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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
寿命縮める「夜間頻尿」 原因の“悪習”はこうして克服する
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/173548
2016年1月19日 日刊ゲンダイ
夜間に何度もトイレに行きたくなる「夜間頻尿」は、高齢者の場合、転倒や肺炎のリスクを高め、寿命が短くなるという研究結果がある。
夜間頻尿の原因には、寝る前の「水の飲み過ぎ」や飲酒などの生活習慣、あるいは前立腺肥大、過活動膀胱、睡眠時無呼吸症候群、腎臓病、糖尿病といった病気の可能性がある。改善させるには、生活習慣の見直しや病気治療が先決だが、それでもよくならない場合は、次の方法を試してはどうだろう。北浦和・石井クリニックの石井泰憲院長に聞いた。
■鎮痛薬が思わぬ作用
(1)夕方にウオーキングをする
体内をめぐる血液やリンパ液は、立位では筋力の低下などで重力に逆らえず、夕方になると下肢にたまってむくみを起こしがち。横になると、たまっていた血液やリンパ液は大血管に戻り、水分は腎臓から尿として排泄される。この尿が夜間に多いと刺激で目が覚める。
「ウオーキングをするとふくらはぎが刺激されて血流などが良くなり、血液、リンパ液が心臓に戻りやすくなります。早朝は効果がないが、夕方以降のウオーキングは下肢のむくみを改善し、余分な水分を就寝前までに腎から尿で出してくれる。夜の尿が少なくなって夜間排尿の回数が減り、安眠できます」
(2)就寝1時間前にマッサージして足を上げる
足首から順に上にいくように、ふくらはぎを両手でマッサージ。もんだりさすったりすればいい。また、数十分の足上げだけでも効果がある。
「(1)と同じで、血液とリンパ液が心臓に戻りやすくなります」
(3)寝る2〜3時間前に風呂に入る
「血流がよくなり、寝る前に下肢の水分が尿となって出ます」
(4)塩分を減らす
「塩分の過剰摂取は体内のナトリウムとのバランスを崩し、水分を欲するようになります。すると夜間の尿量が増え、頻尿になる。特に夕食は、塩分少なめのメニューにした方がいい」
(5)漢方薬を用いる
「夜間頻尿の改善には、八味地黄丸、牛車腎気丸などがいいといわれています。漢方薬の処方も医師に相談してみてください」
(6)ロキソニン(一般名ロキソプロフェン)を寝る前に飲む
なかなか改善しない夜間頻尿に悩んでいる患者に、石井院長が“とっておきの方法”としてアドバイスしているのが、消炎・鎮痛薬「ロキソニン」の服用だ。
「3つの作用機序があります。まず腎臓での血流を少なくして、夜の尿量を減らす。次に、膀胱や尿道に対する刺激を抑え、排尿を抑制する。さらに、膀胱から脳への神経にも作用し、トイレに行きたい感じを抑える。これで睡眠を十分に取れるようになります」
ロキソニンは、服用した時だけ頻尿に対する効果を発揮し、長時間は持続しない。だから一日中頻尿に悩んでいるなら、作用時間が長い抗コリン薬が適している。しかし「限られた時間の頻尿ならロキソニンがいい」と石井院長は話す。
「頓服的な使い方であれば、消化器症状や腎機能障害などの副作用は見られませんでした。服用してから30分ほどで効果を発揮し、4時間ほど持続します」
夜中に目が覚めたら、それからなかなか寝付けないという人もいる。そのツラさは想像以上だ。試してみてはいかがだろう。
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