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日経平均株価は18日、約3カ月半ぶりに1万7000円を割り込んで取り引きを終えた
株価1万7000円割れが一時的であると考えるワケ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160118-00101020-shikiho-biz
会社四季報オンライン 1月18日(月)18時56分配信
2016年に入ってから、株価の下落局面が続いている。中国の株式市場の混乱に端を発したという見方もできるが、実際には米国の利上げの影響を懸念しての持高調整が続いているということだろう。さらに、原油価格の下落が中国の景気減速懸念や産油国のオイルマネーの換金売り懸念につながり、株式市場を大きく下落させる要因となっている。
原油価格の下落が「リスク回避」のためだとすると、その流れが止まれば株式市場の下落も止まる。「リスク回避」と言えば、08年秋のリーマンショック時に一気にリスク回避の動きが出て大きな下げとなった。しかし、アベノミクス相場と言われたここ何年かの間にも、相場が急落する局面はあった。
では、リーマンショック時との大きな違いは何だろうか。まず、今回は「金融不安」と言う言葉が出ていない。景気が落ち込む「かもしれない」ということで売られ、リスクが回避されることはあっても、「疑心暗鬼」で金融機関の経営自体がおかしくなるという懸念は出ていない。つまり、リーマンショック時のような「どうなれば不安がなくなるのか」が見えないことがリスク回避に拍車をかけるという、負の連鎖は起きていない。
■ 何も変わっていない
今回の急落の発端は、13年5月の米国の緩和政策の見直しだったと考えられる。そこに「シェール革命」がもたらした原油安が加わり、原油安が「リスク許容度の低下」につながってリスク回避の流れとなった。ただ、原油安も多分に戦略的なものを感じる。したがって原油価格が安くなったからと言って、金融不安が高まるということはないだろう。
原油価格が下落することで、アラブや北欧のオイルマネーが枯渇すれば問題は大きい。しかし、単純に株などに投資していたオイルマネーの持ち高調整だけであれば、昨年8〜9月、そして13年の5〜6月、14年1〜4月の急落局面のように、「一過性」で終わる可能性が高い。
中国の景気に関しても同じことで、確かに輸出入が減少したということはあるかもしれないが、中国国内での生産(=消費)は増えており、貿易統計に表れない資金の流れが拡大しているということだろう。中国で起きているのは、経済構造の変化にすぎないと思う。ここからは農業の近代化がさらに進み、中間層も増えていくことになると考えられる。つまり、日本経済がオイルショックなどで踊り場となったような状況だ。
本当に中国の景気が悪いのであれば、自動車販売の伸びが鈍化するだけではなく、販売台数自体が減少しているはずだ。GDP(国内総生産)で世界第2位の中国のGDPの伸び率が6%であったとしても、生活水準の向上などもあり、世界的な経済の拡大は続いているということには違いない。
欧州ではデフレ傾向が一服し、日本でも原油価格下落の影響はあるものの、デフレが進んでいるということではない。特に、日欧では原油価格の下落は逆にメリットの大きい企業もあり、経済活動にプラスに働く面もあると思われる。
■ リーマン後の回復相場は終わっていない
米国内でも原油価格の下落はシェール企業への影響はあるのだろうが、クルマ社会ではガソリン価格の下落が好都合なことも多い。また、原油価格の下落は多分に投機的な動き、戦略的な観点から下値を試す動きになっていると思われ、オイルマネーが慌てて生活資金を換金するということもないと思われる。
結局、リーマンショックからの回復相場は終わっておらず、世界的な金余り、金融緩和傾向に変わりはない。米国の利上げも決して「金融引き締め」ではなく、通常の状態に戻っただけだ。米国の景気がここから極端に悪くなるとか、欧州の企業や日本の企業が原油安からの消費減少によって立ちいかなくなるということもないだろう。
そう考えると、ここからさらに悲観的になるというよりは、「買い場を探す」局面になるのではないか。昨年8〜9月の急落過程でも、日経平均の1万7000円水準、TOPIXの1400ポイント水準を下回って大きく売り叩かれるということはなかった。
また、一昨年10月末の日銀の追加金融緩和(=「黒田バズーカ」)時の1万6500円水準を下回るということは、リーマンショックから日本が立ち直り切れていないということであり、「アベノミクス」以前の閉塞状態に戻るということになる。しかし、当時と比べNISA(少額投資非課税制度)など証券市場を巡る環境が好転しており、それを考えても足元の状況は「売られ過ぎ」ということになる。
日経平均の予想PER(株価収益率)は15倍水準を割り込んでいる。東証一部に絞っても15日終値時点でPBR(株価純資産倍率)が1倍を割り込んでいる銘柄が683銘柄あるということを考えると、割安水準と見ても良い。
■ 軟調相場の注目銘柄は?
ここはPBRが1倍を以下で経常増益が期待される昭和電工 <4004> や凸版印刷 <7911> 、クレディセゾン <8253> 、そしてPBRが1倍を割り込んでPERや配当利回りから見ても割安感があるトヨタ <7203> やキヤノン <7751> 、三菱重工業 <7011> などの主力大型株が注目される。
今回の下落の要因が「オイルマネー」の換金売りだとすれば、「良い銘柄」でも「割安銘柄」でも関係なく売られている可能性があり、「お買い得」と言うことになるのだと思う。
18日の日経平均の終値は1万6955円と1万7000円を割り込んだが、ここから戻りを試す動きとなることは十分考えられる。これから1万7500円までは戻りが早く、そして1万8000円程度まで、あるいは1万8500円程度まで戻っても良いのではないかと考えている。
清水洋介/大和証券、マネックス証券、リテラ・クレア証券など経て、現在アルゴナビスでフィナンシャルコンシェルジュ
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
清水 洋介
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