http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/473.html
Tweet |
演説するドナルド・トランプ氏。米バージニア州リンチバーグのリバティ大学で(2016年1月18日撮影、資料写真)。(c)AFP/NICHOLAS KAMM
【2月1日 AFP】2016年の米大統領選は、放送できないような下品な言葉のお祭りと化している──。
ランド・ポール(Rand Paul)上院議員がわいせつな言葉を使ったかと思えば、元フロリダ(Florida)州知事のジェブ・ブッシュ(Jeb Bush)氏は放送禁止用語を試す。温厚な元神経外科医ベン・カーソン(Ben Carson)氏でさえも、共和党のライバル候補者らが参加した全国放送のテレビ討論会で、政府の補助金を汚い言葉でこき下ろした。
しかし、下品な言葉の王様は、やっぱり共和党指名争いで先頭を走る富豪のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏だ。同氏が放つ言葉は、米国の政治をかつてないほど低いレベルにまで押し下げた。
元々は主力候補ではなかったトランプ氏だが、その存在感はしっかりとアピールできており、また同氏のアピールを通じて、下品な言葉の使用や、ライバル候補へのあからさまな個人攻撃も、選挙キャンペーンにおける「語彙」の一部であるとの認識が広まった感があるのは否めない。
事実、ランド・ポール上院議員は昨年11月、大規模な政府の監視を擁護する人たちに対し、「たわごとを誇張している」とあえてののしり言葉をつかって非難しており、また冷静な政治家とみられているブッシュ氏もニューハンプシャー(New Hampshire)州で、「私たちは米国人だ。くそったれ!」と、どこか不必要に声を荒げた。
しかし、こうした下品な表現も、トランプ氏の痛烈な個人攻撃に比べると色あせてしまう。
トランプ氏のツイッター(Twitter)は、果てしない「侮辱作成機」と化している。同氏は最近、保守強硬派の評論家グレン・ベック(Glenn Beck)氏を「とてつもない間抜け」と呼び、また他の人たちに対しても「役立たず」や「能無し」「ばか」と言い放っている。
26日には、共和党の最大のライバルであるテッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員を「まぬけ面」な「嘘つき」と攻撃している。
■下品さと攻撃性、新たな高みに
トランプ氏には性差別的な発言も目立つ。中でも、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏に対しては、2008年の民主党指名争いでバラク・オバマ(Barack Obama)現大統領に「シュロング」されたため敗れたと言い放っている。「シュロング」とは、ユダヤ人の言語であるイディッシュ語で「男性器」を意味する言葉だ。本来は名詞の「シュロング」を、「負かす」という意味の動詞に使ったとみられる。
このような品位を傷つける言葉が広く使われていることに対し、ペンシルバニア大学(University of Pennsylvania)のマーク・リーバーマン(Mark Liberman)教授(言語学)は懸念を示している。
「ニューヨーカー(New Yorker)」のような全国誌で「放送禁止用語」が使われ、他方ではケーブルテレビやインターネットが下品な言葉に対して米国人をひどく鈍感にしている。
「こうした言葉の多くは、その言葉の持つインパクトを大きく失っているため、気に留める人は実際のところほぼいない。いたとしても(トランプ氏の)歯に衣着せない、直接的な言葉が気になるといった程度なのだろう」(リーバーマン氏)
いわゆる「マチズム」も、同氏の選挙キャンペーンの一部をなしている。トランプ氏の単刀直入な話しぶりは、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領や過激派戦闘員を前にしても「強さ」を印象付ける助けとなっている。
これまでの大統領選でも、口汚いののしり合いはあった。しかし、今年の大統領選における下品さと攻撃性は、新たな高みに到達した感がある。事実、今回多くの候補者に強く見られるのは、相手と同様の手段で対決しようとする、より攻撃的な姿勢である。(c)AFP/Ella IDE
http://www.afpbb.com/articles/-/3075186
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。