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申年は「騒ぐ」
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52758568.html
2015年12月29日 在野のアナリスト
日経平均は2日続伸と、やっと掉尾の一振の買いも入っていますが、秋から頑張ってきた日系、日米合弁系がまた買いを張っており、それが個人の売買を巻きこんで後場、上げ基調になっている形です。ただ今日はTOPIXに郵政3社が組み入れられるイベントの日、買いすすまれるかと思えば、逆に郵政3社は大幅に下げました。今やこうしたイベントは速く動いた者が勝つ状況で、当日は材料出尽くしになってしまう。今や二手、三手どころか、勝負が始まる前から詰みまで読みきっておくような、そんな相場つきに追随できた人だけが儲けを得られる、そんな形になっています。
しかし来年、不安は海外でより大きなうねりを起こしそうです。サウジが今年の赤字と、来年の赤字が10兆円を越す見込みです。原油安の影響で、国債発行を検討としますが、これは産油国の投資マネーが本国に還金される、といった流れを生むでしょう。そして政府系金融の経営危機が囁かれる露国、五輪を控えるブラジルも、すでに国債は投機的に格付けされており、資金調達もままならない。原油安がつづけば、産油国不安が世界を震撼させることも起こり得るのでしょう。
今年の上半期には、邦銀の海外投融資残高が、英国を抜いて1位となりました。しかしこれは欧米の金融機関が手を引き始めたのに、邦銀が出遅れた結果であり、決して好感できる材料ではありません。そして邦銀まで手を引けば、新興国に景気不安が起こるのかもしれません。新興国、資源国、その不安の波が先進国を揺さぶる場面が、来年は増えてくるのかもしれません。
世界経済の問題は、政治も揺さぶるでしょう。英国のEU離脱問題も、来年後半には出てきます。日米ともに選挙年であり、経済が混乱してくると結果にも影響します。極右政党の伸張は、既存の政治への失望の裏返しでもあって、戦後はその失望が共産、社会主義へと向かったように、極端な変化を期待するようになる。米共和党の大統領候補、トランプ氏などまさにその典型です。各国の選挙をみても、戦後つづいてきた政治体制に大きな変化を求める流れは、今後も大きな潮流であって、政治変動が世界に大きな動揺をおこすこともあり得るのでしょう。
すべては既存のシステムの限界が近づいていること、経済にも、政治にも当てはまります。経済は金融緩和という劇薬で、何とか命脈を保ってきましたが、それすら効かなくなったことが、日欧の失敗でみえてきました。そうして経済の成長が止まれば、各国とも国民の生活が苦しくなり、年金システムが崩壊し、社会不安へと直結する。来年、それがすぐ起こるとは思いませんが、見定める年にはなるのでしょう。不測の事態を、今や予測せざるを得ない時代なのかもしれません。
安倍政権を極右とみなせば、日本は世界に先立って政権交代という大きな流れを起こし、失敗した結果として、大きく右にふれた、ともいえます。しかし安倍政権は、既存のシステムを引き継ぐものであり、日本の問題は解決されるどころか、悪化の一途をたどっています。むしろ三段とびぐらいの勢いで、崖を下りるが如く急速に悪化している、とさえ言えるのかもしれません。
相場格言では、申年は「騒ぐ」です。騒ぎ方には何通りかありますが、決してはしゃいで騒ぐような状況ではありません。むしろ「ざわつく」、「騒然」という形が増えることにもなるのでしょう。不測の事態を、どう織りこんでいくのか? 経済も、政治も、その判断次第では「騒動」「騒乱」にまで拡大してしまうことも、起こりえるような状況とも言えるのでしょうね。
今年は今日で終わります。来年は1月4日から再開したいと思います。よい年をお迎えくださいね。
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