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1月12日、石油輸出国機構(OPEC)の加盟各国がさまざまな意見対立をいったん脇に置いて大幅な減産に合意しなければ、世界的な供給過剰の継続と中国経済の先行き不透明感の強まりを背景に、20ドルの局面が現実化してもおかしくない。写真は2013年、ウィーンのOPEC本部にある同機構のロゴ(2016年 ロイター/Leonhard Foeger)
コラム:現実味増す原油20ドル、OPEC大幅減産の条件
http://jp.reuters.com/article/opec-nigeria-breakingviews-idJPKCN0UR0C020160113
2016年 01月 13日 13:11 JST
[ロンドン 12日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 原油価格が1バレル=20ドルになるというのは、掛け値なしの予想だ。石油輸出国機構(OPEC)の加盟各国がさまざまな意見対立をいったん脇に置いて大幅な減産に合意しなければ、世界的な供給過剰の継続と中国経済の先行き不透明感の強まりを背景に、20ドルの局面が現実化してもおかしくない。
逆にロシアなどOPEC非加盟の有力産油国の協力があれば、大幅減産は可能になる。
北海ブレント先物は年初来で15%も下落し、いくつかの大手銀行は価格見通しを下方修正している。モルガン・スタンレーは現在、原油価格が人民元安とイランからの新規供給で20ドルまで下がる恐れがあると予想。ゴールドマン・サックスも昨年11月に似たような見解を表明した。OPEC内でも弱小加盟国は不安を抱いている。
ナイジェリアの石油相が12日に発言したように、一部のOPEC加盟国は公然と臨時総会の開催を要求している。ただし最有力加盟国のサウジアラビアや同国と親密な関係にあるペルシャ湾岸諸国が首を縦に振らない限り、臨時総会が開かれる公算は依然として乏しい。
臨時総会を阻んでいるのは、サウジとイランの関係悪化ではなく、ロシアの存在だ。ロイター調査によると、OPEC非加盟ながらも世界最大の産油国であるロシアは今年、日量1100万トン近くと旧ソ連崩壊後の最高水準まで生産量を拡大すると見込まれる。
だからOPECにとっては、自分たちが減産してもロシアが追随しなければ、市場シェアを失うリスクがある。事情に詳しい関係者の話では、もしもロシアの同意があったなら、昨年12月のOPEC総会で有力加盟国は日量200万バレルの減産を受け入れただろうという。
一部加盟国は減産の議論を続けているが、原油市場に効果を及ぼすには恐らく300万─400万バレルの減産が必要になるとみられる。
こうした大幅で協調的な減産が実施されれば、原油価格はすぐさま安定化する。しかしもしもOPECがロシアと事前に合意せずに臨時総会を開いたとすれば、価格は下げ止まりそうにない。次の動きは、ロシアがどんな手を打つかになってくる。
●背景となるニュース
・ナイジェリアの石油相は12日、OPECの一部加盟国が価格下落に対応するための臨時総会開催を要請していると語った。
・原油価格は、モルガン・スタンレーが人民元安とイランからの新規供給で1バレル=20ドルまで値下がりする恐れがあると警告し、下げ幅が拡大した。
・OPECは昨年12月の総会で減産を合意できず、生産枠も決められなかった。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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