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追加緩和実施の可能性を示唆したECBドラギ総裁
投資家が期待する「追加緩和」が、市場をさらに混乱させる
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47541
2016年01月25日(月) 真壁昭夫「通貨とファイナンスで読む世界」 現代ビジネス
■金融市場の「希望の灯」
不安定な展開を続ける金融市場の中に希望の灯が見え始めている。それは、追加金融緩和だ。
1月21日、ECBのドラギ総裁は景気の下振れを指摘し、追加緩和実施の可能性を示した。わが国でも急速に日銀の追加緩和に対する期待が高まっている。その灯が、わが国の株式市場の大幅反発を演出したといえる。
年初来の金融市場は、二つの要因に振り回されてきた。一つ目が原油価格の急落だ。もう一つが中国の景気、金融市場の動向に対する懸念である。ともに年明け以来不安定な動きを続けている。それは今後も投資家を一喜一憂させるだろう。
その中で、投資家は金融政策への期待を高めている。その背景には、原油価格が下落し続ければ、これまで以上に物価の上昇率が抑制されるという “ディスインフレ懸念”が高まるとの懸念がある。
すでに主要国では“マイナス金利”“量的緩和”等の金融政策が実施されてきた。それにもかかわらず、物価の低迷は続いている。デフレスパイラルを避けるため、中央銀行はリスク資産の価格を支え、投資家や消費者のマインド改善に働きかけなければならない。これはもはや心理戦だ。
一時、“ドラギマジック”と呼ばれたECBドラギ総裁の対応はその代表例だ。昨年10月の『あらゆる手段を検討する』という発言は市場の期待を集めた。そして、再度ドラギ総裁は追加緩和への期待を高め、市場のリスクテイクを促そうと考えている。
日銀も、よく似た状況にある。黒田総裁は、物価の基調に変化があれば『躊躇なく政策を調整する』と繰り返し発言している。そうすることで市場に一定の安心感を与えたいのだろう。
■「日銀サプライズ」には要注意
ドラギ総裁が追加緩和を示唆したことは、連鎖的に「ならば、わが国でも追加緩和を」という期待を高めた可能性がある。それが、22日の日経平均株価の大幅反発に与えたインパクトは大きい。
わが国の政治にとっても追加緩和は重要な意味をもつ。公的年金の運用収益の確保、7月の参議院選挙等、有権者の支持を獲得するためには相場を支えなければならない。ここで景気を支えられるか否かは、消費増税にも影響するはずだ。
気がかりなのは、日銀が市場に驚きを与え、投資家心理を掻き立てるかのようにして、強制的に金利低下、株高、円安の流れを生み出す可能性だ。
推し進めれば2014年10月の追加緩和のように急速な株価上昇をもたらす可能性はある。しかし、それは一種の劇薬で、一歩間違えば市場は大きく混乱する可能性もある。
先行きへの懸念が高まるほど、投資家は金融政策に期待する。市場環境の悪化を背景に追加緩和が求められつつある状況下、投資家は期待以上の政策でなければ満足しないだろう。満足しても、一たび市場が混乱すると、再度市場は追加緩和を催促する。
ここから先、追加緩和への期待に突き動かされた株価の反発などは、その後の下落をより大きくするかもしれない。あくまでも、市場が依存しているのは“期待”であり、実体経済の強さではない。その点を冷静に踏まえ、市場が一層の不安定な状況に陥る可能性は軽視すべきではない。
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