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1月8日、政府は年初の株安・円高現象に対し、当面は静観する構えだ。複数の政府関係者がロイターの取材に答えた。2014年12月撮影(2016年 ロイター/Thomas Peter)
アングル:政府は株安・円高を当面静観、参院選視野に追加対策の検討も
http://jp.reuters.com/article/jpeco-election-idJPKBN0UM0GY20160108
2016年 01月 8日 14:59 JST
[東京 8日 ロイター] - 政府は年初の株安・円高現象に対し、当面は静観する構えだ。複数の政府関係者がロイターの取材に答えた。市場混乱の大きな要因である中国経済は、当局のテコ入れ策で緩やかな回復基調となっており、原油安は交易条件の改善によって日本経済にプラスとみているためだ。今後は春闘での賃上げを期待しつつ、7月参院選前に打ち出す追加対策の検討を水面下で進めている。
<中国不安は昨夏に経験済み、緩やかな回復変わらず>
「昨年の状況との違いは2つだけ」──。政府高官の1人は、北朝鮮の核実験と、イラン・サウジアラビアの関係悪化が、日本経済にとって新たな材料だとみている。
中国経済への不安による株価下落や円高進行は、昨夏の上海株ショックで経験済みであり、その後に中国政府が打ち出した経済対策の効果もあって、中国経済は緩やかな成長を続けており、市場が警戒するような経済の「急停止」によるショックのリスクは小さいとみている。
一方、新しい問題として浮上した中東情勢の緊迫化は、サウジとイランの増産競争を予見し、価格下落が継続。それが市場ではリスクオフの象徴とみなされ、株安・円高の材料にされている。
甘利明経済再生相も8日の会見で、原油価格の下落が続いていることについては「世界経済全体を見ればよいことでない」と述べた。
もっとも日本の実体経済に関して言えば、原油価格下落の恩恵は大きい。政府の来年度経済見通しでは、原油価格の前提は1バレル40ドル台が前提。ある政府関係者は、現状の30ドル台での推移ならば、交易条件の一段の改善により日本経済にとっては名目GDP押し上げ要因となるとの見方を表明。甘利再生相も日本経済には、交易条件の改善でプラスとの見解を示した。
<選挙前の景気回復は至上命題>
ただ、不安な点もある。地政学リスクなどが障害となって、昨年後半から回復してきた実質輸出が打撃を受けかねないことだ。
2015年10─12月期の国内総生産(GDP)について、一部報道で活況と伝えられた年末商戦に期待を寄せる声も政府内にはある。
しかし、個人消費は昨年11月まで不振を続けており、10─12月期GDPがプラス成長になるのか、予断を許さないと複数の政府関係者は述べている。
こうした中で、政府の政策判断に大きく影響しそうなのが、7月の参院選だ。景気が低迷したまま選挙戦に突入すれば、野党側の格好の攻撃材料になり、政府・与党にとって避けたい展開だ。
政府は2015年度補正予算案で「1億総活躍社会」実現のための施策や環太平洋連携協定(TPP)対策、災害復旧公共工事など計上。「スタートダッシュを図る」(安倍首相)計画だが、予算執行と経済効果が出るまでの「時間差」を考えると、7月にその効果を実感するのは難しそうだ。
そこで「政権にとって選挙に向けたカギは、4月以降の賃上げ」(政府関係者)との見方が広がってきた。
ただ、経済界首脳の発言などから正規社員のベースアップを含む賃上げへの期待感はそれほど高まっていない。
足元での株価下落・円高進行が持続すれば、企業や消費者のマインドを冷え込ませ、賃上げ率が昨年を下回る可能性も否定できないとの見方も、政府内の一部でささやかれ始めた。
その一方で、別の政府高官の1人は「期待しているのは非正規労働者の賃金上昇だ」と指摘。労働者数全体の4割近くを占める非正規社員の賃金は人手不足により毎月上昇。「ある意味ボトムアップが先行しており、格差是正が縮小しつつある。最低賃金引き上げもそのために実施、非正規の賃上げはいずれ正規社員にも波及するはず」と期待感を示している。
<10%消費増税への対応策、水面下で検討>
こうした中で、17年4月の消費税10%引き上げに向け、水面下で追加の経済対策を検討する動きもある。
すでに低所得高齢世帯へ3万円を一律支給することは、補正予算で手当て済みだが、耐久消費財の駆け込み消費後の反動減対策として、自動車や住宅向けの税制改正、補助金支給などの追加策が検討されている。複数の関係筋によると、6月の骨太方針に盛り込む方針だ。
政府内では「まだ今年は始まったばかり。金融市場が敏感に反応している、この数日の動きだけで、今年の選挙までの景気を心配しても仕方ない」と話す。
政府としては、世界的なリスクオフの動きが落ち着きを取り戻すことを待って、実体経済への影響を見極める構えだ。
(中川泉 編集:田巻一彦)
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