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高齢者のがんの手術はNG?60歳以上「この手術はやめたほうがいい」決定版リスト 死期を早めないために
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49242
2016年07月31日(日) 週刊現代 :現代ビジネス
■人間らしい死に方ができない
医師であり東海大学名誉教授の田島知郎氏は「高齢になってからのがんの手術は、慎重に考えなければならない」と語る。
「たとえば、日本人の死因1位を占める肺がんの場合、手術をすること=肺機能を失うことです。そうなるとすぐに息が切れて、階段を昇り降りすることも一苦労になるでしょう。人間が終末期にどれだけ生きられるかは、肺機能にかかっている。手術によって寿命が逆に縮む可能性もあるのです」
もちろん体力のある30代や40代で、早期にがんが発見された場合は、手術によって切ることで根治を目指すこともできる。だが、体力の落ちた高齢者の場合はそう簡単ではない。
医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が言う。
「60歳の人は『まだ現役世代』という認識があるので、体力に自信があり、手術に踏み切る人もいるでしょう。しかし、70歳を超えると手術そのものが即、命の危険につながる可能性があります。
『チュージング・ワイズリー』と呼ばれる無駄な医療撲滅運動において、米国のがん委員会では、がんのタイプやステージに合わせ、術前に抗がん剤や放射線治療の検討もせずに手術に入っていけないと明確に提言しています。が、日本ではまず手術をすすめてくる医者もいるので、特に高齢者は注意が必要です」
残された人生をどう過ごすか—。手術をしたがために寿命を縮めてしまっては元も子もない。そのため年齢によっては、やらないほうがいい手術もある。
がんの中でも特に手術が必要ないと言われるのが、前立腺がんだ。
医師で医療ジャーナリストの富家孝氏は「60歳以上で前立腺がんが見つかっても放置しておいて問題ない」と断言する。
「このがんは非常に進行が遅いので、症状が出る前に寿命を迎える人がほとんどです。実際欧米では、高齢者は基本的に手術をしないのが当たり前になっています。
70歳以上になるとほとんどの人がかかると言われる前立腺肥大症も、よほどのことがない限り経過を見守り、手術はしないほうがいい。
医師は『前立腺がんの可能性があるから』と検査をすすめてきますが、それも注意が必要です。前立腺は血流が豊富な部位で、生検のために何回も針を刺して細胞を取ると、大量出血を起こして、下手をすると腎不全を起こして死に至ることもあります」
がんの中でも特に手術が難しいとされる、膵臓がんはどうか。
「膵臓がんは、発見しづらく元々手術をしても治る確率の低いがんです。手術創の治り方が悪く、縫合不全による合併症を引き起こすことも多々ある。膵臓は胃や十二指腸などに囲まれていて、大がかりな手術になるため、出血も多く、血圧が変動し、高齢者の場合、術後の回復が遅れ死亡してしまうケースもある。
70歳以上で膵臓がんが見つかった場合は、無理に手術をせずに、放射線治療や免疫療法によってQOL(生活の質)を保ったまま、人間らしい生活をして生涯を終える選択肢もあります」(医療法人ふじいやさか ラ・ヴィータ・メディカルクリニックの森嶌淳友院長)
80歳を超えて、こんながんが見つかった場合は、なおさら手術はさけたほうがいい。
「80歳を超えて肝臓がんや胆管がんが発見された場合、手術は慎重に考えてください。そもそも肝機能そのものは、がんに相当侵されても寿命までもつのです。体力が落ちた高齢者の場合、無理に手術をするほうがリスクは高い」(前出の田島氏)
では食道がんの場合はどうか。食道がんの手術により、父親(80歳)を亡くした小林啓介さん(仮名)は、こんな後悔の念を吐露する。
「食道がんが見つかった時、医者が手術をすすめたので、私たち家族も父に少しでも長生きしてほしいと手術を了承しました。
手術は何とか成功。ところが術後に食道狭窄が起こり、物が食べられなくなりました。そこで胃瘻(チューブを挿入し直接胃に栄養を送り込む処置)を施したのですが、父はみるみる痩せて衰弱していった。食べたい物も食べられないまま、病院のベッドで逝ってしまった父を見て、手術をすすめたことを今でも後悔しています」
人生の最終期に辛い思いをして手術に踏み切ったのに、それが逆に死期を早めてしまう—。
■70歳以上の人工関節は危険
がん以外にも60歳からは手術をしないほうがいい病気がある。
未破裂脳動脈瘤もその一つ。くも膜下出血を起こす可能性があるとされ、予防的手術をすすめる医者もいるが、安易な手術はすべきではない。
紀和病院名誉院長で脳神経外科医の近藤孝氏が語る。
「以前は脳ドックなどで未破裂脳動脈瘤が見つかったら、積極的に手術で取り除いていましたが、それが原因で亡くなる患者さんも少なくなかった。動脈瘤の大きさが5~7ミリ以上、もしくは首に近いところにある場合は手術したほうがいいですが、そうでない場合は半年に1回程度MRIを撮って、経過を見守ることが推奨されています」
命に直接かかわるわけではないが、その後の生活に大きな支障が出る可能性があり、「60歳以上になると迷う手術」がある。その最たるものが椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの腰痛だ。
「椎間板ヘルニアは、背骨にある椎間板が飛び出し神経を圧迫するために痛む病気ですが、飛び出した椎間板は時間が経てば自然とへこんでいくことが多いので、60歳からはできるだけ手術をしないほうがいい。老化で骨が脆くなり変形したのが痛みの原因ですから、手術しても治癒しないことが多いのです。
もし失敗すれば、下半身に痺れが残ることもあるし、へたすれば車椅子生活になる人もいます。60歳からは一か八か手術をするのではなく、ストレッチや体操などの保存療法を試して、騙し騙し付き合っていったほうがいいでしょう」(前出の富家氏)
さらに70歳を超えたら変形性膝関節症の手術もやめたほうがいい。
「特に女性の場合、70歳以上になると『骨粗鬆症』を抱えている人も多く、手術のリスクはさらに高まります。膝痛に悩む患者が来ると、医者はよく人工関節をすすめますが、骨粗鬆症の人は人工関節を入れても緩んでしまい、痛みが再発する可能性が高い。膝が曲がらなくなったり、足に違和感が残ったりするケースもあります。70歳を超えてから人工関節を入れて後悔している人も少なくありません」(整形外科医)
当然ながら体力が低下する90歳からは、手術のリスクはさらに高まる。自分の年齢と残された人生を計算し、自分にとって一番納得いく治療法を選択するためにも、決して医者の言うままに手術を受けてはいけない。
「週刊現代」2016年7月23日・30日合併号より
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