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中国人民元 真の国際通貨への道のりは
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160110-00010000-wedge-cn
Wedge 1月10日(日)9時10分配信
11月30日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は社説で、中国は、人民元がSDRバスケットの構成通貨となった今、金融システムを開放し、人民元を真の国際通貨としなければならない、と述べています。
■象徴的意味合いにすぎぬSDRへの追加
すなわち、IMFは11月30日、人民元をSDRのバスケットに加えると発表した。これは、中国が世界最大の貿易国にふさわしい、より大きな役割を果たすことへの期待を示す象徴的な道標である。しかし、人民元が真の国際通貨になるためには、中国は金融システムをもっと開放しなければならない。
公式には、中国は、元の国際的使用についての制限の多くを取り除いた。しかし、実際には、元の供給は限られている。真の準備通貨は自由に集積される。そのためには、経常収支または資本収支、あるいは双方が赤字になる必要がある。外国人が元を保有するためには、中国は輸入超過になるか、資本が海外へ純流出されなければならない。
資本勘定を開放すると、資本が海外に流失し経済を不安定化させる危険がある。しかし、貯蓄者がより高い収益を求めて資金を動かすことは、経済全体に規律を課す。企業は資本に市場の決める金利を払わなければならないからである。
中国が中所得国の罠から逃れ、投資の増大ではなく生産性の上昇によって成長しようとすれば、この規律を歓迎しなければならない。そのためには、銀行の貸し出しの決定に対する政府の干渉を止め、溜まった不良債権を一掃しなければならない。
中国が求めていたIMFのお墨付きを得た今、習近平は人民元の真の国際化を目指すかどうか決める必要がある。その回答如何で中国の経済改革の道筋が決まる、と述べています。
出 典:Wall Street Journal ‘The Yuan and Chinese Reform’(November 30, 2015)
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■リスク免れ得ぬ真の国際通貨への道のり
人民元がSDRに採用されたからといって、真の国際通貨になったわけではないというのは社説の言う通りです。
元のSDRへの採用は、象徴的な意味合いが強く、中国がIMFから経済大国としてのお墨付きをもらったことになります。特に、元がSDRのバスケットの中で、ドル(41.73%)、ユーロ(30.93%)に次ぎ第3位の通貨(10.92%、ちなみに円は8.33%で4位、英国ポンドは8.03%で5位)となったことで、中国は威信が高まったとして喜んでいるのでしょうが、元が真の国際通貨としてのお墨付きをもらったわけではありません。
元は、これから、SDRの第3の通貨にふさわしい、真の国際通貨になることが求められます。中国は依然として資本流入や為替相場を厳しく制限しており、元が真の国際通貨となるためには、これらの制限を緩和していかなければなりません。
しかし、それはリスクを伴うものであり、成長が減速する中で、中国政府がそれを着実に実行するのは容易なことではありません。現に中国政府は、資本流出の悪化を懸念して、2015年末までとしていた市場開放拡大の期限を2020年末に先送りしました。
この先送りは、主として経済的考慮からなされたものですが、より基本的には、元を市場原理に任せるということと、政府がすべてを主導しようとする政治体制との間の相克があります。市場原理に任せるということは、政府が規制、介入をしないということです。非常時の介入は別で、非常時には西側経済でも介入があり得ます。しかし、通常時においては、中国政府は資本の流出入や為替への介入を極力抑えるのみならず、中央銀行の独立性の尊重、銀行部門の適切な監督などが要請されます。習近平体制がどこまで本気でそれらをするつもりか。元が真の国際通貨になる道のりは平坦ではありません。
岡崎研究所
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