★阿修羅♪ > 経世済民104 > 608.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
「ベーシックインカム=小さな政府を実現」の虚妄…現実的にデタラメだと証明(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan104/msg/608.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 1 月 20 日 00:24:10: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

「ベーシックインカム=小さな政府を実現」の虚妄…現実的にデタラメだと証明
http://biz-journal.jp/2016/01/post_13374.html
2016.01.20 文=筈井利人/経済ジャーナリスト Business Journal


 本連載前回記事で、「ベーシックインカムが貧困層を救う」という考えは誤りであることを指摘した。ベーシックインカムとは、就労や資産の有無にかかわらず、すべての国民に対して生活に最低限必要な収入を現金で給付する社会政策のことだが、この利点として流布されている誤った主張はこれだけではない。

 それは、ベーシックインカムが政府の規模・権限を小さくして「小さな政府」につながる、という主張である。

 これは、ベーシックインカムの原型である「負の所得税」を提唱した米国の経済学者、ミルトン・フリードマンが強調した点でもある。負の所得税とは、一定の収入のない人々は政府に税金を納めず、逆に政府から給付金を受け取るという仕組みである。一定の収入を政府が給付金によって保証するわけで、ベーシックインカムと実質同じといえる。

 小さな政府を目指す「新自由主義」の代表的経済学者とされるフリードマンは、1962年に出版した著書『資本主義と自由』(邦訳書は村井章子訳)で、既存の社会保障を負の所得税による最低限の収入保障に置き換えることで、コストが「半分で済む」と推計した。また、社会保障を負の所得税に一本化することにより、「煩雑な行政事務が大幅に簡素化される」とも述べた。

 ベーシックインカムが、貧困対策を求める左派勢力だけでなく、小規模で効率的な政府をよしとするエコノミストなどにも受けがいいのは、フリードマンのこれらの主張の影響が大きい。

 しかし、ベーシックインカムが小さな政府につながるという考えは、本当に正しいのだろうか。

■米国の現実

 じつはその答えは、事実上すでに明らかになっている。フリードマンが提案した負の所得税は、そのままのかたちでは実現しなかったものの、そのアイデアを元にした制度が米国で75年に導入された。給付付き勤労所得税額控除(EITC)である。

 この制度は、働いて得た所得にかかる税額から一定額を控除し、控除額が所得税額を上回る場合に超過分を支給するもの。一定額を上限として所得を実質保障することになる。米国に続き、英国、カナダ、オーストラリアなどでも採用されている。

 フリードマンが著書で例に挙げた保障額が年最大300ドルだったのに対し、米国の勤労所得税額控除は導入当初に最大400ドルと定められた。その後、保障額はたびたび引き上げられる。77年に500ドル、84年に550ドル、90年に953ドル、93年に1511ドル、そして95年には一気に3110ドルに……という具合である。

 同時に、支給が加算されたり、対象が広げられたりした。たとえば、子供が複数いる場合は1人の場合よりも多くの額が支給されるようになり、一方で子供のない人も支給対象に加えられた。

 2013年時点での最大保障額は、子供1人の場合で3250ドル(16年1月15日現在の為替レートで約38万3000円)、2人で5372ドル(約63万4000円)、3人以上で6044ドル(約71万4000円)。保障額が比較的低い子供1人の場合ですら、導入当初の8倍強に跳ね上がっている。

 これがベーシックインカムと同じアイデアから生まれ、小さな政府につながるはずだった制度の現実である。

 もちろん、過去の米国と現在の日本は経済環境や財政事情が違うから、日本でベーシックインカムが実現しても、保障額が同じくらい急激に引き上げられていくとは限らない。

 それでも、常に強い上昇圧力がかかることは間違いない。昔も今も、民主主義国の政治家にとって多数の有権者の人気を得ることは何よりも大切だからである。かりにベーシックインカムのコストが導入当初は低い水準に抑えられたとしても、そのまま将来にわたって維持される保証はまったくない。

■甘い期待

 コスト増の要因はほかにもある。前述したように、フリードマンは社会保障の行政事務が簡素化されることを負の所得税のメリットの一つと考えた。ところが皮肉なことに、もし簡素化できた場合、コストの増大に拍車をかけることになる。それまで面倒だった給付金の申請手続きがしやすくなり、申請者数が増えると見込まれるからである。負の所得税やベーシックインカムは、机上の計算では収支が成り立つかもしれない。しかしその計算は、民主主義における政治の圧力という重要な要素を見逃している。

 じつはフリードマン自身はこれに気づいていた。負の所得税には「政治的に大きな欠点がある」として、次のように書き添えている。負の所得税は一部の人々から税金を取り立て、それを別の人々に与えるシステムである。与えられる側は政治的関心が高くなるから、議会で多数派になり、少数派に税金を強いることになりかねない――。

 しかしフリードマンは欠点を補う方策を考えつかず、「この問題を解決するには、一方の自制と他方の善意に期待するしかないように思われる」としか書けなかった。給付金を過大に求めない自制、喜んで与える善意。それらの道徳心に期待するという。ずいぶん甘い期待である。事実、それは裏切られた。

 フリードマンに影響されたエコノミストらは、ベーシックインカムが小さな政府をもたらすともてはやす。しかしフリードマン自身と同じく、その考えは甘いといわざるを得ない。

(文=筈井利人/経済ジャーナリスト)


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2016年1月20日 04:26:15 : Qk0z0gVGLY : lQZkNLxHm_4[100]
遠い未来、生産効率が極度に高まった社会では、まず、仕事が限られている、
という状況が考えられる。

そのような状況下では、人々は、どのように糧を得て生きていくべきか。

現代社会においてもすでにそのような状況が生まれている。なので、
ワークシェアリングなどという言葉も生まれてくる。

仕事を得たものだけが富を得て、生きていけるのか。生産効率が
上がったがゆえに仕事がなくなれば、仕事を得られない人間は
死ぬべきなのか。

人々の暮らしをよくするために生産効率を上げたのに、仕事を得られない
人間が出てくる。仕事とは何なのか、富とは、そしてその分配は
どうすればいいのかを考えていく必要が出てくる。


2. 2016年1月20日 07:19:23 : yBQkrRTumA : UvxNb8gKnf4[219]

 愛です 21世紀の経済は ベーシックインカムでしか 動かせないことは論理的に証明できる

 ===

 資本主義は 資本家 vs(労働者 = 消費者) の関係で成り立っていた

 しかし今

 資本家 vs ロボット + (労働者 = 消費者)となるのであって

 ===

 30年後には 仕事の99%をロボット 1%を労働者がすることになる

 つまり 1%の労働者 = 1%の消費者 だとしたら

 ロボットと人間が作った 100個の商品は 1個しか消費者がいないことになる

 ===

 端的に言えば 99人は 遊んでいて 一人が働いたとして 100個の商品が

 消費されれば 100個の商品を ロボットと人間が作ることができるわけだ

 ===

 働かなくても 消費出来る仕組みがないと 30年後の ロボット社会は回転しない
  


3. 2016年1月20日 07:32:23 : yBQkrRTumA : UvxNb8gKnf4[220]

 >筈井利人/経済ジャーナリスト  とは

 マルクスの資本論さへ 理解していないのだろうか??

 マルクスは 富は工場で生産されるとしたが その富は 金融に独占されるだろうと予言した

 ===

 金融は 働かない人たちの集合体だ  ベーシックインカム(働かない人を許す仕組み)だが

 金融には すでに 隠れた 働かない人が たくさん存在するのであって

 ベーシックインカムは 働かない人を 公に認めるだけで 金融の働かない人と同じだ

 ===

 2020年には 金融が崩壊して 働かない人たちが 大勢 巷にあふれることになる

 そのときに はじめて 働かない人たちを どうするべきかという問題が起きるのだろう
  

 


4. 2016年1月20日 09:29:25 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[201]

>社会保障の行政事務が簡素化されることを負の所得税のメリットの一つと考えた。ところが皮肉なことに、もし簡素化できた場合、コストの増大に拍車

この人は小さな政府を、支給額の減少のことだと誤解しているが、それは誤り。

BIに統一し、他の社会保障を廃止すれば、当然、小さな政府(行政コストの削減)は当然、実現できる。


また社会保障支給額の膨張でインフレが悪化する問題や、累進税制が強化され、

生産性が高い労働者(富裕層)の意欲が低下し

生産性が減少してインフレ化する問題に関しては、今の制度でも全く同じ。


つまり、人口減少と高齢化で需要が減り、AIやロボット化で生産力が上昇して

デフレ圧力が続く状況であれば、導入によるデメリットより、メリットの方が大きいので

今後の経済状況次第ということになる。


5. 2016年1月20日 10:01:50 : tF8tKcEMgk : AzsrbsITijc[30]
>ところが皮肉なことに、もし簡素化できた場合、コストの増大に拍車をかけることになる。それまで面倒だった給付金の申請手続きがしやすくなり、申請者数が増えると見込まれるからである。

ここのところの説明が少な過ぎる。税の収集に比較して、給付金手続費用が多くなると感嘆にはいえないだろう。また、単に税の収集・給付手続きだけの問題でなく、あまたの社会保障や医療補填などについても省力化できるだろうから。


6. 2016年1月20日 12:48:07 : yBQkrRTumA : UvxNb8gKnf4[222]

 BI + 消費税 が最強の政策だよね  単純化のために 消費税50%

 BI 15万円月 とする 

 ===

 低所得者は BIしか収入がなにのだから 10万円の消費で 5万の消費税を払うことになり

 年間 120万円の消費をすることになる 

 毎月 15万の月給の人は BIを加えて 30万だから 20万の消費 10万の消費税

 BI 15 給与 0  = 10 + 5   消費 120万 120万得
 BI 15 給与 15 = 20 + 10  消費 240万 60万得
 BI 15 給与 45 = 40 + 20  消費 480万 30損
 −−−−−−−
 BI 15 給与 105= 80 + 40  消費 960万 300万損

 ===

 このように きれいな 累進課税が 完成する

 つまり 稼いだ金に 所得税で罰金的な税金をかけるよりも

 消費した人から 税金をいただくことは 合理的な考え方だ!!!

 ===

 多く消費したい人(金使いの荒い人)は 多く仕事をすれば 多く使える

 働かない人は 少ししか使えなくても しょうがない

 ===

 自分では 仕事をしていないドラ息子が 親から金をもらって 1000万のベンツを買えば

 500万の消費税を取られることになる が これは 540万の BIとほぼ同じ金額だから

 3人の人を助けたことと同じことだ

 ドラ息子が ベンツを買うのも 人助け(喜ばしい限り)ということになる
 


7. 2016年1月20日 23:58:47 : DcYRyD2WFQ : yg9aozpnhaE[5]
6さん、その案は よそで提案されているのを見た事がありますし、私も気に入っていますが、問題点はないでしょうか。

BIで配ってしまうので、消費税の税率自体は高くなります。月15万円を出すための税率は、50%よりは もう少し高かったはず。
消費税率50%だの、66%だのとなると、消費税を逃れる商取引を促進して経済をゆがめる効果が多きいはず。
・個人間の取引、交換取引
法人に対する付加価値税である今の仕組みでもたないかもしれないですね。個人が場所借りして個人営業しているような建前の会社が増えたり、AirBNBやUBERみたいに「見せかける」変な商売が増えるかも。かといって、事務量的に個人に納税させられないでしょう。
・消費をもっぱら海外で行う消費の流出
国内旅行は、お金が余っている人しか行かなくなるとか、出先で買い込んで使用済みの状態で国内に持ち込む人が増えるとか。
これの対策は、個人の海外消費にも外貨購入かクレジット決済などで、「資産購入目的」以外には課税するとか、対策が欲しい。でも対策も難しい。

 問題点に良い対策をご存知だったら教えてくださいね。
 
 6さんの方式は、「基礎消費分の定額還付」ということで、消費税10%に対して年に一人10万円を定額還付するとか(年に一人100万円分が基礎消費。このくらいだと税収は余る)で、税率の応じて漸進的に対策の完備状況、予期しない弊害の監視をしつつ進めれば、多分安全でしょう。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民104掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民104掲示板  
次へ