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生活習慣病に効くインターバル速歩
トレンド・ボックス
運動初心者でも取り組みやすい
2016年7月28日(木)
(写真=アフロ)
運動経験の少ない人や、仕事で時間がなかなか取れないという人でも、手軽に始められる有酸素運動として人気のウオーキング。ダイエットや健康維持のために取り組む人も多いが、一方で「効果を感じられない」という声も聞かれる。そんな人は、「インターバル速歩」を試してみてほしい。
インターバル速歩とは、信州大学大学院医学系研究科の能勢博教授が提唱するメソッドで、ややきついと感じる早歩きとゆっくり歩きを交互に繰り返すウオーキングのこと。早歩きで筋肉に負荷を与えつつ、ゆっくり歩きを挟むことで無理なく続けられ、持久力もアップするという。
平均年齢66歳の中高年を対象に、4カ月間のインターバル速歩が与える影響を能勢教授が調査したところ、BMI(肥満度を示す体格指数:体重kg÷〔身長m×身長m〕)や血圧、血糖値などに改善効果が認められ、体力の低い人ほどその効果が高かった(下図)。また、別の調査では、インターバル速歩を続けることで、「1カ月で歩くのが楽になった」「3カ月で風邪をひきにくくなった」「5カ月で筋力、持久力が最大20%向上した」といった変化が表れたという。
インターバル速歩の実践で生活習慣病が改善
●生活習慣病罹患率の変化
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注:中高年(平均年齢66歳)を対象に、インターバル速歩トレーニングによる体力向上が生活習慣病に与える効果を検証。@最高血圧≧130mmHgまたは最低血圧≧85mmHg A空腹時血糖>100mg/dl BBMI≧25kg/平方メートル C中性脂肪≧150mg/dlまたはHDLコレステロール≦40mg/dlの4条件について、体力別に測定。中性脂肪以外については、改善が認められた。縦軸の数字は、被験者に占める該当者の比率(1.0=100%)
出所:Morikawa M, Okazaki K, Masuki S, Kamijo Y, Yamazaki T, Gen-no H, and Nose H: Physical fitness and indices of lifestyle-related diseases before and after interval walking training in middle aged and older males and females. Br. J. Sports Med 45:216-224, 2011.
インターバル速歩の具体的な方法を紹介しよう。ゆっくり歩きとややきついと感じる早歩きを、3分間ずつ交互に繰り返す。合わせて6分間を1セットとし、1日5セット(30分間)を週に4日行えば、効果を実感しやすくなるとのこと。
歩く際には、正しいフォームの保持に気を配る。胸を張って、背筋を伸ばし、できるだけ大股で進み、つま先を上げてかかとから着地する。腕は直角に曲げ、肘を後ろに引くことを意識すれば自然に胸が張ってくる。ただ、速く歩くことばかりに集中すると、背中が曲がりやすくなり腰を痛める原因になるので注意したい。また、筋力アップを図りたいなら、インターバル速歩の後に牛乳を飲むと効果的だという。
体を動かすにはいい季節。体力に自信はないが、健康に効く手軽な運動ならばやってみたい──。そうした方は、インターバル速歩をお試しあれ。
文=氏家 裕子
(日経ビジネス2016年5月2日号より転載)
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