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Photo:intermagazin.rs
共和党大統領候補の指名がほぼ確実とされている、ドナルド・トランプ氏はこれまでの発言、
「イスラム教徒の米国への入国を禁止する」
「海外で製造された商品の関税を引き上げる」
「メキシコとの国境に壁を建設する」
「アップル製品の製造を海外ではなく、アメリカで製造させる」
「フォード車に35~40%の関税をかけることで、メキシコから生産拠点をアメリカに戻す」
「アメリカの労働者に不利な貿易協定は破棄する」
などで、グローバリズムを提唱するグローバル・エリートと敵対関係となった。それを明らかにしているのが、ビルダーバーグ・グループの意見を代表する英ファイナンシャル・タイムズ紙である。
ドナルド・トランプを止めなければならない
ファイナンシャル・タイムズ紙に同紙の経済論説主幹であるマーティン・ウルフは “The Economic Losers are in Revolt Against the Elites” (社会の負け組は、エリートに敵対意識を持っている)と題した記事を掲載した。マーティン・ウルフは1999年以降、ダボス会議のフェローを務めており、著者には「徹底討論グローバリゼーション賛成/反対」がある。
記事の内容は以下のようなものである。
社会の負け組も選挙権はある。それが民主主義である。彼らが、酷く騙され、人間としての尊重を失ったと思えば、共和党候補のドナルド・トランプ、国民戦線のマリーヌ・ル・ペン、自由と民主主義のヨーロッパのナイジェル・ファラージなどに投票するであろう。
彼らは、ダボスで開催された世界経済フォーラムに参加した、各国の経済や文化を支配するエリートたちを拒否する。このような考え方は恐ろしい結果を生む。エリートたちは、協力して対応を考えないといけない。もう手遅れかもしれないが。
右翼派のエリートたちは、低い限界税率、制限がない移民政策、グロー バル化、労働市場の自由化、社会保障コストの削減、株主価値の最大化を追求してきた。左翼派のエリートたちは、制限がない移民政策、多文化主義、多様化、 中絶の自由、人種と性別平等を求めてきた。各国の状況とはかけ離れ、彼らはグローバル・スーパー・エリートのグループを形成した。
一般の保護主義的な考えを持つ国民が共感できないのは当然である。グローバル・エリートたちと比較すれば、エリートたちが進めてきた政策による利益は平等に配分されていなので、彼らは負け組だからである。彼らは利用され、不当に扱われたと考えている。
トランプ氏はポピュリストである。減税、保護主義的な貿易、閉鎖的な移民政策を提唱している。このような考え方が支持者たちに受ける理由は、彼らが大事にする市民権にある。彼らは自国以外の外国人と共有したくないのである。
保護主義的な考えを持つポピュリストが絶対勝ってはならない。勝てば、悪い結果となる。アメリカの場合、結果は深刻でグローバルな影響を引き起こす。世界は知識の高いリーダーを必要としている。トランプ氏は不適で危機的な状況を引き起こす可能性がある。
ダボス会議でトランプの敗北を発言
ビルダーバーグ会議の常連参加者で、著者に『ハウス・オブ・ロスチャイル』、『理想家キッシンジャー 1923~1968』、『マネーの進化史』があるドハーバード大学教授のニーアル・ファーガソン氏は、ダボス会議でトランプ氏は3〜4月には恥をかく立場になり、政治家としての将来はなくなると述べている。
さらに、世界最大の広告代理店であるWPPのCEOであるマーティン・ソレル氏は、「2016年の大統領選の 結果 はすでに決まっている。だれが、共和党候補であっても、ヒラリー・クリントンは勝つ。」と述べている。 WPPの顧客には、フォード、IBM、マイクロソフト、グラクソ・スミスクライン、ネスレ、ウォルマート、ユニリーバなど、世界を代表する多国籍企業が含まれている。2015のビルダーバーグ会議では、ヒラリー・クリントンが次期大統領として指名されている。
グローバル・エリートはトランプを脅威に思っている。反トランプの記事によって民主主義国家であるアメリカで、国民ではないグローバル・エリートの勢力が大統領を決めている事実が見えてきた。
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