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http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/13713318.html
富士山噴火が近い将来起こると判断する根拠
yahooの地震情報データベース(*1)を利用して、富士山周辺の6地域での震度を観測した地震の発生状況を調べてみました。
富士山は、日本を構成している4つのプレート全てがほぼ互いに接している場所に位置しています。そのため、この地域の地震活動は、日本全国の大地震の影響を受けます。または、反対に、この地域での地震活動活発化が周辺プレートでの大地震の前兆となっている様子もあります。そういったことも含めて、まず、地域別の集計表を見てみましょう。
静岡県 神奈川県 山梨県
西部ー中部ーー東部ーー伊豆ー西部ー東部富士五湖ー合計
2016:-01----01-----00-----00-----00-----00--------:02
2015:-11----02-----12-----03-----29-----09--------:66
2014:-05----11-----04-----00-----04-----08--------:32
2013:-03----05-----04-----02-----06-----04--------:24
2012:-16----06-----01-----01-----03-----33--------:60
2011:-07----04-----37-----03-----17-----11--------:79
2010:-05----02-----01-----01-----01-----04--------:14
2009:-06----05-----04-----05-----08-----06--------:34
2008:-20----02-----00-----00-----04-----07--------:33
2007:-31----02-----01-----02-----14-----05--------:55
2006:-02----01-----02-----01-----04-----01--------:11
2005:-02----02-----01-----00-----01-----00--------:06
2004:-03----00-----01-----01-----00-----00--------:05
合計 :112----43-----68-----19-----91-----88--------:421
2016年1月19日午前10時現在での値です。
年度合計の推移を見ると、311の大地震の4年前である2007年、中越沖地震があった年に55回と言うピークを迎え、311の前年である2010年には静穏化し、2011年には79回で極大、その後2013年には静穏化したのが、2014年から再び活発化してきているのが分かります。特に、2015年の66回は2011年の79回に迫る数値です。この意味で、かなりこの地域の地震活動が現在かなり活発化してきているのが分かります。
地域別年間発生数の最大値は静岡県東部の2011年の37回です。この年の最初の地震は3月15日、マグニチュード6.0、震源深さ約10キロ、震度6強:静岡県富士宮市、震度5強:山梨県忍野村、山中湖村、富士河口湖町というもので、富士山の南麓で起こったものです。発震機構は『北北西ー南南東方向に圧力軸を持つ、北北東ー南南西走向の左横ずれ断層」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%99%E5%B2%A1%E7%9C%8C%E6%9D%B1%E9%83%A8%E5%9C%B0%E9%9C%87 )でした。つまり、富士山の南側に地震の断層面があり、その方向は北北東から南南西という少し上側が東へ傾いたほぼ南北に真っ直ぐなすべり面で、相対的に、断層面の北側(富士山側)が南南西へ、断層面の南側は北北西へ動いたと言うことになります。図で描くと、伊豆半島のほぼ真上に富士山があり、その富士山の伊豆半島側に接線を垂直に近い右上から左下方向へ引き、相対的に、伊豆半島側が上方向へ、富士山側が下方向へ動いたと言うことになります。基本的に、311の大地震で東北地方が東側に大きく移動したので、その分フィリピン海プレートが南側から北側へ沈み込み活動を強めた結果、この地震が起こったはずです。多くの関係者が富士山噴火を予測しましたが、この地震発生後、3月15日から4月末にかけて29回の群発地震を起こしただけで、噴火には至りませんでした。群発のほとんどの地震がマグニチュード2レベルです。では、なぜ、この地震で噴火に至らなかったのでしょうか。
噴火には次の3条件があると普通言われています。
1.マグマだまりが周囲から圧力を受けること。
2.マグマの圧力が高まること。これには、地震による揺れでのガス発生を原因とするものを含む。
3.火道が開くこと。
2011年3月15日のマグニチュード6.0の地震は富士山のすぐそばでの地震でしたから、マグマだまりが揺すられて、火山ガスが発生し、マグマの圧力が高まったのは明らかです。1.については、富士山側の地層が実際に下側へ動いたとすると、東北日本が東側へ実際に大きく移動したこととつじつまがあいません。なぜなら、東北日本も富士山も基本的には北アメリカプレート上にあると考えるからです。東北日本が東側に動き、富士山が南側に動くことは、同一のプレート上にあることから不可能です。つまり、どうしても、この地震では、フィリピン海プレートが北側へ大きく沈み込んだと捉えるしかないのです。そのため、富士山側では実際の地盤の動きはほぼなかったと言えますから、富士山のマグマだまりへの圧力増加も無かったと推定できます。
3.の火道が開くことも無かったと言えるはずです。そして、だからこそ、結局、5年近く経過した現在でも噴火に至っていません。
地域別で年間発生数が次に多いのは2012年の山梨県東部・富士五湖の33回です。これは、1月28日にM5レベルの地震が2回続けて発生し、その後、その余震が続いた結果です。深さはどちらも約20キロでした。この時の地震の震源球は横ずれ断層気味の逆断層型でした。http://www.hinet.bosai.go.jp/AQUA/aqua_catalogue.php?y=2012&m=01&LANG=ja で確認できます。震源地は「神奈川県西部」となっています。
震源球を見ると、ほぼ北西から南東方向に圧縮軸を持つ逆断層型と分かります。富士五湖は富士山の北側にあります。震源深さ約20キロということから、南東側からフィリピン海プレートが沈み込んできていて、それの圧力で起こった地震のはずです。つまり、2011年3月15日の地震が富士山の南側で深さ約10キロ、2012年1月28日の地震は富士山の北側で深さ約20キロということで、ほぼ富士山の南東方向からのフィリピン海プレートの沈み込みが原因だと解釈が出来るのです。
富士山の南側からフィリピン海プレートが沈み込み、その結果北側で地震が起こったわけですから、基本的に富士山直下のマグマだまりは圧縮されたはずです。まあ、地震が発生した結果、その圧力がある程度解放されたはずでもありますが。しかし、富士山一帯へフィリピン海プレートからの押す圧力がかかっているのは明らかです。このことには、もともと伊豆半島がフィリピン海プレートに乗ってはるか南方沖から移動してきて、本土にぶつかったと言われていることからも類推できます。よって1.の条件は満たされたと思われます。
残るは3.の火道が開くことです。ここで、側火山というものを調べてみます。側火山とは大きな火山の山麓に出来る小さな噴火口のことです。「富士山の側火山分布図」が、 http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/sbosai/fuji/wakaru/013.html のページの真ん中あたりにあります。富士山山頂を中心に、北西から南東方向に数多くの側火山が分布しているのが分かります。これをどう解釈するかですが、火道が開くわけですから、北東から南西方向に引く力、つまり、側火山を中心にして、北東側と南西側に引く力が働いた結果、側火山がこのような形で分布していると考えられます。側火山の北東側とは、つまり、神奈川県側であり箱根があります。311の大地震で東北日本が大きく東へ移動しましたが、その効果をどう解釈するかが問題です。311の大地震での「地震後の水平地殻変動の観測値と計算値の比較」( http://www.gsi.go.jp/common/000080026.pdf )で311の地震直後から2013年3月までの水平移動の様子が見れます。伊豆半島の根元部分はほとんど動いていないことが分かります。つまり、311の大地震でも、そして、上に挙げた二つの地震でも火道は開いていないのです。だからこそ噴火が起こっていないということになります。
そうすると、残る可能性は、側火山の西側が南西方向へ引かれることです。側火山の南西側とは、結局、静岡県の中部と西部です。
静岡県中部の地震発生状況を見ると、年間回数の最も多いのは2014年の11回です。静岡県西部においても、2015年に11回で、2013年の3回、2014年の5回よりもずっと活発化してきています。今後、この二つの地域での地震数が増加傾向を強めれば、かなり富士山噴火が切迫していると言うことになるはずです。
なお、静岡県中部・西部の地震は、西日本にある中央構造線の北側が動くことによって発生している可能性がかなり高い様子です。それは、この地域で起こっているなかで最大レベルのM4地震を調べることで分かります。2014年1月21日の静岡県中部の地震の震源球( http://www.hinet.bosai.go.jp/AQUA/aqua_catalogue.php?y=2014&m=01&LANG=ja )は、少し横ずれ気味の正断層型でほぼ東西方向に引張軸があります。2015年9月1日の静岡県西部の地震の震源球( http://www.hinet.bosai.go.jp/AQUA/aqua_catalogue.php?y=2015&m=09&LANG=ja )は横ずれ断層型ですべり面はほぼ西日本の中央構造線の向きと同じです。
こういった地震活動は基本的に西日本の中央構造線の北側の地域(西南日本内帯)が動くことで起こっていると見ていいはずです。中央構造線は瀬戸内海の南側を通り、大分県から熊本県の方へと南西方向へカーブを描いています。中国地方から九州地方はアムールプレートの上にあり、アムールプレートは全体として反時計回りに回転しようとしています。2015年11月14日の薩摩半島西方沖地震M7.0( http://www.hinet.bosai.go.jp/AQUA/aqua_catalogue.php?y=2015&m=11&LANG=ja )とか2017年1月29日の台湾付近の地震M5.7( http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/eventpage/us10004fhj#scientific_tensor )は、共に横ずれ断層型でありほぼ西南西から東北東方向に圧縮軸がある横ずれ断層型です。よって、西南日本内帯の九州側が大きく北東方向へ引き上げられていることが分かります。この様なアムールプレートの動きは、2015年ぐらいから特に活発化してきた様子であり、その大きな原因はインド・オーストラリアプレートが大きく時計回りに回転しようとしていることの様子です。ネパールやインド島北部の地震はどれも2015年から活発化してきています。
西南日本内帯の西の端が北東方向へ引き上げられますから、西南日本内帯が富士山付近を中心にして時計回りに動くとすると、富士山の南側で火道が開きやすくなるはずです。つまり、富士山の西側に定規の端をあて、中央構造線に沿って置き、その九州側を右上に動かせば、富士山側の端の南側にすき間が出来るからです。富士山の山頂火口よりも大きい宝永火口も富士山の南麓にあります。
以上のように、富士山噴火はかなり近い将来必ず発生すると思われます。遅くとも10年以内には必ず発生するでしょうし、今年か来年の発生もあり得ることだと思います。
(*1)参考リンク:
静岡県西部:http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=443
静岡県中部:http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=442
静岡県東部:http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=441
静岡県伊豆地方:http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=440
神奈川県西部:http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=361
山梨県東部富士五湖:http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=412
2016年01月19日22時50分 武田信弘
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