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米国の人種問題はなぜ解決困難なのか
人民網日本語版 2016年02月24日09:29
最近、華人を含むアジア系住民が全米各都市でデモ行進を行い、ニューヨーク市の中国系警官ピーター・リャン被告が勤務中に黒人を誤殺して有罪となったことに抗議した。(人民日報「鐘声」国際論評)
技術的詳細はさておき、この事件が社会レベルで激しい反応を引き起こした根源には米国の深い人種問題がある。これまでに起きた警察が黒人を銃撃した事件で、白人警官の場合は無罪となるケースが頻繁にあったが、リャン被告は陪審団により重罪を言い渡された。これは白人警官と違い、同じくマイノリティーに属するリャン被告が全米の反警察暴力、警察とアフリカ系コミュニティーの対立の犠牲者となったことを物語っている。ニューヨーク・タイムズはリャン被告の有罪について「ニューヨークのアジア系住民に長年存在する不満感を刺激した。彼らは今回の事件を抵抗できない辺縁の社会層がひどい扱いを受けた新たな例と見ている」と論じた。ホワイトハウスも今回の事件について、全米各地に肌の色の異なる人種と法執行機関との間に深い不信感があることを認めた。
人種問題は米国に幅広く存在する問題であり、リャン被告の事件に対する世論の反応は、米国社会の痼疾の新たな顕在化に過ぎない。アフリカ系、アジア系など米国のマイノリティーは経済的にも政治的にも弱い立場に置かれ、米国の主流社会との間に相当大きな階層的差異がある。これは米国の人種摩擦が「すぐに火がつく」根本的原因だ。
近年、アフリカ系男性が白人警官に殺される事件が相次ぎ、人種問題に関する事件が米国社会を引き裂き、世界の世論を騒然とさせている。バージニア州のケイン元知事が指摘したように、今日の米国社会は内戦時のように決裂してはいないが、「日々ニュースを見る人は、米国が依然深い社会分裂の中にあることを知っている」のだ。
米国の主流政治が人種問題のもたらす様々な厳しい試練を有効に解決できないことが、外界が米国政治を観察する重要な一面となるのは当然だ。米国政府は国際社会で常に「人権の擁護者」の仮面をかぶっているが、自らの人種問題には手をこまぬいており、この仮面は「虚偽」の字に満ちている。今日の米国は主流社会が社会構成の変化に不快感と憂慮を増している。また、主流社会自体にも先鋭な対立が生じ、自由派と保守派との間には基本的価値観においてひびが入っている。エリートを基礎として築かれた米国の政治体制は、この憂慮と分裂の制約を深く受け、社会のひび割れを真に繕うことができず、政策レベルで人種問題をしっかりと緩和することが困難となっている。現時点の報道を見ると、リャン被告事件の背景として、政府の低家賃賃貸住宅の階段に照明がなかったことが惨劇の発生と直接関係する。こうした細部はもっと重視されるべきだ。
ニューヨークのブルームバーグ前市長は「人種問題が社会的事件を引き起こすことは、長年民衆が貧困と経済的流動性の欠如のために抱いてきた失望を反映している」と述べた。いかなる社会の基本的安定も開放・包容の社会文化だけでなく、社会公平に対する有効な保障にかかっている。経済的、社会的権利が十分に保障されて初めて「人は生まれながらにして平等」が単なる理念ではなくなり、マイノリティーに対するシステム的差別も解消される。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年2月24日
http://j.people.com.cn/n3/2016/0224/c94474-9020578.html
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