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検証 巨額損失
(上)石油 原油安で在庫評価損
2015年3月期は上場企業全体で最高益が見込まれる中、評価損や減損処理によって巨額の損失を計上して業績が悪化する企業も目立つ。巨額損失はなぜ発生するのか。来期以降も繰り返すのか。主要業種の現状と来期を展望する。初回は大手5社合計で14年度に8000億円超の在庫評価損を計上し、約4200億円の連結最終赤字となる石油元売り。
石油元売り各社には70日分の原油備蓄が義務付けられている(JX日鉱日石エネルギーの原油タンク)
「原油下落で評価損が大きく発生している」。石油元売り最大手のJXホールディングスの内田幸雄副社長は2月4日、都内で開いた投資家向け説明会でこう述べた。15年3月期は4300億円の在庫評価損が響き、連結最終損益が2100億円の赤字(前期は1070億円の黒字)となる見通しだ。
同様に出光興産は今期980億円の赤字、コスモ石油も910億円の赤字を見込む。12月期決算の東燃ゼネラル石油(14年12月期は139億円の赤字)と昭和シェル石油(同97億円の赤字)を含め14年度は大手5社がそろって最終赤字に陥る。
石油元売りは中東など海外から原油を輸入し、国内の製油所でガソリンや灯油などに精製して販売する企業だ。大手各社が巨額損失を計上するのは、原油価格の急落が主因だ。14年3月期末に1バレル=100ドル台だったドバイ原油は同12月末時点で50ドル台に半減した。
石油元売りは期中の平均単価を期末在庫の評価額とする「総平均法」を採用している。前期末比の相場下落は評価損として損益を直撃する。安定供給を目的とする「石油備蓄法」によって70日分の在庫確保が義務付けられており、在庫を比較的多めに抱えていることも評価損が膨らむ要因となっている。
JXの業績を振り返ると、09年3月期も在庫評価損が発生し、約2900億円の最終赤字(経営統合前の合計値)となった。この期以外は通期で利益が発生しており、堅調だった原油相場の追い風を受けていた時期が多かったといえる。
在庫評価損は現金流出を伴わないことから、最終赤字になっても配当を継続する企業が多い。JXは今期の配当を前期と横ばいの年16円にする予定だ。
米国での増産を警戒して原油価格は弱含みで推移しているものの、石油元売り各社は15年度に一段の相場急落を想定せず、評価損はほぼなくなると予想している。
15年12月期の業績予想を公表している昭和シェルは180億円の最終黒字、東燃ゼネも160億円の黒字を見込む。JXなど3月期決算会社も来期は黒字転換が予想される。市場では国内の消費回復を背景に「製品利幅の動向に注目している」(SMBC日興証券の塩田英俊シニアアナリスト)との声が多い。
[日経新聞3月19日朝刊P.17]
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