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NY金6日:米雇用統計を受けて急落、今年最安値を更新
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kosugetsutomu/20150307-00043620/
2015年3月7日 11時58分 小菅努 | 大起産業(株)情報調査室室長/商品アナリスト
COMEX金4月限 前日比31.90ドル安
始値 1,197.50ドル
高値 1,200.00ドル
安値 1,162.90ドル
終値 1,164.30ドル
2月米雇用統計が米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ着手を支持する内容になったことが嫌気され、急落した。
アジア・欧州タイムは1,200ドルを若干下回る水準で揉み合う展開になったが、ニューヨークタイムに入ってからは米雇用統計の発表をきっかけに米金利上昇・ドル高傾向が加速したことを受けて、一気に値位置を切り下げる展開になっている。2月24〜25日にイエレンFRB議長が行った議会証言では、早期利上げに対して慎重な姿勢が示されていた。しかし、今回発表された雇用統計は市場予測を大きく上回ったことで、利上げ判断が正当化されるとの評価が優勢になっている。ドルインデックスは年初来高値を更新しており、その動きに連動して金相場は年初来安値を更新している。
2月米雇用統計であるが、非農業部門就業者数は前月比+29.5万人となり、市場予測+23.5万人を大きく上回った。1月分に関しては速報の+25.7万人から+23.9万人まで下方修正されているが、これで20万人超の雇用を創出したのは12ヶ月連続となり、米雇用市場の規模は着実に拡大していることが確認できる。また、失業率は前月比-0.2%の5.5%となり、こちらは約7年ぶりの低水準まで下げている。
米金融当局内では、自然失業率は5%水準との見方もあり、これで直ちに利上げ着手が可能といった議論にはならない。イエレン議長が低金る環境是正の指標として注目している平均時給も前月比+0.1%と前月の+0.5%から伸びが鈍化しており、ネガティブな評価が下される項目も存在していない訳ではない。ただ、少なくとも利上げ着手への時間軸を縮小させる要因であることは間違いなく、金相場は改めて金利上昇・ドル高のプレッシャーを織り込む必要性に迫られている。
2月下旬以降の金相場は、1月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録やイエレン議長の議会証言が利上げに慎重姿勢を示していたことが警戒され、1,200ドルの節目水準で様子見ムードを強めていた。ドル相場の上昇地合は続いていたものの、本当に利上げ着手の流れを織り込んでも良いのか、慎重な見方が根強かった結果である。ただ、今回の雇用統計で利上げ着手の判断が一段と後押しされる状況になる中、これまでドル高環境で下げ渋っていた反動もあって、本日は急落地合を形成している。
依然としてドル相場との比較では割高感が残る価格水準であり、特に雇用統計を受けてのオーバーシュート気味の値動きとは評価していない。3月17〜18日のFOMCでは、利上げ着手まで「辛抱強くいられる」との金利フォワードガイダンスも修正される可能性が高く、今後も各種指標や要人発言を確認しつつ、下値き切り下げを打診する展開が想定される。昨年12月1日以来の安値更新で、現物買いが強まるのは必至だが、需要家に安値慣れを促す形で戻り売り優勢の地合が続き易い。
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