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ネコを飼うと「胃がん」「統合失調症」になる!? 死よりも怖いペットを飼うリスク8選
http://tocana.jp/2016/04/post_9291_entry.html
2016.04.02 TOCANA
現代の日本では、少子高齢化の影響もあり、ペットを飼う家庭が多い。イヌもネコも、それぞれ1,000万頭前後が飼われているという。ペットを家族同然に扱い、共に暮らす人々の間で問題となっているのは、ペットに由来する感染症などの病気だ。それらの中には、死に至る病気もあるという。今回は、患者数の増加が予想される、ペット由来の感染症などの病気を紹介しよう。
■「動物由来感染症」(ズーノーシス)の感染経路とは?
動物からヒトへと感染する可能性がある病気を、「動物由来感染症」(ズーノーシス)と呼ぶ。日本では60〜80種が特に問題視され、そのうち30種はイヌ・ネコ・小鳥など身近にいるペットから感染するものだ。ペットと家族同然の生活をするほど感染リスクは高まる。
ペットに由来する動物由来感染症の感染経路としては、主に以下の2種類が挙げられる。
1. 直接伝播:咬まれる、顔を舐められる、引っかかれる、口移しで餌を与える、キス、排泄物、ほか。
2. 間接伝播:ダニ・蚊・ノミなどの媒介。もしくは口にする肉や魚介類から。
■代表的な「動物由来感染症」5選
イヌやネコなど、日本で人気のあるペットとの接触によって起きる病気としては、主に以下のようなものがある。
・1パスツレラ症
イヌの75%、ネコの100%が保有している「パスツレラ菌」への感染によって発症する。主にペットに噛まれたり引っかかれたりしてできた傷口から、体内に菌が侵入する。呼吸器系の疾患、骨髄炎、敗血症、髄膜炎などの全身重症感染症を引き起こし、高齢者など抵抗力が弱い人々は死亡することもある。
・2猫ひっかき病
その名の通り、ネコに引っかかれて感染し、10日後に赤く腫れ上がる。そして発熱が続き、全身倦怠、関節痛、吐き気などの症状が出現。自然に治癒することも多いが、肝腫瘍を合併することもあり、免疫能力が落ちた高齢者などは、重症化して麻痺や脊髄障害に至るケースもある。
・3カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症
イヌやネコなどの口腔内に常に存在する細菌が、ペットに噛まれたり引っかかれたりすることで体内に侵入。発熱、倦怠感、吐き気、頭痛を引き起こす。患者は中年以上の男性に多く見られるが、重症化すると敗血症や髄膜炎で死亡するケースもある。
・4サルモネラ症
カメやイグアナなどの爬虫類、また、汚染された食品や手指を通じて口から感染し、その後8時間から4日間で腹痛、下痢、発熱が起こり、時に粘血便を伴う。免疫力が落ちている人が感染すると重症化し、死に至るケースもある。
・ 5オウム病
主に鳥類が感染源となるが、イヌやネコに感染することもある。鳥の排泄物を吸入したり、稀に口移しで餌を与えることにより感染するケースも見られる。急激な高熱と咳を発症し、肺炎や髄膜炎などさまざまなな病態に至る。
■6ペットを飼っていると胃がんになる?
このほか、最近になって明らかになった研究結果として、「ペットを飼うと胃がんになる」という事実がある。これは、北里大学薬学部の中村正彦准教授らのグループが日本ヘリコバクター学会で発表したものだ。
胃がんのリスクを高めるピロリ菌に感染していなくても胃がんを発症する例があるが、そのような人は、ペットを経由して「ヘリコバクター・ハイルマニ」という細菌に感染している可能性があるというのだ。
医学博士である米山公啓氏は、ペットとの接触について、「粘膜と粘膜が触れ合うような濃厚な接触は控えるべきです。口の周りをペロペロとなめさせたり、キスや口移しで食事を与える行為は非常に危険。排泄物や吐しゃ物を処理する時も細心の注意が必要になります。手袋をつけることに加え、処理後はキチンと手洗いをするべきです。一緒にお風呂に入るのも、あまりオススメできません」(日刊ゲンダイ、2015/09/08)と語る。
■7ネコを飼っているだけで統合失調症に?
また、これも最近になって判明したことだが、「ネコを飼っている家では、統合失調症になるリスクが高まる」という驚くべき報告もある。これは、2015年1月に学術誌「統合失調症研究」に掲載された論文によるものだ。
研究結果では、子どもが青年期後半に統合失調症など重度の精神疾患と診断された家庭では、その子の幼少期に猫を飼っていたケースが多かった。研究チームは、猫に寄生する「トキソプラズマ・ゴンディ」という原虫がヒトに感染し、精神疾患の発症に関して何らかの役割を果たしているのではないかという仮説を立てている。
■8もちろん、獣姦も危険! 陰茎がんに
さらに、ごく稀なケースだが、獣姦によって発症リスクが高まる病気もある。たとえば、ブラジルの研究によると、獣姦を好む男性たちの間で、陰茎がんを発症する確率が高くなるという。
ブラジルの農村地域に住む男性約500人を調査したところ、そのうち35%が動物との性交渉の経験をもっていた。また、陰茎がん患者118人を対象とした調査では、獣姦の経験者が45%という高い数値を示したため、やはり発症の原因は獣姦にある可能性が高いという。これはあくまでも特殊なケースではあるが、やはり動物との密接すぎる接触は、大きなリスクを伴うということだろう。
■日常生活で心がけるべきこととは?
さて、ペットの飼い主にとっては「知らなければよかった」ということばかりかもしれないが、ペットに対する愛情が深いからこそ、家族同然に扱うのであり、キスしたり一緒に寝たりする「愛情表現」を止めろというのは酷なことだろう。
いずれにしても、いざという時にパニックに陥らないため、ペットの飼育には感染症などのリスクが伴うということを十分に把握しておくことが大切だ。感染症のリスクを低減するために日常生活で心がけることは、主に以下のようなことだ。
1. ペットの身の回りを清潔に保つ
2. ペットに触れたら必ず手を洗う
3. ペットとの過度な触れ合い(顔を舐めさせる、キス、餌の口移し等)は控える
4. イヌの予防注射や登録などを忘れない
また、人々の生活が多様化するにつれ、これまであり得なかったような動物をペットとして飼うケースも増えている。動物由来感染症の観点からすると、こうした動物はまだ未知の部分が大きく、飼育のうえでのリスクが非常に高いことを理解しておくべきだろう。
筆者は、昨年8月発行の『予言! 恐怖の感染列島』(ダイアプレス)で「世界の奇病を研究する会」の一員として執筆を行ったが、この記事では自ら執筆した動物由来感染症の項を参考にした。本書では、ほかにもあまり知られていない恐怖の感染症を紹介しているので、関心がある方は一読をお薦めする。
(文=百瀬直也/これまでの記事はコチラ)
百瀬直也(ももせ・なおや)
超常現象研究家、地震前兆研究家、ライター。25年のソフトウエア開発歴を生かしIT技術やデータ重視の調査研究が得意。
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