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急な出張ではもはやビジネスホテルには泊まれない?
満室続出、2万円超も!激変するビジネスホテル事情
http://diamond.jp/articles/-/74040
2015年6月27日 唐仁原俊博[ライター] ダイヤモンド・オンライン
一泊5000円や6000円とリーズナブルで、急な出張でも飛び込みで宿泊できる。それが「当たり前」とされてきたビジネスホテルに変化が起きている。「予約が取れない!」「値上がりしてる!」そんなビジネスマンたちの叫び声が聞こえてくるのだ。
ビジネスホテル業界において日本国内で最大の客室数を誇るのが東横イン。日本国内で245店舗、韓国6店舗の合計 251 店舗と総客室は4万9202(いずれも6月16日現在)。この東横インが、興味深い記録を達成している。今年5月2日から3日の24時間で、全店舗の稼働率を100%にし、ギネス記録として認められたのだ。
観光庁が行っている宿泊旅行統計調査によれば、昨年の宿泊施設全体での稼働率は58.4%。ビジネスホテルは73.8%と平均よりずいぶん高い数値だ。旅館の稼働率は35.9%だから、両者の部屋の埋まり具合には2倍の差があることになる。
こうしてみると、ビジネスホテルの中で何も東横インだけが圧倒的な稼働率というわけではなさそうだ。ビジネスホテルで、いったい何が起こっているのだろうか。
■ビジネスホテルは誰のもの?
ビジネスホテルに泊まったときに、大きなトランクケースを引き、連れ立って歩く家族連れを見たことはないだろうか。私は2年前、取材に訪れた東京蒲田のビジネスホテルで初めてその光景を目撃した。ロビーで新聞を読みくつろぐサラリーマンの横を、受付をすませた家族連れが歩いていく。フロントの女性に聞いてみると、ここ数年、家族連れだけでなく、女性の2人連れの姿も見るようになったと話してくれた。
大自然を堪能できる秘境にひっそりと建つビジネスホテルというのは、いまだに聞いたことがない。それはそうだ。ビジネスホテルは、基本的に交通の便のいいところに出店する。朝早くからあちこち駆けずり回る必要があるビジネスマンにとって、交通の便が何よりも重要だからだ。しかし、駅から徒歩3分や5分、ときには駅から直通といった立地が宿探しの第一条件になるのはビジネスマンだけではない。限られた時間で、いろいろな観光地を見て回りたい観光客にとっても、同様に魅力的に映ることだろう。
また、サービスを最低限にとどめ、価格を抑えていることも、「観光はしたい。だけど、あまりお金はかけたくない」という人にとっては大きな訴求力になる。家族旅行や観光においても、ビジネスホテルに宿泊することが悪くない選択肢だと、多くの人が気づき始めたのだ。
つまり、ビジネスホテルが出張族だけのものだった時代は終わりを告げ、旅行客も積極的にビジネスホテルを利用するようになっている。これは宿泊旅行統計調査からも見て取れる。昨年一年間でビジネスホテルに宿泊したのはのべ1億6138万人。旅館に宿泊したのはのべ8373万人なので、ビジネスホテルの約半分だ。リゾートホテルやシティホテルといった業態も年間を通じて、ビジネスホテルの2分の1から3分の1程度の宿泊客数で推移している。客数を見る限り、ビジネスホテルの一人勝ち状態だ。
家族連れやカップルなどの利用増加にともない、ビジネスホテルも新たな客層に向けたサービスも提供するようになっており、それがさらに客を呼びこむ。
ビジネスホテルのにぎわいにさらに拍車をかけているのが外国人観光客だ。2013年の訪日外客数は1036万人となり、関係者一同が長年の悲願としていた年間1000万人を初めて突破した。日本政府観光局のデータでは、2014年にも29%増で1341万人が日本を訪れた。
この訪日外客数を地域別に見ると、その成長が著しいのがアジアからの観光客。2010年に35.6%増、東日本大震災により11年は急速に客足が遠のき-27.6%だが、12年に35.2%、13年に27%、14年に33.3%増加と、とどまるところを知らない。
日本観光がブームになり、富裕層だけが訪れるのではなく、多くの中間層が日本に押し寄せている。そのときに、宿泊先として選ばれるのは豪華なホテルよりも、安価なビジネスホテル。国内外の観光客が殺到すれば、混雑も当然だ。直前に出張が決まり、あわてて予約をしようにも、一等地は既に観光客でいっぱい。それが現在のビジネスホテルなのである。
■需要増加が生むもう一つの問題
利用客の増加により、もう一つの大きな変化が起こる。価格だ。需要が増加し、供給が追いつかなければ値上げが起こる。それは当然といえば当然だが、その乱高下が激しいとされるのが、業界最大手のアパホテル。
同じ部屋であっても、7000円で泊まれることもあれば、平日でも1万円を超すこともある。土日や観光シーズンだと、値段はさらに上がる。たとえば、7月18日の土曜日から海の日である7月20日月曜日までの三連休に注目してみよう。23区内のアパホテルに18日に宿泊しようと思えば、シングルでも2万5000円、2万7000円といった数字が踊る。
一方で、東横インでは、同じ日に7000円程度で宿泊できる。連休ということで、アパホテル・東横イン、どちらの予約も埋まりつつあるが、この値段の差はどこから生まれるのだろうか。
アパホテルの場合、値段設定は各店舗の支配人に大きな権限が与えられている。そのため、需要や近隣のホテルの様子を見ながら、細かく値段を上げ下げすることができる。外国人旅行客にとっては日本のカレンダーは意味をなさないことも多いので、平日だろうが集客が見込めれば強気の値段設定に打って出る。その結果が、価格の乱高下につながるのだ。
登場したばかりの頃は、安かろう悪かろうといわれていたビジネスホテル。業界内での競争により、十分なサービスを受けながら、安心して宿泊できるようになると、ビジネスマンだけでなく、国内外の観光客を獲得できるようになった。現在、業界に起こっている変化は、ビジネスホテル進化の結果として当然のことといえるだろう。
しかし、肝心のビジネスマンに「利用しづらい」と思われ始めているこの状況は、ビジネスホテルにとって喜んでばかりもいられないのではないだろうか。東京五輪が開催される2020年、日本政府観光局は外国人観光客2000万人を目標としている。さらなる外国人観光客増加で、ビジネスホテルがビジネスマンを切り離すか、否か。業界の動向に注目したい。
- 高島屋の村田常務「インバウンド消費は昨年の3倍」:日本の消費者向けビジネスが訪日客基準に あっしら 2015/6/27 02:21:25
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