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サウジとイラン、対立激化の背景 2国とも計算ずくか
朝日新聞デジタル 1月5日(火)3時48分配信
3日にイランと断交したサウジアラビアのジュベイル外相は4日、イランへの民間機の発着や国民のイラン渡航を禁止し、経済関係も断絶する考えを明らかにした。ロイター通信が報じた。サウジに続き、4日にはバーレーンとスーダンもイランとの断交を宣言。アラブ首長国連邦(UAE)も駐イラン大使の召還など、「外交関係の格下げ」を表明した。サウジによるイスラム教シーア派指導者の死刑執行をきっかけに先鋭化した中東の2大国の対立は、周辺諸国を巻き込んで深刻化している。
バーレーンとスーダンはサウジが昨年3月に始めたイエメンへの軍事介入に参加するなど、サウジと緊密な関係にある。特にスンニ派の王政ながら、シーア派が住民の過半数を占めるバーレーンは、反政府デモが広がるたびに「イランが関与している」と主張。2011年にはサウジを中心とする合同軍がデモを鎮圧した。
対立の発端は2日、テロ活動に従事した罪で14年に死刑判決を受けたシーア派指導者ニムル師を処刑したと、サウジが発表したことだ。同じシーア派の指導者が国を治め、同師を処刑しないよう要請してきたイランは猛反発。最高指導者ハメネイ師が「サウジアラビアは神の報復に直面するだろう」との声明を出した。イランにあるサウジ大使館や領事館は、暴徒化した群衆に襲われ、放火された。
一方でサウジから見れば、ニムル師は体制転覆を唱えた「危険人物」。宗派対立をあおっているのはイランの方だ。ジュベイル外相は過去のイランでの外国公館襲撃事件にも触れ、「イラン政府が黙認している」と批判した。
ともに保守的なイスラム教国で産油国のサウジとイラン。両国は衝突と融和を繰り返してきた。共和制でシーア派を国教とするイランと、その影響力の拡大を防ぎたいスンニ派の王制国家サウジの覇権争いだ。
両国関係は、11年に中東に広がった民主化運動「アラブの春」で、一気に険悪化した。サウジなど湾岸諸国は、国内のシーア派住民によるデモを「背後から手引きした」とイランを非難した。
さらにサウジで昨年1月に即位したサルマン国王は、イエメンへの軍事介入などタカ派の姿勢が目立つ。メッカで昨年9月、巡礼中のイラン人464人が死亡する事故が起きるなど、対立が深まる事案も続いた。
両国政府が、「敵国」の存在を国内の引き締めに利用しているのも事実だ。カーネギー中東センターのレナド・マンスール客員研究員は「両国とも、相手の反発を十分に計算した上で行動している。両国とも、この『冷戦状態』の継続を望むだろう」と指摘する。
ただ両国の対立は、スンニ派とシーア派が混在する中東全体の分断を招く。イラクでは3日、スンニ派のモスクを狙った爆弾テロ事件が相次いで発生。宗派対立をあおって勢力の拡大をめざす過激派組織「イスラム国」(IS)などの活動を活発化させかねない事態になっている。(ドバイ=渡辺淳基)
朝日新聞社
最終更新:1月5日(火)6時31分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160105-00000007-asahi-int
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サウジアラビア イランとの貿易停止の方針[NHK]
1月5日 6時17分
イスラム教スンニ派のサウジアラビアは、シーア派のイランとの外交関係を断絶したことに続き、貿易を止める方針を明らかにし、中東情勢がさらに不安定化する懸念が高まっています。
サウジアラビアがシーア派の指導者の死刑を執行したことをきっかけに、イランとサウジアラビアの対立が深まるなか、バーレーンもイランとの外交関係の断絶を表明するなど緊張が広がっています。
サウジアラビアのジュベイル外相は4日、「緊張を高めた責任はイランにある」などと述べ、外交関係の断絶に続き、イランとの航空機の行き来や貿易を止める方針を明らかにしました。
一方、イランでは、サウジアラビアに対する抗議デモが3日続けて行われたほか、シーア派の人口が多いイラクの首都バグダッドでも数千人が抗議の声を上げました。さらに、イラクではスンニ派のモスクが襲撃される事件が起き、シーア派の指導者の死刑執行に関係しているとの見方も出ています。
サウジアラビアとイランの対立が宗派対立の激化を招き、中東情勢がさらに不安定化する懸念が高まるなか、アメリカ・ホワイトハウスのアーネスト報道官は4日、「すべての当事者に自制を促している」と述べました。そして、「ケリー国務長官がイランのザリーフ外相と電話会談したほか、まもなくサウジアラビアのジュベイル外相とも話す予定だ」と述べ、ケリー長官みずからが緊張緩和に向けて働きかけを行っていることを明らかにしました。
アラブ連盟が緊急会合開催へ
サウジアラビアがイランとの外交関係を断絶したことを受けて、アラブ諸国で作るアラブ連盟は10日にエジプトの首都カイロにある本部で外相級の緊急会合を開き、対応を協議することになりました。
会合はサウジアラビアの求めに応じて開かれるもので、ベンヘッリ副事務局長は「会議の目的はテヘランにあるサウジアラビア大使館に対して、イランが行ったことを非難することだ」とする声明を出しました。ただ、アラブ連盟には、イラクやレバノンなど、イランと同じようにシーア派が大きな影響を持つ国もあり、会議で足並みがそろうかどうかは不透明です。
国連事務総長が事態収拾を呼びかけ
サウジアラビアとイランとの間で緊張が高まっていることを受け、国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長は4日、両国の外相と相次いで電話で会談し、事態の収拾に当たるよう双方に呼びかけました。
このうち、イランのザリーフ外相との電話会談で、パン事務総長はサウジアラビアが国内のイスラム教シーア派の指導者らを処刑したことを批判しながらも、イランで処刑に反発する若者らがサウジアラビア大使館を襲撃したことも非難し、外交使節の保護に当たるよう求めたということです。
また、サウジアラビアのジュベイル外相との電話会談では、イランでサウジアラビアの大使館が襲撃されたことに同情しながらも、イランとの外交関係の断絶は危険だという考えを伝えたということです。
イランとサウジアラビアはシリア内戦やイエメン情勢を巡り鋭く対立していることから、パン事務総長は両国間の緊張が一連の紛争の解決を一層困難にすることを懸念しています。とりわけ今月下旬には国連の仲介のもと、スイスでシリアの和平協議が開かれ、イランとサウジアラビアの参加が鍵を握るともされていることから、シリア問題を担当する国連のデミストラ特使が今週中にイランを訪れ、協力を求める方針です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160105/k10010361151000.html
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