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中国経済は「新常態」へ 日系企業の発展は?
http://www.asyura2.com/15/hasan104/msg/440.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 1 月 13 日 23:41:15: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


中国経済は「新常態」へ 日系企業の発展は?
人民網日本語版 2016年01月12日08:30

2010年に中国の国内総生産(GDP)が日本を抜いて世界2位になると、中国経済にはそれまでの30年間とは明らかに異なる特徴がみられるようになった。成長率が徐々に鈍化し、14年には7.3%に低下した。こうして中国経済は「新常態」(ニューノーマル)の時代に突入し、重点任務がイノベーションと経済の構造調整へと変化した。人民網が伝えた。

こうした経済情勢の下、中国の日本企業の経営状況はどうなっているだろうか。日系企業は中国事業をどのように考えているのか。中国の日本企業の今後の投資の方向性や事業発展の方向性はどこにあるか。これらの点をめぐり、日本貿易振興機構(ジェトロ)は8日に北京で「『新常態』に向けた構造調整における日本企業の中国事業」と題する説明会を開催し、北京事務所の田端祥久所長が詳しい説明を行った。

▽日系企業の半数以上が「現状維持」を希望 「内販型ビジネスが方向性」が主流に

田端所長によると、ジェトロはこのほど「2015年度在アジア・オセアニア日系企業実態調査」を行い、日系企業の中国事業の経営状況、今後の発展について分析を行った。調査の結果をみると、「今後1〜2年間の事業発展の方向性」については、「事業を拡大する」と答えた企業は38.1%で、1998年の同調査開始以来、初めて40%を下回り、昨年の46.5%から8.4ポイントも減少した。「現状維持」とした企業が最多で53.1%を占めた。「投資を縮小する」、「移転する」、「撤退する」が10.5%で、昨年の7.5%から3ポイント増加した。

田端所長はこうした数字について、「日系企業全体が投資意欲を低下させているわけではなく、業種や地域ごとの違いが大きい」との見方を示した。業種別にみると、非製造業は「事業拡大」の割合が製造業よりも多かった。また食品、輸送機械、卸売・小売などの中国の国内市場に方向性を定める企業は「事業拡大」の割合が高かった。繊維などの輸出加工型企業ではこの割合が低く、20%を割り込んだ。地域別にみると、湖北省、北京市、上海市など域内での販売の割合が高い地域で発展する企業は事業規模拡大の意欲が相対的に強く、山東省や遼寧省など輸出の割合が高い地域で発展する企業は事業拡大の意欲が低かった。

同時に、商務部(商務省)がここ数年発表している日系企業の対中投資の金額と新規投資プロジェクトの件数を分析すると、主に次の3つの特徴があることがわかる。(1)昨年第3四半期(7-9月)に日系企業の投資額がさらに減少した。(2)08〜15年のデータをみると、各四半期の投資額は10億ドル(約1171億円)前後。平均値をみると、14〜15年の投資額に大幅な低下はみられず、これは11〜13年の投資の伸びが相対的に過剰だったことを別の面から物語る。投資の激増を招いた原因は中国経済の発展の速さ、円レートの高さにあり、これが海外投資にプラスにはたらいた。(3)新規調印された投資プロジェクトをみると、15年第3四半期は前四半期に比べて大幅に増加しており、このため今後の投資額は増加傾向を示すことが予想される。

15年の計画として「投資を縮小する」、「移転する」、「撤退する」を挙げた企業の割合が増えたことの主な原因として、田端所長は企業の売上高の減少、人件費の上昇、発展の潜在力の低下を挙げる。

▽「新常態」の下の日系企業 事業構造の再編がぜひとも必要

調査結果を検証するため、ジェトロは中国の日系企業27社に対するアンケート調査も行った。それによると、多くの企業が中国経済の成長ペースの鈍化を実感していると答えたが、楽観的な態度を維持するとともに、中国市場に合わせて事業構造の調整を行う必要があるとの見方を示した企業が少なくなかった。

調査によると、中国の経済成長率はやや鈍化したに過ぎないとし、今後の動きに期待する企業があった。また中国経済は「新常態」に突入したが、経済成長率は引き続き高水準で、市場の潜在力も大きく、産業は高度化の方向へと発展しつつあり、個人消費にはまだ大幅な低下はみられず、消費は依然活発で、質の高い製品に対する中所得層の消費意欲は衰えていないとみる企業もあった。

アンケート調査で、一部の企業は中国市場に対して事業調整を行うとの積極的な姿勢をみせた。こうした企業は現在の企業の事業と市場には不釣り合いなところがあり、取り扱う製品の強みが中国の市場環境に適合しておらず、ビジネスモデルを改善し、戦略を調整する必要があるとしている。また一部の企業は中国市場は環境、健康などの分野に潜在的かつ巨大なビジネスチャンスがあり、新型事業を開拓して新たなビジネスの流れを生み出し売上高を伸ばすために努力すると答えた。

▽製品は加工型低付加価値製品からハイテク高付加価値製品へと発展

ジェトロは中国の日本企業に対する「実態調査」だけでなく、日本国内の企業141社(中国にある日系企業の本社)に対しても補助調査を行った。「中国経済のペースダウンが全体として企業の事業に影響を与えているか」との質問に対し、「マイナス影響がある」とした企業が30%前後を占め、「プラスの影響もあればマイナスの影響もある」は60%に達した。「今後、中国事業を拡大する計画がある」としたところは43%を占めた。

多くの企業が、消費、情報通信技術(ICT)、環境、健康、介護、物流、中・小型自動車などの事業を拡大したいと答えた。円安や中国の人件費増大にともない、企業は低付加価値製品から高付加価値製品へと移り変わる傾向をみせている。(編集KS)

「人民網日本語版」2016年1月12日


http://j.people.com.cn/n3/2016/0112/c94476-9002116.html

 

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コメント
 
1. 2016年1月14日 04:12:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[141]
通貨が世界の中銀の関心事に、経済に悪影響や妥当な政策の妨げにも
2016/01/14 03:42 JST

    (ブルームバーグ):世界の中央銀行当局者らに共通する今年の関心事は、自国通貨の為替レートかもしれない。公言するしないにかかわらず、中銀は需要とインフレ押し上げの手段として自国通貨安に目を向けているようだ。
中国は先週、人民元の下落を容認するような行動で世界の市場を動揺させた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は先月、ユーロ相場は「物価安定と成長にとって重要」と発言。米国は先月に利上げに踏み切ったが、フィッシャー連邦準備制度理事会(FRB)副議長は2014年半ばからのドルの上昇が利上げ開始を遅らせていたと述べている。
ウニクレディト銀行の世界チーフエコノミスト、エリック・ニールセン氏は10日のリポートで「世界の多くの中銀が事実上、為替レートを政策の目標にした」と指摘。自国通貨安がもたらす恩恵は競争相手国の減速によって結局は相殺されるため、これは世界経済に悪影響を与える恐れがあると分析した。
一方、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジー世界責任者、マーク・チャンドラー氏は「中銀が国内経済を再膨張させるために金融を緩和して通貨が下落するたびに、これを近隣窮乏化政策だと批判するのは公正ではない」とし、利下げは「内需喚起に役立ち、その一部は海外のモノやサービスへの需要になる」と解説した。
HSBCホールディングスによると、金利見通しに対する為替トレーダーらの感応度はここ15年で最高。これは、引き締めを実施しようとする中銀が自国通貨高、ひいてはインフレ低下圧力に見舞われるということだ。米国の場合、これによって今年の利上げは当局者らが考えている4回ではなく、2回にとどまる公算があるとHSBCはみている。
「金融政策の正常化が軌道に乗るには、主要国・地域が足並みをそろえて引き締められるようになるのを待つ必要があるかもしれない」と、デービッド・ブルーム氏らHSBCのストラテジストは先週のリポートに記述。「為替相場は、この先の金利の妥当な道筋の障害になるだろう」と指摘した。
原題:Central Bankers Rattle Currency Sabers to Keep FX Rates Weak(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: James Hertling jhertling@bloomberg.net
更新日時: 2016/01/14 03:42 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O0UJZ0SYF01Y01.html


今年4回の米利上げ、世界経済は耐えられない−サマーズ元米財務長官
2016/01/14 03:41 JST

    (ブルームバーグ):世界の商品や株式市場は「リスクが著しく下振れ方向に傾いている」とのメッセージを発しており、米連邦公開市場委員会(FOMC)はこれに耳を傾けるべきだ−。サマーズ元米財務長官は13日、このように力説した。
サマーズ氏はブルームバーグのテレビインタビューで、物価や成長の弱さを鑑みれば、想定される年内4回の米利上げに世界経済が順応するのは困難だろうと指摘。「世界経済が4回の利上げに難なく耐えられたなら驚きだ。市場も私の見方に基本的に賛成していると思う」と言明した。
だからこそ、あらゆる可能性に備えておくことが重要だとも語り、「本当に、政策当局者が考えなくてはならないことは、よりネガティブなシナリオに対する備えだ」と説いた。
サマーズ氏はまた、向こう2年以内に米金融政策が逆戻りの必要に迫られる「著しいリスク」があるとも発言。米国に「脆弱(ぜいじゃく)性がないわけではない」のに、世界は米経済を「あまりに当てにしている」と付け加え、適切な姿勢は財政支出拡大も含め、著しい減速があった場合に備えておくことだと強調した。
さらに、中国経済の減速が広がっていく「現実的な見通し」があるほか、他の新興市場国・地域も「問題多発の最悪の状況に近い」局面に直面していると指摘。世界が「需要不足」の危機に既にさらされている中で、デフレの圧力は強まっていると続けた。
原題:Summers Says Global Economy Can’t Withstand Four 2016 Fed Hikes(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Shobhana Chandra schandra1@bloomberg.net;ワシントン Victoria Stilwell vstilwell1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Carlos Torres ctorres2@bloomberg.net Jonathan Ferro, David Westin
更新日時: 2016/01/14 03:41 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O0WLCSSYF01Z01.html


サマーズ、ガンドラック両氏がFOMCの追加利上げ方針に異議
2016/01/14 02:44 JST
    (ブルームバーグ):世界経済の成長減速を鑑みれば、米連邦公開市場委員会(FOMC)が想定する年内の追加利上げはあまりに野心的過ぎる−。このような認識を債券投資家のみならず、サマーズ元米財務長官やダブルライン・キャピタルの共同創業者ジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)が示した。
ガンドラック氏は米金融当局の行動は存在しないインフレとの戦いで、国内総生産(GDP)の伸びに打撃を与えていると指摘。サマーズ氏は当局が今年想定する4回の利上げに世界経済は耐えられないと語った。
原油が12年ぶり安値に値下がりする中、中国発の世界の金融市場混乱はグローバルな成長減速懸念をあおり、米インフレ率が賃金上昇に伴って段階的に高進するとの米金融当局の見通しは市場で疑問視されるようになっている。デリバティブ(金融派生商品)市場が織り込んだ年内1回当たり0.25ポイントの政策金利引き上げの回数は、実に2回を下回っている。
サマーズ氏は13日、ブルームバーグのテレビインタビューで、「世界経済が4回の利上げに難なく耐えられたなら驚きだ」と言明。「市場も私の見方に賛成だ。だから、市場は4回の利上げを見込んでいない」と続けた。
ガンドラック氏も市場見通しに関する12日のウェブ放送で、「16年第1四半期に実に醜い状況を目にする恐れがある」と述べ、「低下するインフレに対して米金融当局が利上げのドラムを鳴らし続けた場合、そうした事態が起こる確率は特に高い」と語った。
原題:Gundlach to Summers Side With Bond Market Against Fed Rate Path(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Susanne Walker Barton swalker33@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Boris Korby bkorby1@bloomberg.net
更新日時: 2016/01/14 02:44 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O0WGQPSYF02001.html


ボストン連銀総裁:利上げの道筋に下振れリスク−成長・物価見通しで
2016/01/14 01:37 JST
    (ブルームバーグ):米ボストン連銀のローゼングレン総裁は、米経済成長見通しが後退しつつあり、金融政策当局が見込む利上げの道筋にリスクをもたらしているとの認識を示した。
ローゼングレン総裁は13日、ボストン商業会議所で講演。事前に配布された原稿によれば総裁は、政策当局者らが昨年12月に示した予測の中央値は2016年の政策金利の道筋についての「妥当な予想」を示しているとした一方、この予測は「下振れリスク」にさらされていると述べた。その上で、「今後も海外の経済情勢のほか、国内経済のいかなる軟化や米国のインフレの道筋に大きな注意を払っていく」と語った。
総裁は「金融当局として適切な政策の道筋について検討する中、政策当局者らは自身の経済予測に対する下振れリスクを真剣に捉え、それらリスクに対処すべきだ」と語った。
また「そうした下振れリスクは、主要貿易相手国の多くに見られる脆弱(ぜいじゃく)性に伴う向かい風の継続や、予想されるインフレの道筋を支持するデータがほんのわずかしかないことを反映している」と説明した。
FOMCメンバーらはインフレ率について、16年に1.6%に上昇し、18年には当局の目標である2%に達すると予想している。
ローゼングレン総裁は「追加の引き締めには、経済成長が潜在成長率もしくはそれを上回る水準になるほど十分に力強いというデータが今後も示される必要がある。それにより金融政策当局者らは、インフレ率が目標の2%に到達するとの自信を得られるためだ」と述べた。
原題:Fed’s Rosengren Says Growth, Inflation Risks Threaten Rate Path(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先: Washington D.C. Christopher Condon ccondon4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Carlos Torres ctorres2@bloomberg.net
更新日時: 2016/01/14 01:37 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O0WDUPSYF01T01.html

2016年 01月 14日 01:56
米利上げペース、経済減速で想定下回る可能性=ボストン連銀総裁

[ボストン 13日 ロイター] - 米ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は、海外および国内経済の減速により、米連邦準備理事会(FRB)は現在の想定よりも緩やかなペースで利上げを余儀なくされる可能性があるとの認識を示した。講演で述べた。

今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ総裁は、中国株急落や原油安などが「世界経済の成長が著しく鈍化しているとの懸念を強める」と指摘。年末時点の米経済成長見通しは、減速している可能性が高まっていると述べた。

その上で、継続的なインフレ指標の弱さもあわせ、FRBは昨年12月時点で4度を想定していた年内の利上げペースを緩める必要に迫られる可能性があるとした。

金融緩和が継続している日本やユーロ圏と比較して、米国は成長サイクルの次元が異なることも、米金融当局者にとって課題になっていると指摘。金融政策は目先の一時的な変動に過剰反応すべきではないとしながらも、「政策担当者は経済見通しに対する下振れリスクを真剣に受け止め、適切な金利軌道を検討するにあたりこうしたリスクを管理する必要がある」と述べた。

また「そうした下振れリスクは、米国の主要貿易相手国の多くでみられるぜい弱性を起点とした、経済の継続的な逆風を反映している」とした。

10年ぶりとなった昨年末の利上げは「問題なく」行なわれたとの認識を示したが、2回目の利上げは厳しい試練に直面するとした。

その上で「さらなる利上げには、インフレ率が2%の目標に戻るとの自信をFRB当局者が持てるよう、米経済が引き続き潜在成長率か、これを上回るほど十分力強いことを示すデータが必要」とした。

質疑応答では、FRBの行動をめぐる市場の予想に当局者は間違いなく目を向けるが「市場がFRBの行動を決定することはない」と釘を刺した。またFRBの予想は時として誰も想定していなかったイベントによって覆ることがあるとし、「ドルや商品(コモディティ)価格の動きはわれわれの想定の範囲外だった」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/usa-fed-rosengren-idJPKCN0UR1W620160113


2016年 01月 13日 23:30
最近の市場混乱、米経済のすう勢反映せず━ダラス連銀総裁=通信社

[ワシントン 13日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のカプラン総裁は、最近の国際金融市場の混乱について、注視し理解する必要があるとしたが、米経済の基調を反映していない可能性があるとの認識を示した。ブルームバーグテレビとのインタビューで述べた。

消費者は足元の市場のシフトを「深読み、または過剰反応」すべきでないと指摘。「市場がおそらく示唆していることを理解するには時間を要する」とした。また中国は景気循環的ではなく、根本的な多くの経済問題に対処しているとし、何年もかかるだろうと述べた。

米経済については、完全雇用達成に向け「大きく前進している」とした。
http://jp.reuters.com/article/usa-fed-kaplan-idJPKCN0UR1X020160113


スイスフラン、依然「かなり割高」=中銀副総裁
スイス中銀のヨルダン総裁(中央)、ツアブリュック副総裁(左)、メクラー理事(ベルン、2015年12月) ENLARGE
スイス中銀のヨルダン総裁(中央)、ツアブリュック副総裁(左)、メクラー理事(ベルン、2015年12月) PHOTO: AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By BRIAN BLACKSTONE
2016 年 1 月 14 日 00:40 JST

 【チューリヒ】スイス国立銀行(中央銀行)のツアブリュック副総裁は13日、スイスフランは依然として「かなり割高」だとし、必要とあらば為替市場に介入する心積もりだと述べた。

 ツアブリュック副総裁は一方で、フラン高にもかかわらずスイス企業は研究開発への投資と高度な技術を持つ労働者に支えられ、高い競争力を維持していると指摘した。

 同中銀は昨年1月15日に対ユーロのフラン相場上限を撤廃し、フランが急騰。スイス製品の価格が海外市場で上昇し、国内では消費者物価が下落した。13日の欧州外国為替市場では日中の取引で1ユーロ=1.09フラン程度と、上限に設定されていた1.20フランに比べて約10%のフラン高となっている。

 ツアブリュック副総裁は「スイス中銀の決定は時宜を得ていたと確信している」と言明。

 「この難しい段階を経なければ、中長期の物価安定という責務を達成する能力が損なわれていたことだろう」と中銀の判断を擁護した。ツアブリュック副総裁も同中銀の他の幹部と同様に、フラン上限を維持するのは困難で、徹底するにはコストが掛かり過ぎるようになっていたと説明した。

 「スイスの競争力は短期的に圧迫された」としつつ、「世界の主要国の間でスイスが占める競争順位でも明らかなように、長期的に見れば為替動向は競争力に影響する要因の一つに過ぎない」と結論づけた。

 スイス中銀は昨年、スイス資産への投資妙味を弱める目的で預金金利をマイナス0.75%に引き下げた。当局者は為替市場への介入に意欲を示している。

 ツアブリュック副総裁は「こうした措置は通常の状況に戻るにはまだ長い道のりが残っていることを示している」とし、「過去数年の危機の間、国内と海外の資本が安全逃避で流れ込みスイスフランに大きな上昇圧力がかかった。ここ数カ月はやや軟化したが、フランは依然としてかなり割高だ」と述べた。

 ツアブリュック副総裁は長期的な平均為替レートに基づき、フラン相場が約15%割高だとの見方を明らかにした。

欧州株:ストックス600、辛うじて続伸−鉱業株とエネルギー株が反発
2016/01/14 02:59 JST

    (ブルームバーグ):13日の欧州株式市場では指標のストックス欧州600指数は約1カ月ぶりの続伸となった。取引終了までの2時間で上げ幅のほとんどを失ったものの、辛うじてプラス圏で終了した。
米原油在庫の増加でエネルギー銘柄は上げ幅を縮めたものの、上昇率は業種別指数の中で首位となった。鉱業銘柄は前日付けた12年ぶり低水準から反発。リオ・ティントとランドゴールド・リソーシズの上げが目立った。
ストックス600指数は前日比0.4%高の344.63で終了。中国の貿易統計が予想を上回る内容だったことを手掛かりに一時1.9%高となった。
ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、アラン・フォンメーレン氏は「市場では中国のハードランディングが織り込まれつつあった。最新の貿易統計と中国中銀が人民元の安定化に取り組んだことで、こうした懸念は行き過ぎだったように思われる」と発言。「恐らく市場は反対方向に向かうだろう。エネルギー関連銘柄が最も大きな打撃を受けていたことから、大きく反発したのは理にかなう」と続けた。
エネルギー銘柄は10営業日ぶりに上昇し、前日付けた2009年以来の安値から反発。英タローオイルは4.7%の大幅高。今年の設備投資額を削減する計画を発表したことが買い材料視された。
ドイツのDAX指数は0.3%安で引けた。一時は1.8%上げていた。自動車メーカーのBMWとタイヤメーカーのコンチネンタルがいずれも2%強の値下がり。一方、電力会社エーオンは4.1%上昇。同社が保有する北海の英国側にある石油・ガス資産を英プレミア・オイルが買収すると、ロイター通信が報じたことが手掛かりとなった。
原題:Europe Stocks Rise for 2nd Day as Miners, Energy Shares Rebound(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Namitha Jagadeesh njagadeesh@bloomberg.net;マドリード Camila Russo crusso15@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Cecile Vannucci cvannucci1@bloomberg.net
更新日時: 2016/01/14 02:59 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O0WJ6E6JIJUY01.html


Business | 2016年 01月 14日 01:59 JST
ドイツ財政黒字予想のほぼ倍、余裕資金は移民・難民受け入れに活用

[ベルリン 13日 ロイター] - ショイブレ独財務相は13日、2015年のドイツの財政収支は121億ユーロの黒字となり、黒字幅は予想のほぼ倍だったことを明らかにした。余裕資金は移民・難民の受け入れに活用する、との考えを示した。

財政黒字は予想では61億ユーロだった。ドイツの財政は2016年も3年連続で均衡を達成できる可能性が出てきた。財務相は声明で「もし可能であるならば、今年も新規債務なしで行きたい」と語った。

一方、経済省は同日した公表した月次報告書で、ドイツ経済は緩やかに景気が持ち直しているとし、第4・四半期に経済が拡大した可能性が大きいとの見方を示した。産業活動は弱まったものの、雇用や実質所得は増加したとしている。

また昨年流入した110万人の難民が個人消費を押し上げていると指摘。健全な雇用市場や低金利、賃金増加などもあわせ、世界経済の逆風を和らげる一助となっているとの認識を示した。
http://jp.reuters.com/article/germany-refugees-idJPKCN0UR17P20160113

欧州債:ドイツ債上昇−インフレ期待示す指数低下で緩和拡大との見方
2016/01/14 02:33 JST

    (ブルームバーグ):13日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。10年物利回りはロンドン時間午後4時34分現在、前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.51%。同国債(表面利率1%、2025年8月償還)価格は0.25上げ104.6となった。
また、インフレ期待の指標として欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が重視する5年先スタートのインフレスワップ5年物フォワードレートは今週、昨年10月以来の低水準を付けた。年明けからの中国発の市場混乱がインフレ期待を抑えており、みずほインターナショナルやロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)のアナリストらはECBが緩和策を拡大する必要があるとみている。
みずほの金利戦略ストラテジスト、ピーター・チャットウェル氏は、ドラギ総裁らECB当局者が3月の定例政策委員会で国債購入プログラムのペース加速を決定すると予想。RBSはECBが預金金利をさらに引き下げ、それによって域内の国債相場が上昇するとみている。
ECBのチーフエコノミストであるプラート理事は12日付の南ドイツ新聞への寄稿で、低インフレが長期見通しに影響してきたと指摘した上で、2%弱のインフレ率を目指す方針が変更されることはないと記した。
チャットウェル氏は13日のリポートで「プラート理事やドラギ総裁ら、政策委員会の主要メンバーからは向こう1カ月にハト派的な発言がさらに聞かれるだろう」とし、3月に「ECBが公的セクターの購入プログラムのペースを速めると予想している。そうならない場合、インフレ期待は一段と下がるだろう」との見方を示した。
RBSのロンドン在勤アナリスト、マルコ・ブランコリーニ氏は、ドイツ10年債の利回りが6カ月以内に0.16%まで低下する可能性があると予想。イタリア10年債は0.75%まで下げると見込んでいる。
原題:Europe’s Weakening Inflation Outlook Spurs Calls for ECB Action(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Eshe Nelson enelson32@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: David Goodman dgoodman28@bloomberg.net
更新日時: 2016/01/14 02:33 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O0WHQX6JIJUO01.html


016年 01月 13日 19:36 JST
フランスは改革の継続を 成長支援と失業対策に不可欠=中銀総裁
[パリ 12日 ロイター] - 仏中央銀行のビルロワドガロー総裁は12日、フランスは成長率を高め失業を減らすために改革を続ける必要があると強調した。

総裁はヨーロッパ1ラジオに「成長は何よりもわれわれが行う改革にかかっている」と述べ、失業対策を成功させるには長期的な取り組みが不可欠と指摘した。

その上で政府に見習い制度の拡充や雇用制度の柔軟化などを実現するよう訴えた。
http://jp.reuters.com/article/france-economy-ecb-idJPKCN0UR18I20160113


2016年 01月 13日 20:43
インタビュー:物価に先駆けた賃上げを、デフレ脱却に不可欠=連合会長
 
[東京 13日 ロイター] - 連合の神津里季生会長は13日、政府が目指すデフレ脱却に向け、物価上昇に先駆けた賃上げが必要との見方を示した。その上で、継続的に賃金が上昇するという実感を広げていくことが、消費購買意欲の向上に欠かせないと強調。

2%程度のベースアップ(ベア)要求基準を掲げた方針が、より現実的であるとの見解を示した。

ロイターとのインタビューで語った。神津会長は、過去のインフレ局面と比較した上で「(足元の)物価が上がっていないからといって賃金を上げなければ、デフレ脱却は永遠にできない」と述べた。

今年の春闘は、賃上げがこれからも続くかどうかが問われているとした上で、個人消費を刺激するためには、ボーナスではなく月例賃金の引き上げが不可欠だと語った。

アベノミクス第2ステージで掲げた名目国内総生産(GDP)600兆円の実現に向け、政府は年3%の賃上げが必要との見方だが、連合は2016年春闘での要求内容で、ベアは「2%程度を基準」、定期昇給分とあわせて「4%程度」とした。

ベアについて政府から「消極的」との声も漏れるが、神津会長は「要求を高く掲げて世の中全体の底上げになるのであれば、いくらでも高く掲げる」と反論。政府がGDP600兆円目標から逆算してはじき出した「賃上げ3%」は「画に描いた餅」だと批判した。

また、「基準」との文言を入れて幅を持たせたことで、子会社や系列グループが親企業よりも高い要求を打ち出せない「悪しき文化」を転換させるのも狙いだと述べた。

*写真を追加して再送します。

(梅川崇、梶本哲史 編集:内田慎一)
http://jp.reuters.com/article/interview-rengo-idJPKCN0UR16320160113


2016年 01月 13日 19:36 JST 関連トピックス: トップニュース
ロシア、原油安長期化に備え歳出削減も 財務相「厳しい決断必要」

[モスクワ 13日 ロイター] - ロシアのシルアノフ財務相は13日、原油価格が1バレル=82ドルにならなければ予算が均衡しないとの見解を示し、長期的な原油安の可能性に備え、政府の歳出に関して厳しい決断を下す必要があると指摘した。

2016年の予算では1バレル=50ドルの原油価格が想定されているが、国際指標である北海ブレント原油先物LCOc1は13日時点で31ドル近辺となっている。

同相は16年下期に原油価格が回復し始める可能性があるとの見方を示した上で、同年の予算で想定される原油の平均価格は1バレル=40ドルに引き下げられるべきだとし、「新たな現実に予算を適応させることがわれわれの任務だ」と述べた。

さらに「(原油)価格が1バレル=82ドルをつけた際に予算は均衡するだろう。したがって予算方針に関しては決断しなければならないことが依然多い」と指摘した。

2015年の財政赤字は対国内総生産(GDP)比約2.6%だったという。

一方、ウリュカエフ経済発展相は「商品価格安が長期化すると確信している。(原油価格は)20ドルや15ドルに下落する可能性もあり、警戒する必要がある」と指摘。

「市場の論理では、きょうの下落が大きいほど明日の反発も大きくなるとされるが、これが最大のリスクではない。最大のリスクは低価格が数年、数十年と長期間続くことだ」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/russia-spending-cut-idJPKCN0UR18G20160113


2. 2016年1月14日 04:43:41 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[142]

「世界の工場」倒産続々 景気減速の中国、輸入急落
北京=斎藤徳彦、ワシントン=五十嵐大介2016年1月14日00時18分
写真・図版
昨年末に解散に追い込まれた「中天信電子」の工場。入り口の掲示板に、解散や未払い給料についての通知が多数、貼られていた=7日、広東省深?
写真・図版
 モノのやり取りで世界最大を誇る中国の貿易額が昨年、リーマン・ショック時以来となる減少に見舞われた。国内景気の減速に悩む中国にとって輸出の不振は最大の誤算だ。輸入の急落は世界経済にさらなる混乱を広げている。

 「経営不振で資金繰りがつかず、全従業員に解散を告げざるを得ない」

 広東省深?市。スマートフォンやテレビ機器の生産を請け負う従業員3千人規模の「中天信電子」の工場にある掲示板に、昨年10月の社内イベントで仮装して笑顔で歌う従業員らの写真を覆い隠すように、12月25日付の「解散通知」が貼られていた。

 寮を去る準備をしていた元従業員の男性は語る。「工場が多すぎるんだ。海外の注文も減り、製造業はいま、真冬だよ」

 「世界の工場」の最先端として知られる深?では、高い伸びが期待できる新分野があると、各社が一斉に工場をつくる。需要減は、増えすぎた工場の淘汰(とうた)を引き起こす。スマホなどのハイテク関連でも、昨年は世界市場の伸びが見込みを下回り、液晶など関連メーカーが次々と倒産した。

 深?の最低賃金は過去10年で約3倍になった。輸出に有利だった「安い人件費」という条件は失われ、中国メーカーですら工場をインドなどに移す。周辺の「珠江デルタ地帯」では昨年、大型・中型に限っても80近い工場が閉鎖されたと報じられた。

 6年ぶりの輸出減について税関総署は「日米欧などと比べて減り幅はまだ小さい」と強調する。高速鉄道(新幹線)などの設備輸出を増やす考えだが、現場の痛みは増している。

 輸入はもっと減った。「市場」としての中国が持つ重みが増している各国への影響は大きい。象徴が、鉄鉱石や大豆など中国が最大の輸出先であるブラジルだ。昨年の輸出額は約1900億ドル(約22兆円)となり、前年より15%減った。主要株価は約7年ぶりの安値を記録した。

 日本企業も建機関連の輸出減などの影響を受ける。コマツの推定では、中国で主要建機の毎月の需要は昨年4月以降、前年と比べ4〜5割減が続く。スマホ生産設備などの需要も振るわない。日本工作機械工業会によると、15年1〜11月の工作機械輸出額は前年同期より約2割減った。

 為替市場では、中国人民銀行が昨年8月に人民元レートの切り下げに踏み切って以降、近年にない元安が進む。中国への輸出には、さらに不利となる。(北京=斎藤徳彦、ワシントン=五十嵐大介)

中国の貿易額、6年ぶり前年割れ 国際経済の不安要因に
上海ディズニーリゾート、6月16日開園 中国本土で初
乙武洋匡さん「パラリンピックを無くしたい」
中国、スウェーデン国籍のNGOスタッフ拘束
香港書店長ら失踪「中国当局が越境し拘束」 広がる疑念
中国、初の国産空母建造を公表 海洋進出の拡大狙いhttp://digital.asahi.com/articles/ASJ1F5STWJ1FUHBI029.html

中国の未来を悲観的に見なければならない理由
農民を豊かにできなければ真の大国にはなれない
2016.1.14(木) 川島 博之
中国国営通信が大失態、誤植で習主席の「辞任」報じる
「中国アフリカ協力フォーラム」で演説する中国の習近平国家主席(2015年12月4日撮影)。(c)AFP/MUJAHID SAFODIEN 〔AFPBB News〕
?20年以上にわたり奇跡の成長を謳歌して来た中国経済が曲がり角にある。2015年の第3四半期の成長率は6.9%、実態はもっと悪いとされる。年明けに株式市場が急落したことを見ても、中国経済が岐路に立つことは明らかであろう。

?今後、中国はどのような道をたどるのであろうか。新年にあたり、少し焦点を引いて、長期的な展望を考えてみたい。

今後の中国は「農村」にかかっている

?中国の将来についてエコノミストの意見は分かれている。楽観派は、高度成長は無理としても1人当たりのGDPが8000ドル程度であることを考えると、年率数%の成長は可能と見る。それによって2025年頃には米国と肩を並べるようになると考える。

?悲観派は、中国の不動産バブルは深刻であり、その崩壊によって成長が止まると見る。日本ではそれをきっかけにして共産党支配が崩壊するとの予測に人気があるようだ。

?筆者は農業・農村から中国を見てきたが、今後、中国が成長を続けて米国をもしのぐ大国になるかどうかは、その農村政策にかかっていると考えている(「農業」政策ではない)。

?これまでにも何度も言ってきたことだが、中国を人口13億人の国と見ることは適切ではない。中国は都市戸籍を持つ4億人と、農民戸籍である9億人によって構成されている。そして、農民戸籍を持つ人の中の3億人が都市に出稼ぎに出ている。その多くは「農民工」と呼ばれ、工場で働いている。

?彼らを低賃金で働かせることによって、中国は安い工業製品を作り出すことに成功した。それが奇跡の成長をもたらしたが、その果実は都市戸籍を持つ人々が独占してしまった。日本に爆買いにやって来る人々は、ほぼ全員が都市戸籍である。

工業による成長の限界

?今後、中国がより豊かな国になろうと思うのなら、奇跡の成長に取り残されてしまった農民戸籍を持つ9億人を豊かにする必要がある。だが、それは極めて困難な作業になる。

?農民工の賃金を無暗に上げることはできない。現在、農民工の月給は日本円にして6万円程度にまで上昇した。そのために、工場が中国よりも開発の遅れたベトナムやバングラデシュに移る動きか加速している。“China+1”である。これ以上、農民工の待遇を改善し続ければ、輸出競争力を失う。

?そしてより重要なことは、すでに多くの部門が過剰設備を抱えており、もはや工業によって国を豊かにすることができなくなってしまったことだ。

?このまま農民を農民工として働かせていても、一向に農工間格差を是正することはできない。この先、農民を豊かにするために残された道は、農村にサービス産業を起こすことだ。現在、どの先進国においても産業の中心はサービス産業である。

一向に埋まらぬ戸籍格差

?そのような目で見ると、中国の未来は限りなく暗い。農民を馬鹿にしてきたことのつけが回って来たとも言ってもよい。

?そもそも、「都市戸籍」「農民戸籍」などと言って、戸籍によって人を区別することがおかしい。戸籍制度は共産党が作ったものだが、このような制度ができた背景には、農民を一段下の人間として見る中国の伝統があった。だが、農民をないがしろにしてきたことは、中国が経済発展を続ける上で大きな足かせになっている。

?国務院人口調査(2010年)によると、中国の大都市(城と呼ばれる)の人口は4億人であるが、そこに住む人の22%は大学を出ている。23歳に限って見れば大卒の割合は42%にもなる。一方、約6億人が住む農村(郷と呼ばれる)の大卒割合は2%に過ぎない。23歳に限っても8%。都市と農村の教育格差は大きい。

?工業が発展する際には勤勉な人材が求められる。学歴は中卒や高卒程度でも十分だろう。しかし、サービス業が発展する際には創造性が豊かな人材が不可欠だ。それには高度な教育が必要になる。

?中国の未来を悲観的に見なければならない理由が分かるだろう。都市と地方の教育格差が中国ほどではない日本でも、地方にサービス産業を根付かせることに苦労している。それを考えれば、大卒人口が2%でしかいない中国の農村にサービス産業を育成することは不可能に思える。

岐路に立つ中国

?マクロな観点から見ると、戸籍制度によって都市住民と農民を峻別した中国は工業化に適した社会であった。しかし、農村部でサービス産業が発展し難い社会になっている。その結果として、米国を上回るような国になることができない。

?米国は田舎にもそれなりに教育が行きわたり、規制緩和が進み、言論や報道の自由もある。サービス産業が発展するインフラが整っている。それに対して、中国の農村部は教育の普及が著しく遅れ、かつ規制が多く、言論や報道の自由がない。そんな状況でサービス産業が発展することはない。

?農村部の教育に多額の投資をするなどして格差の縮小に勤めれば、少々回り道になっても中進国の罠にはまり込むことなく、少しずつ成長を続けることができるだろう。しかし、農民を馬鹿にして彼らを低賃金労働者としてしか見ないような態度を貫けば、中国がこれ以上に発展することは難しい。

?工業化が一段落した現在、中国はまさに岐路に立っている。2016年は中国が今後どのような道をたどるかを見極める上で重要な年になるだろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45733



中国の鉄鉱石輸入が12月に急増、過去最高に−価格下落が追い風
2016/01/13 21:32 JST
    (ブルームバーグ):中国の鉄鉱石輸入は昨年12月に急増し、過去最高に達した。一方、国内での需要縮小を背景に生産がだぶついた鉄鋼の輸出も膨らんだ。
13日に公表された税関統計によると、12月の鉄鋼石輸入量は前月比17%増の9627万トン。通年の輸入量は2.2%増の9億5272万トンで、やはり過去最高となった。
この統計は英・オーストラリア系のリオ・ティントやBHPビリトン、ブラジルのヴァーレが中国で市場をシェアを拡大しつつあることを示してもいる。
船舶ブローカー、バンケロ・コスタの調査責任者ラルフ・ レシュチンスキ氏は「中国はオーストラリアやブラジルから安く鉄鉱石を手に入れられるため、国内の供給需要が低下した」と指摘、中国国内の鉄鉱石生産は8%減少したと見積もった。また「鉄鉱石価格と輸送料が考えられないほど安いので、鉄鋼生産は増え続け、国際市場にあふれている」と述べた。
中国の鉄鋼各社は縮小する国内需要を補おうと、記録的な水準で輸出を続けている。鉄鋼製品の輸出は12月に前月比11%増の1066万トンと、統計上2番目の多さだった。通年では20%増の1億1240万トンで過去最高。中国は世界全体の鉄鋼のほぼ半分を生産し、海上輸送される鉄鉱石の3分の2以上を購入している。
原題:China’s Iron Ore Imports Surge to Record as Prices Hammered (2)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Jasmine Ng jng299@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Jason Rogers jrogers73@bloomberg.net
更新日時: 2016/01/13 21:32 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O0W3576S972A01.html

中国貿易額減 内需、輸出入落ち込み 世界経済に影響も

毎日新聞2016年1月13日 22時38分(最終更新 1月13日 22時38分)
アメリカ
経済政策・財政
速報
経済
 【北京・井出晋平】中国の2015年の貿易総額が、6年ぶりに減少した。欧州などの景気低迷で輸出が減少したことに加え、中国国内の内需も振るわず、輸入も落ち込んだのが要因。今後も人件費の上昇や景気減速が続くとみられ、拡大を続けてきた中国の貿易は曲がり角を迎えたと言える。一方、世界最大の貿易国・中国の変調は、世界経済の先行きに影響を及ぼす可能性がある。

 「15年の我が国の貿易は、複雑で厳しい1年だった」。13日、記者会見した中国税関総署の報道官は、そう話した。同署が同日発表した15年の貿易統計によると、輸出と輸入を合わせた貿易総額は、前年比8%減の3兆9586億ドル(約463兆円)となった。減少は、リーマン・ショックの影響があった09年以来だ。

 最大の貿易相手である欧州連合(EU)向けや日本向けの輸出が減少した影響で、輸出は2.8%減の2兆2765億ドルとなった。

 一方、輸入も、14.1%減の1兆6820億ドルと大幅に減少した。国際的な資源価格の下落で原油などの輸入額が減少したこともあるが、工作機械や自動車部品、液晶パネルなどの輸入も落ち込み、内需の低迷ぶりを裏付けた形となった。

 中国の貿易総額は、01年末の世界貿易機関(WTO)加盟後、09年を除き、11年まで毎年2桁の伸びを示してきた。12年以降は伸びが鈍化したものの、中国は13年にモノの貿易で米国を抜いて世界一になった。

 しかし、中国国内の人件費の上昇で輸出競争力が低下しており、安価な製品を大量に輸出する仕組みが成り立ちにくくなっている。また、国内景気の減速で、世界中から大量に資源を輸入する構図も変わりつつある。中国の需要減少は、資源価格の下落に拍車をかけており、産油国や資源国の景気を下押しする可能性もある。

日本企業「減速警戒」「下支え期待」

 中国の15年の貿易総額が6年ぶりに前年割れになったことを受け、日本メーカーの間では改めて中国経済の減速を警戒する声が上がった。ただ、「今後、公共事業などで景気は下支えされる」と期待する見方も出ている。

 「中国での需要が想定以上に弱含んでいる。業績への悪影響が少なからず出そうだ」。中国にスマートフォンの部品を輸出する日本の大手メーカーの関係者は警戒感を強める。

 同社は16年3月期で中国向けスマホ部品の販売拡大を見込んでいたが、昨年夏以降、需要が減少。関係者は「中国は巨大な市場で事業から撤退することはないが、景気の動向を注視したい」と気を引き締めた。

 建設機械大手のコマツでは、11年ごろから中国向けの売り上げが低迷。工場やビルなどの土木事業に使われる建設機械の販売状況は景気の先行指標とも言われ、同社は「今年も下落基調は変わらず、前年同期比で4?5割程度の売り上げ減を見込んでいる」と説明。ただ、建機業界の関係者によると、地方政府で公共事業の予算を拡充する動きも出始め、景気下支えに向けて明るい兆しもあるという。

 三井物産の中国現地法人「三井物産有限公司」の小泉芳雄・経済研究部部長は「中国は金融緩和などで景気を下支えしながら構造改革を進め、『世界の工場』から『消費大国』に生まれ変わろうとしている。(景気動向だけでなく)日本企業はこうした変化に対応できるかが問われている」と指摘している。【永井大介、片平知宏】

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原油先物相場
NY 12年ぶり30ドル割れ 中国の景気減速影響
http://mainichi.jp/articles/20160114/k00/00m/020/121000c

中国の12月貿易統計、輸出は前年比1.4%減 輸入7.6%減
[北京 13日 ロイター] - 中国税関総署が13日発表した2015年12月の貿易統計は、輸出が前年同月比1.4%減となり、減少率が市場予想の8%を大幅に下回ったほか、11月の6.8%から縮小した。

中国当局が昨年終盤に人民元急落を容認したことで輸出が押し上げられた可能性もありそうだ。

輸入は7.6%減。14カ月連続のマイナスとなったものの、市場予想(11.5%減)ほど悪くはなかった。11月は8.7%減だった。

貿易収支は600億9000万ドルの黒字。黒字額は市場予想(530億ドル)を上回ったほか、11月の541億ドルから拡大した。

野村はリサーチノートで「12月の貿易統計は全体として、低水準ではあるものの、経済の安定化を示す一段の兆候となった」と指摘。「しかし、進行中の構造的な逆風を考慮すれば、成長の下向きトレンドが年内に再び見られると予想している」とした。

一方、人民元建ての貿易統計は、輸出が前年同月比2.3%増、輸入が4.0%減となった。貿易収支は3821億元の黒字。

税関総署によると、2015年通年の輸出は前年比1.8%減、輸入は13.2%減となった。貿易収支は3兆6900億元の黒字。

同国の15年第4・四半期の経済成長率は世界的な金融危機以降で最も低い水準になるとみられ、景気の急減速を回避するために一段の政策措置を求める声が強まりそうだ。

税関総署の当局者は、外需の低迷により、16年の中国の貿易が困難に直面する可能性があると指摘。15年の輸出低迷は、外需の弱さが主因の一つだったと述べた。

人民元の下落については、輸出を刺激し輸入を抑制するが、輸出への影響は時間の経過につれて薄れるとの見方を示した。
http://jp.reuters.com/article/china-y-idJPKCN0UR09520160113


ブラジルでカーニバルが続々中止
深刻な不況が予算を直撃、サンバパレードどころじゃない
2016.1.14(木) Financial Times
(2016年1月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

リオのカーニバル、サンバのリズムで最高潮に
昨年のリオのカーニバルには100万人近い観光客が殺到した〔AFPBB News〕
?胸の飾りを仕舞い、山車も片付けるように。カーニバルは中止された――。

?ブラジル各地の町や市で、何よりも大事な年中行事であるカーニバルのパレードの中止を強いられるところが相次いでいる。少なくとも1930年代以降で最も深刻な景気後退になるだろうと予想されているためだ。

?この伝統的な祭りが開かれる5日間――今年は2月初めに予定されている――は、ブラジルがトラブルに見舞われていても国民は一息付けるのが普通だ。

?あの2008年の世界金融危機でさえ、人々の意気込みと消費意欲を弱めることはなかった。

?ところが、今回は深刻な景気後退に陥っているうえに失業率とインフレ率が上昇しており、さらにはジルマ・ルセフ大統領の政権がブラジル史上最大の汚職スキャンダルの渦中にあることから、ブラジル国民はパーティーをするような気分ではない。

「救急車購入のためにカーニバル中止」

?サンパウロ州にある人口300万人の街カンピーナスも、祭りの行事を控えめにせざるを得なくなった都市の1つだ。今年は、地元のサンバスクールが集う大人気のパレードを公費で支援するのをやめた。カンピーナス市役所のガブリエル・ラパシ文化部長は、地元企業の業績不振で売上税の税収が急減しており、同市には今年のカーニバルの費用130万レアル(32万2000ドル)を負担する余裕がないと述べている。

?「必須とは言えないサービスを真っ先に削ることになる」と同氏は言う。「我々にしてみれば、2015年も非常に厳しい状況だった。2016年はもっと厳しくなると聞いている」

?カンピーナスから車で2時間のところにあるポルト・フェヘイラでもカーニバルは中止になった。同市は30年以上前にパレードを主催し始めたが、今年は初めて取りやめた。市長はこの決断について、新しい救急車の購入に必要な12万レアルを確保するためだと話している。

?ブラジルの北端に位置するアマパー州の州都マカパと、南端にほど近いラブラス・ド・スルも祭りを延期した。これに続く自治体は今後数週間で増えると見られる。

?街中での非公式なパーティーは予定通り行われる見込みだが、お祭りムードは例年よりも弱まりそうだ。

?快楽主義的なカーニバルのお祝いは、ブラジルでは最も重要な休日だと考えられている。

?昨年には、華やかなパレードをひと目見ようと100万人近い旅行者がリオデジャネイロを訪れた。

?市街は陽気に騒ぐ人々で埋め尽くされるが、ほとんどの都市では、複数のサンバスクールが地元の自治体から資金援助を得て行うパレードが祭りのハイライトになっている。

お面やコスチュームの生地も販売不振

?カーニバル用のお面作りではリオデジャネイロ最大級の規模を誇るコンダル社のオーナー、オルガ・ヴァレス氏は、今年は祭りを控えたこの時期に売上高がほぼ3分の1落ち込んでいると打ち明けた。同氏は1994年にスペインから渡ってきたが、これほどひどい年は記憶にないという。

?「ここの景気は、ほとんどの人が想像している以上に悪くなっている。うちで4万レアルとか5万レアル使ってくれていたお店が、今じゃ3000レアルの注文しか出してくれない」とヴァレス氏は言う。

?年間9万着超のコスチュームの布地を供給しているカルナバル・ストアという会社をサンパウロで経営するクラウディア・サクラバ氏は、今年は売上高が15%減って十数年前の創業以来最も厳しい年になりそうだとこぼしている。

?「私の近所でも、本当にたくさんのお店がつぶれていますよ。不景気のせいでね」

?ブラジルの政治・経済の将来を見にくくする不確実性に加え、通貨レアルの下落も輸入される布地の価格を押し上げている。

?世間の空気が重苦しいことは、ジェトゥリオ・ヴァルガス財団算出の消費者信頼感指数がここ数カ月間で最低値を何度も更新していることからも明らかだ。ルセフ大統領の支持率も同様な軌道を描いている。

?「マイナス成長が続き、失業率が上昇し、2ケタのインフレが続くという機能不全を起こしたマクロ経済が不安感をもたらしている」。ゴールドマン・サックスの中南米担当チーフエコノミスト、アルベルト・ラモス氏はそう分析する。

?ブラジルの中央銀行が複数のエコノミストを対象に行った調査によれば、ブラジル経済は2015年に3.7%縮小した。今年はさらに2.99%縮小すると見込まれている。

ブラジルが自ら招いた経済問題

?景気不振に対する国民の怒りは殊のほか激しくなっている。ブラジル国民の多くは、足元の経済問題は自ら招いたものだと考えているからだ。

?ルセフ氏の与党・労働党はコモディティーブームによる収入増で大胆になり、政権を握っていた過去13年間の大半でポピュリスト的な財政拡張政策を推進した。

?しかし、持続可能な経済成長に必要な大規模な構造改革だとエコノミストらが見なす施策については、無視してきた。

?気前のよい財政政策は数百万人の国民を貧困から救い出すのに貢献し、貧しい国民に力を与えた。だが、コモディティー価格の急落に弱いという経済の体質には手が付けられなかったため、今回の危機に至る道を拓く要因にもなった。

?財政赤字拡大への懸念が広がる中、格付け会社のフィッチは先月、ブラジルの信用格付けを投機的なレベル(ジャンク級)に引き下げた。これにより、ブラジルの債券をジャンクと見なす大手格付け会社は2社になった。ルセフ大統領は弾劾手続きにも直面しており、国営石油会社ペトロブラスでの大規模な汚職疑惑においては、連立政権の閣僚の名前が数多く取りざたされている。

不況深刻、五輪に波及=支持率低迷で混乱拍車−苦境の大統領、就任1年・ブラジル
ペトロブラスのスキャンダルや弾劾手続きに苦しめられているジルマ・ルセフ大統領〔AFPBB News〕
?ブラジルの貧しい人々は昔から、カーニバルには自分の英雄(ヒーロー)のお面をかぶる。ルセフ大統領や、その前任のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ氏もそうした英雄に数えられる。

?しかし前出のヴァレス氏によれば、飲んで歌って大騒ぎする人々の間では、この2人でさえも人気がない。

?「うちで売れているのは魔女とモンスターのお面だけ」と同氏は言う。「今年は、政治家にとって良い年じゃありませんね」

By Samantha Pearson in Sao Paulo

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45768

 


中国を追い、周辺国が潜水艦を相次ぎ増強
日本の技術を安全保障協力の柱に
2016年1月14日(木)長尾 賢


図1:関係国配置図
 昨今、日本の周辺地域で潜水艦の数が増えている。以下の図2から4は、1990年代から2020年代までの、各国の潜水艦保有数の動向(計画も含む)をまとめたものである。東シナ海沿岸国、南シナ海沿岸国、インド洋沿岸国に分けてまとめてみた。米国と中国はすべての地域にかかわるため図5として別にまとめている。
 こうしてみてみると、どの地域も潜水艦の数が増えていることが分かる。東シナ海周辺国の潜水艦は、1990年代から2015年の間に2倍弱(19→34隻)に増えている。各国の導入計画がその通りすすめば、2020年代には4倍近く(72隻以上)になる可能性がある。南シナ海周辺国の潜水艦も、すでに3倍(6→18隻)まで増えており、2020年代には6倍以上(38隻以上)になる可能性がある。インド洋も同様だ(36→41隻)。2020年代には1.5倍弱(51隻以上)になるかもしれない。

図2: 東シナ海沿岸国・地域の潜水艦保有数動向
参照: The International Institute for Strategic Studies, “The Military Balance”ほか、報道など

図3:南シナ海沿岸国の潜水艦保有数推移
参照: The International Institute for Strategic Studies, “The Military Balance”ほか、報道など

図4:インド洋沿岸国の潜水艦保有数推移
参照: The International Institute for Strategic Studies, “The Military Balance”ほか、報道など
 米国と中国はどうだろうか。図5はそれを表したものだ。意外なことに両国とも潜水艦を減らしている。米国は127隻から73隻へ、中国は94隻から70隻になっている。ただ、米中のデータには注意が必要だ。新しく増やした潜水艦の数に限って見ると、米国は11隻、中国は41隻で事情が大きく違う(図6)。もともとあった米中の大きな実力差は、年とともに縮まりつつある。実際、米海軍幹部は米下院軍事委員会で、中国海軍の潜水艦保有数は2015年2月の段階で米海軍を上回ったと報告している(注1)。

図5:米中の潜水艦保有数推移
参照: The International Institute for Strategic Studies, “The Military Balance”ほか、報道など。中国の2020年代の潜水艦保有数については不明。

図6:2000〜2014年の各国の新規潜水艦配備数
参照: The International Institute for Strategic Studies, “The Military Balance”ほか、報道など
(注1)「中国の潜水艦保有数、米国を上回る=米海軍幹部」(ロイター、2015年2月26日)
※この報告では米国の潜水艦保有数は71隻になっている。
なぜ潜水艦?
 各国はなぜ潜水艦戦力を増強するのであろうか。潜水艦の特徴は少なくとも3つある。
 1つ目は、潜水艦が純粋に国家を相手にした軍事用の武器であることだ。人道支援や災害派遣では役に立たない。2つ目は、潜水艦は軍事用としてはコストパフォーマンスがよいことである。潜水艦は隠れ、敵を待ち伏せて戦う。敵の海軍は、潜水艦がどこにいるのかわからないので不安になる。不安になると、行動が慎重になる。つまり潜水艦は、隠れているだけで抑止力を発揮する。だから小さな海軍でも、潜水艦を保有していれば、大国の海軍にプレッシャーをかけることができる。
 3つ目は、潜水艦が相手国の軍事情報を収集する手段として有用なことだ。潜水艦は隠れて情報収集ができる。秘密の多い国際情勢の中で、正確な情報を把握するには、潜水艦による情報収集が有用だ。
 つまり、潜水艦を増強している国は、強大な国家を対象として抑止力を発揮すること、そして、情報収集を目的としていることになる。まず米海軍に対抗しようとして中国海軍は潜水艦を増強した。その潜水艦は、東シナ海、南シナ海、インド洋でまでも活発に活動するようになった。その結果、中国海軍に対抗しようとして、中国の周辺国も潜水艦を増強したのである。だから2000年代後半以降、中国の海洋進出が活発化すればするほど、各国の潜水艦保有計画にも拍車がかかり、ますます増加する傾向になっているのだ。
拡大する潜水艦輸出競争
 現在、この潜水艦競争は、新たな段階に入り始めている。それは、輸出競争だ。中国に対抗しようとする中国の周辺国は、潜水艦を輸入して増強した。例えばベトナムはロシアから潜水艦を輸入し、訓練はインドに依頼している。
 これをみた中国は、インドの周辺国に潜水艦を輸出し始めた。具体的には、パキスタンへ8隻、バングラデシュに2隻の輸出を計画している。インドが海軍を動かす際に、周辺国の潜水艦がどこにいるかは、常に心配になる。中国としては、潜水艦を輸出することでインド海軍の動きを抑えることができる。中国は今後、パキスタンが原子力潜水艦を保有する計画も支援する可能性がある。
 このような動きに対して、インドは米国から対潜水艦用の哨戒機を輸入するなどして対抗している。インドはロシアからリースしている原子力潜水艦をもう1隻増やして、2隻体制にする予定だ。さらに国産原潜9隻も建造予定で、1隻目が就役に近づいている。潜水艦の輸出入は、競争激化する地域の防衛力近代化競争の象徴的存在になっている。
日本にとって鍵になる潜水艦外交
 ここからいえることは何か。まず、米国に比べ、他の国が潜水艦戦力を増強していることは、米国の存在感がそれだけ落ちていることを示している。第2に、潜水艦を増強していることは、国家間のパワーゲームが激化していること、特に中国と、その影響力拡大を懸念する国々との間で競争が高まり始めていることを示している。第3に、このような環境の中で、潜水艦輸出が外交カードとしてより影響力を増しつつあることも示している。
 こうしてみると、日本の存在は重要性を増している。日本は優れた潜水艦を保有する国であり、現在、潜水艦戦力を18隻から24隻へ増強している最中だ。そして、その潜水艦を友好国との協力増進のために使い始めている。具体的にはオーストラリアへの輸出を決めた(注:日本はオーストラリアから受注してはいない)。中国の急速な海軍力近代化に対抗して、日米豪で協力してパワーバランスを維持しようとする努力の一環だ。
 中国が潜水艦を増強する速度は速いことから、今後、日本は、友好国とのより緊密な協力が必要になる。そのためには、オーストラリアだけでなくインドや東南アジア各国に対しても、協力を促進する必要がある。具体的には、潜水艦や哨戒機、潜水艦探知用のソナーなどを含めた輸出、運用ノウハウの共有、潜水艦を使った共同訓練、情報共有などが挙げられるだろう。日本にはすぐれた戦力、人的・技術的基盤があるのだから、それを外交カードとしてどれだけ生かすことができるか、日本の政治力が問われている。



日印「同盟」時代
 日本とインドの安全保障関係が進展している。2005年以降、首相が相互訪問。2012年には海上合同演習も始まった。そして2014年にはインド共和国記念日の軍事パレードの主賓として、安倍晋三首相が招かれた。従来にはなかった動きだ。日印関係に何が起こっているのか。そこにどのような可能性があるのか。このコラムで検証する。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/261283/011200003/?ST=print


3. 2016年1月14日 06:26:46 : Qk0z0gVGLY : lQZkNLxHm_4[83]
そろそろ学校の外国語教育も見直しだな。

なぜ今まで英語だったか?それは覇権国家米国が英語を使用していたから。
中国が覇権国家になれば?当然外国語教育も英語から中国語になる。
いつ中国が覇権国家になるか?2024年に中国がGDP世界一となる予想。そこから。

イギリス覇権の前はオランダが覇権国家だった。日本人もオランダ語を勉強した。
江戸時代から幕末初期にかけてはオランダ語だったんだよなあ。

当然中国市場で早く成果をあげた会社が勝ち組になる。かわいそうに、ネトウヨは
中国嫌いのため中国市場に打って出られず、負け組みとなる。

米国に留学しようとしている諸君、今の時点では正解、まだ米国には知識の蓄積が
ある。しかし、それを使う場所は、米国ではなく中国。米国で学び、中国で活かす。


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