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2015年12月25日 [国際事務局発表ニュース]
ウクライナの共産党非合法化は、表現と結社の自由に対する重大な侵害だ。当局は、直ちに撤回するべきだ。
キエフの行政裁判所は、法務省による共産党の非合法化の要求を承認した。今後、共産党は政治活動や地方選挙への立候補ができなくなる。
共産党の非合法化は、表現や結社や自由な活動に対する危険な兆候である。同国の改革と人権尊重への歩みを後退させる。
5月に採択された4つの新しい法律は、共産党解体法と呼ばれる。これらの新法により、共産党やナチのシンボルを使用することが禁止され、使用した場合、最大10年の刑が科せられる。共産主義者と称することもこの法に触れる。しかしながら、現ウクライナ共産党は名称、ロゴ、党則などの変更を拒否している。
当局は、昨年から共産党の解体を画策してきた。2014年初頭、ユーロマイダン運動が終った直後には、共産党がウクライナ東部における親ロシア分離主義者に資金援助をしているとして、非難した。治安警察は、資金援助を示す証拠を法務省に提出した。それを受けて、法務省は昨年7月、共産党非合法化の申し立てを行った。
担当していた裁判官が、自身の事務所を捜索され、関連書類を押収されるなど、当局の圧力を受けたとして、今年の初め辞任し、申し立ての手続きは停止していた。
ただ単に旧ソ連時代の党名やシンボルは良くないからと、共産党を非合法化する動きは、表現と結社の自由の侵害であり、同国の今後の政治の汚点となる。今年は、政治的動機による殺人が頻発し、解決しないままだ。また、現政権に批判的なジャーナリストやメディアは、嫌がらせを受けてきた。
今回の決定は、支持者からは旧ソ連時代の痕跡を消すことにつながると受け止められるかもしれない。しかし、反対意見の抑圧に冷酷な手段を使うというやり方を踏襲すれば、まったく逆の結果を招く。
自由に自分の意見を、特に権力側の意向に反するものを、発言できることは、ユーロマイダン運動の精神にかなうものだ。共産党の抹殺は、この精神に反する。
アムネスティ国際ニュース
2015年12月17日
http://www.amnesty.or.jp/news/2015/1225_5778.html
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