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なぜトランプは暴言を吐くたびに人気が上がるのか 〜その知られざる素顔 本当に米大統領になっちゃうかも?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48157
2016年03月17日(木) 週刊現代 :現代ビジネス
最初はすぐ消えると思っていたのに、本当に大統領になってしまう可能性がジリジリ高まってきた。なぜ暴言を吐く度に人気が上がるのか。その全貌に迫る。
■大阪人みたいな人
「地球温暖化? あんなものは嘘っぱちだ。あれはただの『良い天気』だ。あのコンセプトは中国人により、中国人のために生み出されたんだ。アメリカの製造業を立ち行かなくさせるためにな」
「世界は私を中心に回っている。私を嫌うものは愛国者ではない。私が大統領になれば必ず、『強いアメリカ』を取り戻してみせる。今回の結果を見れば、国民がそれを望んでいるのは明らかだ」
3月2日(日本時間)、米国大統領選挙の予備選が集中する通称「スーパーチューズデー」で勝利を収めた、アメリカの「不動産王」ドナルド・トランプ(69歳)の暴言が止まらない。
「負け犬たちには悪いけど、僕のIQは高いんだよ。君たちも分かっているよね。でも自分のことをバカだとか不安だとか思わないでほしい。君たちが悪いんじゃない」
「マスコミが何を書こうとなんの問題もない。俺には若くて美しい女たちがいるからな。俺と他の候補者の違いは、俺の女たちのほうが圧倒的に美しいってことだ」
と、四方八方、言いたい放題なのだ。
民主党のヒラリー・クリントン(68歳)陣営の選挙活動に携わる明治大学教授の海野素央氏が、現地の様子を語る。
「当初メディアでは、トランプは泡沫候補扱いでしたが、現地での感触は違いました。私が白人無党派層の家庭を訪問した時、『ヒラリー陣営です』と挨拶したら非常に不快な顔をされた。
今アメリカには『反・職業政治家』の風が吹き荒れています。広がる格差を目の当たりにして、低所得層は政治への強い不信感を持っている。そんな彼らの気持ちを代弁しているのがトランプなんです」
そもそもドナルド・トランプとは、どんな人物なのか。
'46年、ドイツ系アメリカ人の父とスコットランド系移民の母を持ち、5人きょうだいの次男としてニューヨークで生まれる。父は不動産デベロッパーとして成功し、裕福な家庭を築いた。
その後、トランプは不動産の専門学科がある数少ない大学の一つペンシルベニア大学を卒業、同校の大学院でMBAを取得。'71年に父から会社の経営権を譲渡される。そして'80年代の不動産ブームに乗り、ホテルやカジノ経営などで巨万の財を築いた。現在の総資産は50億~100億ドルとも言われる。
放送プロデューサーのデーブ・スペクター氏はこう語る。
「なんでもズバズバと率直にものを言うのは、ニューヨーカーならではの気質ですね。日本でいうと大阪人に似ていて、ツッコミがうまくてお笑い芸人的な発言ができる人。昔の橋下徹さんや石原慎太郎さんとも通じるところがありますね。今一番困っているのはアメリカのコメディアンたちです。トランプ本人が一番面白くて、キャラが濃すぎますからね(笑)」
■結婚3回、子供は5人
トランプの素顔について、政治担当の在米特派員はこう語る。
「トランプは兄をアルコール依存症で亡くしている影響もあって、お酒もタバコもやらず、一番尊敬するのは父親だと常々語っています。
彼の楽しみはカネと女。『ドラッグはしなかったが、若い頃は、週に4~5回は夜遊びしていた』と語るように、数々の女性と浮き名を流してきました。'89年には美女テニスプレイヤーとして有名だったガブリエラ・サバティーニと交際。'91年には前仏大統領ニコラ・サルコジの夫人で女優・歌手のカーラ・ブルーニとも付き合っていたと報じられています。
その後も女優のローワンヌ・ブルーワー、アリソン・ジャンニーニなどとも噂になりました。彼が連れ回すのはいつもモデル系の美女。69歳になる今も枯れていません。『俺にバイアグラは必要ない。俺はラッキーだ』と笑っていましたよ」
トランプはこれまでに3度の結婚をしている。最初の妻・イヴァナとはトランプの浮気(相手は2番目の妻マーラ・メイプルズ)が原因で離婚。慰謝料を巡って裁判は泥仕合となり衆目を集めた。一説によると、2億ドルの現金と14億ドルの土地を渡したとされている。その後、マーラとの結婚離婚を経て、'05年にメラニアと結婚し、現在に至る。
なんとも派手な女性関係だが、不思議なことに彼は別れた妻たちとも仲が良く、トランプファミリーの結束は固いという。
「5人の子供たちともいい関係を築いています。最初の妻・イヴァナとの娘でモデルのイヴァンカは、選挙中、応援演説に駆け付け『パパは何度も不可能を可能にしてきた偉大な男』と称賛しました。
また、イヴァナによると、トランプはドイツ系アメリカ人であることを強く意識していて、靴の踵を鳴らして『ハイル、ヒトラー』と家族内で冗談を飛ばし、ヒトラーのスピーチをまとめた本を愛読していたそうです」(前出の在米特派員)
トランプの代名詞とも言えるのが、NYのマンハッタンにそびえる「トランプタワー」だ。ヤンキースの田中将大、里田まい夫妻も住む世界一高級なマンションでもある。
実はトランプはこんなところで日本と関わりがある。'90年代前半、彼はNYの摩天楼・エンパイアステートビルの所有権を巡り、ホテルニュージャパンの横井英樹社長(当時)、女性不動産投資家のレオーナ・ヘルムズリーと、ドロドロの利権争いを繰り広げた。
また、トランプは自己顕示欲が強く、不動産以外にも自分の名前を冠した男性用衣料品やアイスクリーム、酒など様々な商品を売り出してきた。だが、在米ジャーナリストの岩田太郎氏は「その一つが今問題を引き起こしている」と明かす。
「'05年、彼は『トランプ大学』を設立したのですが、現在、5000人以上の元学生から学費返還を求める集団訴訟を起こされているんです。『富を築く方法』というふれ込みで始めたのですが、最高6万ドルもの高額な授業料を徴収していたのにもかかわらず、授業内容はほとんど精神論で、もっとノウハウを教えてほしければさらにカネを払えと迫る詐欺まがいの商法だったんです」
■下品だけど強い
元朝日新聞アメリカ総局長で仙台大学教授の高成田享氏も続ける。
「トランプは自分の会社を4度も倒産させています。日本では『転ばぬ先の杖』が大切とされ、経営者は会社を倒産させないように努力しますが、米国は『七転び八起き』が評価されるのです。
ただし、これを大統領として実践されると困ります。北朝鮮や中国と戦争して『ナイス・トライ』では済まされませんから」
このままいけば11月のヒラリーとの本選挙まで駒を進める可能性は高い。
そのヒラリーについての暴言も、トランプはお手のものだ。聴衆の前で「あの女は、'08年の大統領選でオバマのシュロング(男性器)に負けた、一発ヤラれたんだ」と罵った。またテレビの討論会の休憩後にヒラリーが遅れてきたことについて「彼女がどこに行ったかは分かっている。ああ気持ち悪い。ヘドが出る」と、トイレを示唆する女性差別的な発言をしている。
ちなみに、トランプは極度の「潔癖症」で、選挙演説の際も「バイ菌がうつるから」と、自分の支持者であろうと一般人と握手はしない。彼の選挙スタイルは傲慢そのものだが、それがかえって人気を得ているのだ。
大統領選に立候補した時からトランプは常に「アメリカは偉大な国であり、舐められることは許されない。そのためなら手段は選ばない」と声高に叫び続けてきた。
前出の海野氏はニューハンプシャーでの選挙活動中に、労働者風の30代男性二人からこんな嘲笑の言葉を投げかけられたという。
「彼らはニヤニヤしながら『女が大統領になってもいいのか?』と聞いてきたんです。トランプの支持層の核は低学歴、低所得層の白人男性と言われますが、二人はそれに合致するように見えました。こういう人が支持者ですから、トランプがいくら暴言を吐いても支持率が落ちないんです。
また別のトランプ支持者からは『トランプが大統領になれば、あんたのようなアジア人にも仕事が与えられるぞ』と言われた。経営者として成功したトランプならアメリカ経済を立て直せる、『強いリーダー』になってくれると信じているんです」
下品だけど強い——。まさかのトランプ大統領誕生が少しずつ現実味を帯びてきた。
「週刊現代」2016年3月19日号より
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