http://www.asyura2.com/15/jisin21/msg/855.html
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島崎邦彦氏が提起されている関電の地震想定過小評価の問題
2017年4月25日の報道( http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017042502000132.html )で次のようなものがあります。
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止め訴訟控訴審の口頭弁論が二十四日、名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)であり、原告の住民側証人として出廷した元原子力規制委員の島崎邦彦・東京大名誉教授が、関電による地震想定について「過小評価の可能性があり(算出方法に)大変な欠陥がある」と主張した。
島崎邦彦氏のホームページが東大地震研にありますが、特に上のことについての記載はない様子です。
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/people/nikosh/nikosh.html
しかし、島崎氏から原子力規制委員会委員長への書簡がネット上で出回っています。次のものです。
http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/48043427.html から引用:
2016 年7 月14 日
原子力規制委員会委員長
田中俊一様
先日は、震源の大きさが過小評価されているという問題提起に対し、速やかに対応して頂き、誠にありがとうございました。委員会および規制庁のみなさまににお手紙差し上げた通り、感謝の念で一杯です。
昨日の委員長記者会見のYou Tube を拝見したところ、私が規制委員会の議論や結論を納得し、承諾したと、誤解されているように見えますので、お手紙を差し上げて、小生の見解を述べさせて頂きます。
規制庁の計算結果の説明を受ける場は、小生が意見表明をする場として設けられたものではありませんので、結果に対するコメントは致しませんでした。また、試算の結果については強震動の専門家の意見を尊重すべきであると私は思いますので、積極的発言は避けてきました。しかし、このことが逆に誤解を招いているようですので、見解を公表させて
頂きます。
今回の規制委員会の議論および結論は納得できません。
理由を次に述べます。大飯の基準振動が過小評価されていることは、今回の試算の結果、明らかだと思います。
規制庁広報室から、規制庁の計算結果の数字が入倉・三宅による基本ケース(破壊開始点3)で、東西、南北、上下方向の加速度(周期0.02秒)が、それぞれ、356、346、233 ガル。
同じ条件で、武村式を適用すると、東西、南北、上下の加速度(周期0.02秒)が、それぞれ、644、632、405 ガルと伝えられたと聞いております。
武村式の結果を入倉・三宅式の結果で割ると、東西、南北、上下の加速度の比はそれぞれ1.81、1.83、1.74 と求まります。
一方、関西電力による基本ケース(破壊開始点3)では、東西、南北、上下方向の加速度(周期0.02 秒)は、それぞれ、596、428、347 ガルです。これは重要なデータですが、昨日私が受けた説明にはありませんでした。規制庁の計算と関西電力の結果が一致しないこと、その理由としてパラメターが十分把握できていないためとは昨日伺いました。しかし上記基本ケースについては、資料に含まれておらず、実際の値も提示されておりません。
規制庁の結果と関西電力の結果とは、平均値と中央値の代表波で異なるとのご説明がありますが、細かな数値の違い以上の問題があると思います。本来、両者の結果が同一となるような設定をすべきであり、そのような設定での計算によって、武村式の効果を推定すべきです。しかしながら、それができないという条件下で最良の推定は、上記の加速度比を関西電力の加速度に掛けて得られる値を、近似値として使用することです。その結果、武村式使用の場合の基本ケース(破壊開始点3)では、東西、南北、上下方向の加速度(周期0.02 秒)は、それぞれ、1080、780、600 ガルと推定されます。ここでは精度を考慮して10 ガル単位としました。東西動の値は、基準地震動の856 ガルを越えております。
実際には、これに加えて短周期1.5 倍ケースなどを計算する必要があります。Ss-4 は破壊開始点3で短周期1.5 倍のケースです。これを例として武村式使用の場合の推定をします。関西電力によると、この場合の東西、南北、上下の加速度(周期0.02 秒)は、それぞれ856、546、518ガルであると、頂いた資料に書かれています。
厳密には上述のように、関西電力の基本ケース(破壊開始点3)と、規制庁の計算結果が同じとなるように設定した上で、武村式を使用し、短周期1.5 倍のケースを計算すべきです。しかしながら、それができないという条件下での最良の推定は、既に求めた加速度比を関西電力の短周期1.5 倍ケース(破壊開始点3)の値に掛けて得られる値を、近似値として使用することです。その結果、武村式使用の場合の短周期1.5 倍ケース(破壊開始点3)では、東西、南北、上下方向の加速度(周期0.02 秒)は、それぞれ、1550、1000、900 ガルと推定されます。ここでは精度を考慮して10 ガル単位としました。
これらの推定は必ずしも高い精度の推定ではありません。しかしながらそのような精度でも、現在の基準地震動が過小評価されているのは間違いないと思います。
この際、関西電力の基本ケースがほぼ再現できるような設定で、上記推定値に替わる計算値が得られるよう、再計算をすべきだと思います。
島崎邦彦拝
かなり単純なお話を島崎氏はされていて、関西電力及び規制委員会の評価は過小評価であると、自分も思いますが、専門家の方たちはどう考えられているのでしょうか。このまま、過小評価を規制委員会が認めたのだから、それでいいとするのでしょうか。
2017年6月5日 武田信弘
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