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中国になびく豪州 AIIB参加、土壇場の「変心」
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投稿者 あっしら 日時 2015 年 4 月 07 日 03:06:38: Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 世界がなびく経済力と影響力 AIIB騒動に見る中国の台頭(ダイヤモンド・オンライン) 投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 4 月 07 日 00:20:15)


中国になびく豪州 AIIB参加、土壇場の「変心」[日経新聞]
2015/4/6 7:00

 日々、その表情を変えながら、ダイナミックに成長し続けるアジア。つっこんだ取材をしているからこそ、注目を集めるニュースの裏に隠れた独特なお国柄が見えてくる。人々の熱い息づかいを、歴史的に抱えている背景を、現地の事情に通じた海外駐在記者が、一歩踏み込んだ視点でわかりやすく伝える。

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を、いったん見送ると発表してから5カ月。オーストラリアのアボット首相は、創設メンバー入りの申請期限だった3月末が目前に迫った同29日になって参加へとカジを切った。同盟国の米国と、最大の貿易相手国である中国のはざまで揺れた豪州の行動は、米国と歩調を合わせて参加を見送った日本との関係にも影を落とした。


■一度は米国の要請で「参加見送り」表明

 AIIBへの対応を巡って、当初からアボット政権の対応はギクシャクしていた。2014年10月20日、ホッキー財務相は訪問先の東京で、AIIBに関して「前向きに参加を検討している」と言明。「今週中に覚書に署名する」とまで踏み込んでいた。

 ところが、同31日の記者会見では一転して、アボット首相自身が参加を見送ると表明。その理由として、融資決定の透明性やガバナンス(組織統治)の欠如を挙げた。

 姿勢が一変した背後には、米国の意向があった。地元メディアによると、オバマ大統領とケリー国務長官は、アボット首相やビショップ外相に参加を踏みとどまるよう圧力をかけた。AIIBは既存の世界銀行やアジア開発銀行と競合するため、中国が経済援助という名目で軍事的な影響力を強める道具に利用しかねないとの懸念からだ。

 すでに、パプアニューギニアなど太平洋の島しょ国では、中国の経済支援による港湾整備が進み、将来中国が軍事拠点に転用するのでは、との疑念が広がる。米国のアジア回帰を支える同盟国として、豪州はガバナンスが不透明であるという口実で、AIIBと距離を置かざるを得なかった。もちろん、昨年7月の日豪首脳会談で「新たな特別な関係」に進展した日本が、AIIBに懐疑的な見方を崩さなかったことも影響した。

 ただ、アボット政権内の意見は真っ二つに割れていた。アボット氏とビショップ氏は対米協調で歩調を合わせたが、14年11月に中国との間で9年越しの自由貿易協定(FTA)交渉を妥結に導いたロブ貿易・投資相やホッキー財務相は一貫して「早期に参加すべきだ」と主張していた。中国寄りの姿勢が目立つ野党の労働党も、アボット政権に揺さぶりをかけた。

 この流れに同調したのが、中国での事業拡大を狙うビジネス界だ。オーストラリア・ニュージーランド(ANZ)銀行のマイク・スミス最高経営責任者(CEO)らは、AIIB参加を強く支持した。

 資源ブームが去った後、豪州の成長率は2%台に低迷している。自国の目と鼻の先にあるアジア太平洋地域で、中国は活発に巨大なインフラ投資を実行しており、指をくわえて見ていられないとの切迫感があった。

 年が明けた1月には、同じ英連邦のニュージーランド(NZ)が西側先進国の先陣を切ってAIIBへの参加を表明した。旧宗主国の英国も3月に参加を決めると、アボット氏も「再検討」に転じた。

 そうなれば「参加国は多ければ多いほど良い」(ホッキー財務相)。資金の出し手が増えれば、ミドルパワーとして相応の拠出を求められる豪州の金銭的負担も軽減されるためだ。アボット政権の意向は「欧州勢と連携して中国の影響力に一定の歯止めをかける」という判断へと傾いた。


■参加に条件付けて中国にクギ

 関係者によると、首相や外相は正式発表の3月29日より10日ほど前に決断したとみられるが、発表は韓国やロシア、ブラジルよりも後になった。ビショップ外相は、発表まで「何も決まっていない。米国や日本と話し合いを続けている」と口が重く、日米への配慮からか、できるだけ目立ちたくないとの意向がありありだった。

 豪国立大学東アジア経済研究所所長のピーター・ドライスデール名誉教授は「米国の圧力がなければ、もっと早く署名できた。日本のためらいも、おそらく影響を与えた」との見方を示す。AIIBがインフラ投資を支援する多国籍の金融機関であると指摘し「安全保障上の脅威になるという議論はナンセンス」と強調。世銀やアジア開発銀の改革遅れが指摘される状況で、国際的な役割を果たそうとする中国の試みを「温かく歓迎すべきだ」と主張する。

 こうした世論を背景に、豪州は実利を優先する形で創設メンバーとなる覚書に署名した。ただ、最終的な参加の判断は留保するなど、なお微妙なサジ加減を探っている。アボット氏は、主要な投融資の決定が「1国によりコントロールされない」ことを参加する条件に挙げて理事会の設置を求めるなど、中国にクギを刺す。

 「米国を無視してAIIBに参加」――。地元では政権の変心ぶりを報じる一方で、「首相の決断は遅すぎた」などの批判も混在する。中国との経済的な結びつきが一段と強まるなか、軍事同盟関係にある米国とのバランスをどう取っていくべきか。ロブ貿易・投資相は3月30日の地元ラジオ局のインタビューで「オーストラリアは地域の一員として中国の台頭を受け止め、役割を果たす必要がある」と力を込めたが、今後も高度な政治判断を求められる局面が続きそうだ。


《視点》「日本も大事だが」背に腹は代えられず

 「米国や日本も大事だが、中国も大事なんだ」。3月下旬、オーストラリアの与党政治家が漏らした本音だ。今回のAIIB参加は米国や日本に反旗を翻したように映るかもしれないが、「よくアボット政権は5カ月も持ちこたえたな」というのが率直な感想だ。当初は「AIIBは中国一国に支配される」との声が強かったが、欧州勢をはじめとする参加国の増加により懸念は薄らぎ、オーストラリアも「参加するしかないと皆が判断するようになった」(政府関係者)。オーストラリアは日本を除くアジアとの貿易額が全体の約6割を占める現状を見れば、AIIBへの参加は自然の流れといえる。

 アボット首相の支持率は高いとはいえず、強い指導力を発揮できる政治環境にはない。それでも最後まで米国や日本と調整を重ね、申請期限ギリギリまで参加表明を遅らせるなど、配慮を見せ続けた。とはいえ、インフラ不足の解消は、アボット政権の最優先課題だ。首相に就いた2013年9月、まず言ったのは「インフラ首相と呼ばれたい」だった。国内インフラの整備を成長戦略の柱に据えて、14年11月の20カ国・地域(G20)首脳会議では、シドニーを世界的なインフラ・ハブ(拠点)にするとぶち上げた。もちろん、鉄鉱石や石炭など資源輸出の拡大を狙うという計算もある。

 関係者は語る。「オーストラリアはAIIBという『家造り』に加わると決めたが、日米の友人を家の外に取り残すつもりはない」

 (シドニー=高橋香織)


http://www.nikkei.com/article/DGXMZO85140790R00C15A4000000/?n_cid=DSTPCS001


 

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