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暖冬でも懐は寒い(C)日刊ゲンダイ
指数つるべ落とし 「実質賃金」3年間でこれだけ悪化した
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/173116
2016年1月10日 日刊ゲンダイ
実質賃金が5カ月ぶりにマイナスへ逆戻りした。8日厚労省が公表した毎月勤労統計調査(速報)によると、物価の影響を差し引いたあとの実質賃金が、11月は前年同月比0.4%減だった。
「昨年7月以降、プラス圏で推移していたこと自体が不思議です。この間も、肉や野菜など生鮮品の値上がりは凄まじく、実質賃金がアップした印象はなかった」(市場関係者)
実際、生鮮品の値上がり率を調べてみると、7月7.3%、8月7.6%、9月3.6%、10月9.6%だった(総務省の消費者物価指数から)。
これほど生鮮品が急騰したのに、サラリーマンの月給は気持ち程度の増加に過ぎなかった。7月0.7%増、8月0.4%増、9月0.4%増、10月0.7%増で、どの月も1%にすら届いていない(毎月勤労統計調査から)。金額にすると1000円程度の上昇だ。
「どう考えても出費増になった家庭が多いように思う」(スーパー関係者)
安倍首相や日銀の黒田総裁は、大手企業に対し執拗に「賃上げ」を要請しているが、効果はまるで上がっていない。
毎月勤労統計で公表される実質賃金指数の推移を見ると、それがよく分かる。この数値は2000年(年平均)を「100」として算出している。8日発表の15年11月は82.9だった。
「ボーナス月にあたる6月と12月に指数がハネ上がるので、他の月はかなり低めの数値が出ます。それにしても、ここ数年は低迷ぶりが目立ちます」(大手シンクタンクの関係者)
アベノミクスのスタートは12年暮れ。実質賃金指数(年平均)は、12年99.2、13年98.3、14年95.5と確実に下がっているのだ(別表参照)。15年は12月分が判明していないため、上期(1〜6月)で比較したところ、89.2だった。12年上期の93.8から毎年下がり続けていた。
「実質賃金指数を見る限り、賃上げ効果はゼロです」(前出の関係者)
政府・日銀の「賃上げ要請」など何の役にも立っていない。
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