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(回答先: 新たな米住宅危機の到来 投稿者 rei 日時 2015 年 6 月 08 日 14:59:42)
ダウ理論が告げる米株の調整入り
By CORRIE DRIEBUSCH
原文(英語)
2015 年 6 月 8 日 15:51 JST
米航空大手デルタ航空の株価は年初来で13%下落し、ダウ運輸株20種平均の重しとなっている(成田国際空港、3月) Associated Press
「ダウ理論」として知られる、1世紀前に生まれた株式市場分析ツールが発している警告信号が、株価は下げに向かうのかという議論に拍車をかけている。
ダウ理論によると、ダウ工業株30種平均が高値を更新し続けるには、米大手航空会社や鉄道会社、運送会社の一部で構成されるダウ運輸株20種平均の高値更新が伴わねばならない。運輸株平均が停滞する場合、全面的な株安の予兆になり得る。
ダウ運輸株平均は現在、年初来で6.9%安となっており、昨年12月29日以降は高値を更新していない。航空大手デルタ航空は13%、宅配大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は9.6%、鉄道大手CSXは5%、それぞれ下落した。
それに対し、ダウ工業株平均は0.2%上昇し、直近では5月19日に最高値を記録した。
2つの株価指数の推移がどれほど密接かを踏まえると、運輸株の下落は特に注目に値する。ネッド・デービス・リサーチによると、ダウ工業株とダウ運輸株は1900年以降、共に半分以上の期間は過去200日の平均を上回っている。
米景気回復にばらつきが見られる中、こうした対比に注目が集まっている。米労働省が5日発表した5月の非農業部門就業者数(季節調整済み)は前月比28万人増となり、伸びはアナリスト予想を上回った。だが、国際通貨基金(IMF)は4日、米国の経済成長率見通しを下方修正し、連邦準備制度理事会(FRB)のタルーロ理事は米経済が「多少失速した」ようだと述べた。ダウ工業株は約4年にわたり「調整(10%の下げ)」なしで上昇した後、売られやすくなっているとの懸念には関心が深まるばかりだ。
ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクの地域最高投資責任者(CIO)、ジョン・リンチ氏は、どういった材料が株価急落を招くかは言明できないとしつつ、急落間近という理由から運輸株に注目していると述べた。
「次に下落する銘柄を見極めている」という。
チャートのパターンに基づき株式売買するテクニカルアナリストを含め、ダウ理論の支持者らは運輸株について、その健全性が経済成長の中核を成すという理由から、市場全般の予測因子として信頼できると指摘する。
だが多くのアナリストは、懸念するのは時期尚早だと語る。事実、株価は運輸株が低迷していても上昇し続けられる。ネッド・デービス・リサーチによれば、ダウ工業株が直近の平均を上回り、ダウ運輸株が下回っているとき、ダウ工業株は実際その後の12カ月で平均3%上昇することが、過去の記録から分かっている。
トレーダーや資産運用担当者の多くは、持続的な米景気拡大の兆候を目の当たりにしており、運輸株の低迷はむしろ高いバリュエーション(株価水準)や、鉄道・航空株が直面する固有の悪材料が原因だとしている。さらに、運輸が米経済に占める割合は、ダウ理論が生まれたときに比べるとはるかに小さい。
UBSウェルス・マネジメント・リサーチの株式担当シニアストラテジスト、デービッド・レフコウィッツ氏は「運輸はある産業に固有の、極めて特異な問題に悩まされている」と述べた。
レフコウィッツ氏は、景気動向を幅広く見れば米国の成長はまだ続いていると語った。同氏は5月に4カ月ぶりの上昇を記録した米サプライ管理協会(ISM)の製造業景況指数や、週間新規失業保険申請件数などの経済指標に注目しているという。資本財受注は上方修正されている。
「大局的に見て、景気拡大の継続という点ではまだかなり見込みがあると思う」と話した。
さらに、製造業が米経済に占める割合は現在、ダウ理論が開発されたときよりかなり小さい。サービス業は必ずしも運輸部門で同程度の需要を占めるとは限らないが、経済に占める割合は大きくなっている。
運輸株下落の背景として、2014年に平均24%上昇したことを受けて割高感が高まったためだとする向きもある。ファクトセットによると、ダウ工業株の株価収益率(PER)は過去1年の利益ベースで14.6倍、ダウ運輸株を追跡する上場投資信託(ETF)のiシェアーズ運輸株平均は17.1倍となっている。
運輸部門で昨年の株高の悪影響が顕著なのは、原油安を背景に昨年後半で大きく上昇した航空株だ。今年に入って原油価格が持ち直し、輸送能力拡大計画への影響を投資家が懸念する中、航空株の大半は下落している。
年初来ではサウスウエスト航空が12%、ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスが19%、それぞれ下落している。
運輸株の下落は主に一度限りの要因によるものだと指摘する向きもある。ダウ運輸株20種平均の構成銘柄のうち下げが特にきついのが、鉄道大手ユニオン・パシフィックと同業のノーフォーク・サザン(NSC)で、年初来下落率はそれぞれ14%、16%だ。天然ガスの価格低迷を受け、一部の公益事業者は鉄道で運ばれる石炭の代わりにガスを使用するようになっている。
ノーザン・トラストのチーフ投資ストラテジスト、ジム・マクドナルド氏は「原油や石炭の鉄道輸送が減少していることから生じる一部の問題は短期的なものであり、一過性の問題だ」と述べた。
ドナルド氏は、トラック輸送会社の株が急落し始めれば、今よりもはるかに心配だと語った。これらの株の動きは、経済の健全性を測るバロメーターとしてより優れているとの見方からだ。トラック輸送サービスのJBハント・トランスポート・サービシズは年初来2.2%高、同業のランドスター・システムは同7.4%安だ。
ダウ理論は決して無視できないという点で、大半の投資家の意見は一致している。
S&PキャピタルIQの米株ストラテジスト、サム・ストボール氏は「スタートレックのような宇宙船の発明が可能になるまで、われわれはやはり米国の消費者から注文された原材料や商品を運ぶ必要がある」と述べた。ダウ運輸株の下落を受け、「市場はおそらく経済基盤以外の材料によって押し上げられている」という見方が浮上している。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10913733382003054274504581034982128812952&ei=ekt1Vc6wNMvm8AW6mYKICA&usg=AFQjCNHebE5KbjSZH-RqDxX3l6epsr0UaA&sig2=c7S5Gv5Fhg26gzJQ6_VN5w&bvm=bv.95039771,d.dGc
近づく米国株の調整−堅調な雇用統計が示唆
By E.S. BROWNING
原文(英語)
2015 年 6 月 8 日 15:31 JST
FRB本部 Chuck Myers/MCT/Zuma Press
5日に発表された5月の米雇用統計では非農業部門就業者数と賃金の伸びが強く、一般人にとって朗報となったが、株式投資家にとっては警鐘のような響きがあった。
2009年以来、米国の株価指数は誰もがいずれは終わると分かっている特別な力によって押し上げられてきた。それは低インフレ、最低水準の金利、米連邦準備制度理事会(FRB)の支援だ。
5月の雇用統計も、そうした特別な力が消えかけているという兆候の一つである。力強さを増した経済はより高いインフレと金利を生み出しており、FRBによる支援の必要性は減ってきている。こうした状況が続けば、株式市場はより正常な世界に戻るという難しい移り変わりに直面するだろう。
BMOプライベート・バンク(運用資産680億ドル)のジャック・アブリン最高投資責任者(CIO)は「ステロイドの使用が禁止されたときのベースボールのようだ。ファンはホームランの数が1000本減ることを受け入れなければならず、球場の観客動員数は2桁の落ち込みを示し、テレビ中継の市場シェアも縮小した。今や投資家にとっても同じことが言える」と説明する。
堅調な雇用統計を見越して株価はすでに下落していた。ダウ工業株30種平均は先週、161.22ドル(0.90%)下げて1万7849.46ドルで引けた。それでも、5月に記録した過去最高値からは2.5%しか下げていない。S&P500種指数は過去最高値を1.8%下回っている。こうした下げは暴落とは程遠いが、好調な経済ニュースに対する不安を示すものである。
米国債市場はそれ以上に大きな不安を示している。FRBによる利上げとより好調な経済が見込まれていることを反映し、10年債利回りは先週、2.402%に急上昇した。2月に付けた直近の低水準(1.669%)からすると大幅な上昇である。
2.5%を下回る利回りは、過去の水準からするとまだ低い。しかし、債券で得られるリターンがより大きくなると、株式からの資金シフトが進みやすくなる。高い株価への懸念が高まっていればなおさらだ。米国債利回りが上昇すると、さまざまな市場金利も押し上げられ、企業や個人の借り入れコストは一段と膨らむ。
ワッデル&リード・ファイナンシャル(運用資産約1240億ドル)のヘンリー・ハーマン最高経営責任者(CEO)は「債券利回りが上昇し続けると、株式のバリュエーションは十分に高く(株式にとって)問題となる」と指摘する。
ハーマン氏は今年、配当からの約2%を含めてもS&P500種指数のリターンは5〜7%だけになると予想している。債券利回りが上がり続ければ、7%を達成するのは難しいかもしれないと言う。S&P500種指数の配当を除くリターンは年初来で1.6%となっている。
株式市場の根本的な問題は、多くの投資家が株式を割高だと考えていることで、金利、インフレ、FRBの政策など全てが不利な方向に動いているときに彼らも株式を買い続ける気にはなれない。調査会社ビリニ・アソシエーツによると、S&P500種指数は2009年の安値から3倍に上昇したことで、株価収益率(PER)は過去12カ月の実績ベースで21倍と、過去平均の15.5倍を大きく上回っている。
コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツ(運用資産5060億ドル)のシニアポートフォリオマネジャー、アンウィティ・バフグナ氏はあまりにも割高な米国株に「それほど大きなリターンは期待していない」と話す。同氏も今年のS&P500種指数のリターンを5〜7%(配当含む)が限界とみているが、10%の幅での一時的な乱高下の可能性は否定しないと述べた。顧客には日本のようなアジア市場へ投資する方が得策だと助言しているという。
先週、国際通貨基金(IMF)がFRBに利上げ開始時期の延期を要請したが、バフグナ氏、アブリン氏、その他多くの専門家はFRBが9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で短期金利の引き上げを開始するとみている。FRBは2006年以来、利上げを実施しておらず、専門家たちはその動きへの不安が市場を混乱させ得ると指摘する。
資産運用担当者らはリセッション(景気後退)が迫っているとは思っていないので、20%以上の下落を指す弱気相場となる可能性は低い。彼らはFRBの利上げのペースが緩やかになるとみている。そうなれば株式市場にとってマイナス要因にはなるが、長期的な下落につながるものではない。
金利が上がれば、ドルが買われるようになり、その価値が上昇する。これにより多国籍企業の利益はさらなる打撃を受ける可能性があるとバフグナ氏は言う。とはいえ、堅調な経済は企業収益にとってプラスにもなり、金利上昇やドル高の影響を緩和するだろう。
ワッデルのハーマン氏を含む一部の資産運用担当者は、米経済が本当に金利やインフレ率を高く押し上げるほど堅調なのかどうかというIMFの疑問に同調している。同氏は「景気がどれほど盛り返すのだろうかと不安に感じている」と述べた。
ハーマン氏の不安が的中すれば、債券利回りは再び低下し、FRBは利上げを延期するかもしれない。これは株式市場にとって好材料となるが、景気が弱ければ企業収益に打撃が及ぶので、株価を下げる可能性もある。
5月の米雇用統計にはこの不透明感が反映されていた。平均時給が前年同月比で2.3%上昇するなど、賃金上昇は加速した。伸び率は2013年8月以来の大きさだった。それでも、一部のFRB関係者が望んでいる3〜4%の水準に届いていないが、賃金上昇のペースが継続すれば、この目標も達成されるだろう。今年これまでの平均時給の上昇率を年率に換算すると3.3%になるとコロンビア・スレッドニードル・インベストメンツのバフグナ氏は指摘する。
1-3月期の景気減速から目を背け、5月の賃金上昇と昨年の堅調な経済に焦点を当てている人は低インフレ、低金利、FRBによる景気刺激策の時代が終わろうとしていると考えている。彼らの考えが正しければ、株式はこの先、難しい局面を迎える可能性がある。
BMOのアブリン氏は「投資家が株式に関してもう少し懸念を抱き始めると、底なしの暴落になるとは思わないが、10〜15%の調整は起こり得る」と述べた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10913733382003054274504581034952802300230&ei=Skt1Vf7pK8z28QXl-YC4Dg&usg=AFQjCNGZmNrmROXfRogzZD4C0lAtJJ9DEg&sig2=BFUIfaK4tHA1oAp6EBq4-g&bvm=bv.95039771,d.dGc
米小売売上高、期待通り改善なるか
By KATHLEEN MADIGAN
2015 年 6 月 8 日 08:36 JST
非常に力強い5月の雇用統計が発表された米国では、投資家が再び消費動向に注目する見込みだ。このところの家計支出の弱さはエコノミストを当惑させてきた。米東部時間11日午前8時30分(日本時間午後9時30分)に発表される5月の小売売上高についてエコノミストは、消費の拡大が自動車以外の品目にも及んだことを期待している。
ウォール・ストリート・ジャーナルがまとめたエコノミスト調査で、5月の小売売上高は前月比1.3%増(4月は横ばい)と予想されている。新車の販売台数が10年ぶりの高水準に達したことが追い風になったもようだ。
エコノミストの間では、自動車を除く小売売上高も前月比0.8%増とまずまずだったことが予想されている。4月は0.1%増だった。予想通りとなれば、自動車を除く売上高は昨年8月以来で初めて3カ月連続で伸びたことになる。
今週明らかになるもう一つの重要指標は、東部時間12日午前10時(日本時間午後11時)に発表される6月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)だ。指数は1月に11年ぶり高水準の98.2をつけたが、それ以降はガソリン価格の上昇もあり低下傾向にある。6月速報値についてエコノミストらは、5月最終値の90.7から小幅上昇して91.4になったと予想している。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=3&cad=rja&uact=8&ved=0CCQQFjAC&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10913733382003054274504581034373163564148&ei=Skt1Vf7pK8z28QXl-YC4Dg&usg=AFQjCNHl22VakeTllcTSADeW-DQ_x2oKFg&sig2=PYdndqoOnKINsVg6rzrG3w&bvm=bv.95039771,d.dGc
投資を成功させる5つの基本
By MORGAN HOUSEL
原文(英語)
2015 年 6 月 8 日 15:58 JST
バークシャー・ハザウェイの年次総会に姿を見せたウォーレン・バフェット氏(5月) Daniel Acker/Bloomberg News
米経済は直近の四半期に縮小した。米連邦準備制度理事会(FRB)は年内に利上げを開始すると広く予想されているし、多くの投資尺度が米国株は割高であることを示している。その上、ギリシャの財政は不安定なままだ。そう、それに米国では大統領選挙へ向けた動きがすでに始まっている。
リスキーな資産を売却し、安全資産へ逃避したい気持ちになっている投資家にとって、そうする理由は足元にごろごろ転がっている。
あなたがそうした投資家の一人なら、これを考えてみてほしい。投資でものを言うのは大概において根本的な原理であり、目先の動きではないということを。
投資家なら誰もが念頭におくべき5つの鉄則を挙げる。
1.損失リスクを抑える方法は分散投資
仮に30年前、未来からやってきた訪問者がこう告げたとしよう。ソ連は崩壊し、日本の株式市場は四半世紀の間停滞し、中国が経済大国に浮上し、ノースダコタ州で採掘される原油のおかげで米国が産油国として急速に伸びている、と。こんな話、ほとんどの人が信じなかっただろう。
次の30年も同じように予想外なものになるだろう。
さまざまな資産に投資する分散投資ではもどかしく感じることもある。いつでも必ず好ましくない資産を抱えている結果になるからだ。
欧州経済がこれほど混乱しているのに、どうして欧州株を保有しようと思うだろうか。これほど利率が低いのにどうして債券を購入しようと思うだろうか。それに対する適切な答えはこうだ。「未来はあなたや、あなたのアドバイザーがとても理解できない形で展開するからだ」
あらゆる資産を少しずつ保有することは謙虚さに対する投資であり、投資の歴史が示すように、これこそ投資にとって重要な資質だ。
2.最大の敵は自分
投資家が直面する最大のリスクはリセッション(景気後退)や軟調市場ではない。FRBでもなければ、嫌いな政党の政策でもない。
投資家自身の感情や偏見、それに破滅的行動こそが最大のリスクだ。
あなたには誰よりも先に未来の勝ち馬ビジネスを見つけ、最高の銘柄を選ぶ能力があるかもしれない。しかし、次の弱気相場でパニックを起こして売ってしまえば、その能力は何の役にも立たない。
MBA(経営学修士)で武装し、退職するまでの40年間にひと財産を作り上げることもできる。だが、仮にあなたがギャンブル指向があり、ペニーストック(小型株)をデイトレードで売買し続けるなら、あなたの前途は悲惨だろう。
あなたは数学の天才で、最も洗練された市場予想モデルを作り上げるかもしれない。だが、自身の知能の限界を理解していなければ、奈落へまっしぐらだ。
投資には多くの鉄則があるわけではない。しかし、その数少ない鉄則の一つが、最大限の知性をもってしても、行動上のエラーを補うことはできないということだ。自身がどういうミスを犯しやすいのかを理解し、リスクを抑える戦略を身につけることだ。
3.心理的なコストを払うべし
株式市場は歴史的に、キャッシュや債券投資をはるかにしのぐ、輝かしい長期リターンをもたらしてきた。
だが、コストもかかる。株で高い長期リターンを得るための「入場料」は、荒波のように絶え間なく押し寄せる不測の結果であり、訳の分からない乱高下であり、予測していなかった下げだ。
投資を維持したまま下げ局面を乗り切れるなら、実際にこのコストは払わなくて済む。心理的なコストで終わるからだ。だが、かなり現実感はある。進んで払いたい人は誰もいない。だからこそ進んで受け入れる人にチャンスがあるのだ。
短期的に市場がどう動くかを予測したいという熱意は理解できる。しかし、株が長期リーンに優れている理由はまさに、短期的な動向を予測することができない点にある。
4.迷ったら一番安い手数料の投資を選ぶ
全体として、投資家の利益は市場のリターンから手数料と費用を差し引いたものと常に一致する。
つまり、平均より安い手数料のものを選ぶことは、平均を上回る結果を稼ぐために最も期待できる方法の一つだ。
念のために言うが、才能あるファンドマネジャーに高い手数料を払う価値があることもある。だが、市場をアウトパフォームし続けることができるファンドマネジャーは非常に少ない。
手数料の無駄を提唱し続けている米投資信託運用大手バンガード・グループによると、昨年12月までの10年間で、アクティブ運用型(市場の指標を上回る運用成績を目指す)の米国株ファンドの80%超が低コストのインデックスファンド(市場の指標に連動する運用成績を目指す)をアンダーパフォームした。ファンドマネジャーは、指標を上回る成績を上げるより、手数料を余分に取りすぎることの方がはるかに多いのだ。
投資に確実な方法はない。最善策は自分に有利になるように賭けることだ。コストが安ければ安いほど、賭けがあなたに有利に傾くことは疑いの余地もない。
5.時間にまさる力はない
84歳の米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は現在、約730億ドル(約9兆1600億円)の純資産を保有している。そのほとんど全てが、同氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイの株式だ。同社の株価は1990年以降、24倍に上昇した。
計算してみてほしい。バフェット氏の730億ドルの資産のうちの700億ドルほどは同氏が60歳あたりから稼いだものだ。
バフェット氏はもちろん不世出の投資家であり、代わりが務まる人はほとんどいないような才能の持ち主だ。だが、彼に富をもたらした本当のカギはこの3分の2世紀の間ずっと彼が目を見張るような投資家であり続けたことだ。
長く保有する人の富は加速度的に成長する。初めは少しだけ、その後、もう少し速度を上げ、最終的には急激に拡大する。
限りある命の私たちは、時間と忍耐と持続が利益を生むという教訓から学ぶことができる。とりわけ、老後の生活に向けて資産作りを始めたばかりの若い社会人にとってこの教訓は重要だ。
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