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韓国、安保で中国配慮
米と国防相会談、ミサイル配備議論先送り
【ソウル=峯岸博】韓国が米国による新しいミサイル防衛システムの配備をめぐり、米中のはざまで揺れている。核兵器の小型化を進める北朝鮮への防衛手段と主張する米国に対し、中国側は同国の封じ込めが真の狙いだと反発する。韓国政府はあいまいな態度を続けており、10日の米韓国防相会談でも議論を先送りした。韓国の対中配慮が経済から安全保障に広がってきた。
カーター国防長官と韓民求(ハン・ミング)国防相はソウル市内の韓国国防省で会談し、北朝鮮の核・ミサイル開発に対処するため、日米韓3カ国で情報共有など緊密に協力すべきだとの認識で一致した。
焦点だった移動式地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の配備問題は議論しなかったという。カーター氏は共同記者会見で、配備の是非や時期、場所について「(THAADの)生産の進捗状況によって決める」と述べた。
韓国で配備の議論が進まないのは、米中間の火種になっているからだ。
北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)のゴートニー司令官は7日の記者会見で「北朝鮮は大陸間弾道ミサイルに核兵器を搭載して米本土に撃つ能力がある」と指摘した。さらに「我々は兆候を知る能力を欠いている」と述べ、THAAD配備の必要性を強調した。
その真意を中国は疑う。THAADは敵のミサイル発射を早期探知する高性能レーダーの配備がセットになるため、中国内陸部のミサイル基地の情報まで捕捉されかねない。韓国には「在韓米軍に配備されると、有事の際に中国が米軍基地を攻撃対象にしにくくなる」と解説する向きもある。
中国は2月以降、国防相や外務次官補が相次ぎ韓国を訪れ、THAADへの「憂慮」を表明。これに米国防総省高官は「第三国が配備前の安全保障システムに強く抗議するのはおかしい」と不快感をあらわにした。
ともに密接な関係を築く両大国の板挟みで苦心するのが韓国だ。
THAADをめぐって韓国の保守系は「米国の核の傘だけでは北朝鮮による核兵器使用を抑止できない」として韓国自らが導入すべきだと訴える。一方で、革新系の野党には中国の反対を押し切れば中国が攻撃対象にしたり、経済制裁に踏みきったりするのではないかと懸念する声がある。中国からは、韓国がTHAADを配備すれば「核の脅威を受けなければならない」との圧力がかかる。朴槿恵(パク・クネ)政権が「あいまい戦術」を続ける舞台裏だ。
1992年の国交樹立以来、現在の中韓関係は「最良」といわれる。その先頭に立つのが習近平国家主席と朴大統領の両首脳。日本や北朝鮮などとの関係がぎくしゃくするなかで中韓は朴外交の成功ケースと韓国ではみられている。「THAADは米国からの要請もなく、協議もしていない」と韓国政府は繰り返す。
「安米経中」。韓国にはこんな言葉がある。安全保障は米国に、経済は中国との関係を重視せざるを得ないとの意味だが、中国の存在感が多方面で強まっている。
THAAD(サード)とは
▼THAAD(サード) 開発中の米国のミサイル防衛(MD)システムの一つで、迎撃ミサイルや高性能レーダーなどの総称。移動式の陸上配備型で、敵の弾道ミサイルが飛行の最終段階に差し掛かり大気圏に再突入する際に撃ち落とす。迎撃ミサイルは最長200キロメートル、レーダーの探知距離は1000〜2000キロとされる。
韓国内に配備済みのパトリオットミサイルよりも高高度で目標を迎撃できる。
[日経新聞4月11日朝刊P.7]
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