていたのですから、これではわざわざ「獲物はここにいる」と教えるようなものです。

あほか?
声など上げずともあれをやっておれば物音はするだろうし、
においもするだろう。
肉食獣ならばそれで充分。


5. 2016年5月10日 01:44:29 : 0KqoVHGsTQ : @7k0cx1I@Yo[-802]

【悲報】ま〜ん、計算式をテロの暗号と勘違いし飛行機を止める

beチェック
1 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/05/09(月) 08:23:38.81 ID:RN/D/wCP0.net

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160509-00000009-jij-n_ame


機中の経済学者に「テロ」容疑? =「謎の暗号」は微分方程式―米

 【ワシントンAFP=時事】米アメリカン航空系の地域航空会社アメリカン・イーグルの機中で、メモ帳に数式を書き込んでいた経済学者が他の乗客に「テロリスト」と誤解され、取り調べを受けたことが分かった。

 アメリカン航空の広報担当者が8日、AFP通信に語った。

 取り調べを受けたのは、ペンシルベニア大の理論マクロ経済学者でイタリア人のグイド・メンツィオ氏で、講演のためニューヨーク州シラキュース行きの便に乗り込んだ。隣の席に乗り合わせ、体調不良を理由に飛行機を降りた女性客が、同氏の「振る舞いが怪しい」と申し立てたという。

 女性客が「謎めいた暗号」と思ったメモの正体は微分方程式。アメリカン航空の担当者によれば、操縦士は直ちに「女性客の勘違い」と理解し、航空機は約1時間遅れで出発したという。 

ガイジかな?

http://tomcat.2ch.sc/test/read.cgi/livejupiter/1462749818/

[32初期非表示理由]:担当:要点がまとまっていない長文が非常に多いので全部初期非表示

6. 2016年7月09日 04:07:44 : tuC7M85NAc : ZO7KP0oP8LQ[7]

ヒマだね、お前ら。



7. 2016年7月30日 22:02:09 : MnvA9yDKWo : f02NT1AW450[1]
オス同士の闘争を極力さけ組織や社会を形成が人と動物の違い一夫多妻のままで遺伝子がプログラミングされてたら人の発展はなかったと思う


8. 2016年8月05日 00:48:37 : FIt59V2Nqw : dMz9Fvr4Hf4[2]
これ、ゴーストライター本じゃね?
それも、名義上の著者に長時間のインタビューして内容をまとめて執筆するんじゃなく、「この著者の名前ならどんな内容でもホイホイ飛びつく馬鹿がうじゃうじゃいる」レベルの著者だけができる、完全にゴーストライター(複数の可能性もあり)に任せっきりでいい加減に書き飛ばすやつ。

9. 2016年11月24日 20:06:00 : 2ATN4fbdNk : YzjwyhIBt34[34]
>>3

まあそれは言えるね。
そもそも人間のように寝て対面性交(つまり正常位ね)すること自体が、野生ではもの凄い高リスクのはずだが、人類は何らかの方法でその時の危険から逃れるようになったのだろう。


10. 2016年12月22日 15:25:05 : ZONVaw60jw : sw2NlRXxnX4[18]
作り話だから。
実際には声を出す必要はなく、一種の演出をしているだけだ。

11. 2016年12月29日 17:21:11 : pk5J6O1Gvc : 3kVt_K4dePY[1]
なんじゃこの記事
こじらせた童貞が書いたのか

12. オサン[3] g0mDVIOT 2017年9月20日 03:48:40 : P27XqhMqAY : j7@XUvgk2X8[3]
10代の初体験の時、やったあと彼女に「声出さないんだね」と言ったら、
次から器用に声を出していたっけ。女の声は、競馬の騎手のムチと一緒で、
もっとがんばれっていう合図として、上手に使ってるんだろうか。


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