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そのヨーグルトの食べ方、健康効果なし?妊婦の腸内細菌数、胎児の脳発達に多大な影響
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16440.html
2016.08.25 文=森由香子/管理栄養士 Business Journal
骨粗鬆症や便秘の予防・改善など多くの効用を持つ食品といえば、ヨーグルトが代表にあげられるのではないでしょうか。ヨーグルトに含まれる主な栄養素は、たんぱく質、脂質、カルシウム、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンEなどがあります。
ヨーグルトは、乳酸菌の働きにより、たんぱく質、脂質がすでに分解されている状態にあるため、体内での吸収率が同じ乳製品の牛乳にくらべて高いという特徴があります。この乳酸菌は、栄養素の分解をする働きのほかに、腸内の細菌バランスを良好に整える働きがあることは周知の事実でもあり、毎日ヨーグルトを食べている方も多いでしょう。
人の腸には、1000兆個以上の細菌がいます。ビフィズス菌、KW乳酸菌、LG21乳酸菌、ラブレ菌、エクオール産生菌のようなカラダに良い働きをする乳酸菌で、いわゆる善玉菌とよばれるものや、増えると有害な作用を及ぼす悪玉菌といわれるものがあります。腸内の乳酸菌の善玉菌や悪玉菌のバランスは、年齢、食事の内容、体調などによって変化します。
また、腸内環境のバランスの変化によって、体にさまざまな影響をおよぼすことがわかっています。
そればかりではありません。女性の場合は、個人の健康ばかりではなく出産した子どもの健康にまで影響を及ぼすことが明らかになってきました。
福井大学子どものこころの発達研究センターの栃谷史郎特命助教は、研究結果に基づき次のような見解を示しています。
「腸内細菌は母から子へ伝わり、母の精神状態にも、子の脳発達にも影響を与える因子となると考え、妊娠期の母体腸内細菌を抗生剤で減らし、子どもの脳の発達にどのような影響が出るかを動物実験(マウス)で行ったところ、マウスの仔が低活動や壁沿いを好んで移動するなどの変わった行動を取ることがわかりました。このことから、周産期の母親の腸内環境を健康に維持すると、子の健康な脳発達に寄与すること(逆に言えば、神経発達障害などのリスクを軽減できること)を示唆できます」
腸と脳は自律神経でつながっています。そのため、腸内バランスの影響が脳に及ぶのは、容易に想像ができるでしょう。
さらに、腸内細菌のバランスが良好に保てれば、便秘の改善などの腸の健康維持をはじめ、ビタミンK、葉酸、ビオチン、アミノ酸などの生成、免疫力の活性化、血中コレステロールの低下作用、アレルギー発症の緩和などが期待できることがわかっています。
■効果的なヨーグルトの食べ方
また、腸内細菌の種類によって、以下のようにカラダに働く効果が異なることも判明しています。
・ビフィズス菌…便通を整える、免疫力の強化、感染症の予防
・KW乳酸菌…花粉症やアトピー性疾患などのアレルギー症状の緩和、免疫力の強化、感染症の予防
・LG21乳酸菌…胃内で作用を発揮しピロリ菌から胃を守る、整腸作用
・ラブレ菌…免疫力の強化、腸内環境を整え、コレステロールの低下作用
このように腸内細菌の種類によって特徴があります。
コンビニエンスストアやスーパーマーケットへいくと、たくさんの種類のヨーグルトが陳列されています。その一つひとつをみると、ヨーグルトにふくまれる善玉菌が異なります。つまり、各商品に含まれる菌が異なるため、ヨーグルトによって期待できる効果が異なるということになります。
では、あなたがヨーグルトを選ぶとき、いつも何を基準にしているでしょうか。腸内環境は、年齢、食事の内容、体調などによって変化すると前述しました。もしかすると、そのいつものヨーグルトが、あなたが期待しているほど効果的に働いていない場合があるかもしれません。
そのため、特定のヨーグルトばかり毎日食べるのではなく、平均的にいろいろなヨーグルトを食べて多種の腸内細菌を日替わりで取り入れ、腸内環境のバランスを整えていくことが無難といえるでしょう。
バラエティに富んだ乳酸菌(善玉菌)を取り入れて、腸内環境のバランスを整えましょう。
(文=森由香子/管理栄養士)
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