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6月の関東地方は311前の2月の東北地方と同じ可能性
最初に結論、次に集計データの順です。
311大地震直前の東北地方の地震発生とこの6月の関東地方のそれが大変よく似てきています。
311直前の東北地方の特徴:
1.1月に比べて2月は地震数自体が2倍以上になっている。つまり、前年11月からの静穏期から頻発期へ変化。仕組みとしては次のようなことのはずです。静穏期は大きな固着域に地殻の圧力が集中したため、周囲で地震発生が低下する。その状態で大きな固着域を含めた広い地域の地殻の圧力がより増加すると、大きな固着域を支えていた周囲の地殻が破壊され始め短い地震頻発期に至り、その後やはり短い静穏期を経て大地震となる。
2.海域の地震の増加。2月は陸域の地震も1月に比べて多くなっているが、海域は3倍以上に増加。仕組みとしては、海溝から西向き圧力を受けて、海溝から沿岸部までの海底での破壊が進んでいた。大きな固着域とは陸のプレートと海のプレートとの間に出来たもの。それが海溝と沿岸部の間の地域にあった。陸のプレートの大陸棚にあたり、この部分は陸域よりも当然プレートの厚さが薄い。そのため、陸域よりも破壊しやすい。また、海のプレートからの圧力を大陸棚部分は陸域よりもより直接的に受けているので、その意味でも大陸棚付近はより地震が起こりやすい。
3.M4以上地震が急増。前年11月から2011年1月までは5件以下であったM4以上地震が14件と3倍以上に急増。仕組みとしては、固着域周辺の地殻へかかる圧力が急激に強まり、その結果、M4以上の地震が増加した。
現在の関東地方の特徴:
1.5月に比べて6月は地震数自体が2倍近くに増加。関東地方の西に隣接する中部地方で長野県南部地震が発生していて、関東地方から中部地方一帯の地殻にかかる圧力が急激に増加している。関東地方と中部地方を合わせた月間地震数の推移は次のようになる。
1月分:36件
2月分:49件
3月分:44件
4月分:43件
5月分:49件
6月分:120件
2.海域の地震数増加。5月に比べて6月は海域の地震数が2倍以上。大きな固着域の周囲の地殻がどんどんと破壊されかかっているはず。
3.M4以上地震の増加。5月の4件から6月は8件へ2倍の増加。
東北地方と関東地方は地殻の状況がかなり異なります。そのため、311直前の2月と、現在の関東地方での地震発生の仕方がよく似ているからと言って、同じような期間でM8を超える大地震発生に至るとは限りません。異なる点としては次のようなことがあると思います。
1.東北地方は陸のプレートに下に太平洋プレートという海のプレートが沈み込む形だったが、関東地方は陸のプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込み、更にその下へ太平洋プレートが沈み込んでいる。太平洋プレートとフィリピン海プレートはほぼ同じ方向に沈み込んでいるため、一方が動くと他方も動く関係にあり、大地震が連続する可能性が高い。逆に言えば、一方が動こうとしても他方が動かないと動かないままであり、そのため、プレート間に東北地方よりも高い圧力が蓄積される可能性がある。つまり、大地震が起こったときは東北地方よりも大きなものになる可能性がある。
2.東北地方の311大地震が起こった地域の周辺も同じように陸のプレートの下へ海のプレートが沈み込む構成だが、関東地方は房総半島のすぐ南側で陸のプレートが無くなっている。地殻の構成が付近一帯で均一ではなく、関東地方のすぐ南側で大きく変化している。この伊豆・小笠原海溝からの太平洋プレートの沈み込みは、関東地方東方沖の海溝からの沈み込みよりも抵抗が少ないので、伊豆・小笠原海溝からの沈み込みによって伊豆半島東方沖の太平洋プレートが一気に大規模に沈み込みを開始する可能性がある。
3.房総半島部分にフィリピン海プレートが蛇紋岩化した領域が広がり、この部分でフィリピン海プレートが陸のプレートへ強く固着している。反面、フィリピン海プレートと太平洋プレートの固着はこの部分で弱まっているはず。房総半島東方沖の海底の大陸棚部分には東西方向に走る溝が幾つも見られるが、犬吠埼の東方にも犬吠埼を挟むようにして2本の溝がある。犬吠埼を挟む溝は北緯35.2度付近と同35.8度付近にある。この様な溝は関東地方の東方に5本程度あり、海のプレートの沈み込みで下側に引き込まれる陸のプレートの沈み込みの程度がこの溝ごとに異なることを示しているはず。犬吠埼付近の溝は蛇紋岩化域に対応していて、陸のプレートの鉛直方向の動きにくさを表している可能性がある。
4.東北地方は陸域に平野が広く広がることはほとんどないが、関東地方には関東平野と言う日本で最大の平野がある。この平野は主に火山灰などが堆積してできたもので、比較的軟らかく、陸のプレートが海のプレートによって圧縮されてもその圧縮を受けた逆断層型地震が発生しにくい。硬い地盤であれば、圧縮を受けて割れるが軟らかい地盤であるため、圧縮を吸収してしまう。そのため、陸のプレートの比較的浅い地震が起こりにくく、関東平野での地震静穏化を観察しにくい。
5.関東平野の西側に隣接して伊豆半島があり、伊豆半島はフィリピン海プレートに載って北上してきたもので、本州の陸のプレートに衝突している。その結果、伊豆半島部分でフィリピン海プレートは断裂している。伊豆半島部分で断裂したフィリピン海プレートの東側が関東平野の地下に沈み込んでいる部分であり、西側が静岡県の下へ沈み込んでいる。フィリピン海プレートによって関東地震も東海地震も発生するが、関東地震のみが発生して、静岡県における東海地震と連動しない場合があるのは、この断裂が効いてフィリピン海プレートの関東部分の沈み込みが静岡県側へ伝わらないから。
6.関東平野の南部と北部のちょうど中間部あたりを中央構造線がほぼ東西に走っています。鹿島灘で太平洋に抜けていますが、この中央構造線が311大地震の震源域での揺れを関東地方から隔てるものになっていた可能性があります。311大地震で発生し、陸のプレート内を伝わってきた地震波が関東地方にあまり伝わらなかったのは中央構造線と関東平野の浅い部分を占める柔らかい堆積地盤のためであるはずです。ただし、軟らかい地盤のために横揺れが増幅されたり液状化が発生したりしました。中央構造線の北側は九州方面からの東向き圧力を受けています。中央構造線の南側は太平洋プレートによる西向き圧力を受けているわけで、関東平野の陸の地殻の中央構造線あたりで大きな地震が発生する可能性は非常に高いはずです。横ずれ断層型です。
311大地震の時は、東北地方で、3か月程度の静穏化期間から一か月程度の地震頻発期を経て、一週間程度の静穏化期間後に、M9地震が発生しました。
関東地方は、主に上に挙げたような点で東北地方とは異なり、これがM8を超える大地震発生に至る過程にどのような影響を与えるのか、はっきりしません。
しかしながら、311大地震以降、311大地震の震源域から太平洋プレートが東北中央部の地下へどんどんと沈み込んでいるわけで、その両隣、つまり、東北地方北部と関東地方での太平洋プレートの沈み込み圧力が急激に高くなっていることは明らかです。その意味で、東北北部と関東での大地震発生は相当に切迫しているのです。非常に慎重に考えても、関東地方での大地震発生が今後10年無いことは100%あり得ません。なぜなら、311大地震の前回版である貞観地震以前は伊豆諸島や富士山の噴火が日常的に発生していたことから、貞観地震前は関東平野東方沖からの活発な大平洋プレート沈み込みは平常常態であると思えるからです。貞観地震時は9年後に相模・武蔵地震と言う関東大震災に至ったのですが、貞観地震の約2カ月後に熊本地震が発生しています。熊本地震は中央構造線が動いた地震であり、昨年4月にやはり熊本地震が発生しています。相模・武蔵地震を熊本地震からの9年後と考えても、今後10年以内の関東大震災は明らかであるのです。
そもそも、富士山は、関東平野東方からの太平洋プレート沈み込みによるマグマ発生で造られたものであり、富士山の形成過程、つまり、古富士、新富士といった富士山の形成過程は、太平洋プレートの沈み込みの活発期と対応しているはずです。富士山形成期に比べると、この千年あまりの太平洋プレートの関東付近での沈み込みはずっと弱まっているはずですが、1707年大宝噴火を起こす程度の太平洋プレートの沈み込みは依然として継続しているのは地学的な時間を考えれば当然であり、311大地震発生で強まった三陸沖での太平洋プレート沈み込み活発化によって、関東平野東方からの太平洋プレートの沈み込みは、1707年頃と比べると、現在は格段に活発化してるはずです。
東北地方:2010年から2011年2月まで
01月:19件 (陸域:06件、海域:13件) 震度1:10件、M4以上:11件
02月:21件 (陸域:13件、海域:08件) 震度1:15件、M4以上:05件
03月:19件 (陸域:08件、海域:11件) 震度1:13件、M4以上:06件
04月:25件 (陸域:18件、海域:07件) 震度1:18件、M4以上:06件
05月:29件 (陸域:20件、海域:09件) 震度1:19件、M4以上:03件
06月:23件 (陸域:11件、海域:12件) 震度1:15件、M4以上:09件
07月:18件 (陸域:09件、海域:09件) 震度1:10件、M4以上:02件
08月:31件 (陸域:12件、海域:19件) 震度1:20件、M4以上:14件
09月:40件 (陸域:34件、海域:06件) 震度1:26件、M4以上:09件
10月:54件 (陸域:49件、海域:05件) 震度1:32件、M4以上:13件
11月:11件 (陸域:04件、海域:07件) 震度1:07件、M4以上:03件
12月:14件 (陸域:08件、海域:06件) 震度1:06件、M4以上:04件
01月:11件 (陸域:06件、海域:05件) 震度1:08件、M4以上:02件
02月:28件 (陸域:10件、海域:18件) 震度1:16件、M4以上:14件
関東地方:今年2017年
1月分:31件(陸域:20件、海域:11件)・(震度1:23件:74%)・(M4以上:04件:13%)・(伊豆・小笠原:05件)・(M4以上の震度1:02件:06%)茨城県沖:04件、茨城県南部:03件、茨城県北部:14件、千葉県東方沖:02件
2月分:43件(陸域:25件、海域:18件)・(震度1:27件:63%)・(M4以上:07件:16%)・(伊豆・小笠原:04件)・(M4以上の震度1:02件:05%)茨城県沖:08件、茨城県南部:05件、茨城県北部:16件、千葉県東方沖:05件
3月分:35件(陸域:18件、海域:17件)・(震度1:24件:68%)・(M4以上:03件:09%)・(伊豆・小笠原:04件)・(M4以上の震度1:01件:03%)茨城県沖:05件、茨城県南部:06件、茨城県北部:06件、千葉県東方沖:08件
4月分:32件(陸域:16件、海域:16件)・(震度1:23件:72%)・(M4以上:08件:25%)・(伊豆・小笠原:07件)・(M4以上の震度1:02件:06%)茨城県沖:03件、茨城県南部:01件、茨城県北部:09件、千葉県東方沖:04件
5月分:27件(陸域:14件、海域:13件)・(震度1:19件:70%)・(M4以上:4件:15%)・(伊豆・小笠原:7件)・(M4以上の震度1:1件:4%)茨城県沖:2件、茨城県南部:2件、茨城県北部:5件、千葉県東方沖:3件
6月分:49件(陸域:18件、海域:31件)・(震度1:36件:75%)・(M4以上:8件:16%)・(伊豆・小笠原:15件)・(M4以上の震度1:3件:6%)茨城県沖:5件、茨城県南部:1件、茨城県北部:5件、千葉県東方沖:10件
2017年07月01日13時05分 武田信弘
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