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中国経済はどこへ向かうのか? 発展と貧困併存(Wedge)
http://www.asyura2.com/15/hasan104/msg/121.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 31 日 09:22:30: igsppGRN/E9PQ
 

              上海市長寧区の貧困地区。古くからの個人店が立ち並ぶ(iStock)


中国経済はどこへ向かうのか? 発展と貧困併存
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151231-00010002-wedge-cn
Wedge 12月31日(木)9時0分配信


 2015年の幕が閉じようとする中国社会では、二つの相反するニュースが人々の話題をさらった。


■格差社会の相反する現実に揺れる中国


 1つ目は12月上旬のことだ。四川省欅枝花市の25歳のタクシー運転手が借金を苦に川に身を投げるという事件が起きた。こうした事件は中国では決して珍しくないが、このニュースが全国区となるきっかけがあったからだ。それは、水死体となった息子の遺体が見つかったものの、貧しい農民である両親がそれを引き上げる費用をねん出することができず、ずっと遺体を放置したまま岸部で泣き続けるという問題が起きたからだった。


 当初、付近の漁民たちが提示した金額は1万8000元(約36万円)だったが、事情をかんがみ交渉の末に8000元にまで値は下げられたというが、それでも両親は払うことができなかったという話だ。


 地元の『華西都市報』などが大きく伝え、貧困の現実に多くの中国人が震えた。


 そして2つ目は12月14日、『経済参考報』が伝えた記事で、タイトルは〈(著名な経済学者)林毅夫が予測 2020年には中国人1人当たりのGDPは1万2615ドルに達する〉だった。


 高速成長の時代を過ぎ経済の停滞期を迎えたとされる中国だが、“中所得国の罠(1人当たりのGDPで3000ドルから1万ドルの間の国が急速に落ち込むことを指す)”を脱し、先進国の仲間入りをするとの予測を紹介した記事である。予測したのは北京大学国家発展研究院の教授である。中国の現在(2014年)の1人当たりのGDPが8280ドルであるから、単純に5年後に1・5倍となる計算だ。


 前者の視点で材料を集めれば、明日にでも中国が崩壊に向かうという記事を書くことは簡単であり、その逆もまた真なりである。その意味では来年もまた無責任な崩壊論と礼賛論が中国の周りではかまびすしくなることだけは確かなようだ。


 そうした雑音はさておき、2つのニュースが示しているように2つの相反する事実に中国が揺れていることは間違いない。そして大きな難題を抱えた習近平指導部が、いったいどのように問題と向き合おうとしているのかをみることは、中国の未来を占う上での基本的な態度ということになるのだろう。


■危機感強まる指導部 打ち出した経済の方向性とは



上海のパノラマ(iStock)


 私自身、胡錦濤指導部の時代には、中国が抱える問題の大きさに対して指導部の示した危機感が薄すぎると中国の未来を悲観していたが、習近平の時代になり1日500人以上というペースで党員を処分する取り組みなどに接すると、いまの指導部が強い危機感を抱いていることが理解できた。またそれは国民にも伝わり、社会の空気を変える作用もある程度は果たしている。


 指導部の危機感は、秋に行われた中国共産党中央委員会第5回全体会議(5中全会)で発表された「13次5か年計画(=13・5)」にもくっきりと刻まれている。


 今後5年間の中国経済の方向を決めた「13・5」の特徴は、以下の5つのキーワードで理解することができるとされる。


 1創新(イノベーション)


 2緑色(エコ・環境)


 3協調


 4開放


 5「共享」(利益の平等分配)


 なかでも焦点は5の「共享」とされるが、そのターゲットは貧困である。より具体的には中国になお残る7000万人ともいわれる極貧層(1日1ドル以下で暮らしている人々)があるとされるが、これを5年後に撲滅するというものだ。


 実は、習近平は「13・5」の前から脱貧困については積極的に言及してきていた。現状、貧困の実態に関するニュースがメディアに多く見られるのは、それが一つのトレンドになっているからなのだ。


 目下のところ指導部の意図がどこにあるのか――「貧困層のかさ上げによって新たな発展の余地としようとしているのか」、それとも「社会の安定のためには避けられない優先事項」と考えられたのか――判然とはしない。しかし、少なくとも分配を見直すという方向には向かうことが予測されるのだ。


 この「13・5」を受けて、12月14日に召集された党中央政治局会議では、より具体的に2016年の経済運営のための“10大任務”が確定された(新華社)という。


 ここでそのすべてを記すことはできないので要約を並べて見たいが、特徴は1に個々人のイノベーションを推進し新たな発展につなげることを掲げ、2に企業の淘汰を促しつつ、3に社会保障や税金、電力といったコストを低減してゆくとしている。また、4として不動産に関しては在庫処理に注力しながら出稼ぎ労働者の都市への定着を推進し不動産の取得を促すことを打ち出し、金融では5として効率の良い資金供給のためのインターネットの活用を掲げ、同時に不良債権処理でのハードランディングを避ける6としている。さらに、7で国有企業改革、8で国民生活、9で一帯一路構想の推進、10で外資との協力と知的財産権の保護を打ち出しているのだ。


 これらが中国が今後取り組む優先課題だということだ。逆から見れば、中国がいまどんな問題を抱えているのかが良く伝わってくる内容でもある。


■米国との摩擦の懸念


 1点だけ、このなかに挙げられていないが重要だと思われるのが高付加価値化に向かわざるを得ない中国の道標である。かつて太陽光発電を次の成長エンジンの一つにしようと目標を掲げたときのようにITを重視するかと思われたが、それはどうなったのだろうか。


 実は、この点において懸念されるのは次の発展の場所を中国がITと定めたとき、どうしてもアメリカとの間で深刻な摩擦が起きてしまうとされていることだ。これは太陽光パネルをめぐって、いまは蜜月の欧州との間で深刻な摩擦が発生したことにもつながる問題だ。


 一説には、このところ急速にアメリカ国内で中国警戒論が広がった背景には、シリコンバレーが本気で中国を警戒し始めたことと無関係ではないとも言われる。


 そういった意味で中国は、アメリカとの調整が本格化する1年だということができるのではないだろうか。国際社会における中国の立場を考えてもアメリカとの関係は重要だ。しかもアメリカは大統領選挙の年である。毎回、中国に対する攻撃が最も強まる1年でもある。つまり2016年を位置づけるのであれば、米中関係の調整から目が離せない1年ということが言えるのではないだろうか。


富坂 聰 (ジャーナリスト)



 

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コメント
 
1. 2015年12月31日 10:22:40 : oLShHzBbYM : Eeyw9@1MG64[15]

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45678
岐路に立つ中国経済
「計画中毒」から脱却し、市場化路線を歩めるか
2015.12.31(木) 浜田 宏一
北京や上海のような主要都市は、開発政策の成功を体現している(写真は上海 (c) Can Stock Photo)
 9月初旬、筆者はほぼ10年ぶりに中国を訪問した。前回の訪問からこれほど時間が経っていたため、中国が繁栄したところ――そして、引き続き苦労しているところ――を見て取るのは容易だった。

 中国の主要都市は、ケ小平が1980年代に着手した開発政策の目覚ましい成功を体現している。

 こうした都市はわずか20〜30年で極度の貧困から救い出された数億人の中国人の大半が暮らす場所だ。

 北京と上海は、キラキラ光る超高層ビルが立ち並び、明るいネオンで飾られ、ますます国際化する市民で満ち溢れており、その規模と活力に圧倒されるほどだ。

 こうした活気のある都市の街頭に立つと、中国の国内消費の増加を示す最近の統計をより深く理解することができる。人々は最新の技術を使っており、国際的な高級ブランドの名前の付いたショッピングバッグを抱えている。彼らの繁栄は、ますます豊かになる中国人観光客が「爆買い」に勤しむ東京とソウルの小売りセクターにも反映されている。

ちゃんと機能しない一流ホテルの電話

 だが、筆者が抱いた近代的な資本主義経済の印象はすぐに、北京の一流ホテルのちゃんと機能しない電話によって汚された。ある米国人の友人は、恐らく日本政府の顧問としての筆者の役割のために、電話が盗聴されているのではないかと勘ぐっていた。

 このような主張は、もちろん、控えめに言っても確認するのが難しい。ただ議論の余地がないのは、北京訪問が終わった1週間後に、北京で買い物をするために使った筆者のクレジットカード番号が、ニューヨークの中国系スーパーでの買い物に使われたということだ。

 個人情報の窃盗は決して中国だけの問題ではないが、そのような経験は、中国の技術的な近代化は、規制とデータセキュリティーのインフラを上回るペースで進んでいるのかもしれないという印象を生む。

 そして、空気の質の問題がある。今年、北京は度重なる深刻な大気汚染を経験し、今月は2度「赤色警報」が発令された。筆者が2005年に、第2次世界大戦終結60周年記念の直後に北京を訪れたときは、空は澄んでいた。

 もちろん、10年前にはすでに大気汚染は中国にとって問題だった。

 だが、記念式典の前に、中国政府は(車のナンバープレートに基づき)多くの車の運転を禁止し、選ばれた工場の操業を停止し、一部の企業には一時的に市から移転することを強いた。

中央計画に頼る中国

 このアプローチ――中国経済のような中央計画経済でしか追求できない取り組み――は、一時的な問題の軽減をもたらした。だが、突き詰めると、ほとんど役に立たなかった。実際、問題を覆い隠すことで、効果的な行動を遅らせてしまった可能性もある。

 中国が長期的な進展をもたらせない――場合によっては進展を阻害さえする――短期的解決策を講じるために中央計画を駆使したのは、これが初めてでもなかったし、唯一のケースでもなかった。

 例えば、今年の夏の株式市場暴落は、自然な調整として広く認識されていた。なぜなら、株価は主に政府の介入に駆られる形で、それまでの1年間で経済的なファンダメンタルズに見合う水準を大きく超えるところまで上昇していたからだ。それでも、株価が急落したとき、政府は即座に動き、かなりの数の銘柄の売買を停止し、日本が1990年代に追求したものに似た株価維持対策を実施した。

中国株急落、1200以上の銘柄が売買停止
2015年夏の中国株急落は世界に波紋を広げた〔AFPBB News〕
 このようにして中国政府は大暴落を食い止めることができ、一見すると、統制経済では経済危機や金融危機は起きないというマルクス主義の見方を裏付けたようだった。

 実際、中国の指導者たちは、株価維持対策は結局、自分たちが適切と考える形で株価を操作する効果的なメカニズムだと確信しているように思える。筆者の最近の訪問時に、とある中国政府顧問が言ったように、「株価指数の動きは、経済の実態とは全く関係がない」のだ。

 中国の政策立案者たちが理解していないように思えるのは、そのような介入には重大な長期的代償が伴うということだ。政府がいつ何時でもルールを変えることのできる市場に投資したいと思う人はまずいない。

 為替市場に対する中国の最近の介入も、矛盾したシグナルを送った。

 当局は長年、人民元の国際化を追求する中で、元相場を支える傾向があった。この努力は、「特別引き出し権(SDR)」と呼ばれる準備資産を構成する通貨バスケットに人民元を加えることにした国際通貨基金(IMF)の最近の決定に至った。

自由市場に向かう道を進め

 しかし、株式市場の暴落からほどなくして、当局は人民元の下落を容認した。中国はこの道を歩み続け、自由市場経済で主流な金融政策のアプローチ――物価と雇用の適切な組み合わせの確保を目指したもの――を追求すべきである。

 継続的な元安は、ちょうどアベノミクスを通じた円安が日本を長引く景気後退から脱却させる助けになったように、減速する中国経済に弾みを与えられるはずだ。

 2015年が終わろうとしている今、中国の指導者たちは岐路に立っている。経済を統制しようとし続けるのか、真に市場志向のシステムを築くという約束を最後までやり通すのか決めなければならない。中国のために、そして近隣諸国のために、指導者たちが自由市場に向けた計画を貫くことが望まれる。


2. 2016年1月01日 10:25:30 : 1sxhYW5cvc : L1fYh2PI83c[1]
発展と貧困依存←これはアメリカのことでもありますね。

単なる右翼雑誌 Wedge の記事。


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