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“書く”は学ぶための「触媒」(C)日刊ゲンダイ
米調査で脳の働きに差が 「手書き」で記憶力はアップする
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/180364
2016年4月28日 日刊ゲンダイ
パソコンで文字を打つ人よりも、手書きする人の方が頭がいい――。こんな調査結果が話題になっています。
アメリカでは、大学の授業でもパソコンでノートを取る学生が増える一方です。ところが、プリンストン大学とカリフォルニア大学が行った実験で、パソコンで打つより手書きする学生の方が理解が良く、長く記憶でき、さらには新しいアイデアも浮かびやすいということが分かったそうです。
古代人がペンでパピルスに文字を記していた時代から、見たことや聞いたことをしっかりと記録して、後で思い起こすために「ノートに取る」という行為がありました。これが、学ぶための「触媒」になっていたといわれています。「書く」という行為が脳を刺激するためで、その時の脳の動きは非常にダイナミックなものだそうです。
ところが、鉛筆であれペンであれ、どんなもので書いても脳の働きは変わらないのに比べ、パソコンで「打つ」のはかなり違うそうです。
まず、パソコンでノートを取ると、手書きより速いスピードで、より多くを記録することができます。手書きでは1分間に22文字なのに、タイプだと33文字まで可能といわれています。
80人の学生を対象に行った実験では、パソコンを使った学生は授業の直後には内容の多くを記憶していましたが、24時間後になると、手書きした学生の方がより多くを覚えていたそうです。さらに1週間後になると、その差はますます開きました。
手で書くことで内容がより深く記憶される。パソコンより記録できる文字数が少ない分、書きながらいったん脳で整理され消化されているため、より記憶を呼び覚ましやすいというのです。
逆に最悪なのは、パソコンで一語一語正確に打つこと。「きちんと打つ」という行為に集中し過ぎてしまうことが問題だといいます。
▽シェリーめぐみ ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター。横浜育ち。早稲田大学政経学部卒業後、1991年からニューヨーク在住。
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