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南海トラフ地震で人口大規模流出か 最新シミュレーション
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170312/k10010908411000.html?utm_int=all_side_ranking-access_001&nnw_opt=ranking-access_a
3月12日 19時33分 NHK
南海トラフ地震で人口大規模流出か 最新シミュレーション 2017年3月12日19時33分
南海トラフの巨大地震が発生した際、太平洋側を中心に人口が変動し、元の市区町村から145万世帯余りが流出するおそれがあることが、専門家による最新のシミュレーションでわかりました。中には50%以上の世帯が流出するとされた市町村もあり、専門家は「人口の流出によって自治体の継続も困難になる。地域を存続させる長期的な対策を考えるべきだ」と指摘しています。
発生から6年がたった東日本大震災の被災地では、被害の大きかった沿岸部の市町村を中心に人口の流出が課題となっています。
東京大学と名古屋大学の研究グループは、東海沖を震源とする南海トラフの巨大地震が発生したあと、人口にどのような変動があるか、国の被害想定に加えて、各地の賃貸住宅の空き部屋の数、それに仮設住宅の供給予測などのデータを元に一時的に避難する世帯をシミュレーションしました。
その結果、揺れや津波で大きな被害が想定される東日本と西日本の太平洋側を中心に、246の市区町村のおよそ145万6000世帯が流出するおそれがあることがわかりました。
都道府県の外へ流出する世帯数で見ると、最も多い愛知県がおよそ22万7000世帯、静岡県がおよそ18万8000世帯、高知県がおよそ14万6000世帯などとなっています。
このうち、高知、静岡など7つの県の沿岸の合わせて30の市区町村では、50%以上の世帯が流出するとされています。
一方、流出する世帯の多くは主に賃貸住宅の空き部屋が多い都市部へ流入し、巨大地震によって地方から都市への人口の移動が加速するとされています。
人口の流入で増加する世帯数は、福岡県でおよそ15万5000世帯、神奈川県でおよそ11万6000世帯、兵庫県でおよそ11万1000世帯などとなっています。
専門家は、住宅などの復興が遅れた場合、流出した人が元の地域に戻らなくなるおそれがあると指摘しています。
シミュレーションをまとめた東京大学の廣井悠准教授は「自治体によっては地域の継続そのものが困難になると見られる。東日本大震災から6年がたち、津波から避難する対策などは少しずつ進んできたが、地域を存続させる対策も長期的に考える必要がある」と話しています。
都道府県別の流出世帯数
今回のシミュレーションでは、巨大地震のあと、246の市区町村の外へおよそ145万6000世帯が流出するおそれがあるとされています。
日本の平均の世帯数で計算すると、およそ340万人に相当します。
都道府県の外へ流出する世帯数で見ると、最も多い愛知県がおよそ22万7000世帯、静岡県がおよそ18万8000世帯、高知県がおよそ14万6000世帯、三重県がおよそ13万8000世帯、大阪府がおよそ12万9000世帯、愛媛県がおよそ11万3000世帯、和歌山県がおよそ9万2000世帯、徳島県がおよそ8万3000世帯、宮崎県がおよそ5万4000世帯などとなっています。
また、合わせて30の市区町村では、50%以上の世帯が流出するとされています。
50%以上の世帯が流出するとされているのは、浜松市中区、西区、東区、浜北区、静岡県湖西市、森町、愛知県田原市、碧南市、美浜町、南知多町、三重県鳥羽市、志摩市、伊勢市、紀北町、明和町、和歌山県御坊市、那智勝浦町、串本町、徳島県阿南市、小松島市、高知県南国市、須崎市、香美市、土佐市、安芸市、宿毛市、香南市、四万十市、四万十町、宮崎県門川町です。
一方、流出する世帯の多くは主に賃貸住宅の空き部屋が多い都市部へ流入するとされ、増加する世帯数は、福岡県でおよそ15万5000世帯、神奈川県でおよそ11万6000世帯、兵庫県でおよそ11万1000世帯、東京都でおよそ10万2000世帯、埼玉県でおよそ9万2000世帯、広島県でおよそ7万9000世帯などとなっています。
南海トラフの巨大地震の被害について、国は地震の起こり方によって複数のケースを想定していて、今回は東海地方が大きな被害を受ける想定でシミュレーションしました。ただ、今回のシミュレーションでは、賃貸住宅などの統計が公表されていない市町村の人口の変動は考慮されていません。
50%余の世帯が流出予測 和歌山・串本町
今回のシミュレーションで、本州最南端の和歌山県串本町は、全体の50%余りに当たるおよそ4000世帯が町の外へ流出すると予測されました。
串本町では多くの住宅が沿岸部の低い土地にある一方、津波の被害を免れる高台が限られ、賃貸住宅の空き部屋もほとんどありません。また、南海トラフの巨大地震では、全国的な仮設住宅の不足が予想され、シミュレーションを行った廣井准教授の試算では、串本町には100戸足らずの仮設住宅しか建設できないとされました。このためシミュレーションでは、津波などによって住宅が壊れた場合、いったん避難した多くの住民が、再び住宅に戻ることができなくなり、町の外へ流出するとされています。
串本町は東日本大震災のあと、津波避難タワーを整備するなど住民を津波から守る対策を進めてきましたが、地震後の人口流出の本格的な対策はこれからだとしています。
串本町総務課の枠谷徳彦副課長は「50%の流出の予測は衝撃だ。津波からの避難を中心とした防災対策だけでなく、地震のあとの対策を考えないといけない」と話していました。
和歌山県は、地震の前に復興の方針をあらかじめ決める「事前復興」の計画を、平成30年度までにすべての市町村に策定するよう求めていて、串本町も計画を策定して対策に乗り出す考えです。
「事前復興」で人口流出防止
地震後の人口流出を防ぐのに有効だと注目されているのが、地震の前にあらかじめ復興の方針を決める「事前復興」と呼ばれる取り組みです。
徳島県美波町の由岐地区は、南海トラフの巨大地震に備え、住民と町が5年前から「事前復興」を検討し、先月、計画の素案をまとめました。地震で町が被災することを前提に住民が移転する高台や、かさ上げする土地などを事前に話し合って決めました。
例えば、内陸の土地の一部では、地震で家を失った住民のための住宅地が整備できるよう、あらかじめ土地の所有者に許可を得たうえで、模型を作って被災後に整備する住宅地の姿を決めています。住民と町の合意形成を事前にやっておき、迅速な復興を目指すことで、いったん人口が流出したとしても、再び町に戻ってきてもらうことが狙いだといいます。
美波町由岐支所の浜大吾郎さんは「合意形成や話し合いを事前にしておくことで、人口流出を止めるための時間の短縮につながると思う。住民と復興の方針を検討して、一つ一つ丁寧に実行することが震災後も地域を継続させる道筋になると思う」と話しています。
専門家「人口流出の対策を考え始める必要」
今回のシミュレーション結果について東京大学の廣井悠准教授は、「これまでも日本では人口が少しずつ減少してきたが、南海トラフの巨大地震が発生すると、太平洋沿岸部ではそれが急激かつ顕著な形で現れる結果になっている。自治体によっては地域の継続そのものが非常に困難になる」と指摘しています。
そのうえで、「大規模な人口流出が起きたときに発生する問題の対策は、まだ進められていない。東日本大震災から6年がたった今こそ、どのような制度や枠組みを事前に用意しておけばいいか、考え始める必要がある」と話しています。
【南海トラフ超巨大地震】内閣府が公開した衝撃のシミュレーションCG「大規模地震の被害と対策に係る映像資料」 東北の地震や大津波を超える可能性。茨城地震が引き金になるかもしれない。
2017/02/21 に公開
南海トラフ超巨大地震と津波 内閣府シミュレーションCG最新版フル、徹底解析
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