http://www.asyura2.com/15/jisin21/msg/233.html
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http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/13727269.html
富士山噴火規模の推定
2011年の東北地方太平洋沖地震の前には太平洋プレートがあまり沈み込んでいなかったという学術論文が見つかりました。「テクトニクス過程と非双遇力成分 太平洋プレートは東日本大震災前に沈み込んでいなかった」( https://www.jstage.jst.go.jp/article/geosocabst/2013/0/2013_052/_pdf ) です。
「非双遇力成分」の意味を理解することができませんでしたが、結論部分は「非双偶力成分比を考慮した発震機構型区分によってテクトニクス過程の進行を知ることが可能になった。停止していた太平洋プレートの沈み込みが突然開始して東日本大震災が起った。」です。
マグマはプレートの沈み込み活動によって発生します。地下150キロ程度の高温・高圧化で岩石がマグマに変化するようです。
では、富士山付近の太平洋プレートの沈み込み活動はどうやって観察できるのでしょうか。駿河湾から房総半島の沖に深発地震が発生しています。HI-net自動処理震源マップの「日本全国広域」、「最新30日間」( http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/mapout.php?_area=EXPJPW&_period=30days&rn=28632 )を見ると、若狭湾の北西沖からほぼ南東方向へ深発地震が北緯25度付近まで青いドットが連続して表示されているのが見えます。これが深発地震です。深発地震はプレートの沈み込みの結果と考えていいはずです。
手元に、2011年の東北地方太平洋沖地震以前のマップが見つからないのですが、この大地震発生前はこういったほぼ一直線に伸びるような発生の仕方ではなく、かなり平面的にばらつきのある発生の仕方であったのです。
311の大地震以降、大平洋プレートの沈み込み活動が活発化したのは西之島の噴火活動活発化でも分かるはずです。
更に、駿河湾沖から南東方向へ伸びる青いドットですが、どちらかというと、静岡県の沖合で数多く密集して発生する傾向がこの数年あるように思います。
よって、311の大地震以降、富士山のマグマだまりにはマグマが供給されているはずです。問題はその規模です。
2013年の報道では次のようなことが言われていたようです。
(*以下、3・11予測の研究者が指摘 「富士山の噴火は2015年」日刊ゲンダイ
http://www.asyura2.com/13/jisin19/msg/193.html より引用開始:)
木村氏の予知の根拠になっているのは、「噴火の目」という考え方だ。
「噴火の目は、低周波地震が集中して起こるエリアのことで、富士山のやや北東、山中湖などの付近です。そのエリアでの発生頻度を分析すると、低周波地震が顕著に増え始めたのが1976年でした。いろいろな火山は、低周波地震が増え始めた年から数えて、31〜39年後に噴火する傾向がある。その計算から、2015年までの噴火が予知できるのです」
(*以上引用終わり)
気象庁の「富士山の火山活動解説資料(平成 27 年 12 月)」( http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/tokyo/15m12/314_15m12.pdf )によると、マグマの上昇と関連性があると言われる深部低周波地震月別発生回数のグラフを見ると2000年頃に非常に活発化し、その後、低下したまま311の大地震時を含めて、同じような状況が続いているように見えます。ただ、このグラフの最初の年が1995年ですから、「低周波地震が顕著に増え始めたのが1976年」ということなら、1976年以来、ずっとマグマのマグマだまりへの供給が続いていたことになります。2016年でちょうど40年です。
この40年という期間をどう評価するかという問題ですが、富士山噴火は過去300年ほど大規模なものが起こっていないので参考にするものがありません。
しいて言うなら、貞観噴火と貞観地震がほぼ同時期に起こったことが参考になるかも知れないということです。311の大地震の前回版が貞観地震でした。864年に貞観噴火、869年に貞観地震と言う順番で、富士山噴火の方が5年早く起こりました。
貞観噴火はマグマを大量に噴出した噴火で、富士山の北西側に広がる青木ヶ原樹海( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E6%9C%A8%E3%83%B6%E5%8E%9F )はこの時のマグマが広がった部分です。
なお、国土地理院のサイト( http://mekira.gsi.go.jp/project/f3/ja/index.html )でGPSの位置の変化を見ることが出来ます。固定局を九州の「熊本相良」に設定して変異を見ると、西南日本内帯が北東方向へ移動している様子が分かります。ただ、どこを固定局にするかで変異の様子が大幅に異なるので、どうしたら実態が一番分かりやすいのか、よく分かりません。
「低周波地震が集中して起こるエリア」は「富士山のやや北東、山中湖などの付近」ということですから、そこにマグマだまりがあると仮定すると、噴火口も富士山の北東側と推定するのが多分自然です。しかし、富士山周辺の小さい噴火口は富士山山頂を北西から南東方向へ斜めに切るように分布しています。
自分としては、西南日本内帯が富士山付近を中心に時計回りに動こうとしているため、もっとも変動が大きい富士山の伊豆半島側が噴火口になると思っているのですが、明確な証拠はありません。
富士山三大噴火は、延暦の大噴火(800年 - 802年)と貞観の大噴火(864年 - 866年)、そして、宝永大噴火(1707年)です。延暦の大噴火は、「噴火規模についても検討を加えた結果,延暦噴火で噴出したマグマの総量はおよそ8000万立方メートルと計算され,富士山の噴火としては中規模の範囲(2000万〜2億立方メートル)の中に位置づけられた.これに対して宝永噴火は7億立方メートル,貞観噴火は13億立方メートルであり,噴火規模から見た場合,延暦噴火はとても3大噴火のひとつとして数えられない」( http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/Fuji/enryaku3.html )ということです。よって、延暦噴火がなっかったとみなして貞観噴火でマグマだまりが空になったと仮定してみます。貞観噴火から宝永噴火まで約850年です。近い将来富士山が噴火すると仮定して、宝永噴火からだいたい300年ですから、宝永噴火の約三分の一の規模と推定できます。宝永噴火は7億立方メートルということですから、その三分の一、2億立方メートルから3億立方メートル程度ということになります。桜島の大正大噴火が「溶岩を含めた噴出物総量は約2km3(約32億トン、東京ドーム約1,600個分)に達した」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%9C%E5%B3%B6 )ということです。単位を同じにすると、2キロ立方メートルは8×10の9乗立方メートル、3億立方メートルは3×10の8乗立方メートルですから、桜島大正噴火の約30分の1の大きさとなります。
ただ、これは仮定に仮定を重ねた計算です。また、富士山は首都圏のすぐ西側にあり、西風が常に吹いているわけで、首都圏には相当な被害があるはずです。更に、下手をしたら、箱根の噴火の再来もあり得ることだと思います。ともかく、マグニチュード9の地震はとても大きな影響を与えます。M9地震の大きさを考慮して、富士山噴火や首都直下地震に備えることが必要だと思います。
2016年01月24日20時15分 武田信弘
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