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中国の公式発表「6.9%」成長は本当か? 「国家統計局」の苦しい弁明・全内幕 現実には「マイナス0.2%」という声も
http://www.asyura2.com/15/hasan104/msg/762.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 1 月 25 日 15:10:06: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

          王保安・中国国家統計局長 〔PHOTO〕gettyimages


中国の公式発表「6.9%」成長は本当か? 「国家統計局」の苦しい弁明・全内幕 現実には「マイナス0.2%」という声も
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47520
2016年01月25日(月) 北京のランダム・ウォーカー 近藤 大介 現代ビジネス


いまとは比較にならないほど言論が自由だった胡錦濤時代のこと。秋の「国考」(国家公務員試験)の季節に、中国のインターネット上で、「中国国務院で最も就きたい職業は何か?」「最も就きたくない職業は何か?」という話題が盛り上がったことがあった。


中国国務院というのは、中国の中央官庁の総称だ。おそらく国務院に勤める少なからぬ官僚たちも、面白がって匿名で投票していたのではないか。


「就きたい職業」第1位は、国家民族事務委員会のチベット族担当者だった。理由は明示されていなかったが、それは「言わずもがな」というものだ。すなわち、多額の賄賂収入が期待できる部署だったのだろう。


一方、「就きたくない職業」第1位はと言えば、外交部スポークスマンと国家統計局長だった。こちらも理由は明示されていなかったが、容易に想像できた。すなわち、いつも公にウソをつかなければならないポストだからだ。


その国家統計局長が一年で一番注目されるのが、毎年1月中旬に行われる「前年のGDP成長」の発表日だ。数百人の中国内外の記者が詰めかけ、世界中のテレビカメラが中継する。


■「初期の概算によれば、2015年のGDPは…」


1月19日午前、世界が注視するなか、王保安・中国国家統計局長の記者発表会が開かれた。


名前を逆さまから読めば、「安保王」。それだけで何だか国民に安心感を与えるような印象だが、本人はクソマジメな口調で、強硬な発言することで知られる。


1963年12月、河南省魯山生まれで、中南財経大学を卒業後、難関で知られる財政部に就職。財務官僚としてキャリアを積み、昨年4月に、財政部副部長(副大臣)から国家統計局長に天下った。そのため、今回が初の檜舞台だった。


思えば、前任の馬建堂局長は、「ミスター0.3%」というニックネームで、やはり海千山千の人物だった。不動産が3割、5割と異常高騰した2010年に、「われわれの統計によれば、年間0.3%しか上昇していない」と嘯いたことから、この名が付いたのだ。それでも馬建堂前局長は、長年の「統計テクニック」が高く評価されたようで、中国共産党中央委員会委員に抜擢された。


そんな「大口叩き」だった馬建堂局長に較べると、王保安局長は、いくらか地味で堅実なイメージを与えるが、そこは世界に向かって虚勢を張る国家統計局長である。銀縁メガネの奥の細い目を時折、記者席の方に泳がせながら、強弁を通したのだった。



「2015年、複雑に錯綜した国際情勢と、不断に増大する経済の下降圧力に向かいながら、党中央、国務院は、戦略的な保持能力を見せた。国内と国際の大局を見据えながら、かつ『平穏な中に進展を求める』という基調を堅持しながら、主導的に『新常態』に適応し、『新常態』を導いてきた。


新しい理念でもって新しい実践を指導し、新しい戦略でもって新しい発展を目指してきた。不断にマクロの調整を創造し、構造改革を深く推進してきた。そして『大衆が創業し、万人が創造する』ことを地道に推進し、経済の総体的な平穏を保持し、それでも平穏な中に進展があり、平穏な中に特長があるという発展態勢を築いてきたのだ……」


このような、いかにも中国共産党的な「前口上」を述べた上で、いよいよ本論に入った。


「初期の概算によれば、2015年のGDPは、67兆6,708億元で、価格計算をすれば、前年比で6.9%増だった。


四半期毎に見れば、第1四半期が前年同期比7・0%増、第2四半期が7.0%増、第3四半期が6.9%増、第4四半期が6.8%増だ。産業別に見ると、第一次産業が6兆863億元で3.9%増、第二次産業が27兆4,278億元で6.0%増、第三次産業が34兆1,567億元で8.3%増だ。前期比で見れば、四半期の成長率は1.6%増だった……」


■「中国のGDPについては2通りの評論がある」


王局長から、「6.9%」という数字が読み上げられた瞬間、会場に「シラ〜ッ」としたムードが漂った。数年前までのどよめき調の高揚感はなく、「しめやかに執り行われた」という感じだった。


すかさず、英字紙『チャイナ・デイリー』の若い記者が、挙手して質問を浴びせた。


「この一年間というもの、多くのメディアや研究機関が、中国政府が公式発表するGDP成長の数値の真実性について、疑問を投げかけてきた。その中には、『中国の本当のGDP成長率は5%以下だ』と暴露するものもあった。こうした多くの疑念に対して、国家統計局はどう答えるのか?」


この思いも寄らぬ「爆弾質問」に、王局長は、やや狼狽した様子を見せながらも、開き直って答えた。


「私たちも、やれどこかの研究機関だ、研究者だという人々が、中国のGDPについて、あれこれ勝手に論じているのは承知している。


だが、それらの評論には2通りあるのを知っているか? 一つは、いま記者が質問したように、国家統計局は、実際のGDP成長の数値を水増しして発表しているというものだ。だがもう一つは、国家統計局は、実際のGDP成長よりも控え目な数値を発表しているというものなのだ」


会場を埋め尽くした数百人の記者たちは、この王局長の発言を聞いて、開いた口が塞がらなかった。


その日、中国で7億人が使用している「微信」(WeChat)では、次のようなメッセージが広がった。


〈 われわれは中国人に生まれて、本当に幸せだ。なぜなら今後、中国経済がどんどん悪化していき、財政部や商務部、国家発展改革委員会などが「もうお手上げだ」とサジを投げたとしても、最後には国家統計局がついているのだから 〉


■「中国経済は『新常態』という『新たな正常な状態』にある」


もう少し、この王保安局長と記者との問答を続けよう。


アルジャジーラ記者: 6.9%という数値は、過去25年で最低だ。それは(王局長が強調する)国際的要因だけでなく、中国国内の問題もあるのではないか。例えば、地方政府の借金とか、不動産バブルの崩壊とか、株式市場の低迷などだ。これらの要因は中国経済の成長にどのような影響を与えているのか?


王局長: 記者会見の時間の制約もあるので、それほど詳しい話はできないが、2015年の中国の不動産市場の下降と、株式市場に発生した動揺は当然、中国経済の成長に影響を与えるものだ。だが一体どれほどの影響を与えたのかについては、われわれはこれからもっと精査が必要だ。


例えば株価というのは、上がることもあれば、下がることもある。しかしGDPの計算は、取引量に依拠している。だから株価が下がったからといって取引量が増えれば、GDPにとってはプラスに働くというわけだ。


2015年の不動産投資の伸びは、2014年に較べて落ち、1%になった。だが不動産商品の面積と売上高は、それぞれ6.5%と14.4%伸びている。総合的に見て、やはりGDPの計算にはプラスに働いたりマイナスに働いたりする。


政府の債務に至っては、明確な増加はしていない。GDPの4割にも至っていない。国際的には6割が警戒ラインだが、中国はまったくそれ以下だ。


ここ数年、党中央と国務院が唱えているように、中高速成長を保持し、新常態に適応し、新常態を導いている。2015年の中国経済は、「全体的に平穏で、平穏な中に進歩があり、平穏な中に良い点がある」のだ。


もう少し説明しよう。まず、「平穏」という意味は、第一に経済発展の速度が平穏だ。第二に就業も平穏で、失業率は5.1%前後だ。第三にCPIも1.4%増で平穏だ。国民収入も平穏に伸びていて、都市部で6.6%増、農村部で7.5%増だ。


次に、「平穏な中に進歩がある」という点だ。GDPに占める第三次産業の割合は50.5%に達した。これは第二次産業よりも10%高い。次にGDPに占める消費の割合も、60%以上だ。その消費の中身も、エンゲル係数は低下していて、31.2%(2013年)、31.0%(2014年)、30.6%(2015年)となっている。


「平穏な中に良い点がある」とは、最先端技術の増加値は既存の工業よりも4.1%高い。非工業増加値の成長も7.9%で、工業平均よりも1.8%高い。利益で見ると8%高い。


経済日報記者: 現在、経済の下降圧力は大変強いものがある。これに対する政府の対応策をどう評価するか。


王局長: 第一に、政府は強力な刺激策を打っていない。2008年と2015年のM2(通貨供給量)、銀行貸出高、固定資産投資額の伸びを見てみると、それぞれ17.8%と13.3%、18.8%と14.3%、26.6%と10.0%だ。赤字比率、債務比率も突出して伸びてはいない。昨年、政府は地方債3兆2,000億元を置換したが、これも突出した額とは言えない。


第二に、改革を不断に深化させている。2015年の新規登録企業は毎日平均1万2000社に上った。


第三に、各地域の協調した発展を目指している。2015年の投資を見れば、西部地区は東部地区よりも伸びが3%高い。農村の収入増は都市の収入増よりも0.9%高い。


第四に、対外開放を深化させていることだ。「一帯一路」政策を実施し、(AIIBなどの)開放された機構を整備した。中国の国有企業の「一帯一路」関連49ヵ国の国家への投資は、18.2%伸びている。


第五に、国民生活も平穏に発展している。昨年、貧困層向け住宅を1733万戸も建造した。これらはすべて、政府の有効な対応策と言える。



テレビ朝日記者: 生産過剰の問題を整理したら、失業者が急増するのではないか。また、今年に入っての人民元安は、中国経済にどんな影響を与えているのか。


王局長: 人民元安の問題から答えよう。実際、国家統計局はこの方面の問題を専門的に研究しているわけではないが、経済への影響という面では分析している。


第一に、人民元安は、中国内外の要素がある。特に米ドル高による人民元安だ。人民元安が中国経済に与える影響はそれほど大きなものではないし、顕著なものでもない。3兆ドルの外貨準備があるし、長期的に人民元が下がり続けるとも思わない。


中国経済には、「4つの不変」がある。


@長期的には良いという基本面は変わらない。
A忍耐性が良く、潜在力が十分で、回復の余地が大きいという特長は変わらない。
B持続的な経済成長のための基礎的条件は変わらない。
C構造調整により良くしていくという前進姿勢は変わらない。特に、中国の工業化と都市化が経済成長に与える要素が大きい。


だから一時的に人民元が安くなったからといって、それで何かが大きく変わるわけではないのだ。


第二に、生産過剰の調整が失業問題に与える影響についてだ。政府が主導する生産過剰の調整は、法治化と市場化の理念に基づいて行われる。一部の伝統的な業界には、たしかに行き詰まっている企業が存在する。そして生産過剰を調整していけば、これらの企業に影響が出て来ざるを得ない。


だが党中央と国務院は、就業政策を打ち、失業保険を整え、生産過剰の調整が平穏に進んでいくようにする。そして経済の中高速成長を保証していく。


* * *


他にも中国人記者たちが立て続けに質問したが、王局長は、「ああ言えばこう言う」で、都合のいい統計を並べ立て、「中国経済は引き続き、『新常態』という『新たな正常な状態』にある」と抗弁し続けたのだった。


■国家主席が政治を経済に優先させた結果


この日、王局長が発表した数値を、もう少し細かく見ていこう。


まず3ヵ月ごとのGDPに関しては、7.0%、7.0%、6.9%、6.8%である。これは第一に、3月5日に行われた全国人民代表大会の政府活動報告で、李克強首相が、「今年のGDPの成長目標は7%前後」と公言してしまったことが大きかった。


これによって4月中旬に発表した第1四半期のGDP成長率を、7.0%に持って来ざるを得なくなった。中国経済は明らかに下降局面なので、最初から6%台に持ってくることはできなかったのだ。同様の理由で、第2四半期も7.0%にした。


続いて9月25日、ホワイトハウスでオバマ大統領との米中首脳会談後、共同記者会見に臨んだ習近平主席は、力強い口調で、「中国経済は今年も7%前後の成長を維持するだろう」と語った。国家主席が世界に向けて語ったからには、維持しないといけない。


というわけで、10月中旬に発表した第3四半期で、6.9%とちょっと落とし、第4四半期でまた自然な形でちょっと落として見せた。この辺りの技術は、ナチュラルなカールを作る美容師のようなセンスというべきだろう。


では今後はどうするのか? 今年3月の全国人民代表大会では、「6.5%前後の成長」を謳った「第13次5ヵ年計画」(2016年〜2020年)を承認する予定だ。


だが、今後5年間で平均6.5%の経済成長というのは、走り高跳びの選手が棒高跳びに挑戦するくらい気宇壮大な目標に思える。


続いて、工業分野で、国有企業の増加値は1.4%まで減速した。中国の富の6割を占め、ほぼすべての基幹産業を独占している国有企業が中国経済を牽引するというのが、これまでの中国経済の「必勝パターン」だった。だがここに黄信号が灯っている。


国有企業改革は中国の経済システム改革の本丸で、それは本来、国有企業の市場化→多元化→民営化という3つのステップを踏むはずだった。だが昨年8月、習近平政権は、国有企業の淘汰(合併)→共産党中央の指導強化という2つのステップによる「改革」を決めた。


これは、習近平主席が、政治(つまり自分への利権集中)を経済に優先させた結果に他ならない。これでは、国有企業が市場のニーズに合った企業活動がしにくく、かつ民営企業が育ちにくい。つまり改革が「改悪」になってしまうリスクを孕んでいるのである。


■輸入が13%減で、消費が10%増?


先へ進もう。2015年の固定資産投資(農家への投資を含まず)は、55兆1,590億元で、名目で10.0%アップである。だが昨年が、15.7%アップだったことと較べれば、5%以上落としている。


これは政策的には健全なことだ。日本も同様だが、これ以上、地方に大型の公共投資をつぎ込んでも、投資効果は見込めない。中国は今年、さらに4500kmの高速道路を作るとしているが、これは国境の先を見越しての計画だ。すなわち、習近平政権の周辺外交政策である「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)と、発足したばかりのAIIB(アジアインフラ投資銀行)への活用だ。


いずれにしても、固定資産投資の増加分の減少は、今後も続くだろう。ちなみに、固定資産投資のうち外資利用分が29.6%も減少しているのが気になる。外資も引き始めているということだ。


不動産開発投資は9兆5,979億元で、名目の増加率は1.0%。うち住宅投資は0.4%、不動産の新たな起工面積は15億4454万uで、14.0%減少した。うち住宅用起工面積は14.6%の減少だ。不動産開発企業による土地購入面積は2兆2811万uで、31.7%も減少した。


一方、不動産商品の売上高は8兆7,281億元で14.4%増、うち住宅分は16.6%増だ。こうしたデータは、「空き家が多いが不動産価格は下がらない」という中国独特の現象を物語っている。


実際、昨年12月の全国70都市不動産価格調査では、前月比で39都市が上昇、27都市が下降、不変が4都市だった。5大都市に限って前年同月比で見ると、北京が108.3%、天津が103.1%、上海が115.5%、広州が109.1%、深圳に至っては146.8%で、すべて上昇しているのである。不景気にもかかわらず、都市市民はますます不動産が買えない状況になっているのだ。


次に、社会消費品の売上総額は30兆931億元で、名目成長率は10.7%である。私は昨年、5回訪中したが、都市や農村部を見た肌感覚から言えば、とても消費が二ケタ成長しているようには見えない。逆に二ケタ現象と言われたほうが納得がいく。この消費の成長を表すデータは、物価上昇分による割合が、かなり多い気がする。


消費のうち、やはり注目すべきはネット通販の伸びだ。3兆8,773億元で、33.3%の伸びだ。消費全体に占める割合も10.8%と、初めて10%ラインを越えた。


これを中国政府は、消費の新たな牽引役として喧伝しているが、それほどハッピーなものではない気がする。なぜなら、ショッピングモールが次々に潰れていっているからだ。換言すれば、デパートの棚の商品がネットに流れただけのことなのである。


次に貿易は、明らかに悪かった。24兆5,849億元で7.0%のマイナス。うち輸出は14兆1,357億元で1.8%減。輸入は10兆4,492億元で13.2%減だった。輸入の減少は、消費の減少を表すのが通常だ。つまり、輸入が13%減っていて、消費が10%増えるというのは、大変不思議なことだ。


CPI(消費者物価指数)は1.4%増。うち都市は1.5%増で、農村は1.3%増だ。これをもって、中国もデフレ時代に突入するという報道もあったが、私はそうは思わない。相変わらず物価は上がっているというのが肌感覚だ。


国民所得は、平均2万1966元で、名目で8.9%増、物価上昇分を除けば7.4%。都市市民は3万1195元で8.2%増、農村は1万1422元で8.9%増である。ちなみに地元在住の農民工(出稼ぎ農民)は1億863万人、都市部在住の農民工は1億6884万人である。


産業構造は、第三次産業の割合が50.5%(2.4%増)と、初めて過半数を占めた。


2015年末時点の人民元の貸出残高は93兆9,500億元、人民元の預金残高は135兆7,000億元である。2015年の人民元の新規貸出額は11兆7,200億元で1兆8,100億元増、新規預金額は14兆9,700億元で、1兆9,400億元増だった。


最後に人口は、2015年末時点で、13億7462万人で、出生者1655万人、死亡者975万人、出生率は1.207である。うち都市人口は7億7116万人で、2200万人の増加。農村人口は6億346万人で1520万人の減少。都市人口の比率は56.1%になった。


また、65歳以上の人口が4386万人と、総人口の10.5%を占めるに至ったことは注目に値する。60歳以上は2億2200万人で16.1%を占める。日本はすでに65歳以上人口が25%を超えたが、中国はこの先、凄まじい老齢社会に入っていく。


■発電量は真のGDPを示す(李克強)


以上が、王局長が発表した数値だが、省略したものの中で重要な数値が一つある。それは、発電量が5兆6184億kW時で、0.2%のマイナスになっていることだ。


発電量は、2007年に李克強首相が「真のGDPを示す」としたいわゆる「李克強指数」の筆頭に来るものだ。それにならうなら、「真のGDPはマイナス0.2%」ということになる。


こうした「外野の声」に対し、中国政府は「節電技術の進歩によるものだ」と主張する。だがこれも肌感覚だが、わずか一年で節電技術がそれほど進歩したようには思えない。


だが、こうして細かな統計をつぶさに見ていくと、中国という国が、いかに巨大な存在かを思い知る。中国経済や習近平政権を批判するのは容易だが、この大国を統治していくのは、やはり並大抵のことではないと痛感させられた。



 

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コメント
 
1. 2016年1月25日 22:59:20 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[199]
FX Forum | 2016年 01月 25日 19:48 JST
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コラム:中国バブルの「ミンスキーモーメント」=竹中正治氏
竹中正治龍谷大学経済学部教授 1月25日、龍谷大学経済学部の竹中正治教授は、中国はかつての日米のバブル同様、「ミンスキーモーメント」を迎えており、過剰債務調整が本格化すれば、未曽有の過酷かつ長期的プロセスが予想されると分析。提供写真(2016年 ロイター)
[東京 25日] - 前回のコラム「新興国通貨の対ドル下落はまだ序の口」で、中国をはじめ主要な新興国が2000年代以降、債務を急増させたことを取り上げた。とりわけ天然資源輸出国やドル建て債務比率の大きな国の通貨が対ドルで大幅下落し、その基調がまだ続く見通しを述べた。
今回は各論として中国に焦点を絞ろう。09年以降の中国の経済成長はバブル的な信用(債務)膨張に支えられたものであり、今後厳しい債務調整の長期化が予想される。これをデータと一緒に説明したい。
<日米のバブルも経験した「ミンスキーモーメント」>
まず、一般的な原理を確認しておきたい。経済成長は一般に債務の増加を伴う。企業部門は設備投資、家計は住宅投資など固定資本形成を行い、その多くは債務(クレジット)で賄われるからだ(金融レバレッジ)。債務との見合いで有効な資産が増え、所得の増加や資産からの収益で債務が返済可能である限り問題はない。
しかし、経済成長に伴う社会の楽観的な雰囲気は時に行き過ぎ、過剰な固定資本形成と資産価格の高騰が起こる。これが資産バブルだ。たとえバブルであっても、旺盛な固定資本形成が行われている限り、それ自体が需要を生み出すので、国内総生産(GDP)で計測された経済成長率は高まる。
もっとも、明らかに過剰な固定資本形成は、最終的には生産設備の稼働率の大幅な低下、あるいは投資のインカム(配当や賃料などの)リターンの低下を招き、資産価格が下落に転じる局面が到来する。時価評価した資産価値が低下する一方、債務はキャッシュで返済しない限り減少しないので、企業や家計の時価ベース自己資本(純資産)の減少が始まる。つまり評価損失の発生である。
その損失増加を食い止めるために資産の売却が始まれば、同様の状態にある他の債務者も売り急ぐので、売りが売りを呼んで資産価格の急落となり、債務超過となった企業や家計は債務の返済が不能となる。その結果、銀行をはじめ信用供与者の不良債権が急増し、信用収縮、債務者の破綻、失業者の増加というバブル崩壊過程に特有の現象が続くことになる。
金融レバレッジの生み出すクレジットサイクルと金融の不安定性を強調した経済学者ハイマン・ミンスキーにちなんで、バブルの形成から崩壊(調整)に転じる局面は「ミンスキーモーメント」と呼ばれている。
住宅ローン形態での家計債務の膨張を中心とした2000年代の米国のバブルでは、07年前後がミンスキーモーメントだった。企業部門の不動産関連投資と債務膨張を主とした日本のバブルでは、1990年代初頭がミンスキーモーメントだったと言えるだろう。
<どう見ても長期的に持続不可能な中国バブル>
では、中国はどうか。同国の各セクター別の信用(クレジット)残高推移を名目GDP比率(以下、債務比率)で見てみよう。なお、データは国際決済銀行(BIS)から引用した。

グラフ上の赤色線で示した民間非金融部門の債務比率は、データのとれる1985年から2008年まで右肩上がりで上昇した。ただし、09年を境に債務比率はそれまでと違った急角度で上昇し、08年12月の117%から15年6月には201%まで急膨張している。一方、政府の公表する実質GDP成長率は07年の14.1%をピークに10%割れとなり、15年には6.9%まで低下した。
具体的に伸び率で言うと、2000年から08年の民間非金融部門の債務残高の伸び率は平均年率15.6%だったが、09年以降は21.7%に加速している。09年以降の名目GDP成長率は平均11.9%であり、債務残高の伸びが名目GDP成長率を約10%ポイントも上回っていることになる。これはどのような基準に照らしても長期的に持続不可能だろう。
誤解を避けるために補足すると、各国の債務比率の水準自体には「これ以上高くなるとバブル」という意味はない。債務比率が高くても見合いとなる資産サイドが健全であれば問題はないからだ。実際、先進国の民間非金融部門の債務比率は途上国のそれに比べて相対的に高い。これは長年の経済成長の結果、債務の見合いにある資産サイドの蓄積が進んでいる結果だ。
しかし、中国の民間非金融部門の債務比率は、09年以降に急角度で上昇したと同時に、201%という15年の水準自体も、主要な先進国、途上国の中で突出した高水準である。
中国の09年以降の債務比率の急上昇は、リーマンショック後の世界不況による景気後退を回避するための大規模な内需拡大景気対策の結果である。この時の景気対策は中央政府の財政支出拡大もあったが、信用拡大(ファイナンス資金)に依存した地方政府などの公共事業(固定資本形成)に拍車をかける形で行われた。
しかし、債券発行などが規制されていた地方政府は簿外ビークルとして「融資平台」を使い、銀行融資と債券発行の双方で資金を調達し、建設投資を推し進めた。融資平台は事実上、地方政府の運営だが形式上は民間非金融部門にカテゴリーされていると思われる。
また、黄色線が示す銀行セクターからの信用(供与)比率と赤色線の非民間金融部門の債務比率が、2000年代以降、特に09年以降、後者が前者を上回る形でギャップが広がっていることにも注意しよう。両者のギャップを埋めるのが、理財商品と呼ばれる各種の債券発行の形態をとった「中国版シャドーバンキング」であり、ギャップの規模は15年6月末時点のGDP比率で50%と巨額なものとなっている。
<バブル崩壊現象は歴然でも、債務比率縮小が始まらない理由>
以上の中国の状態を過去の日本、並びに米国の過去のバブルとその崩壊と比べてみよう。企業部門の債務膨張を主とした1980年代後半から90年代初頭の日本のバブルでは、民間非金融部門の債務比率は86年12月の175%から急勾配で上昇し、94年12月に221%でピークに達した後、減少に転じ、04年3月に176%となった。その後は170%前後の水準で安定化する。つまり、債務比率のピークから安定化までの期間を過剰債務の調整期間とすると、10年弱かかったことになる。
これはまさに日本のバブル形成とその崩壊を跡付ける変化だ。ただし、不動産バブルのピークは不動産価格に見る限り91年であるが、信用の膨張が94年12月まで続いている。これは銀行が過剰債務企業に追い貸しをした結果だろう。
一方、米国の2000年代のバブルの主役は、住宅ローンを積み上げた家計部門である。もともと米国家計の債務比率は穏やかな上昇基調だったが、01年12月の74%から07年12月のピーク時98%まで急勾配で上昇した。その後低下に転じ、13年6月に81%となった以降は80%前後で安定している。
米国ではバブルの対象となった住宅価格のピークは06年半ばであり、債務比率のピークは07年12月、そのタイムラグは約1年半である。一方、日本の不動産価格のピークは91年、債務比率のピークは94年12月であり、約3年半のタイムラグがある。この日米タイムラグの長さの違いは何が原因なのか。
1つの理由として、日本では信用の膨張が銀行部門の信用供与に依存して起こり、銀行が過剰債務企業に追い貸しをした結果、タイムラグが長くなったと推測できる。一方、米国では過剰な信用膨張は伝統的な銀行ローンではなく証券化金融市場で起こった。バブル崩壊局面で投資家が証券化金融市場から一斉に資金を引き上げた結果、激発性の金融危機となったことがタイムラグを短くしたのだろう。
中国のケースに戻ると、株価の急落のみならず、鉄鋼、自動車、造船産業などに代表される未曽有の過剰生産能力(稼働率の激減)、賃借人の入らない集合住宅群や工場団地など実体経済面でのバブル崩壊現象は歴然としている。その一方で、09年以降急増した民間非金融部門の債務比率は15年6月時点まで上がり続けている。つまり、日本や米国で見られた過剰債務の調整過程に中国はいまだ入っていないことをデータが示唆している。 
必要な債務調整規模はどれほどだろうか。仮に債務比率が09年以前の右肩上がりのトレンド線に戻る必要があると考えただけでも、GDPの50%という未曽有の規模の債務処理となる。
バブル崩壊現象は歴然としているのに、なぜ債務比率の縮小は始まっていないのか。これは日本と同様に銀行を中心とする信用構造に加え、指令経済的な色彩が依然として濃い中国の金融市場の性格によって債務処理が先延ばしされているからだろう。
もっと具体的に言えば、中央からの「過剰生産設備整理」のかけ声にもかかわらず、実情は中央政府、地方政府、銀行、債務者大企業が強固な「利害共同体」となり、過剰投資・過剰債務を抱える大企業や融資平台の損失計上や破綻処理を先送りしているのだ。
<軟着陸は困難、過剰債務調整は過酷かつ長期化へ>
今後不可避と思われる中国の過剰債務の調整過程で何が起こるのか。それは日本や米国で起こったことと基本的には同じだろう。おそらく習近平政権は10年、20年という長期の時間をかければ軟着陸は可能だと考えているのだろうが、私は懐疑的である。
過剰債務の調整とは、結局のところ経済的な損失負担の問題であり、貸した金が回収できないという事実を前に、債務者、債権者(含む金融機関)、政府(納税者)がどのように損失を負担するかの問題だ。その過程で債務企業や金融機関の大規模な整理、破綻、失業者の増加などは不可避だろう。
中国国内からの資本逃避が一層強まる恐れもある。年間2000億ドルを超える経常収支黒字にもかかわらず、中国の外貨準備は14年のピーク時の約4兆ドルから15年末には3.3兆ドルに約7000億ドル減少している。これは資本流出により、人民元相場を現在の水準近辺で維持できなくなっていることを示唆している。
資本逃避が一層強まれば、1ドル=7元を超えた元安・ドル高もあり得よう。その場合には、中国の民間非金融部門の1.2兆ドルと推計されるドル建て債務(BIS四半期レビュー、2015年12月)から巨額の為替損(10%の元相場下落で約14兆円相当の損失)も生じる。中国の過剰債務の調整が今後本格化すれば、未曽有の過酷かつ長期的プロセスになると考えておくべきだろう。
*竹中正治氏は龍谷大学経済学部教授。1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、為替資金部次長、調査部次長、ワシントンDC駐在員事務所長、国際通貨研究所チーフエコノミストを経て、2009年4月より現職、経済学博士(京都大学)。最新著作「稼ぐ経済学 黄金の波に乗る知の技法」(光文社、2013年5月)
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)

http://jp.reuters.com/article/column-masaharutakenaka-idJPKCN0V30UD 


 


政治(時事通信)
「年収」か「ベア」か=労使トップが火花—16年春闘スタート
2016 年 1 月 25 日 20:01 JST 更新
 経団連と連合の幹部らが春闘に臨む姿勢を示す経団連主催の「労使フォーラム」が25日開かれ、2016年春闘が事実上スタートした。経団連の榊原定征会長は会員企業に、基本給を底上げするベースアップ(ベア)に限らず、ボーナスや各種手当を含む年収全体で賃上げを検討するよう要請した。連合の神津里季生会長は「違和感を覚える」とベア重視を訴え、早くも火花が飛び交った。春闘は3月中旬の集中回答に向け労使交渉が本格化する。

 デフレ脱却を目指す安倍政権の要請を受け、労使双方が賃上げに取り組む春闘は今年で3年目。榊原会長は「企業は積極果敢な経営の推進を通じ収益を拡大し、賃上げへとつなげるよう最大限の努力をお願いしたい」と呼び掛けた。

 ただ、14年と15年のベアの積み上げで、人件費の増大が重荷になりつつある企業もある。経団連が発表した16年春闘の経営側指針「経営労働政策特別委員会報告」は、「ベアは一つの選択肢」という前年までの表現を見送り、「年収ベースの賃上げ」を前面に打ち出した。

 これに対し連合の神津会長は、ボーナス中心の賃上げについて「いつどうなるか分からない」と指摘し、企業収益の悪化に伴う将来の賃下げの可能性にクギを刺した。その上で「消費購買意欲に直結するのは月例賃金だ」と述べ、デフレ脱却の観点からもベアの意義を訴えた。 

[時事通信社]


 

貿易赤字、震災後初めて縮小に転じる 原油安など影響
朝日新聞デジタル 1月25日(月)9時7分配信

貿易赤字は震災後初めて減少
 財務省が25日発表した2015年の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた「貿易収支」は、2兆8322億円の赤字だった。貿易赤字は5年連続だが、原油安の影響などで赤字額は前年から約10兆円減り、11年の東日本大震災後、初めて縮小に転じた。

 輸入額全体は78兆4637億円で、過去最大だった前年の85兆9091億円から8・7%減少。ドル建ての原油価格が前年の半分近くまで下がり、15年の原油輸入額が8兆1836億円と4割減ったことなどが影響した。

 輸出額全体は75兆6316億円で3・5%増え、3年連続の増加となった。景気が堅調な米国向けの輸出が11・5%増えたことが全体を押し上げた。ただ、景気が減速している中国向けは3年ぶりに減少。中国を含むアジア向けも前年比2・1%増にとどまった。

 震災後、日本中の原発が止まったことで燃料の輸入が増え、貿易赤字が続いている。14年の赤字額は12兆8161億円と過去最大だったが、15年は9兆9839億円も赤字が縮小し、赤字幅は震災後では11年(2兆5647億円)に次いで2番目に小さかった。

 一方、15年12月の貿易収支は1402億円の黒字だった。原油安や暖冬で燃料の輸入が減り、輸入額が12カ月連続で減ったが、輸出額も3カ月連続減と振るわなかった。資源安を受けて米国向けの鉱山用機械などの輸出が大幅に減り、米国向け輸出額が1年4カ月ぶりに減少に転じた。中国を含むアジア向け輸出も4カ月連続で減った。(石橋亮介)
朝日新聞社
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最終更新:1月25日(月)16時33分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160125-00000019-asahi-brf 


<貿易収支>先行きは黒字化の見方 15年2.8兆円の赤字
毎日新聞 1月25日(月)19時16分配信

 財務省が25日発表した2015年の貿易収支(速報)は、2兆8322億円の赤字だった。赤字幅は14年まで3年連続で過去最大を更新していたが、原油価格の下落を主因に前年比77.9%減と大幅な縮小に転じた。市場では「原油安の長期化で貿易収支は黒字化へ向かう」との見方が多いが、中国の景気減速などで足元の輸出は力強さを欠き、先行きへの懸念もくすぶる。

 円相場は15年の通年平均で1ドル=121円と、前年比14.9%の円安だった。円安は輸入額を押し上げる要因となるが、15年の輸入額は78兆4637億円で同8.7%減った。15年のニューヨーク原油先物相場が年間3割下落して、原油の輸入単価が下がり、暖冬見込みで数量も減ったことが大きい。

 原油価格は年明け以降も1バレル=30ドルを割り込む低水準が続いており、反転の兆しは見られない。市場では「原油安の影響が強く、16年通年の貿易収支は黒字に転じるだろう」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)との声が上がる。

 一方、15年の輸出額は75兆6316億円と3.5%増えたが、数量は1.0%減と2年ぶりに減少した。同時に発表された15年12月の貿易統計でも、輸出額は前年同月比8%減の6兆3376億円。前年同月割れは3カ月連続で、数量では6カ月連続となる。中国では景気減速で生産設備が過剰となっているほか、米国では原油安でシェールガス開発が停滞し、工場や鉱山で使う機械の輸出不振が足を引っ張っている。

 それでも米国の個人消費は堅調で、欧州経済も金融緩和の効果に支えられるなど、市場では「輸出は強弱入り交じりながらも緩やかな回復を続ける」(大和総研の小林俊介エコノミスト)との見方が大勢だ。

 しかし、日本企業の生産拠点の海外移転によって、円安でも輸出が大きく伸びないという構造的な要因もあり、「貿易収支が一時的に黒字化しても定着する可能性は低い」(ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長)との指摘もある。【和田憲二】

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内需、輸出入落ち込み 世界経済に影響も
最終更新:1月25日(月)19時16分

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160125-00000062-mai-brf


 

破産相次ぐ米タクシー会社、配車アプリに敗北

By TOM CORRIGAN
2016 年 1 月 25 日 18:36 JST

 米サンフランシスコ最大のタクシー会社イエローキャブ協同組合は22日、連邦破産法第11条の適用を申請した。ウーバー・テクノロジーズやリフトなどの配車アプリ会社が急速に台頭する中、従来のタクシー会社が相次いで破産を申し立てている。

 イエローキャブのパメラ・マーティネズ社長は裁判書への提出書類で、同社が多数の難題に直面していると表明。具体的には、多くの事故関連の請求・責任や利用客数の急減のほか、ウーバーやリフトなどの新興のアプリベースの相乗りサービス会社との競争や、それらの企業にドライバーを引き抜かれていることを挙げた。

 裁判所の書類によると、昨年6月、イエローキャブの事故で身体が部分まひした女性に810万ドル(9億6200万ドル)の損害賠償が認められた。また、同社によると、約150件、総額で最大10億ドルに上る賠償請求にも直面しているという。

 マーティネズ氏は先月、イエローキャブの加入者への書簡で「われわれは深刻な苦境にある。一部はわれわれがコントロールできないビジネス上の問題が原因で、一部は自らに原因があるものだ」と説明した。

 米国では他の地域でも従来のタクシー会社が苦境に陥っており、新興の配車サービスが徐々に市場を侵食。一部タクシー会社は破産に追い込まれつつある。

 シカゴのタクシー会社も昨年、金銭的な行き詰まりを理由に破産を申請した。裁判所の書類によると、その一因は「オンデマンドアプリを用いた民間輸送ネットワーク」からのプレッシャーにある。また最近、05年の幹線道路事故で脳障害を起こした乗客に対して2190万ドルの損害賠償命じる判決が言い渡されたことも影響した。

 ウーバーがタクシー市場に与える影響を調査するテンプル大学ビーズリー法科大学院のブリシェン・ロジャース准教授は、従来のタクシー会社が新たな競争相手に脅かされているのは明らかだと指摘する。その結果、破産する企業がさらに増えるとロジャース氏はみている。

 ウーバーやリフトなどの新興企業が従来のタクシー会社を脅かしていることは、ニューヨーク市内でタクシーを運営するために必要な営業許可証の価格からも明白だ。業界推定によると、その価格は13年は130万ドルを超えていたが、昨年は70万〜80万ドルにまで落ち込んでいる。

 ロジャース氏は「営業許可証の価値は需要に基づいている。需要が減れば、価値も低下する」と述べた。

 タクシー会社は自らの苦境が新興企業のせいであることは、なかなか認めたがらない。ニューヨークのタクシー王として知られるエフゲニー・フリードマン氏は昨年、自らが運営するタクシー会社の一部について破産法の適用を申請した。同氏の会社が管理する860個以上のタクシー免許のうち、46個が債権者に差し押さえられるのを防ぐためだ。同氏は裁判所への提出書類で、ハイテクを駆使した企業が同氏の事業に打撃を与えたとの見方を否定した。

 しかし、裁判所の書類からは、シティバンクをはじめとする金融機関が「非従来型の配車会社」が従来型のタクシー会社に与える影響を懸念していることがうかがえる。

 タクシー会社への融資はこれまで安全とされていたが、大手金融機関は新たな競合のビジネスへの影響を憂慮し始めており、貸し渋りが起きている。

 現在の企業価値が5000億ドル以上とされるウーバーは、アプリによる支払いや販促を目的とした無料配車をテコに乗客を引きつけてきた。同社によると、ウーバーのドライバーの平均賃金は、労働統計局の推計によるタクシーやお抱え運転手の平均時給(チップを含む)をはるかに上回っているという。

 ウーバーの広報担当者は21日、「ウーバーなどのアプリは輸送市場全体を成長させている」とし、「これはゼロ・サム・ゲームではない。選択肢が増えることは乗客とドライバー双方にとっていいことだ」と述べた。

 この件についてリフトはコメントを控えた。

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ウーバー配車予約、FBメッセンジャーで可能に
狭まるウーバー包囲網、競合が国際提携強化
タクシー業界はウーバーによる変化に適応を=加当局
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-MG205_SFTAXI_M_20160124175950.jpg
 

Business | 2016年 01月 25日 20:46 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
米フォード、日本とインドネシア事業から今年撤退へ=内部文書

[北京/東京 25日 ロイター] - 米フォード・モーター(F.N)は25日、日本とインドネシアの全事業を今年閉鎖する見通しだ。ロイターが25日に入手したフォードの内部文書により判明した。「収益改善への合理的な道筋」が見えないことが理由だという。

日本市場からの撤退に当たり、保有するマツダ(7261.T)の少数株式は影響を受けないと説明した。

アジア太平洋地域担当プレジデントのデーブ・ショッホ氏が域内の全従業員に送った電子メールによると、フォードはすべての事業分野から撤退する。ディーラーを閉鎖し、フォードとリンカーン車の販売や輸入を停止する。日本で行っている製品開発は他国に移転する計画だという。

フォードの広報担当者はロイターに対し、こうした決定に関する電子メールが25日、従業員に送付されたことを確認した。

ショッホ氏はメールで「残念ながら、事業閉鎖により日本とインドネシアにいる社員は両国にあるフォードの現地法人で働くことはできなくなる」と説明した。

同社の日本法人は1974年に営業を開始した。現在、社員は292人、販売特約店は52となっている。昨年の販売台数は約5000台で、輸入新車市場におけるシェアは1.5%程度だった。

インドネシア法人の社員は35人、販売特約店は44だという。

日本市場においてはトヨタ自動車(7203.T)、ホンダ(7267.T)、日産自動車(7201.T)など国内企業が独占しており、フォードはサブコンパクトカー「フィエスタ」、「マスタング」、スポーツ多目的車(SUV)「エクスプローラー」の販売に苦戦していた。さらに、高齢化や若年層の需要減少による販売の落ち込みにも悩まされた。
http://jp.reuters.com/article/ford-close-japan-indonesia-idJPKCN0V30RN


OPEC事務局長:世界の産油国に減産への協力を呼び掛け
2016/01/25 20:37 JST

    (ブルームバーグ):石油輸出国機構(OPEC)のバドリ事務局長は25日、非加盟の産油国全てが世界的な供給過剰を削減する取り組みに加わることを望んでいると語った。単独では減産しない意図をあらためて示した。
バドリ事務局長はロンドンでの会議で、「市場が過剰在庫の問題に取り組むことが重要だ」とし、「OPECの加盟国と非加盟国が共に対処する問題だとみなされるべきだ」と語った。
供給が需要を上回る状況の中、原油価格は今月に入り約12年ぶりの安値に沈んだ。OPECが昨年12月に生産目標を実質的に廃止したほか、ロシアは過去最高に近い水準で生産を続け、米国産シェールオイルが予想以上に健闘していることから、世界の供給量は増え続けている。世界最大の石油消費国である米国の原油在庫は昨年末時点で5年平均を1億バレル余り上回った。
同事務局長は「全ての主要産油国がこの問題解決に向けて話し合うのが重要だ」と呼び掛けた。世界の需要が日量130万バレル増える一方で、OPEC非加盟国の供給が約66万バレル減るとの見通しを引用し、需給が年内に均衡化し始める兆候もあると述べた。北海ブレント原油は今年に入り約16%下落した。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O1I84K6KLVR901.html

 

International | 2016年 01月 25日 17:52 JST 関連トピックス: トップニュース
2015年の中国原子力発電、前年比29.4%増=業界団体

[北京 25日 ロイター] - 中国原子力産業協会(CNEA)によると、2015年の同国の原子力発電量は1689億9000万キロワット時となり、前年を29.4%上回った。

2015年には新たに6基の原子炉が稼働し、全体では28基となった。

原発の発電能力は26.43ギガワットとなり、全体の1.75%を占めている。15年の原子力による発電量は全体の3%を占めた。

15年には、主に石炭使用の火力発電が2.8%減少したため、約50年ぶりに発電量が減少した。

中国では、石炭への依存度を抑制し、今後10年間の公害および温室効果ガス排出量の目標を果たすうえで原子力発電が主要な役割を果たす見込みで、2020年末までに原子力による発電能力を58ギガワットに増やしたい考え。ただ、2011年の福島原発事故以来4年にわたり新規事業が認可されなかったことから、目標が達成されない可能性があるとみられている。
http://jp.reuters.com/article/china-power-nuclear-idJPKCN0V30QJ

 
Business | 2016年 01月 25日 17:48 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
中国人民銀、非居住者預金口座の定期預金への転換承認へ=関係筋

[北京 25日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は、非居住者預金口座(NRA)を定期預金口座に転換することを認める方針だ。4人の関係筋が25日、ロイターに対し明らかにした。外国人に対し貿易関係の利益を国内で継続保有することを奨励し、資金流出を食い止めるのが目的とみられる。

関係筋によると人民銀は、まもなく正式な通知をする旨の書類を商業銀行に送付済みだという。一部の地域では、新規制への対応準備を始めたところもあるようだ。

人民銀からのコメントは得られていない。

銀行関係者は「規制当局は資金流出を食い止めようとしている」と述べ、「直近の施策は、当局が流出分を相殺するためにより多くの資金を呼び込こもうとしていることの表れだ」とした。
http://jp.reuters.com/article/china-yuan-nra-idJPKCN0V30Q7

 

[FISCO]25日の中国本土市場概況:上海総合0.8%高と続伸、資源・素材関連に買い
掲載日時:2016/01/25 (月) 17:13 
週明け25日の中国本土マーケットは値上がり。主要指標の上海総合指数は前営業日比21.95ポイント(0.75%)高の2938.51ポイントと続伸した。上海A株指数も上昇し、22.96ポイント(0.75%)高の3075.42ポイントで引けている。外貨建てB株相場もしっかり。上海B株指数が3.21ポイント(0.90%)高の358.95ポイント、深センB株指数が12.51ポイント(1.07%)高の1176.60ポイントで終えた。

押し目買いで上昇した先週末の流れが続く。指数は年初からの下げが依然として15%を超えているため、値ごろ感が着目されている。原油相場が戻り歩調を強めていることや、人民元相場が比較的に落ち着いて推移していることが買い安心感を誘った。中国人民銀行(中央銀行)は25日、人民元の対米ドルレートを小幅ながら元高に設定している。ただ、上値は重い。人民銀行の張暁慧・総裁補佐が「預金準備率を安易に引き下げることはしない」と述べたことなどがマイナス材料だ。指数は一時、マイナス圏で推移している。

業種別では、エネルギー株の上げが目立つ。石油掘削の中海油田服務(601808/SH)が4.9%高、石炭のエン州煤業(600188/SH)が5.9%高で引けた。石炭株に関しては、業界の過剰生産問題を解消するため、当局が本腰を入れていることなどが手がかりになっている。同じく過剰生産の問題をかかえる鉄鋼株や、セメント株など素材関連の銘柄も軒並み物色された。不動産株や金融株、消費関連株などもしっかり。海外受注が相次いでいることを好感し、ゼネコンや発電設備などのインフラ関連株も上昇した。

【亜州IR】
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=295608


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