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1月15日、米国株式市場にベアマーケットのサインが点灯するなか、世界の著名投資家の一部は、さらに10─20%下落する可能性があると予想しており、まだ買いを入れる時期ではない、と考えていることが分かった。ニューヨークで撮影(2016年 ロイター/Brendan McDermid)
アングル:米国株、著名投資家はさらに20%下落予想
http://jp.reuters.com/article/usa-stocks-bear-idJPKCN0UW0KC
2016年 01月 18日 16:26 JST
[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米国株式市場にベアマーケットのサインが点灯するなか、世界の著名投資家の一部は、さらに10─20%下落する可能性があると予想しており、まだ買いを入れる時期ではない、と考えていることが分かった。ただ、2008年に起きたような急落はない、との見方が主流のようだ。
中国経済の成長鈍化、米連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクル開始、米企業収益の悪化という3重苦を背景に、市場では米国がリセッション(景気後退)に突入するとの懸念が強まっており、著名投資家は、株式、クレジット、コモディティー市場の苦境を予想している。
グッゲンハイム・パートナーズのグローバル最高投資責任者(CIO)、スコット・マイナード氏は「株価は現在の水準から10%ないしは15%下落するリスクがある。大きな不透明要因は中国」と話す。
新年が始まってわずか2週間の間に、S&P総合500種指数はすでに8%超下落した。原油価格は1バレル=30ドルを割り込み、米経済の成長率予想も低下している。バークレイズは、昨年第4・四半期の米国の国内総生産(GDP)伸び率をわずか0.7%と予想している。
ダブルライン・キャピタルを経営するジェフリー・ガンドラック氏は、株式とクレジット市場は今年前半は苦戦し「年央までにさらにひどい局面になる」が、その後は買いのチャンスが到来するとしている。
空売りで名高いビル・フレッケンスタイン氏は、FRBが債券買い入れプログラムを停止した2014年10月から株式市場の下落基調は始まったと指摘。「今がベアマーケットであることは確か」と述べた。
企業業績の退潮も鮮明だ。トムソン・ロイターの調査によると、米S&P総合500種指数採用企業の2015年第4・四半期決算は、前年同期比で4.7%の減益となる見通し。予想通りなら、2四半期連続の減益となり、2015年通年では利益のゼロ成長が見込まれている。
<追加利上げ、正当化困難に>
米経済をとりまく環境の悪化にはFRB当局者も留意している。
セントルイス地区連銀のブラード総裁は14日、国際石油市場の下落が米インフレ期待の「厄介」な低下をもたらした恐れがあると指摘、追加利上げを正当化することが困難になるかもしれないと語った。さらに、米ニューヨーク連銀のダドリー総裁は15日、インフレ期待が下振れ方向へと目標から離れていくことに対する懸念がある、と指摘した。
およそ1550億ドルの運用資産を擁する世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーターのグレッグ・ジェンセン共同CIO兼共同最高経営責任者(CEO)は「株価は今後、FRBが万能ではないという事実を織り込み始め、徐々に下値を切り下げるだろうが、2008年に見られたような売りが売りを呼ぶ展開にはならない」との見方を示した。
(Jennifer Ablan記者 翻訳:吉川彩 編集:吉瀬邦彦)
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