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炭水化物を食べたほうがやせる!制限は人体に危険で太りやすく、常に眠気で脳機能低下
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15530.html
2016.06.18 構成=編集部 Business Journal
糖質や炭水化物を制限した食事でダイエットすることが広く定着しつつあるが、その「常識」に正面から異議を唱える学者が話題となっている。京都大学名誉教授で、正しい食生活と体づくりを提唱しつつ、自らも実践して65歳となった今でも体脂肪9.8%を維持している、森谷敏夫氏だ。
森谷氏は4月、『結局、炭水化物を食べればしっかりやせる!』(日本文芸社)を上梓し、賛否両論含め話題が沸騰している。昨年7月には『世界一受けたい授業』(日本テレビ)に出演し、同氏が考案した炭水化物を摂取してやせる「京大式ダイエット」を紹介し、大きな反響を呼んだ。
森谷氏は、「炭水化物を取らなければやせるという考え方は、まったくの間違いで健康にも有害」と指摘する。
「炭水化物は、脂質の半分しかカロリーがありません。むしろごはんは腹持ちが良く、炭水化物のほかに、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素を含み、決して太りやすい食べ物ではありません」(森谷氏)
では、なぜ炭水化物は「ダイエットの敵」のように扱われるのか。
「ただし、消費されなかった炭水化物の余剰分は、グリコーゲン(糖質のエネルギー)として体内に取り込まれ、肝臓や筋肉に保管されます。このグリコーゲンは、その質量の3〜4倍の水と結合して蓄えられるという性質を持っています。そのため、ごはんを食べすぎると、余剰分の量の3〜4倍体重は増えることになります。反対に、ごはんを減らせば、ほかの食事を減らした場合よりも体重が3〜4倍早く落ちる計算になります。
これが、「ごはんを減らせばやせられる」という誤ったダイエット神話につながったと考えられます。しかし、この場合に減ったのは体脂肪ではなく、ほとんどが水分です。そのため、ごはんを減らした食生活を続けても、やがて体重の減りは鈍化し、食事内容によっては簡単にリバウンドします」(同)
炭水化物制限で減るのは体内に蓄積した水分だけ
つまり、炭水化物を減らしても体脂肪が落ちるのではなく、グリコーゲンと共に蓄積される水分だというのだ。
「リバウンドしやすいというだけではなく、脳の唯一のエネルギー源となる糖が不足することで、脳は体の活動を低下させようとします。具体的には、眠気を催し、極力体を動かさないようにするのです」(同)
眠気に襲われやすく仕事に集中できない、電車内では常に寝ている、体を動かすのが億劫だといった症状がある人は、もしかしたら炭水化物不足が原因かもしれない。
「単品の食品を取り続けたり、炭水化物など特定の栄養素の摂取を制限する食事は正しいダイエットではありません。これらは体重を落とすことのみに焦点を当てた方法で、体脂肪を落とせず、健康を害する可能性の高いものです」(同)
やはりバランスの取れた食事と、適度な運動が大切ということだ。森谷氏は、正しい食事を前提とした上で、「炭水化物を正しく取ることでやせられる」と主張する。
「たとえば、お酒を飲んだ後などに、シメとしてラーメンやうどん、お茶漬けなどの炭水化物が欲しくなることがあります。これは、食事中に糖分が不足していたため、満腹感を得られていなかったことが原因です。糖分を取っていれば、脳は満腹感を得られます」(同)
つまり、食事の際には、まずごはんを食べることで、その後に飲み食いする量を抑えられるというのだ。腹を膨らませるのではなく、脳に満腹感を与える。それが食べ過ぎを防ぐことにつながる。
主食である炭水化物を我慢して懸命にダイエットに励んでいる方も多いようだが、それで体を壊しては意味がない。正しく炭水化物を摂取して、健康的にやせるこの理論、試してみてはいかがだろうか。
(構成=編集部)
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